これはとある夢のVRMMOの物語。   作:イナモチ

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旅は続くよ、道連れを増やして

【設計王】から完成の知らせが来た。ようやくか。

 

【設計王】が掌サイズの黒い匣を取り出して言った。見た目は怨念の生々しさを感じない近未来感あるキューブだ。

 

「これが【MPブースター】を参考に怨念動力を組み込んだ、怨念変換機だ!」

 

ほう。結構小さく収まってるな。もっと大きくなるものかと思ってたが。

 

「まぁね。ぶっちゃけ安全装置そのものが無いからね!その分だけダウンサイジング出来たよ!」

 

で、どんくらいの出力が出せそうなんだ?

 

「そうだねぇ・・・君の特典武具の怨念の供給量を考えると・・・秒間3000ぐらいかな!」

 

おお!良いね!それで、デメリットの方は?寿命削るアイテムを参考にしているんだろ?

 

「あぁ、うん。」

 

どうした?急に元気が無くなったぞ?

 

【設計王】はそっと机の上に匣を置いて言った。危険物を刺激せずに遠ざけようとする動きに似ていた。

 

「んー。なんというか・・・これ変換効率は完璧なんだけど、欠陥品でね。・・・欠陥品なのかなぁ?突然変異のような・・・?」

 

欠陥品?突然変異?

 

「本来はね。所有者の細胞寿命をゴリゴリ削る予定だったんだけどね?」

 

仕様が変更になったのか?

 

「この匣は周囲の生物を吸い込むんだ。そんな機構、仕込んでないんだけどね?ゴキブリや鼠を素麺のように吸い込む様子は圧巻のスプラッタだった。一度分解しても、吸い込まれた生物は発見できなかったんだ。」

 

んんん?それって・・・

 

「すごく不思議だよね?でも安心して!実験だと人間サイズは吸い込まないから!」

 

「なんか知らんけど生物を喰った」って言えよ!!ソイツ、絶対自意識目覚めてるだろ!?

 

【設計王】がヤケクソになった。もうどうにでもなれと思ってすらいた。

「自我が芽生えてても特にリスクも無く使えるんだから良いじゃないか!寿命を削らない画期的なアイテムなんだよ!?」

 

机に置かれた匣がカタ、カタ、と小さく震えた。内側から動いたような不気味な動きだ。

 

俺たちは揃ってビクッと静止した。

 

黒い匣は何も言わずに、机の上で窓から差し込む光を浴びていた。

 

なんなんだこのナマモノは・・・

 

俺たちは戦慄した目で黒い匣を見つめていた・・・

 

・・・・・

 

取り敢えず妖精氏族のような小サイズの生物には近づけず、定期的な“餌やり”をする事になった。死体でも大丈夫らしい。しかし生物の方が反応が良い。

 

【禍遷忌匣】と名付けられた黒い匣はジッと無機物のフリをしている。

 

・・・まぁ連続して使用できるんなら良いか。

 

魔力式アンデットを作ろう。【グデアメール】で。以前買っておいた全身鎧の出番だ。

 

怨念式だと《デッドリー・エクスプロード》のような対怨念術式で一掃される事が判明している以上、【禍遷忌匣】の怨念変換済みのMPで代用して弱点を減らす。

 

そして《死霊術》は事前にかかる手間が酷い。人の集合体よりかは亜竜や純竜などの死体のほうが強いアンデットになるが、人間と違ってモンスターの《全身遺骸》等はレアドロップだ。

 

その代わり怨念を利用した術式の開発を進める。怨念の使い方を【死霊術師】系統や【呪術師】系統の奥義のような利用方法に切り替えてしまった方が効率が良い。

 

製作したアンデットをテイムモンスターのように育成するのもアリではあるのだが。

 

それに関しては【グデアメール】に頑張ってもらおう。手始めに亜竜級のワームの巣に叩き込むか。

 

幸い、カルディナの刺客が脱税者を始末するオススメのスポットが砂漠にある。確実に死ぬだろう。でも【グデアメール】は意思のバックアップの特典武具があるのだから平気だ。

 

魔力式アンデットの【ハイ・リビング・アークナイツ】となった【グデアメール】が心なしか震えていたが、きっと武者震いだろう。【グデアメール】は生前UBMだった強者なのだから。

 

俺は下級職を【従魔師】から【呪術師】、【死霊術師】を【道士】に変えた。経験値ブーストを使って亜竜級ワームを全滅させれば下級職なら余裕でカンストできる。

 

俺は抵抗を続ける往生際の悪い下僕をガッシと掴んでアイテムボックスに収納し、レベリングに出かけた・・・。

 

到着。と同時にアイテムボックスから全身鎧を引き摺り出して巣穴に投げ捨てる。

 

その時全身鎧の隙間から【魔蟲寄せのお香】を捻り込むことを忘れたりはしない。

 

「経験値増加アイテムの効果は30分だ。時間内に終わらせろ。」

 

カルディナ価格で20万リル。無駄には出来ない。

 

そして俺は挨拶がわりにストックしてある《デッドリー・エクスプロード》で爆発を起こしてワームたちを刺激した。巣の底でワームが蠢く音が聞こえる。

 

穴に落ちて落下中の【グデアメール】に雫が光るのが見えたが俺は黙殺し、親指を下にして首を掻っ切るジェスチャーで意図を最大限に伝える。

 

ガックリとした【グデアメール】は暗い穴の中に消えていき、金切り声と戦闘音が聞こえて来る。

 

俺は隙間時間に怨念を利用した術式の習熟に努める。

 

買ってきた【符】専用の紙に怨念とMPを込めて爆破術式に反応するように設定していく。《デッドリー・エクスプロード》の【符】バージョンだ。

 

地味な作業だが、【道士】系統はこうした下準備が重要になる。戦闘中に魔法をノータイムで発動出来るのが【道士】の強みだ。しかも自身のMPを消費しないからMP切れで戦えなくなる事は無い。

 

一応、【道士】系統には《術符作成》のスキルがあるので作業速度は上がる。とは言っても術者の力量が【符】の威力に反映されるので【道士】初心者の俺にできる【符】は大した事が無い。

 

今【グデアメール】から送られて来る経験値でレベルアップしている最中なので微々たる成長が見られるが。

 

それでも作成する理由は《術符作成》が怨念関連スキルとしてストック出来るからだ。しかもその時点のスキルレベルをそのままに。下級職最大の5まで上げてからストックしたい。

 

使い捨てのジョブクリスタルを幾つか買ってきたから、【道士】がスキルレベル上げの途中でカンストしたら【呪術師】に変える。

 

【呪術師】は呪術成功数などが就職条件やスキルの解放条件だったりするのでとにかく試行回数が必要だ。

 

という訳で自分に向けて《カース・オブ・マリオネット》を掛けていく。耐性スキルはついでに上げる。ストック出来ないからジョブを消したら無くなってしまうが。

 

何回か時間をかけて成功。ちゃんと自分に【傀儡】の状態異常が表示されている。【傀儡】

で自分を動かしてみるが些かぎこちない。

 

スキルレベルがまだ低いからか。発揮できるステータスやスキルはそのままだから下級職としては凄い。自分以上のステータスを持つ存在を【傀儡】に出来たらだが。

 

身近な例としては【設計王】と【猛毒王】。極毒や調合も【傀儡】で操作するのだろう。

 

操っている感覚だと人間の関節以上に動かすことは出来ない。レベルが上がったら全身の関節を無視した動きをさせる事も、出来るのではないだろうか?

 

出来たら骨格を持つ生物特攻の呪術が実現しそうだ。全身を触れずにバラバラに出来るだろう。

 

しかしまぁ、難しいだろうな。俺も流石にそこまで極めるつもりも無い。

 

【傀儡】を解除して掛けてを繰り返して、呪術成功数を上げていく。

 

耐性が上がったからか掛かりにくくなったが、ようやく規定数に到達した事で《クリエイト・カース・オブジェクト》を習得できた。

 

【呪術師】になったのは、このためと言って過言では無い。怨念を使って呪われたアイテムを作成できるようになるのだから。

 

【暗黒騎士】の狂人が使った《告別の黒闇》の派生元だ。あれは相手の武具を呪って封じたりと戦闘に特化しているが。

 

こちらはどちらかと言うと、生産職寄りになる。自身のスキルをアイテムに込める事が出来るのだ。スキルレベルなど様々な条件があるが。

 

買い集めて置いた物品に《クリエイト・カース・オブジェクト》で怨念を込めて スキルを付けていく。

 

【味覚異常】や【狂気発症】など面白そうな呪いが付いたり、【麻痺】や【恐怖】など普通の状態異常が付いてたりと怨念由来の呪いは様々だ。

 

まだスキルレベルと呪術成功数が低いからジョブスキルは込められないが、いずれは解決するだろう。

 

剣や盾なんかも呪われた武具にしては見たが、強化幅は微妙だ。込められる怨念の量が少ないのもあるだろう。

 

狂人が使っていて呪われた武具群はエンブリオの補正を抜いても相当強力なものだった。

 

いくらマスターとは言え、あれほど高性能な武具を沢山所持しているのは異常だ。一体何処から調達したのやら・・・

 

俺は狂人が犯罪に手を染めていても驚きはしない。

 

殺して奪う蛮族スタイルが似合う戦闘狂だからな。しかも死んでも襲い掛かってくるタチの悪い蛮族だ。

 

【暗黒騎士】の風上にも置けねぇ。きっと騎士要素は迷子になっている。残るのは底知れない暗黒だけだ。

 

アイツも【拳姫】や【設計王】のように壊れている側。いずれ自身に合った超級職に就いているだろう。或いは超級職ティアンを殺して奪っているのかも知れないが。

 

俺はのんびり超級職を探すさ。

 

巣穴の縁からガッと手が伸びてきた。大自然の蠱毒から死者が生還してきたようだ。

 

蛍光色の魔蟲の体液に塗れた【グデアメール】が何か言いたげに、こっちをジトッと見ていた。

 

これはとある夢のVRMMOの物語。

最近ルンバが死んでいない。

 

そろそろルンバの収穫時期が近づいてきたようだ・・・

 

作風という避けられえぬ死が主人公に迫り来る!

ルンバとカーソンの子供は何人欲しいかアンケート

  • 一人(抗菌と同じく特典化)
  • 双子
  • 五つ子(五等分の花嫁√(嘘))
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