恋の天使に就職したルンバです。夜露死苦。
最近ドタバタしてばっかりなので、偶にはのんびりとしようと、久しぶりにギルドのクエストを受ける事にした。
分厚いクエストブックをパラパラ捲っていくと異彩を放つページを発見。
恋人を落とす手伝いなんていう面白そうな依頼を見つけたのでそれを受ける事にしたのだ。
くくくっ。俺がキューピット兼アドバイザーとしてバッチリサポートしてやんぜ!
「えぇえ?」
依頼者の女性は男が来た事に不安を表していた。経験豊富な女性を期待していたんだろうが、蛇の道は蛇。男を落とすなら男の目線が必要だ。
女性の容姿は悪くないが、それは見てて不快ではないというマイナス点がないだけの状態。
男の好みに合っているかどうか未知数な以上、最初から容姿を武器にするのは博打だ。
よって現時点では俺の彼女の評価は±0。ここから上下していくだろう。
取り敢えず相手のプロフィールを寄越せ。住所と職業もだ。
あぁ、知っているならジョブもな。偵察系や【探偵】だったら調査中の隠密行動も違ってくる。
俺が身辺調査も兼ねてやっておくからよ〜。もし周りに女の気配があったら大変だろ?
俺は職業意識が高ぇんだ。【可逆性変身薬】の納品もそうだが。粗悪なサービスは以ての外なんだぜ?
アレは一歩配合を間違えれば凄惨な死に至る【拷問薬】になるから、【可逆性変身薬】と【拷問薬】のレシピと下手人の首を狙って、あちこちから刺客が放たれる。
【可逆性変身薬】は利益を生む金の鶏だ。それを俺らが独占販売している。
だったら使用者を狙った暗殺未遂なんて不祥事は、制裁の大義名分でしかない。実際はただのヒューマンエラーだったとしてもな。
最悪の場合、被る損害を最小限にする為に、援助していた〈蜃気楼〉からも切り捨てられるだろう。
だったらよー。しっかり検分して、安心安全の綺麗な状態で顧客に納品できるようにしなくちゃあナ?
我がラウンドマシン・コーポレーションは提供する商品の一定品質を保証している。
それは社長の俺が提供するサービスも例外ではない。
たとえ彼氏に余計な荷物がついていたとしても、関係を真っ新にロンダリングしてお届けしよう。
・・・・・
早速我が社の【可逆性変身薬】を飲んで性別を男から女に、髪から骨格まで女性のものに変化させる。
女装で性別を偽って容疑者から外れようとするミステリー小説の犯人は重心移動や、歩き方、喉仏など男性的な特徴を看破されているが、この【可逆性変身薬】は体の男性的特徴を全て変える事ができる。
後必要なのは使用者の技量のみ。
しかしながら今回のターゲットは【探偵】でも【斥候】のような察知系のジョブでもない。職業も観察力が問われる業種でもなく察しの良さは平均的。
一片もバレる要素はない。俺の尾行術はオーナーも保証してくれている。【詐欺王】から教授された変装行動術も基礎を修めている。
俺は何食わぬ顔でターゲットが働いている姿を観察していた。向こうからは見えにくく、こちらからは俯瞰して観察できるポジショニングだ。
《聴力強化》に加え、指方向性集音マイクで会話を盗聴している。人当たりが良い好青年という印象だ。善良で平均的な一般人に見える。
観察中、女性を性的な目で見る事を避ける潔癖な行動も垣間見た。紳士だ。
今のところボロが出る様子はない。最もボロが出るまぬけであったら、今までバレなかったことは幸運以外の何物でもない。
真っ新な白かドス黒い黒の二択に絞られたな。
薄暗い本性はあまり隠蔽に力を入れる必要はない。バレても軽微なデメリットしかないのなら完璧を装うのは割りに合わない。
例を挙げよう。
ロリータコンブレックス、ペドフィリア、正太郎コンブレックス(ショタコン)という幼女幼児に確執を燃やす最上位のロリコン、ショタコンは社会的に慕われる善人を装う。
性犯罪者のロリショタコンは最下級のロリショタコンだ。最上位が魔王なら最下級は小悪魔の使い魔といったところか。
yesロリータnoタッチは能力的に優れた上位者の矜持とも言える。
それぐらい純粋に発揮するスペックと知性が違う。存在の完成度が違うのだ。
最上位のメリットとして、ボランティアや子供好きという名目で合法的に接近する理由が出来、仮面が分厚いほどに自制が強いので、接触してもロリコンの本性が露見することがない。
むしろ好人物として評価が上がる。保護者や地域の目はより善人としてのフィルターをかける好循環だ。
デメリットとして多大な努力と忍耐が求められるが。性癖という強い衝動はモチベーションの源でもあり、暴走の危険性を秘めている。
偉い人がロリコンなのではない。ロリコンが頑張って偉い人になったのだ。
隠蔽が分厚い程隠している本性はより暗いものになるだろう。俺はターゲットが黒の可能性を上げた。
その後も調査を続けたが、ターゲットが懇意にしている店や人物に怪しいものも無かった。風俗に行かない男性のモデルケースなの?コイツは。もう健常なのは確認済みだけど不能か?
少なくとも見ていて面白いものではない。これ程隠蔽が上手ならたとえ黒でも隠し通せるだろう。
最後に残されたのは家探しか。これを最後に調査を切り上げてしまおう。
交友関係の問題も破綻原因も見受けられない。
これは正面からぶつかって、恋する乙女の覚悟を見せれば受け入れるパターンだな。ヘタレて拗れることもなさそうだ。
俺がターゲットを酔わせて頭をふやかした後刷り込む出番は無い。俺の面白さを嗅ぎつけるセンスが今回は外れたのだろうか。
この依頼を見つけた時面白そうだと反応したのだが。
鍵をセンススキルの補助無しでピッキングし、入り込む。ターゲットは職場で働いている事を連絡で確認済みだ。
家の中も趣味が良いインテリアや雑貨が揃っている。特にミニサボテンの鉢植えは観葉植物特有の雰囲気で空間に調和していた。
このミニサボテン、一見カルディナの砂漠の植物かと思ったが、レジェンダリア原産の高級品だ。鉢植えもレッセルの話で出てきた自然魔力利用の魔道具に見える。
《看破》すると、このミニサボテン。様々な薬効のある蒸散を行うらしい。トゲも健康食に使える。
通りで家の中の魔力の気配が強いわけだ。
俺もインテリア買おうかな・・・どこで売ってるんだろコレ。懇意にしていた店か?
確か行きつけの店で肥料袋らしきアイテムを買っていたな。ミニサボテン用にしては量が多い気がするが。このサボテンってそういうものか?
俺はまだデンドロの植生についてあまり詳しくない。
謎の小さい種が巨大樹UBMになる事もあるんだからおかしくは無いのだろうが。夢幻世界に適応した植物系精神生命体なんてイロモノもいたし。
いや、流石にアレらは例外か。俺の感覚がおかしくなっていたらしい。普通の植物はあんな怪物どもじゃないよな・・・
ふむ、二階のベッドの下を探してたは良いが、古びた新聞が出てきた。エロ本はないのかよ。
記事を何回も読み古しているようで、キッチリ折り畳まれているがシミやシワが残っている。内容はレジェンダリアのアクシデントサークルで植物モンスターが大繁殖。
他にも本棚を探してみたが植物関連の資料しか見当たらない。カバーを被せるなどの偽装工作の形跡も無し。よっぽど植物が好きと見た。
資料を記録結晶の記録通りに戻していると一冊の冊子が落ちてきた。落下の衝撃でページが開かれる。
ん?
信じ難い光景を見た気がする。俺はちょっと目を閉じて考えてから再び開けた。
中にはモンスターらしき植物が描かれていて、男性が植物と【規制済み】しているイラストが。
オオゥ。急に雲行きが怪しくなってきたな・・・。
パラパラと捲っていくが明らかにマスターが作成した同人誌だ。ティアンにエロ本の概念はあれど、同人誌は無い。
これは・・・マスターが拗らせる原因になったパターンか?異常性癖が開花したのは最近の事だったのか。
だったらバレなかったのも頷ける。
なんせ、突然見えない所に欠点が現れたようなものだからな。
好青年の振る舞いに反して性癖はドス黒い闇のようだ。同人誌と彼の頭の中で、人間と植物が【規制済み】。
もうね。植物性愛が無くてもアウトなゾーン入ってる。人間相手に【規制済み】してたら訴えられるわ。
過去の俺のセンスは植物性愛の変態に反応していたらしい。このセンス大丈夫かな。
面白くなってきたが、変態や騒動にしか反応しない気がする。
彼はもう人間では勃起することがないだろう。手遅れだ。
しかしながらこれだけではまだ言い逃れようもある。偶々保持していたと言ってしまえばお終いだ。
素人にはこの冊子が如何に短期間で何回も使い込まれているか見分けることができないだろう。
更なる決定的証拠がいる。同人誌とつながる、素人でも分かるほど明らかな証拠が。
彼は不能ではない。となると異常性癖者の性欲発散方法はあるはずだ。
例えば、件の植物モンスターを飼っていたりな。寝室のゴミ箱に痕跡はない。自慰をしていない証拠だ。
仕事場でジュエルを持っている様子はなかった。持ち歩いてはいない。
おそらく日光を必要としないタイプのモンスターだ。室内で飼育するのに向いている。
彼の所有する土地はここだけだ。行きつけの店の線はない。間取りもきちんとしていて情報屋の裏取りでは普通の店だ。
おそらく交友関係者の家にもない。秘密は知るものが多いほどバレやすくなる。
残されたのは家。庭はない。間取りからして隠し部屋も無し。変に空いている空間がないからな。
となれば地下室。この家に地下室の入り口に相当するものがあるはずだ。
ジッと床を見て消耗具合を見ていく。生活と性活の割合上、一番消耗が少ない床の部屋があるはずだ。他と違って何回も行き来しないからな。
一階は無かった。二階の寝室の押し入れの下に空間が。
ここか。鍵付きのハッチを発見。
時間に余裕がまだ十分にある。ピッキングで玄関の鍵より厳重な鍵穴をこじ開け、梯子を降りていく。
ハッチの下の空間は明かりが灯っている。お陰で梯子が降りやすい。
これでも三階から落ちても大丈夫なENDがあるので飛び降りても良いのだが、その場合着地点に足跡がクッキリ残ってしまうかもしれないからな。
黙々と梯子を降りていく。
梯子を降り終えた先は扉があった。鍵は掛かっていない。
【斥候】のジョブスキルに反応はないが、この地下室に隠蔽効果があってもおかしくないというか確実に付いているので信用出来ない。
慎重に覗き見るとそこには、土の地面が。其処ら中に肥料の粒が見える。
微かに魔力の気配。レジェンダリアの魔法肥料だ。
そして部屋の中央で笑いかけてくる、緑色の美少女。エレメンタルの一種、ドリアードだ。
茎を伸ばして俺の頬をさすってくる。ジョブスキルが殺気や危機に反応しないほど無害で人懐っこい。
とても元気そうだ。葉の表面に艶がある。
成る程。肥料の用途がコレだったのか。植物モンスター養うんなら必要だわな。そして家の中の魔力の気配の理由も。
この世界では植物モンスターは無形のエネルギーを糧とするエレメンタルの一種だ。
本来ならばレジェンダリアの森林に生息しているのだが、砂漠のカルディナで見るとは思わなかった。ましてや秘匿された地下室など。
彼女?は植物のように雌雄同体なので正確には両性具有種なのだが・・・まぁ、彼にとって性別はもはや関係なく、種族だけが全てなのだろう。
テイムはされていない。名前がついていない事を《看破》で確認した。
野生のモンスターだ。そうせざるを得なかったのだろう。
モンスターの当ても動機も無いはずなのに【従魔師】になるのは不自然すぎる。
職場はカモフラージュの理由に出来なかったか、或いは単純に【従魔師】の才能と適正が無かったのか。
大体把握した。
要はマスターのエロ同人で植物好きの好青年が性癖を拗らせたのだろう。
依頼主も可哀想に。これでは性格面はOKだが、種族の差だけは如何ともし難い。
間違いなく青年に振られる。青年が抱える秘密を守るために。
付き合う事で移行するであろう同棲が、社会的信用の危機に陥るきっかけになるのは予想に容易い。
それに俺はどんな性癖も否定しない。今の世の中は多様性の許容だ。だからこそ青年の性癖を矯正する事だけは、出来るとしてもやらない。
俺は依頼主に対して脈無しと伝えることになるだろう。
ドリアードの存在は伝えないが、好みが致命的に合致しないであろうことだけは伝える必要がある。
それでも当たって砕けるのならそれもまた良し。それもまた恋愛の様式美だ。浪漫とも言える。
願わくば彼女の次の恋が良いものとなりますように。
俺はソッと扉を閉じた。ドリアードがもう行くのかと不思議そうに見ていた。
そして何も見なかったかのように彼の家の鍵を施錠して帰った。
これはとある夢のVRMMOの物語。
性癖とは拗らせるものである。さながら系統樹のように派生と分化を繰り返す。
初めから男の娘スキーの者は滅多にいない。
最初から男の娘で性に目覚めた者達は真性の男の娘スキーだ。
人外、ケモナーもまた然りである。
全ての性癖は巨星のビックバンのように一から始まり、全にして性なる宇宙を作り上げた。
故に性の担い手なる人間という種こそは無限の星である。
ルンバとカーソンの子供は何人欲しいかアンケート
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一人(抗菌と同じく特典化)
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双子
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五つ子(五等分の花嫁√(嘘))