これはとある夢のVRMMOの物語。   作:イナモチ

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ルンバが鳴く頃に
episodes 目覚め


目的をある程度達成したので次の砂上客船まで時間を潰そうと思う。

 

まぁ、とは言っても前からやっておきたかったことなのだが。

 

拡大化する皇国の重汚染地帯でカーソンのカロリーストックをジョブクエストついでに請けておいた。

 

エンブリオでも改善出来ない土壌汚染だが、俺達には問題ない。

 

汚染されている土壌の処理はむしろカーソンの土俵だ。カーソンは黄河の汚染地域によって生まれたエンブリオなのだから。

 

何故かそう言ったらカーソンに殴られた。土俵という表現が筋肉モリモリの力士みたいで嫌だったらしい。

 

力士にカーソンの顔を張り付けて筋肉達磨になったカーソンのコラ画像を思い浮かべて揶揄った瞬間、更に追撃を食らった。

 

プレーリードッグの首がブランとなった。誰が見ても中の人にとって致命傷な事は確実だ。

 

突然着ぐるみの首が折れてギルドの建物内にいた人々が騒ついたが、俺は慣れた様子で首を元に戻し、ポーションで治療した。

 

ドン引きする視線が増えた。マスターだから何があってもおかしくない風潮が衝撃的な事象への精神耐性を育んでいる。

 

しかし、受付嬢には些か刺激が強かったらしい。目の前で首がブランとなった衝撃的光景を目の当たりにして【気絶】してしまった。

 

単身でモンスター形態になったカーソンに搭乗して汚染地域に赴く。融合しなくても巨大化できるようになった事で、エンブリオを利用した移動手段が解禁されたのだ。

 

俺はプレーリードッグになったカーソンの毛皮の上に騎乗しようとしていたが、普通に振り落とされたので、カーソンに飲み込まれて移動することになった。

 

ヌチョヌチョで乗り心地最悪だ。黄河帝国の旧ツチノコ捜索隊の面々のグロッキーな顔が懐かしい。お前ら・・・すまねぇ。

 

俺もこれはキツいわ。オロロロロrrrrr・・・

 

俺はカーソンの体内で嘔吐し、カーソンの運動する衝撃で撹拌されてゲロまみれになった。

 

融合した【すーぱーきぐるみしりーず ぷれいどっぐ】は快温、快湿を保証しても、乗り心地は保証してくれなかった。

 

後で《騎乗》補正のアクセサリーを絶対買おうと思った。

 

そして、体内で吐瀉物を嘔吐されたカーソンが特殊性癖に目覚めていたが、俺は悪くないと思った。

 

重汚染地帯に到着とともに、ログアウトとログインでゲロ塗れの体と装備を洗浄し、横になって気持ち悪さが消えるまで休む。

 

見かねたカーソンが膝枕をしてくれたが、俺はついさっきまでこの美少女の中で吐瀉物を撒き散らしていた事を考えると倒錯的ですらあった。

 

実際はプレーリードッグ形態の胃の中なのだが。

 

ドキッとしたがそれは強い吐き気だったようで、衝動的に嘔吐するがさっき全部吐いていたので何も出てこなかった。

 

その光景をカーソンが熱を持った感情を孕んだ視線で見ていた・・・

 

・・・・・

 

重汚染地帯の土壌を融合形態でゴリゴリ削ってカロリーに変換していく。

 

土壌処理を開始してデンドロ内時間で一週間が経過していた。

 

重汚染地帯は広大で土地深くまで侵攻していたので、如何にカーソンが巨大でも1日そこらで終わる作業では無かった。

 

発症する状態異常の強さは黄河の旧土竜人の故郷より微弱なものだったが、土壌の栄養状態は酷く貧しい。なんか地下深くにナノマシン?ぽい異物が土壌に混入していたが。

 

重汚染地帯を地形ごと塗り替える勢いで整地する。大地を削るだけの単純作業がとても楽しい。

 

【ツチノコ地竜開拓団】は今も変わらず未開の地を切り開いているのだろう。俺も皇国の不毛の大地を開拓しているのは開拓団の創立メンバーの因果なのか。

 

思えば俺のデンドロライフの始まりはジーエンの地質調査のジョブクエストだった。

 

俺がデンドロの大地と深く関わっているから地形を変える【星浄巫蠱】が生まれたのだろう。

 

この先も深く関係する運命なのだろうか。

 

皇国の荒れ果てた大地を見ているとノスタルジックな気分になる。

 

一本も草木が生えぬ死の大地には何もない。

 

死体も無いからアンデットもいない。魔力が濃く無いからエレメンタルもいない。餌もないから魔獣も怪鳥もドラゴンも鬼も妖怪もいない。

 

そんな大地をくり抜いていく。

 

・・・・・

 

ルンバは知りようもないが、かつてツヴァイアー皇国は流入していた自然魔力によって土壌改善ナノマシンが必要がないほど栄えていた。

 

無論、現在のレジェンダリアのようにエレメンタルも多く生息していた。

 

しかし【石臼の化身】来襲によって地脈のラインが切断され、自然魔力の流入がなくなり、ツヴァイアー皇国国土に生息していたモンスター達も居住地を移し変えた。

 

後には何も残らない。機械仕掛けの廃墟だけが旧ツヴァイアー皇国国土に残された。

 

不毛の大地の奥底に、一体の管理AIしか知るものがいない存在を除いて。

 

研究所のような空間で幾つもの生物の入り混じった男が少し楽しそうに口元を歪めていた。

「二号(ハンプティ)は一部のマスターに固執してUBMに誘導していたか。」

 

返答を返す者はいない。これはジャバウォックの独り言。返答を期待していない思考を言語化させただけのもの。

 

故に止める者もいない。ジャバウォックにとって止める理由もない。

 

「皇国の【獣王】のエンブリオの特徴の共有点を幾つか持つが、その性質は明らかに異なる。彼はメイデンではなく、本来ならTYPEボディのマスターになる筈だった。」

 

管理AI共通の使命の為に世界を滅ぼす事は無くとも、己の職務にinfinite dendrogramの安寧を保全する事は含まれていない。

 

「エンブリオの孵化準備期間中、その精神構造を幾度も変質させた。故に他マスターより孵化の期間が著しく延滞。アバターの管理を担当する一号(アリス)がその変化を観測している。」

 

彼は災厄を撒き散らす怪物をデザインする管理AIなのだから。

 

「孵化したのはマスターと融合し、肉体と精神の両方に同調するモンスター型のガードナー。ステータスには現れていないが、融合する度にアバターはエンブリオへと近づいている。最も度重なるデスペナルティのリセットで元通りなのだが。」

 

管理AIは職務に則り休眠状態から起きた、飢餓に苛まれる魔獣の目前に高エネルギー反応を示す「それ」を投下する。

 

「その結果から表出したのは他者に庇護を求めるのではなく、自ら闘争を求める潜在的性質、或いは、人から意図して外れようとする、種の進化の可能性。」

 

魔獣はそれに対して過敏に反応して取り込んだ。それは己を満たすであろう事を予期させるものだったから。

 

「マスターよ。闘え。識れ。望め。」「君は何を選ぶのか私に見せてくれ。」

 

これは試金石であり、管理AIからのプレゼントだ。

 

ルン・バ・ンルよ。英雄譚の如く暴れ狂う兇獣を討ちたまえ。

 

かつて守り神と崇拝されし神獣にして魔獣の王よ。その過去を以って栄誉ある踏み台になってくれ。

 

これはとある夢のVRMMOの物語。

運営の無茶振りはこの巨大遊戯盤のハイエンドコンテンツの一つだ。

 

最強の一。正当に評価されずに消えた、天才の傑作にして最強の証明。

 

不死のニ。仇敵の力を盗み取り己の力に昇華させ、死を超越した白鯨。

 

究極の三。【天竜王】に復讐を誓った、死と光と力、復活を司る極竜。

 

四以降も順当に倒させる気が全く無い、特別な数字を冠した怪物達。

 

才有りしマスターに運営は目を掛ける。〈超級エンブリオ〉への進化を期待して。

 

その余波を受けてキャタピラーとチェシャが死ぬ。

 

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ルンバとカーソンの子供は何人欲しいかアンケート

  • 一人(抗菌と同じく特典化)
  • 双子
  • 五つ子(五等分の花嫁√(嘘))
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