これはとある夢のVRMMOの物語。   作:イナモチ

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サマー・オーシャンガイズ

【アムニール】の浄化水を採取するまで幾つかの出来事があったが、無事に採取。

 

浄化水アイテムボックス一個分(液体用。プールが2つぐらい入る。)を採取し、根の周辺土壌のサンプルも採取しておいた。

 

流石に【アムニール】の末端細胞は採取できなかったが、十分な成果と言えるだろう。

 

転移装置の開発にかかりっきりの【設計王】に貢物を捧げ、俺達は友情を再確認し合った。

 

現金と言われようが俺達の友情は一方通行では成り立たないのは事実。

 

人間はパンだけで生きていないように、利のない理想だけで人間は生きていない。逆もまた然りである。

 

バランス・・・感情と実情のバランスを良好に保つのが肝要という事だ。

 

つまり・・・俺の親しい人間との関係は助け合い(極めてオブラートに包んだ表現)で出来ている、という事になる。

 

綺麗で優しい世界がそこにあった。ラブ&ピース。

 

因みに開通した穴は全て埋めてある。

 

もう一度採取する時は時間を懸けて掘らねばならないが、モンスターの住処になったり地上を巻き込んで地盤沈下を起こした結果、盗掘経路の存在がレジェンダリアに露見するぐらいなら埋めてしまった方が良い。

 

アホな便乗犯がやらかす可能性もあるしな。

 

流石に〈イレギュラー〉をどうこう出来るとは思わないが、【アムニール】が暴れるだけで地上の霊都が壊れる。

 

俺はレジェンダリアの転覆とか一切関わるつもりは無い。

 

長命種の陰謀とか明らかに面倒臭・・・俺の良心が無関係の人を巻き込む事に忌避感を抱いているのだろう。

 

今回の件で、俺の性質が悪人向きじゃない事が自らの行いで証明されたようだ。

 

前からそうじゃないかと思っていたが、その通りだったか。

 

寧ろテロリストと心まで魔物と化した【大死霊】を狩り取って、レジェンダリアの治安に貢献したのだから。

 

・・・今思うと過去の行いは無意識の発露だったのかも知れない。その可能性が1%でもあるなら、俺はその可能性を信じるぜ。

 

全く、これほど善良な【死霊王】は類稀な存在じゃないか?

 

ーーー俺はまた一つ精神耐久力が向上したのを感じた。

 

「さっき面倒臭いと失言しかけていたと思うのじゃが・・・?」

 

それはきっと気の所為だ。99%ぐらい。

 

・・・・・

 

広々と雲一つない晴れ渡る空。

 

波音を絶えず鳴らす蒼い海。

 

白い砂浜をかける水着美女・・・

 

俺は目元を手で覆って空を見上げた。

 

発生した液体が溢れないように。

 

「そんなふうに考えていた時期が俺にもありました・・・」

 

ーーーソッチにモンスター行ったぞ!殺せ!

 

ーーーオラァ!新入りィ!!へばってないで動くんだよぉ!

 

ーーー私のメインカメラがやられただと!?こ、これしきの事で・・・まだだ、まだ私は終わらんよ!

 

ーーーアシクビヲクジキマシターー!!

 

ーーー衛生兵!衛生兵ーー!!

 

筋肉。

 

細マッスル。太マッスル。意外と着痩せするマッスルに脂肪の奥に隠れた確かなマッスル。

 

見渡す限り広がる日焼けした健康的な皮膚の下に隆々とした筋肉の脈動を感じる事が出来て・・・俺の水着美女のイメージが逞しい筋肉で汚染されていく。

 

ヒデェ。なんて様だ。

 

こんなのって、あんまりだよ・・・この世界に、神は死んだとでもいうのか・・・!!

 

俺は想定が甘過ぎた過去の俺と神を呪う。

 

デンドロの世界では白い砂浜に水着美女なんてものは存在しなかったし、浮き輪や焼きそば売ってる海の家なんてものは無かった。

 

あるのは海の男達の真珠のように輝く汗と海棲モンスターの血の匂い。

 

「オンドルァ!!野郎共ォーー!!一匹も逃すなァ!殺せ!皆殺しだーー!!」

 

ツチノコ地竜開拓団のクランマスターとは違った方向で逞しい頭領が銛でぶっ刺したモンスターを掲げて部下を鼓舞した。

 

ーーーウオオオオオオオォォォォ!!

 

耳元で響く咆哮。

 

何もかもが暑苦しい。

 

「ソォイ!・・・。また逃げられたのじゃ・・・」

 

カーソンが釣竿の先に垂れ下がる、餌だけがなくなって剥き出しになった釣針をジト目で見ている。

 

「惜しい!結構良いアタリの反応はあったんだけどねー。」

 

釣り初心者であるカーソンに付き添う女性が手慣れた手つきで餌を付け直す。

 

向こうの船だけエンジョイしてる感じで華やかだ。俺もアッチに混ざりたかった。

 

ゴィン!

 

俺は飛んで来たトビウオに似たモンスターを殴り飛ばして漁船の甲板に沈める。

 

金属のような鱗に覆われた怪魚は一撃に込められたSTRによって意識を遠くに飛ばされて、堆積物の一部と化した。

 

俺の足元には死屍累々と襲いかかって来たモンスターの山が積まれている。

 

この世界の魚介は活きが良過ぎて人間を殺すに足る殺傷力を持っている。今飛んで来たメタルなトビウオは殆ど砲撃で飛んで来た砲弾と大差が無い。

 

他にもゴムのように跳ね回って墨をガトリングガンの様に射出する蛸や匠に鍛えられた武器を鋏で叩き壊す蟹、脅威的なモンスターの群れを形成するアンコウ、エイリアンの孵化並のスプラッターな奇襲を仕掛けてくる寄生虫。

 

とても非戦闘員の手に負えるものでは無い。

 

よって漁船の乗組員は一部を除いて単独でモンスターを討伐出来る戦闘職であり、その一時的に乗組員の一人となっている俺はリアルに比べてバイオレンスでストロングな漁業を手伝っている。

 

汗でムンムンの海の男達の中で。

 

ポン、とガタイのいい漁師が俺の肩に手を置いて、いい笑顔でサムズアップした。

 

肩に置かれた手汗でびっしりの手が気になる。シャワーが浴びたい。

 

「俺は諦めん。絶対に・・・!」

 

水着美女とエンジョイしてやる・・・!!!

 

俺は手を置かれた場所を丹念に拭って聖属性魔力で浄化しながら誓った。

 

これはとある夢のVRMMOの物語。

水着美女は幻想だった。

子供の教育方針はどれにする?

  • 蠱毒にぶち込む
  • 普通の子供のように育てる
  • 子供の為だけの揺籠()で育てる
  • 放任主義。子供は勝手に育つ
  • 帝王に愛など要らぬ!!
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