これはとある夢のVRMMOの物語。   作:イナモチ

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これはとある夢の物語 〜星の巫女は夢を見るのか〜

肉食モンスターが溢れ出した出入り口から〈第四海底切削城〉に侵入を果たす。

 

岩肌に偽装された外殻。しかし今は亀裂が走っている事でその偽装効果が失われ、機械部が外から丸見えになっている。

 

しかしそれは遺跡が悠久の時を経て尚現在まで稼働していた証でもあった。

 

肉食モンスターが溢れ出るまでは誰にも発見される事がなく、遺跡の秘密を隠し続けてきたという事なのだから。

 

それは全くの未知の世界であった。

 

未知の金属で構成された工業施設。計算し尽くされた設計に高い技術力で建造された機械群。

 

いやぁ・・・思った以上にロストテクノロジーだわ。

 

これがジェネレーションギャップというやつか。

 

これで滅ぼされた文明だというのだから、滅ぼした化身の規格外さも知れる訳だが。

 

今も稼働している防衛機構を、成るべく施設を巻き込まない様に薙ぎ払いつつ、金目のものを探していく。

 

俺としては今も稼働している遺跡の動力部が気になるが・・・肉食モンスターの発生原因の究明を優先した方がいいか。

 

さっきから違和感を感じていた。

 

俺の所感だと、ここは兵器工廠の様に思えるのだが・・・内部から肉食モンスターが溢れた前後関係が不明瞭だ。

 

工廠から機械兵が溢れるなら兎も角、モンスターが溢れるのはおかしい。

 

それにあの肉食モンスター。数こそ脅威だったが、戦力としては亜竜級程度だった。

 

エンブリオも無いティアンにとって亜竜の群れは脅威かも知れないが、大規模な施設で生産するメリットが釣り合わない。

 

あれらは・・・この施設の防衛機構の一つだったんじゃ無いか?

 

「本命は別という事かの?」

 

かもな。

 

それにあれほど過剰な防衛機構に加え、大規模な施設を丸々隠蔽していたぐらいだ。

 

ただの兵器工廠なら・・・此処までする必要は無い。

 

「なぁ、カーソン。最近俺の下着が無くなっているんだが・・・どう思う?」

 

つまり。

 

此処までする必要があった兵器工廠の防衛機構を突破した俺達を、防衛機構がどう判断するかと言うとーーー

 

・・・・・

 

【量産生体兵器反応群、ロスト】

【高エネルギー反応あり】

【脅威度判定――Aを検知】

【“化身”に類似した反応を検知】

【当施設への侵攻の意図あり】

【絶対防衛態勢を発令】

【対“化身”用決戦兵器◾️号【ドリーム・ベトレイド】――完成度四九%】

【主兵装、ならびに副兵装実装完了】

【解析兵器の内、一種は完成・搭載済み】

【審議――戦線投入を決定】

【該当脅威に対し、当施設単独での防衛戦を決行する】

【人類の興亡、この一戦にあり】

 

【――“異大陸船”の脅威を一掃せよ】

 

ーーー其は開発中の決戦兵器の中で、最も完成度が高い決戦兵器ーーー

 

・・・・・

 

ーーー本腰を入れて排除一択だろうな。

 

カーソンがにこりと笑った。その姿は可憐な少女そのもので・・・

 

「ん?主様は直ぐに裸になる・・・何も問題はなかろう?」

 

・・・このっ!馬鹿野郎・・・!!

 

『これは・・・夢遊の化身を模倣したのか・・・!?フラグマン・・・!!』

 

『マスター!!逃げ、鹵獲』

 

・・・・・・

 

対化身用決戦兵器【ドリーム・ベトレイド】の固有スキルは《自我抹消》。

 

五感に加え、認識を改竄する洗脳能力。

 

認識を改竄し、化身を鹵獲し、同士討ちさせる。

 

嘗て手掛け、夢遊の化身に沈められた【アヴァン・ドーラ】の様に。

 

複数存在する化身を一網打尽にする為に、【ドリーム・ベトレイド】は創られた。

 

【アクラ・ヴァスター】の意が『空』と『殻』ならーーー

 

【ドリーム・ベトレイド】の意とは・・・『夢』と『裏切り』。

 

現実を奪い去る化身の力を模した決戦兵器は、侵入者の認識を全力で改竄しにかかった。

 

洗脳して鹵獲後、有用であればその能力を解析し自機に転用する為に。

 

鹵獲機能を有した【ドリーム・ベトレイド】は他の決戦兵器と違って、解析・開発機能が搭載されている。

 

それは認識改竄の効果が薄いと推測されている模倣元の夢遊の化身に加え、左右、進化、万死の化身に対抗する為の機能。

 

状況に応じて、“鹵獲した化身を自機に組み込む機能“だ。

 

ある意味では、カルチェラタンの煌玉兵の発展形・・・完全上位互換。

 

化身の力を以って化身を滅ぼす兵器の本領は、

 

 

【死霊王】の自我を消し飛ば

 

 

 

ーーーさなかった。

 

奇しくも・・・夢遊の化身と”同系統“に属する“相殺”によって。

 

《メッセンジャー・アポートシス》

 

古代伝説級【幽智霊血 スゥチェング・ヘイワン】×伝説級【獄彩瘴鼠 ディユージャイ】

 

黒い靄を纏い、軍旗の如き極彩色の外套が翻る。

 

ーーー其れはUBMの力を己の力とするスキルだ。

 

死者の力を己の力とする【死霊王】と、鹵獲した化身を自らの機能とする決戦兵器。

 

他に誰も介在し無い海底でーーー惹かれ合い、喰らい合い、奪い合う様に、似通った両者は激突する。

 

本質を映し出す、鏡映しのドッペルゲンガー。

 

両者は・・・敗者を糧に、成長するように“出来ていた”。

 

リィィイイン・・・リィィイイン・・・

 

鈴虫に似た音色が遺跡に浸透し、実体を持たぬ夢幻はーーー現実世界と成り変わる。

 

これはとある夢のVRMMOの物語。

夢遊を模倣した機械と夢幻を手繰る死者。

 

過去を取り戻そうとするものと、今を生きるもの。

 

負ければーーー自我の死を迎える。全てを奪われ、傀儡と成り果てるか。

 

【死霊王】は闘う。借金を返す為に遺跡泥棒を企んでいただけなのにどうしてこうなった、と。

 

子供の教育方針はどれにする?

  • 蠱毒にぶち込む
  • 普通の子供のように育てる
  • 子供の為だけの揺籠()で育てる
  • 放任主義。子供は勝手に育つ
  • 帝王に愛など要らぬ!!
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