これはとある夢のVRMMOの物語。   作:イナモチ

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バクチってのは外れたら痛い目みるから面白い

ーーー其処には残骸に成り果てた人形が立っていた。

 

右腕は既に戦闘能力を喪失し、左脚は無惨に噛み千切られている。

 

放電していた稲妻は細々となり、焦げ付いた内臓機構が曝け出され、常に回り続けた歯車は今にも止まりそうだ。

 

しかし未だに倒れ伏す気配が無く、膨大な思考力から生み出される殺意が質量を伴って押し潰しにかかる錯覚さえ覚える程にその闘志は絶える事が無かった。

 

己の体が侵食されようとその決死の攻勢は止まる事はなく、文字通り魂を燃やして敢行された決戦はーーー俺の心臓を貫く寸前で終結した。

 

理由は、リソースの枯渇。

 

【ドリーム・ベドレイド】は自壊が進む機体の戦闘能力の維持に常にリソースを回し続けた結果、俺を殺す直前にまで至った。

 

その瞬間だけは【ドリーム・ベドレイド】の攻撃力が俺の総合力を凌駕していたのだ。

 

だが、一歩足りない。

 

高度な人工知能の演算能力ならばこの結末さえも予測していた筈だが、自らの魂魄を改変した代償がその持ち前の演算能力に多大な負荷を掛けていた。

 

だからーーー届かない。

 

もうすぐで目の前の決戦兵器は活動を停止する。

 

目の前の決戦兵器に残り滓程度のリソースが収束していく。

 

多分、最後には自爆して侵食され切る前に自らを終わらせるのだろう。

 

そう思った。

 

だから止めなかった。

 

やろうと思えば喰って俺にする事は出来たが・・・自決を止める気は湧かなかったから。

 

ーーーそして、俺の予測は半分正しかったが、半分は誤りだった。

 

決戦兵器は最期まで諦めない。それを、俺は知らなかった。

 

スクラップ寸前の機人は全身を這う様にして近づき、俺をーーー弱々しく殴った。

 

 

 

脅威を全く感じない一撃。俺は敢えて受け止めてーーー驚愕した。

 

 

その一撃は俺の装甲を微塵たりともダメージを与える事なく・・・泥沼に手を突っ込んだ様に沈み込んだのだ。

 

 

俺の魂に膨大なバグの濁流が流れ込んでくる。

 

 

その正体はーーー魂魄干渉術式の侵食。

 

 

【ドリーム・ベドレイド】は敢えて自らを蝕む侵食を受け入れて俺と一体化しーーー本体となった俺に対して《Dyrition Ego machina》ーーー自滅プログラムを撃ち込んだ。

 

 

 

俺のスキルと化した《Dyrition Ego machina》が自動的に起動して俺の魂魄を開発。

 

 

ーーー【ドリーム・ベドレイド】と道連れになる様自滅へと導き出す。

 

俺は決戦兵器の謀略にまんまと嵌った訳だ。

 

 

 

俺は強く拳を握って、ガソリンの様な黒い血が流れ落ちた。

 

 

『そうか・・・!お前は“最期まで”俺の敵なんだな・・・・・っ!!!!』

 

 

腹の底から憎悪と憤怒が湧き上がる。嗚呼・・・懐かしい感覚だ。

 

 

体が勝手に自壊して、滅茶苦茶に開発されていく。

 

 

『ハ、ハハハッ!!ハハハハハハ!!!あひゃひゃひゃひゃ!!』

 

 

 

追い詰めた筈が逆にチェックメイトされようとしている。

 

 

盤面を掻き回す大番狂わせ。無茶無謀な賭けに、奴は賭けてーーー勝った。

 

 

最初から奴の目的は、俺をバグで道連れにする事だった。

 

 

俺は狂ったように嗤い始めた。だってーーーこんな愉快な事が他にあるか?

 

 

『ナんだ!ヤれば出来るジャナイカ!!』

 

 

ーーー【ドリーム・ベドレイド】。

 

 

 

 

 

お前は知らなかったんだろうがーーー俺は追い詰められる程燃え上がる男なんだ。

 

 

 

だからーーーありがとう。

 

お前は今まで殺してきた奴等の中じゃ【アガナースタ】に次ぐ最高の敵だったよ。

 

 

ーーー俺は【ドリーム・ベドレイド】が最期に遺していった術式を抑えにかかった。

 

 

『ハはhahahaハハハハハハははははhahあhahahahahahahahhahahahahahaha!!』

 

 

『繧イ繝ゥ繧イ繝ゥ繧イ繝ゥ繧イ繝ゥ轣ォ縺イ縺イ縺イ!!!』

 

『・・・・・!』

 

 

 

 

 

『』

 

 

 

最後まで、嗤いながら。

子供の教育方針はどれにする?

  • 蠱毒にぶち込む
  • 普通の子供のように育てる
  • 子供の為だけの揺籠()で育てる
  • 放任主義。子供は勝手に育つ
  • 帝王に愛など要らぬ!!

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