家はほんの少しだけ他のところとは違うらしい。かと言っても別に虐待やらなんやら犯罪的なことをされているわけじゃない。スマホを自室に持って行っては行けなかったり、親がこんな年になっても口うるさかったり明らか理不尽なことで怒ってくるとかそんな感じだ。しかしそういうことを繰り返しているうちに俺は
咲人「ふっざけんじゃねぇ!!!ぶっ殺すぞ!」
大爆発した。犯罪されてる訳じゃない、少し変わってるだけだ。そう言い聞かせている家に俺は両親に叫び散らかし掴みかかってきた父親を思いっきり殴り飛ばして自室に入っていった。その日から俺、桜小路 咲人(さくらこうじ さくと)の人生が思いっきり変わったのだ。
〜数年後〜
あれからいくらか月日が立った。俺が反抗を示してから数年。本来反抗期が落ち着いてくるようになった高校1年になったこの歳。俺は未だに親に顔も出来るだけ合わせたくないし声も聞きたくないという思いは全然消えていなかった。この数年、1回グレ散らかして喧嘩にあけくれた日もあったが今では落ち着いて普通の高校生として過ごしている。そんな今の俺があけくれていることとは
咲人「〜♪」
自由を探すこと。今は幼馴染に勧められたビビットストリートと言う裏道っぽい所で歌っている。外という開放感あるところで歌っているとなんだか自由を感じられるのだ。
??「おう、やっぱお前か?」
咲人「ん、彰人か。」
こいつが東雲彰人。先程言った幼馴染で親の相談、歌の事を色々教えてくれた。
彰人「良いのが聴こえてきたからな。お前だと思ったんだよ。」
???「彰人、ここにいたのか。あ、桜小路も一緒だったのか。」
こいつは青柳冬弥。今では彰人のパートナーとしてBAD DOGSというタッグを組んでストリートで音楽をやっているらしい。彰人に聞いただけだがクラシック経験者らしく歌は俺も聞かせてもらったが素人なりにもかなり正確な音なのが分かった。
彰人「ああ、ほんとお前、こっちの世界来たら絶対時間はかかるかもしんねぇけど上手くいくと思うぞ?」
咲人「はは、ありがとうな。でも気持ちとしてはそこまで本気で歌ってるわけじゃねえからさ。それじゃあ真剣にやってる、それこそお前らに失礼ってもんだろ?」
そう、俺は開放感、自由を感じたくて歌をやっているのであってなにか目標や夢があってやっているのではない。なのでハコでは歌わない、という線引きを自分でしていた。
冬弥「彰人、彼はいつもそう言ってるだろう?」
彰人「まあな、でもこの才能をこのままにしとくのは勿体ないしな。」
冬弥「まあもしその気になれば俺達も全力でサポートする。それより桜小路、ショーが好きじゃなかったか?」
咲人「ん、ああ、好きだぞ?それがどしたん?」
冬弥「当日券で申し訳ないんだがフェニックスワンダーランドのフェニックスステージのミュージカルショーの入場券を友人から譲り受けてな。いるか?」
咲人「ん、マジ?いいの?」
冬弥「ああ、俺らはこれから謙さん達のところに行くし、この件も無駄にしたくないんだ。貰ってくれると助かる。」
咲人「じゃあ遠慮なく、当日券なら・・・今から急げば間に合うな。サンキュ!」
速攻に片付けてフェニックスワンダーランドに足を向けた。我ながら本当にいい仲間を持ったものだ。冬弥も俺の事情を知っててよく気を使ってこういうのを持ってきたりしてくれる。彰人と冬弥は違う方向で俺を精神的に支えてくれる。こういう事があって俺はグレから戻れたと思っている。
咲人「〜〜♪」
そして最終公演でウッキウキでショーを見に入る。ショーも俺は好きだった。登場人物の主人公はほとんどの人物が自由かつ努力家出みていてとても気持ちがいいのだ。悲しいストーリーもあるがそういうのはあんまり見ないようにはしている。全く見ないわけではないが。
〜数時間後〜
咲人「いやー、満足満足ー♪」
外を見るとすっかり夕方だった。もうアトラクション乗る時間でもないので帰ることにした。うっきうきの上機嫌で帰路を辿る。やはりフェニランの中央格のステージだけあって完成度もかなりのものだった。鼻歌交じりで帰っているとどこからか歌声が聞こえてきた。
〜〜〜♪
なんて綺麗で透き通る歌声なんだろうか・・・まるで俺が求めるような・・・足が勝手に釣られるようにその歌声の場所まで向かっていた。シブヤの公園でその歌声の主を見つけた。
???「〜〜〜♪」
咲人「・・・」
こんな感覚いつぶりだろうか。心から安らぎを得るというか、眠気がするほどの安心感に包まれるというか・・・
???「・・・あ」
そしてその歌声の主と目が合う。これが俺の人生を2度目、大きくねじまげることになる。
ありがとうございました!これからこの作品もよろしくお願いします!