「ガイストオン ブレードシフト」
「ブレードシフトか、いいね」
この前ガンナーシフト使ってたときは、ほとんど近づけずにすり潰されたからね...
近接ならこっちも戦いやすい
ガイスト状態の京介と模擬戦を始めてからはや1ヶ月。
初めの頃は一方的にやられるだけだったが、今ではそこそこ対等に戦えるようになってきた。
対等といってもガイストが終わるまでしのぎ切ることができるようになってきたというだけで、
勝てるのはせいぜい20回に1回程度だ
「どうした、守ってばかりじゃ勝てないぞ」
「それぐらい!言われなくても!わかってる!よ!」
京介の攻撃をなんとか受けながら答える。
近づきすぎると威力・スピードで勝る京介には勝てない。
必死に防御しても、じわじわと削られていつか致命傷をもらう。
実際このパターンで10回以上負けている。
勝つためには距離を取って旋空弧月を当てるしかないのだが...
「くそっ!速いって!」
「ガイストなんだから当たり前だろ。ほらほら、また引き分け狙いか?」
グラスホッパーで距離を取ろうとするが、すぐに追いつかれる。そもそも訓練室がそこまで広くないうえ、移動速度もあっちが上だ。どこに跳ねても、旋空弧月を決められる程の距離ができない。無闇に近い距離で放ったところで、受け止められるだけだ。
どうにかしてあいつから離れないと............いや違うな。あいつから離れるんじゃない、あいつを離せばいいんだ......!それなら......!
「バイパー!」
「チッ スピードシフト!」
ブレードシフトのときはシールドが使えない。京介はスピードシフトを使って左から迫るバイパーを躱した。だが、そう避けるのは想定内だ......!
「グラスホッパー!」
「なっ...!」
京介の体がグラスホッパーによって後ろに弾かれる。バイパーを躱すために前に踏み込んだせいで重心を崩された京介は体勢を崩して大きく転んだ。
・・・・・・とはいえさすが元太刀川隊だ。とっさに剣を地面に突き刺し大きく離されるのを防いだようだ...。だが
「旋空弧月!」
起き上がろうとする京介めがけて旋空弧月を放つ。体勢を崩し、とっさに剣を地面に突き刺したせいで、受けることもも躱すこともできなかった京介の体を、剣の描く弧が二つに分ける。
『戦闘体活動限界』
訓練室に無機質なアナウンス音が響く......。
久しぶりの勝利だ......!
「よっしゃ!勝ったぞ!」
「何言ってんだ。1回勝つのに13回も負けてちゃだめだろ。」
「うっ...」
「でもグラスホッパーを他人に踏ませるってアイデアは面白いな。まんまとくらっちまった」
「でしょ?とっさに思いついたんだけど、うまくハマったね」
そう言いながら、訓練室の外に掛けられている時計をチラッと見やると、針は夜の6時を指していた。
「・・・もうこんな時間か、そろそろ上がるか」
「そうだね。もうみんなも終わってる頃だろうし...」
訓練を切り上げてリビングへ向かう。さっきまで戦っていたとはいえ、本当に敵同士なわけじゃない。二人で他愛もない会話をしながら歩いていると...
「よう!京介、秀!」
「迅さん......」
声の主は迅悠一 ボーダーに2人しかいないS級隊員の一人だ
B級ランク戦が始まるまでもう少しお待ちください