緋想戦記Ⅱ   作:う゛ぇのむ 乙型

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~第十九章・『遠き山の道別れ者』 決別と見送り (配点:鴉天狗)~

 和室は緊張した雰囲気に包まれていた。

 床には仰向けに倒れたノリキが、その腹の上に馬乗りになっている諏訪子が、そしてやや離れたところで目を点にしている早苗が居た。

━━動けないか……。

 いや、体は動かそうと思えば動かせる。

だが下手に動いた瞬間、自分はこの神によって殺されるだろう。

その位隙がない。

 暫く互いに視線を交差させていると諏訪子が笑みを浮かべた。

「なるほどねえ……。なかなか肝が据わってるじゃん」

「あの? 諏訪子様?」

「あー、早苗ちょっと待っててねー」

 諏訪子は暫く此方の瞳をのぞき込むようにしているとやがて何度か頷き「ふむ」と呟く。

「……おい。諏訪大社は氏子に優しいんじゃないのか?」

「基本ねー。でも氏子が親に危害を加えようとしてるなら話は別かな?

まー、私だって全知全能、何でも許すって訳じゃないのよ。

徳川(あんた)が武田(わたし)に害をなすなら、私はより多くの氏子……つまり武田家を守らなきゃいけないわけ」

 「だから」と諏訪子は言う。

「質問するよ。あ、嘘ついても直ぐに分かるからね? 下手に嘘つくとその首がへし折れる事になると思ってちょうだい」

 一瞬だが背筋がぞっとした。

この幼い少女の姿をしている神の本性が垣間見えたような感覚。

本能でこの神が本当にそれをやると悟り、頷いた。

「ん、素直な子は好きだよ。じゃあ質問。

術式の向上して、あんたは何をしたい?」

「…………それは」

 言葉に詰まった。

 それはいままで自分でもどこかで避けていた言葉だ。

だが今ならはっきりと言える。己の本心を。

「因縁の清算と約束を果たすためだ」

「ほう?」

「七年間先延ばしにしていた因縁と約束。関東に待たせている女が居てな。

俺はそいつと会わなきゃいけない。

会ってケリをつけなきゃいけない。その為に力が必要なんだ」

 強く相手を睨み返す。

 その覚悟を伝えるために。

諏訪子は此方の視線をしっかりと返すと頷く。

「なるほどね。嘘は言ってないようだ。

じゃあ、二つ目の質問。

もし武田と徳川が敵対した場合、あんたはどうする?」

「無論、俺は武田と戦う。悪いがそれは譲れない」

 此方の即答により諏訪子が沈黙し、和室の温度が急激に下がったように感じた。

流石に危険を感じたのか早苗が動こうとすると諏訪子がそれを片手で制する。

「即答したねえ。死ぬのが怖くないの?」

「怖いさ。死ぬのが怖くない奴なんてきっといない。

だがそれでも果たさなければいけないことがある。違うか?」

 諏訪子は答えない。

だが笑みを浮かべたまま何度も頷くと馬乗りを止め、立ち上がる。

「気に入った。流石は私の子供だ!

その覚悟と決意に免じて後々の事は許す!」

 それから早苗に振り返ると親指を立て。

「早苗、この子の向上。私が直接やるから」

「え? あ、はい!」

 慌てて表示枠の操作を始める早苗を見ながら諏訪子は此方に手をさし延ばした。

「押し倒してごめんね。でもこんな素敵な女の子に馬乗りされてちょっとドキッとしたでしょ?」

「いや、ドキッとよりゾクっとしたな」

 笑みを浮かべ差し出された手を取ると起き上がる。

そしてそのまま立ち上がると壁に寄り掛かった。

「向上に二時間ほど、それから試し打ちしてから調整だから半日は掛かるかな?

直ぐにでも関東に行かなきゃいけないんでしょう?」

「ああ、明日か明後日には小田原に入りたい」

 諏訪子は「となると……」と呟くと表示枠を開き、操作を始める。

「本来なら術式補助機能をつけるけど……省略でいいっか」

「一つ、用意してもらいたいものがあるんだが」

 「ん?」と諏訪子と早苗が此方を向き、それに頷く。

「実は…………」

 

***

 

 信濃の山中ではたてと文が向き合っていた。

文は近くの木に寄りかかり、その隣には心配げな表情を浮かべている椛が。

一方のはたては緊張の表情で腕を組んで立っている。

 互いに数分ほど沈黙していると、場の雰囲気に圧されたのか椛が文の方を向く。

「文様……どうしてこちらに?」

「哨戒中の白狼天狗がすごい勢いで飛んでいくのを見ましてね。これは何かあると思ってみれば……」

 文ははたての方を見る。

「裏切り者が来ていたとは」

 「裏切り者」という言葉にはたては思わず体が反応した。

そう言われる事を覚悟していたが、実際に言われるとかなりくるものがある。

「いや、裏切り者予備軍でしょうか?」

「え?」

「はたて、今ならまだ戻れます。今、ここで徳川と手を切ることを宣言すれば真田は、同胞たちは許してくれます。私も協力しましょう。

ですがこのまま同胞に決別を伝えたらどうなるか……分かってますよね?」

 文の表情は真剣だ。

そこにいつものどこか人を馬鹿にしたような笑みはなく、真剣な眼をこちらに向けてくる。

「だいたい貴女が徳川に行ったところでどうなるんですか?

これからどうなるかも分からない国に気まぐれでついて行って一生を棒に振る気ですか?」

 「いいですか?」と文は続ける。

「普段引きこもっていて世間知らずの貴女はここで決別してもいつか戻ってこれると思っているのでしょうがそれは違います。

仮に徳川がまあ、世界救ったりして皆幻想郷に戻れたとしましょう。

それでも貴女が同胞を裏切ったという事実はその後も残るのですよ?」

 

***

 

 文は内心焦りを感じていた。

 今言ったことは事実だ。

 天狗社会は横の繋がりが強く、裏切りを許さない。

 はたてが徳川につくことを知っているのは私と極一部の者であり、他の者には知られていない。

戻ってこなければよかった。

 はたてがこのまま戻ってこないで徳川と共に行けば、こっちでいろいろと誤魔化せた。

だが彼女は律儀にも戻ってきた。

 もしこのまま皆の前で決別を宣言していたらどうなっていた事か……。

 飛んでいく椛を見つけられて良かった。

知り合いが村八分に会うのを見るのは気分が良くない。

 というか彼女が徳川と行くのを諦めれば何もかもが解決するのだ。

だいたい、なんで急に徳川になんか……。

「戻ってきなさい。それで全部、上手く行くんです」

 はたては答えない。

 困ったような表情を浮かべ、此方から目を逸らす。

それに苛立ちを感じ、木に寄りかかるのを止めるとはたてが「あのさ」と口を開く。

「あいつら、馬鹿なんだわ」

「は?」

「全裸が公然猥褻してるわ、姫がそれを殴り飛ばすわ、天人が調子乗ってやりたい放題してるわ、天照大神がのんきに寝てるわ、なんか私に冷たいような気がする自動人形がいるわで本当に馬鹿の集団。

でもね、あいつら本気なのよ。

本気で世界救う気で、絶対に諦めないで前向き続けて、無理だって思ってたこと全部やり遂げてる」

「だから、ついていくと?

たとえ貴女の言うとおりの集団で、貴女が憧れたとしても貴女はそれについていけるのですか?

太陽に向かって飛んだイカロスのように、その輝きと熱によって地に堕ちるかもしれませんよ?」

 はたては頷く。

覚悟の上だと。

「私さ、臆病で面倒くさがり屋で我が儘でダメな奴かもしれない。

でもさ、そんな私をあいつらは信じてくれてるのよ。

地に堕ちる? いいじゃない。穏やかな風の中で何もせずに生きるんじゃなくてたとえ燃え尽きようとも後悔のない選択をする。

それをあそこで私は見て聞いて知ったわ」

 はたては大きく息を吸う。

そして力強く此方を見ると笑みを浮かべた。

「だから御免。私は彼らと共に行きます」

 

***

 

 言ってしまったと思った。

言ってやったと思った。

 今、はじめて自分は自分の意思で決断し行動した。

 同胞を裏切る事への罪悪感が無いわけではない。

寧ろ今も罪悪感に押しつぶされそうなぐらいだ。

だが、だからこそしっかりしなければいけない。

 自分の気持ちに素直に、その場に流され後悔しないように。

 文の無表情になっていくのを見ながら冷や汗を掻き、声を出そうとする。

 だがそれよりも先に突風が吹いた。

 風の刃が頬を掠り、背後の木が粉砕される。

「…………!!」

 鎌鼬だ。

「文様!」

「下がりなさい、椛!」

 文は動こうとする椛を強い視線で制すると手に持つ天狗扇を構える。

「今のは威嚇です。次は当てます。即刻この場から立ち去りなさい」

「……文」

「立ち去りなさい裏切り者。もはやこの地は貴女の居るべき場所ではありません。

今後、二度私たちの前に現れないように。

━━次に会うときは敵です」

 文と視線を交わしながら目頭が熱くなる。

 唇を噛みしめ、頭を下げると「いままで、有難う御座いました!」と叫び踵を返す。

それから翼を広げようとした瞬間に文が呟くのが聞こえた。

「頑張りなさい」

「━━━━」

 羽ばたく。

 振り返りはしない。

 未練が残るから。

 文の善意を無駄にしないために。

 青空の下、涙を流しながら新たな仲間のもとに向かった。

 

***

 

 遠くなるはたてを見送ると文は大きなため息を吐く。

「意外、ですね?」

「……何がですか?」

 椛は口元に笑みを浮かべ此方を見る。

「はたて様を守るためだったのでしょう?

あのまま彼女が皆の前に言っていたら一生の禍根になる。

だから文様が冷たく突き放すことで、彼女を救った?

違いますか?」

 彼女の質問に答えない。

 頬がちょっと熱くなるの実感しながら「あー、やれやれ!」と踵を返す。

「まったくなれない事はするもんじゃありませんね!」

 さて、これからどうしようか?

 色々と大変な問題が残ってしまった。

 彼女が離反した事実を伝えないわけにはいかない。

だがそのまま伝えては彼女が本当に戻ってこれなくなる。

 どうしましょうか?

 まったく厄介事だ。

 こっちだって色々書きたい記事とかあるというのに、これでは当分手がつけられそうにない。

「ほんと、こんだけ人に押し付けて。中途半端したら許しませんからね?」

 もう一度袂を分かった同胞の方を見て、そう笑みを浮かべるのであった。

 

***

 

「さて、どうしたもんかねえ?」

 文とはたてが会っていた森を見下ろせる丘の上に一人の男が胡坐をかいて座っていた。

 男は猿のような風貌をしており、「うーん」と何度も首を左右に動かす。

「見つけた以上報告しなきゃいけないんだろうが、個人の心情的には見なかったことにしたいもんだ……」

「なら、見なかったことにすればいいさ」

 突如空から声を掛けられ見上げれば竜巻が落ちてきた。

 慌ててその場から離れると竜巻が座っていたところに着地し、中から巨大なしめ縄を背負った女性が現れる。

「山の神様ってのは随分と寛容なんだな」

「そりゃそうさ、寛容じゃなきゃ人間の信者を作れんよ。ま、大半の神は人間なんかに興味ないだけだろうが」

 そういうと神様━━八坂神奈子は笑みを浮かべる。

「悪意からの裏切りなら許さないが、あの子の場合は違う。私的にはあれは裏切りじゃなくて巣立ちだと捉えてるよ」

「でも大半はそうは思わない」

 神奈子は頷く。

「だから見なかった事にするのさ。それとも告げ口するのがあんたの仕事かい? 佐助?」

 佐助と呼ばれた男は「参ったな」と頭を掻く。

「見ちまった以上大将に報告しなきゃいけないんだ。それが忍ってもんだろ」

 このまま見なかった事にしてあとからばれたら大問題だ。

“要らず”を受け入れてくれた土地を裏切りたくはない。

そう思っていると神奈子は「だったら」と言う。

「あんたは確かに侵入者を見た。だがその危険性を低いと判断し、さらに東での大仕事の為報告が遅れた。そういうのはどうだい?」

「それは……」

「あるんだろ、東で祭りが。それにまぎれて関東の情勢を調べる」

「神様よ、それは筧達の仕事で俺はサポート要員だぜ?」

「いいじゃないか。サポートが思ったよりも大変でしたって言えばいい」

 「やれやれ」と佐助はため息を吐いた。

ここで変に口ごたえしてこの神様を怒らせても何の得もしない。

なら言う通りにした方が心情的にも良いだろう。

━━才蔵がいま居ないのは運がよかったか……?

「ま、バレた時のフォロー。頼むぜ?」

 そうちょっと拗ねたように言うと神奈子は笑い「任せておきな」と言うと二人で東の空を見る。

 ここからでは関東平野を見ることが出来ないがきっと向うでは随分と派手な事になるのだろう。

そう思いながら欠伸をするのであった。

 

***

 

「感謝祭?」

 古い木造の部屋の中で木の箱を持ちながらエステルはそう訊くと同じように小さな木箱を持っているティータが頷いた。

「はい。統合事変から八年が経ってまだまだ色々な問題があるけど活気づけようと小田原で明後日から感謝祭が行われるんです。

この出会いに感謝をって。

出雲・クロスベルからも有名な劇団が来るらしいですよ?

もう準備の為に色々な屋台が建てられたりして、皆とても楽しそうです」

「有名な劇団って、アルカンシェルかな……? 向うについたら色々楽しめそうだね」

 木の箱を積み重ねていたヨシュアの言葉に三人は頷くと背後の部屋の扉が開いた。

「嬢ちゃんたち、終わったか?」

「はい、いま終わりました!」

 振り返れば強面の中年男性━━魔理沙の父が立っており、彼は部屋を見渡すと頷く。

「助かった。だが……そこの嬢ちゃん、あんたZCFの人間だろ?

なんで遊撃士の手伝いを?」

「あ、はい! 武蔵の現況も大体分かったのでエステルおねえ……エステルさん達の手伝いをしようかと」

 ティータの言葉に霧雨の親父さんは感心したように頷くと「うちの娘も見習ってほしいぜ」と笑う。

それにつられて三人も笑うとヨシュアが積み重ねられた木箱を見る。

「何か商売でも始めるんですか?」

「ん? ああ。織田が伊勢を完全に封鎖したせいで戻れなくてな。

だからこっちで難民向けの商売でもしようかと思ったんだ」

 「おっと」と彼は続ける。

「別に難民から搾り取ろうとかそういうんじゃない。むしろその逆だ」

「逆?」と首を傾げるエステルに頷く。

「難民を狙って阿漕な商売をする奴らが出て来てな。そういう連中から難民を守るためにも武蔵の商工会と協力して健全で正当な店を出す事になったんだ」

 霧雨の親父さんは近くの木箱を叩く。

「ま、こんなご時世だ。互いに助け合っていかないとな」

 「もちろん最低限のお代は頂くが」と笑うとエステルたちも笑うのであった。

 

***

 

 駿府城近くにできた難民村にある仮設商業区から出たエステルたちは武蔵への帰路を歩いていた。

 途中ティータが難民村を興味深げに見ていたので、村を出たあたりで声を掛ける。

「どうかしたの?」

「え? あ、はい。色々な人が居るなーって思って……」

 難民村には様々な人種の人間、そして妖怪がいる。

おそらくその事を言っているのだろう。

「それは…………」

「それだけこの国が注目されているという事だよ。たとえ敗戦国だとしてもね」

 前方からの突然の声に驚き、そちらを見れば白い服を身に纏ったオリビエが居た。

「あれ、どうしてここに?」

「ああ、ボクとしては難民村の現況を見ておきたいと思ってね。

━━付け込める隙があるかどうかと調べるために」

「…………オリビエさん」

 ヨシュアが表情を険しくするとオリビエは笑った。

「はは、冗談だよ冗談。だけどボクが今は英国の人間であるという事は忘れないほうがいい」

「はあ、相変わらず分かり辛い冗談を言って……」

 ため息を吐くエステルにオリビエは笑うと「さて」と彼は腰に手を当てる。

「ちょうどいい、君たち……特にティータ君にちょっと頼みたいことがあってね」

「わ、私ですか?」

「ボクたちも明日小田原に向かう。それで君たちに同行したいのだがどうかな?

同行者はボク、ミュラー君、パチュリー君だ」

「えっと……それは構いませんけど……」

 ティータがエステルとヨシュアを見ると二人は頷く。

「おお、あり難いね」

「オリビエさん、それも敵情視察ですか?」

 ヨシュアの軽く言った言葉にオリビエは大仰に驚いて見せると「これはもうちょっと深刻な話さ」と言う。

「深刻?」

「<<結社>>についてだ」

 オリビエの言葉に三人は息を呑む。

「今まで大人しくしていた<<結社>>がここの所関東で動きを見せている。

どうにもきな臭いと思わないかね?

君たちもそれで小田原に向かうんだろう?」

「オリビエは……どこまで知っているの?」

 オリビエは肩を竦めた。

そして真剣な表情で言葉を続ける。

「何も知らないさ。何も知らないからこそ行動する━━手遅れになる前にね」

 

***

 

 闇が広がっていた。

 暗黒の空に赤い月が浮かび、地平線の先まで低い水面が広がっている。

 水面が波打つ。

 静寂を壊すように水面を波打たせ、一人の少女が起き上がった。

空と同じ漆黒の髪に黄金の瞳を輝かせる彼女は真紅の月を見上げながら呟く。

「そろそろ……かな?」

 起き上がると濡れた長い髪が肌に張り付き、滴が体を伝って落ちる。

 前回、“紅天の頂”との戦いで大きく力を失ったが大分良くなった。

 “彼女”がそろそろ動く。

その混乱に合わせて嘗て得られなかったものを得ることにしよう。

「ふふ……貴女の初陣よ?」

 微笑みかける先、純白の少女が浮かんでいた。

 髪から肌まで真っ白な少女は黒い白めに赤い瞳を輝かせ、虚ろな表情を浮かべる。

そんな彼女に近づき、頬を撫でると口元を吊り上げる。

「貴女は特別よ。特別だからとっておきの物をあげる」

 掌の中で黒い結晶石を作り出すと白の少女の胸に埋め込む。

「ア……ァ……アアアアアアアアアアアアア!?」

 天を裂くような叫びだ。

白の少女は己の胸を引き裂きながら叫び声をあげ、血の涙を流す。

それを見ながら黒の少女━━驪竜は己の体を抱きしめ大笑いした。

「どう!? 苦しい!? 苦しいでしょう!? 憎い!? 憎いわよねえ!!

こんな絶望を“私”に味あわせたあいつらが憎いわよねえ!!」

 そうだ憎い。

 憎い。

 だから全部壊してやる。

あいつの全てを壊してやる。

 白の少女が水面に倒れる。

驪竜はそれを無視し、ひたすら笑った。

「さあ! “私”の戦いの始まりの地へ向かいましょう!!」




諏訪子とノリキの出会い。そしてはたての決別。
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