剛はあの後路地裏に入りブックゲートを使いノーザンベースへと向かった。
剛「帰ったぜ!」
剛が扉を開けるとそこには翔太・東吾・アランがそして上の階ではソフィアが待っていた。
ソフィア「ご苦労様でしたバスター、一時はどうなるのかと思いましたよ」
剛「ガッハッハッ!悪りぃ悪りぃ、ちょっと向こうの司令官がどう言う奴なのかを知っておこうと思ってな!」
アラン「実際はどんな人物だったんですか?」
剛「そうだな.........俺様と気が合いそうではあったな!」
アランの問いに剛はそう答える。それを聞いたアランと東吾は少し苦い表情をしていた。
何も知らない翔太は東吾に耳打ちする
翔太「なぁ、どうしてそんな苦い表情してるんだ?」(ヒソヒソ)
東吾「剛さんは剣士の中でも1番の怪力なんだ。
元々土豪剣は途轍もなく重い剣でな、今は所有者に合わせて重さが変わるらしいが剛さんは元の重さを持てるまでの筋肉と力があるんだよ。
それに、多分向こうに行って腕相撲をしている筈だ。それであんなに上機嫌なら向こうの司令官も相当な奴だって事だ。」(ヒソヒソ)
翔太「えっ?それって本当に人間なの?」(ヒソヒソ)
翔太は驚きのあまりそう言ってしまう。しかし東吾は無言で頷くだけだった。
剛は暫く話していると思い出したように手を叩き隅に置いていた荷物からお土産を取り出した
剛「そうだ!そうだ!コレだよ!ほらアランお前が言っていたベルギーのチョコレート結構探したぜ。」
アラン「ありがとうございます!うわぁ......コレはしっかり味わって食べなくては!」
東吾「剛さんは今回ベルギーに行ってたんですか?」
剛「あぁ、最近向こうで小さい本の情報が出てな。向かったんだが、単に小さい観賞用の本だったんでな。それがわかってからはちょいと観光してたんだ。」
翔太「じ、自由な人だなぁ........」
翔太はそう思うのだった。それを聞いた剛は翔太の方を向き近づいていく
目の前で立ち止まると翔太よりも大きいため見下ろす形になってしまった。
翔太「な、なんでしょうか.......」
剛「お前さんが烈火を受け継いだ剣士か。」
翔太「は、はい」
翔太が頷くと剛は翔太の両肩をバンバンと叩き笑い出す
剛「そうか、そうか!お前さんなんだな!ガッハッハッ!コレからは同じ剣士としてよろしくな!」バンバン
翔太「はッ!い!よろしッ!くお願いしますッ!」
翔太は肩にくる衝撃に耐えながらなんとか挨拶を済ませる
剛「そんじゃ俺は家に荷物を置いてからまた来る。新米!俺様直々に相手してやるから練習やっておけよ?」
翔太「えっ!?俺と!?」
剛「じゃあな!」
翔太「えっ!あっ!ちょっと!!」
剛はそれだけ言うと荷物を持って扉から消えていった。
残された翔太は東吾とアランに近づく
翔太「あの人自由すぎない!?て言うかいきなり決闘になったんだけど!」
東吾「翔太、諦めろ剛さんはああ言う人なんだ」
アラン「実際僕と東吾君もやりましたから.........」
ソフィア「ふふふ、賑やかになりましたね。」
ノーザンベースでは翔太の叫びがよく響いたとか
ノーザンベースから剛は使用している家に着くと荷物を部屋に置き机に置いてある一枚の写真盾を手に取る。
剛「ようやく、アンタらとの約束を果たせそうだぜ........」
写真盾には、19だった頃の剛の他に雪音夫妻そして幼い頃のクリスそして現地の住民の数名が写っていた。
剛「あれからかなり時間が経っちまったけど、大きくなってたな。クリスの奴」
剛はそう言って思い返す様に目を瞑る
6年前
記者を辞めた剛は荷物を纏めるとすぐさまバルベルデへと向かった。
そして雪音夫妻のいる家へと向かい扉をノックすると、扉が開いたが開けた事物は銀髪の小さな女の子だった。
それこそまさに幼い頃のクリスだった。
剛(19)「おっ?この子が」
クリス(10)「お、おじさん誰?」
剛「おじ........俺は君のご両親に用があって来たんだ。」
クリス「パパとママに?」
クリスが聞き返して来ると同時に扉の向こうから父の雅律がやってきた。
雅律「聞いた事のある声がしたと思ったけど、やはり剛君だったのか!」
剛「ご無沙汰してます!俺もアンタ達の夢を手伝わせて欲しい!」
剛はあの時から雪音夫妻の夢を応援すると決めていたのだ。
それからは雪音夫妻がやっている事の手伝いや荷物の運搬時にはクリスや他の子供達の相手をするなど現地住民とも親しくなっていった。
そして思い出として写真を撮り暫く同じ様に生活していたある日
それは突然やってきた。
剛達のいた村が戦争に巻き込まれたのだ。
物資を運搬していた剛はそれをその場に置き、急いで村へと直行していた。
剛が村に到着した頃には村は火の手が回っており、逃げ惑う人で溢れていた。
剛「おい!こっちは水辺がある!先ずはコッチに避難しろ!物資もあるから数日は持つぞ!」
剛の言葉に村人はすぐに行動を開始する。
そして気づく銀髪の髪の人物達が見えないことに
剛「まさか!」
剛は雪音夫妻の家へと走る。
そして目の前で泣き喚くクリスそれを必死に止める女性
剛はその場面を見ただけで事の顛末を理解し、そばの水汲みから水を全身に被り火の中へと入っていく
クリス「おじさん!」
女性「ちょっと!貴方も死ぬわよ!!」
剛は炎の中を進み2人を探す。そこまで広く無い家だったこともありすぐに見つかったが、2人は下半身が埋もれており息も絶え絶えだった。
剛「ッ!ふざけんな!!」
剛は瓦礫を掴むと体全体を使って退かそうとするが、大きさは5mまで及び人1人でどうにかできるものでもなかった。
雅律「うっ.......剛君........なのか?」
剛「雅律さん!待ってろ!今すぐ瓦礫をどかして助けてやるからな!ぐぉぉぉぉぉぉ!」
雅律「いや.......もう、いいんだ...........娘を連れて..........此処から......離れて欲しい」ヒューヒュー
剛「ふざけんな!お前らの娘だろうが!しっかりクリスが自立出来るまでは一緒に居てやれ!」
剛は雅律の言葉に対して怒号を放ち瓦礫を退かそうと作業を続ける。
雅律「もう、私達は...........助からない。瓦礫に...........内臓を潰されて..........いる。」ヒュー
剛「んなもん医者がどうにかしてくれる筈だ!諦めてんじゃねぇよ!」ポロポロ
事実を言う雅律に剛は涙を流しながら叫ぶ。剛もわかっていたのだ最初に見た時点で2人が助からない事に、しかし心がそれを否定する。
2人はまだ助かる。助けなくちゃいけないんだ!っと
雅律「もう.......いいんだ。私も........ソネットも.........君に娘を........クリスを.......任せた...........かった..........」
剛「ッ‼︎」
雅律のその言葉に剛は作業を止め聞き入ってしまった。
雅律は気にせず言葉を続ける
雅律「君は.........とても素直だ.........だから......その素直さは.........社会からは.........浮き出てしまう.........でも.....その素直さが.....私には......とても眩し........かった。」ヒュー
剛「違う.......俺はただやりたい事をしているだけなんだ!だから!」
それを否定しようと言葉を言おうとした時
ソネット「剛......さん.........」
剛「ソネットさん!?」
クリスの母であるソネットが目を閉じたまま口を開き言葉を紡いでいく
ソネット「クリスは.........とても良い子なの.......そして.......とっても歌が大好きで........今はまだ素直な子........なのだけれど........きっと将来は照れ屋さん..........なのかしらね..........だからあの子を............どうか支えて下さい..........あの子は.........クリスは.........私達の...........たった一つの...........宝物..........なn...........」シーン
ソネットはそれだけ言うと口を動かさなくなった。
剛「ッ!〜〜〜〜〜ッ!」
剛は握り拳を作り瓦礫に向け意味もなく殴り続ける。
雅律「どうか........クリスを頼む...........どうか...........」シーン
雅律もまたそれだけ言うと目を開いたまま動かなくなった。
剛「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
剛はそれだけ叫ぶとその場から離れ炎から逃れる。
剛は炎の中から出ると燃え盛る後ろの家を見て膝をつき両腕で地面を強く叩いた。
剛(クソッ!クソッ!俺は.........俺は!誰も救うことが出来ないのか!俺には!誰も!!)
悔しがる剛
剛(俺は.......)
雅律『どうか........クリスを頼む』
ソネット『クリスは.........私達の...........たった一つの...........宝物』
しかし2人の言葉を思い出し剛は心に誓う
剛(悔しがってる暇なんてない。俺が護るんだ!2人の宝物を.........そうと決まれば泣いてなんか居られない!すぐに.......ん?)
剛はクリス達村人達と合流しようとしたが足元に鼠色の小さな本を見つける。
剛「本?どうしてこんなところに.......ッ!?」
剛はその本を拾うと地面が大きく揺れる。
剛は振動に対して踏ん張る。そして揺れが収まり顔を上げるとそこには大きな大剣が地面に刺さっていた。
剛「コレは........よし」ガッ!
剛は目の前にある剣を手に取り
剛「オンドリャ!!」
力一杯に引き抜いていく、剣は少しずつ抜けていきやがてその刀身を露わにした。
剛「・・・」
剛は剣を手にいまだに爆音が鳴り響く場所へ向けて足を進める。
戦場
バルベルデの反政府軍との戦争が続く中政府軍はやたらと攻撃的な反政府軍に責めきれずにいた。
そんな時
ドゴォォォォォォン!!
という衝撃と共に政府軍と反政府軍は攻撃の手を辞めてしまった。
全員が音のした方へ顔を向けると大きな土煙が舞い。そして中から鼠色の装甲に同じく鼠色の大きな大剣を背負った人物が現れた。
両者共に突如現れたイレギュラーに戸惑う中反政府軍の兵士1人が大砲を打つ。
大きな爆発の後煙が舞う。
あの爆発では生き残らないだろうという反政府軍だったが、煙が晴れるとそこには無傷の剣士の姿があった。驚愕の事実に政府軍ですら驚いていた。
剣士は剣を振り上げると地面に叩きつける。するとたちまち地面は2つに分かれ大きな溝を作る。
剣士は反政府軍の陣地を歩き溝の入り口で腰を下ろし反政府軍を見据える。
まるでこれ以上騒ぐのであれば自分が相手になると言うふうに
反政府軍はこれには不利と感じ全軍撤退していった。剣士はそのまま動かなかった。
それから1週間剣士はその場を動くことなく居座り続けた。戦争は休戦状態となり何も出来ずにいたが、その1週間の最後の日に全員が寝静まった後朝を迎えると剣士は消えており活断された地面も元通りになっていた。
現在
剛「........懐かしいな、あの後スラッシュに連れられてソード・オブ・ロゴスに来たんだったな。」
剛は写真盾を机に置く
剛「よっしゃ!今は新米のレベルアップだ!ビシバシ鍛えるぞぉ〜!」
剛はそれだけ言うとブックゲートでノーザンベースへと向かう。
その後圧倒的なパワーに翻弄された翔太は何度も宙を舞ったとか、手応えがなくアランや東吾まで付き合わされたとか
翔太(この人、無茶苦茶過ぎる)
翔太は終わった後そう思うのであった