戦姫抜刀シンフォニックセイバー   作:攻月レイド

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第二十章 戦姫と剣士、戦いの果てに

 

 決戦が終わり夕焼けが辺りを包む。そして地面に降り立った装者と剣士達はその場にいない響と翔太がやってくるのを待つ。

少しすると響と翔太は、至る所がボロボロとなったネフシュタンを纏ったフィーネを2人で肩を担ぎ戻ってきた。

 

フィーネ「一体、なんの真似だ.........」

翔太「俺たちがやりたい事をやっただけですよ」

響「それにフィーネさんとは話してみたかったんです」

 

 フィーネを担いで戻ってきたら2人に呆れる者も多いが全員が全員心の底から嫌っているわけでは無いようだ。

フィーネは顔を合わせようとはしない、響はフィーネに近づき手を差し出す。

 

響「フィーネさん、私達と手を取りましょう。そして貴方の思いを貴方が思っている人に伝えに行きましょう。」

フィーネ「・・・私がその手を取ることはない。」

 

 フィーネは立ち上がり響から距離をとり宇宙を見つめると独り言を呟いていく

 

フィーネ「先史文明の頃より私は幾度となく転生を繰り返してきた。ある時は一刻の女王に、またある時は錬金術師として、そして私はこれまで痛みによってしか分かり合えないと思っていた。今世で私は遂に悲願を叶えられると思ったしかしそれを貴様らが........!」

 

フィーネは鞭を握りしめる。

 

クリス「フィーネ.........」

フィーネ「まさか剣士にも邪魔をされるとは思わなかったがな、あの占い師の予言は本当だったようだ........だがただでは終わらん!

 

 フィーネはそう叫ぶと振り返りと同時に鞭を放つ。響は鞭の攻撃を避けると寸止めをする。誰が観ても響の勝利に思えたが

 

フィーネ「私の勝ちだ!!

 

 フィーネは鞭を握りしめ何かを引っ張る。地面が凹むほど力を込めネフシュタンの鎧がボロボロと崩れていく。そして引っ張り終えたフィーネは高らかに叫ぶ

 

フィーネ「月の欠片を落とす!」

 

 その言葉に全員が驚きの表情となる。カ・ディンギルによって月の一部は崩れていた。それが落ちてくるとなると被害は想像つかない。

 

フィーネ「今世では邪魔されたが今この時に脅威となる因子は潰えさせてもらう!今回は負けたが私は何度でも蘇る!歌がある限り何度でも!私は永劫を生きる者!フィーネなのだからな!ハハハハハ!」

 

 高らかに笑うフィーネに装者と剣士達が武器を構える中、響はフィーネの胸にトン....っと軽く拳を打ち付ける。それと同時に風が吹き抜ける。

 響は顔を俯けていたが顔をあげニコリと笑う

 

響「そうですね、私には未来を見ることは出来ないです。だから私はフィーネさんが安心して生まれた時の為に今をしっかりと護ります!」ニコッ

 

響に続いて翔太も一歩踏み出し言葉を発する

 

翔太「確かに未来はフィーネさんに任せた方が何かと安心できますね。今回のことで誰かを頼る事の大事さとか学んだと思いますし、次生まれ変わった時は頼みます」

フィーネ「貴様らまさか.........」

 

 フィーネは翔太と響の言葉にこれからの事を予測する。そしてため息を吐くと了子としての口調で話す。

 

フィーネ「全くどうしようもない子達なんだから.......」

 

フィーネはそう言うと微笑み、翔太に一冊のライドブックを手渡す

 

フィーネ「その本をあげるわ、と言ってもさっき私も手にしたばかりだけど。それと、自分を見失わないように気を付けなさい........」

 

そして次に響の胸に人差し指を軽く指すと

 

フィーネ「胸の歌を、信じなさい.......」

 

それだけ口にするとフィーネは身体を散らしながら消えていった。

 

 

 

 

朔也「軌道計算出ました。直撃は避けられません.......」

 

 オペレーターの藤尭がパソコンを操作し結果を報告する。その事実に一同は表情を暗くする。

そんな中、翔太は渡されたライドブックを手にそれを見る。それは明るい黄色で彩られ絵にはデュランダルが描かれていた。そのライドブックの名は

 

ローランソング

 

翔太はライドブックを手に月を見上げる。そして決心をするとウイングを展開する。

それに気づいた未来が呼び止める

 

未来「翔太、なにをする気なの?」

 

翔太は、一度深呼吸をすると振り向き言葉を紡ぐ

 

翔太「皆の明日は俺が絶対に守ってみせるから。だからちょっと月の欠片壊してくる」

 

 翔太はそれを言うと、有無を言わさず翼を起動させグングンと上へ上へと向かっていく。

そして先程のローランソングを取り出しページを開く

 

とある1人の騎士が携えた、永劫不滅の聖剣

 

 ローランソングを左のスロットに装填し抜刀する

 

烈火抜刀

 

タ・ツ・巻ドラゴ〜ンイーグル!

 

増刷

 

ナイトデュランダル

 

 ドラゴンイーグルフォームの姿に左側を黄金の鎧と肩にはデュランダルの形をしたアーマー、左手には先程対消滅した筈のデュランダルが握られていた。

 

翔太「大丈夫........フィーネさんが託してくれたこのデュランダルがあれば..........俺が!俺がみんなを守るんだ!」

 

翔太は烈火を納刀しトリガーを引こうとした時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アラン「そこは僕達がと言うべきでは?」

翔太「えっ?」

 

 翔太は後ろを振り向くするとそこには、ライオンファンタジスタフォームのアランとランプドヘッジホッグフォームの東吾、そして剛が追ってきたのだ。

 

翔太「どうして.......」

アラン「月の欠片を壊すのは良いですけど、その後の瓦礫などの事は?」

翔太「え?・・・あっ」

剛「ほらな?やっぱり考えてなかっただろ?」

アラン「剛さんだって小さい瓦礫の事は気にしてなかったじゃないですか.....」

剛「細けぇ事は良いんだよ、ガッハッハ!」

東吾「それに追ってきたのは俺たちだけじゃ無いさ」

響「翔太ー!皆さーん!」

翔太「響!それに翼さんに奏さん!クリスさんも!」

 

 東吾達のさらに後方から翼を羽ばたかせ近づいてくる装者達、全員が集まる。

 

翔太「皆なんで.......」

響「私もフィーネさんに守るって言ったんだもん!」

クリス「この馬鹿が飛び出したしな、それに考えなしに向かっていくお前の尻拭いをしてやって恩を売っておくんだよ」

剛「とか言ってるがコイツ、こう見えても結構優しいから普通に心配したと思うぞ」

クリス「バッ!そんな事!」

翼「少しとは一度は共に戦ったのだ。最後まで付き合おう。」

奏「後輩にも先輩がいかに偉大かを見せておかないとな」

東吾「普通に心配したっていえば良いだろう」

アラン「これがツンデレのツンの部分と言うことですか」

翼・奏『違う!』

翔太「ふふっ、アハハ!」

 

 先ほどまで命をかけて守ろうとしていた翔太だが、いつもの和やかな雰囲気に当てられ笑みを溢す。そうして翔太は全員に顔を向けると

 

翔太「俺だけじゃ多分完全に壊すことなんて無理かもしれない。だから皆の力を貸して欲しい!」

翔太以外『勿論!』

 

 剣士と戦姫は再び月の欠片に顔を向けそれぞれの武器を構える。

翔太と東吾とアランは聖剣を納刀しトリガーを一度弾くと抜刀し構える。剛は玄武神話をリードスペースに五回リードし必殺技の構えを取る。

 響は拳と拳を合わせると左のバンカーが右に移動し右のバンカーと連結する、するとバンカーは杭打ち機の様な形を取る。翼は剣を巨大化させさらにそこからもう一段階大きくするとエネルギーを溜める。奏は槍を構え先端を開くとエネルギーを集中させる。クリスは両肩に6発のミサイルを構えるとそれを増やしていき両肩合計千発物ミサイルを構える。

 

 月の欠片が近づいてくる。そして剣士と戦姫は溜めたエネルギーを放つ!

 

 

 

ハイドロ・スプラァァッシュ!

 

ATMIC∞NOVA

 

トルエノ!ミル!ランザ!

 

真・蒼ノ一閃 真打

 

大!滅!斬!

 

GIGANT METEOR

 

火炎!黄金斬り!

 

 

 放たれた攻撃は月の欠片へと向かっていく、そして月の欠片の場所を中心として大きな爆発が起きる。

地上で見ていた未来達の目には満天の星空に幾千もの光の線が空を埋め尽くした。

 

未来「翔太.......響............」

 

 この日強大な敵と戦った剣士と戦姫達は行方不明となり、2ヶ月後には死亡したと言う事が発表された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雨が振り続けるこの日、未来は花束を手に郊外に作られた響と翔太の写真が置かれた墓地の前に来ていた。

未来は雨が降っているのにも関わらず傘を刺さずに墓の前に立ち尽くす。そして涙を流し花束を落とすと膝をつく

 

未来「こんなの.......嫌だよぉ........帰ってきてよ!響!!翔太!!」

 

 泣き崩れる未来、そんな時近くから悲鳴が聞こえる。未来は涙をふくと悲鳴の聞こえた方へ駆けていくそこにはノイズに詰め寄られている1人の女性がいた。未来は女性の手を掴むと一目散にノイズから逃げていく。

しばらく逃げ続けたが女性は体力の限界か倒れ込んでしまう、未来は女性の方へ近寄る。

 もう一歩も動けない女性しかしノイズはそれでも近づいてくる。女性が絶望する中未来は諦めない。

 

未来「絶対に諦めない!ノイズなんかに絶対に負けないんだから!」

 

 未来は女性を庇うように手を広げ立ちはだかる。ノイズがさらに近づこうとした時ノイズの横と上から攻撃が行われノイズを炭素へと還す。

 突然の事に驚いている未来の目の前に2人の影が降り立つ

 

 1人は黒い背中だが右肩には龍のような形をしたアーマー、そして右手には赤い剣を

 1人は白と黄の鎧を身につけ、栗色の髪の女性

未来はさっきまで止まっていた涙が再び流れる。

 

???「いや〜ごめんね未来、今日まで情報の操作やらなんやらで動いちゃダメだって師匠が厳しくて........」

???「俺は少し治療をしてて、戻ってくるのが遅くなってごめん」

 

 聞き覚えのある声、いいや聞き馴染んだ声に未来は口を手で抑える。2人はその身に纏った鎧を解除すると未来の方を振り向く。その2人の姿をみて未来は2人に抱きつく。

その2人は2度と会えないと思っていた2人、この2ヶ月の間何度も会いたいと思っていた2人

再び会ったら言いたいと思っていた言葉を未来は涙を流しながら言う

 

未来「響.........翔太........おかえりなさい

 

翔太・響『未来........ただいま!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 抱きしめ合う3人、それを少し離れた場所から見守る人物達

 

クリス「ったく、そう言うのは家でやれ」

剛「まぁまぁ良いじゃねぇか、会えなかったんだからよ」

翼「小日向には悪い事をしたな」

奏「少しくらい会っても良かったと思うけどな、私は」

アラン「それでバレたら元も子もないでしょう........」

東吾「まぁ俺たちは関係ないが翔太が無茶をしそうだったからな」

 

 剣士達と戦姫は生きていた。全ては情報を欺くために、それを終えそれぞれ日常に戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:何処かの密林

 

???「ハァ!ソリャ!これでお終い!」

 

 1人の剣士がノイズを切り裂いていく。全てを倒すと剣士は変身を解除する

 

???「ふぅ.......ノイズの対処に終わったけどライドブックは見つからなかったか〜、久しぶりにノーザンベースに帰ろう!東吾君やアランも居るだろうし、それに烈火を受け継いだ剣士も気になるしなぁ〜。」

 

 その人物は手に持つ緑色の剣を腰に納刀すると歩いていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:フランスの音楽ステージ

 

 そこには1人の青年がピアノを弾いていた。演奏が終わると青年はお辞儀をするとステージから退場する。

控え室に入ると水を飲みながら携帯を見る。そして一件の通知に着目する。

 

???「剛から?・・・・・・アイツまた聖剣を酷使したのか!はぁ......まぁ良いか、聖剣ももう直ぐ修理も終わる。それに烈火の剣士とは是非会っておきたい。」

 

青年は返信を送ると携帯を閉じ、控室を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

場所:???

 

 そこには1人の青年が聖剣を手に月を見上げていた。

 

???「火炎剣か、使い手はその力に飲み込まれるのかそれとも.........未来を確実な物にする為にも俺は.........」

 

青年は紫色の剣を手にその場から姿を消す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これにて一つの戦いが幕を閉じる。しかし、それは終わりではない。これはまだ始まりに過ぎない。

 

剣士と戦姫が紡ぐ物語はまだ続く

 

第1巻 完

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