ウルトラマンジード ベリアルの子ら   作:ヨアンゴ

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第五話「そして僕にできること」Bパート

 

 

 

「それにしても、本当に――こうしてお話ができて、嬉しいです!」

 

 AIB地球分署極東支部の、客室にて。

 ルカとふたりきりで会話を初めて早々、アサヒがそんな風に笑っていた。

 

「ゼロさんの話を聞いてから……あたし、ずっとルカちゃんに会いたくて、無理を言って来させて貰ったんです」

「……私に?」

 

 その言葉を、ルカは訝しんだ。

 本当に会いたかったのはリクとだろうに、このぶりっ子め――などと、少々意地悪く思ったものの。言われてみれば、次元移動能力を持つエックスと大地はともかく。仲間集めの時点でわざわざ、アサヒまで付いて来てリクとの関係を見せつける必要もないことに、ルカはようやく思い至った。

 

 そんなルカに向けて、アサヒは咲き誇るような笑顔で告げた。

 

「はい! リクさんの、家族になってくれて――ありがとうございます、ルカちゃん!」

 

 ……それは、奇しくも。リクの家族になろうとしてくれたあの人――兄妹の名付け親である朝倉スイがくれたのと、同じ言葉だった。

 それが純度百パーセントの、心からの贈り物だと。何故か確信できたルカは、面食らって何も言えず。ただ、アサヒの顔をまじまじと見つめていた。

 そんなルカに向けて、アサヒはゆっくりと語り出した。

 

「リクさんは……とっても凄いヒーローなんです。家族の居ない自分がどんなに寂しくても、辛くても、いつも誰かのことを想って助けてくれる、優しい人」

 

 噛みしめるようにして吐かれる、アサヒによるリクの人物評。それは、ルカも心底同意する内容だった。

 ただ一つ、アサヒの知るリクと、ルカの知る兄の間にある、たった一つの違いは――

 

「そんなリクさんに――妹さんが見つかったって聞いて。リクさんが、ひとりぼっちじゃなくなったって聞いて。あたし、本当に嬉しかったんです!」

 

 そう語るアサヒの様子からは。本当に、心から、我が事のように喜んでいるのが、ありありと感じ取れて。

 その太陽のような輝きに、恥じ入るような居心地の悪さを感じているルカの手へ。突然アサヒが、掌を重ねてきた。

 一瞬、物怖じしたルカに対して、アサヒはにっこりと微笑んだ。

 

「だから、ルカちゃんに御礼が言いたかったんです。リクさんを、ハッピーにしてくれて――生まれてきてくれて、本当にありがとうございます!」

「――っ!」

 

 その言葉が、余りにも衝撃的で。思わずルカは、息を止めてしまった。

 

「わ、どうしたんですか!? 泣かないでください、ルカちゃんー?」

「ごめ、ん……だって、びっくりしちゃって――」

「わぁ! うぅ、あたし、よくわかってないんですけど……ごめんなさい……」

「違う、アサヒが悪いんじゃないよ」

 

 むしろ、悪いのは――口にこそ出さなかったとしても、アサヒのことを散々に敵視していた、ルカの弱い心の方だ。

 

「でも、初めてだったから……生まれてきて、ありがとうなんて言われたの……」

 

 こんな――こんな優しい言葉をくれる人に、自分は何を思っていたのだろう。

 己が不明を恥じるばかりのルカに対し。心配して寄って来てくれていたアサヒは、隣で喫驚したように声を上げた。

 

「えぇ!? それはリクさんたちが酷いです! 見損ないました!」

「やめて、お兄ちゃんたちは悪くないよ!?」

 

 自分のために、リクへと怒ってくれる意外を想いながら。ルカは、必死になってアサヒを留める。

 ……ウルトラマンゼロから事の顛末を聞いているということは、正体を隠す意味もないだろうと。ルカは決心して、己の身の上を口にした。

 

「でも……私は、どこかの誰かに、戦いのために造られた怪獣だったから。そんなこと、言って貰えることがなくて」

「なんだ、そんなのあたしも一緒ですよ」

 

 思わぬことを、アサヒはあっけらかんと言ってのけた。

 

「あたしも元々は、お兄ちゃんたちがウルトラマンになった時、その助けとして生み出されたクリスタルが変身した存在だったんです。最初はそんなこと、あたしも皆も知らなかったんですけど……だからあたしは、湊家のお父さんともお母さんとも、お兄ちゃんたちとも、本当は血が繋がっていないんです」

「そんな……」

 

 アサヒから聞かされた身の上に、ルカは返すべき言葉を見失った。血の繋がった兄に恵まれた己と比べて、アサヒが抱える孤独のほどが、余りに深く思えたから。

 それこそ、ルカと出会う以前の――たった一人の血縁である父を殺めるしかなかったという、過去のリクと同じぐらいに。

 なのに、リクが独りでなくなったことを喜び。ルカの命を祝福するために、世界の壁を越えてきたアサヒは、何の翳りも覗かせずに語る。

 

「でも、湊家の皆は言ってくれました。あたしがどこの誰だとしても、アサヒはアサヒじゃないかって……おかげで、あたしは胸を張って、家族のことが大好きな湊アサヒで居られるんです!」

 

 リクのように。造られた命でありながら、家族とともにその運命を変えてみせたというアサヒの、眩しい笑顔に照らされて。

 同じように、後から末妹として家族に加わった、造られた存在の見せるその、優しい強さに。

 ルカは、自然と涙が乾くのを感じた。

 

「だから、ルカちゃんも言って貰ってください! リクさんたちから、生まれてきてくれてありがとう、って!」

「そんな……恥ずかしいよ……」

「むぅ……じゃあ、無理強いはいけませんね」

 

 悩ましげに唇を尖らせる彼女へ、ふとルカは呼びかけた。

 

「アサヒ」

 

 恐怖から目を逸らすための対抗心が晴れた今。どうしても……アサヒに、訊いてみたいことがあったから。

 

「私……私、こんななのに。本当に、そんな、あなたに御礼を言われるぐらいに……お兄ちゃんを、ハッピーになんか、できてるのかな……?」

「できてますよ。だって、ゼロさんも言ってました。あんなに嬉しそうで……自分のために、誰かを守るリクさんは、見たことがなかったって」

 

 己は厄介事の種でしかないのではないか。そう悩むルカの問いに、アサヒは即答してくれた。

 

「実際に……さっき見た、ルカちゃんを自慢するリクさんの笑顔は。前よりももっと、暖かく感じられました」

 

 兄が、ルカのことを自慢してくれていたというアサヒの言に。ルカは胸を詰まらせる。

 そして、馬鹿なのは兄ではなく己だったと、再び深く反省するルカに向けて。アサヒは、優しく微笑みかけた。

 

「その笑顔を、あたしたちにも守らせてください、ルカちゃん。それに、もしもあなたが居なくなったら、悲しいのはもう、リクさんだけじゃないんです」

「アサヒ……」

 

 アサヒのお願いに、ルカはすぐには返事ができなかったが――昂ぶっていた感情が少し落ち着いた頃になって、ようやく。言うべき言葉を、口にすることができた。

 

「ありがとう……」

「どういたしまして。ルカちゃんがハッピーなら、あたしもハッピー、ハッピッピーです!」

 

 元気よく笑いながら、妙ちきりんなことを口にするアサヒに。つい釣られて笑いながら、ルカは感想を零す。

 

「アサヒは、すっごく強いね。どうしてそんなに……」

「それはもちろん、家族の絆ですよ!」

「いいなぁ……私たちのお父さんは、最悪だから……」

 

 もちろん、兄という最高の家族に、ルカも恵まれているものの。生まれた時点で故人である父ベリアルは、アサヒと湊家のような暖かな絆をリクとの間に結ぶことはなく。兄の心に深い傷を残し、ルカにはヤプールやフワワ、そしてノワール星人のような厄介事を呼び込むばかりで、少しも励みにできるところがない。

 湊家のお父さんの爪の垢でも煎じて呑んで欲しい、などと考えているルカに対して。アサヒは少し、バツが悪そうな顔をしていた。

 

「……ごめんなさい。少し、嘘吐いちゃいました」

「えっ……?」

「あたしが、ここまで胸を張れるようになったのは……きっと、リクさんのおかげです。お父さんとのことで、辛い思い出があるのに――他の誰かの家族のために、本気で怒れるリクさんを見たから。もう、こんなことで悩んじゃダメだって、そう思えたんです」

「……そっか」

 

 ペガが言っていた家族の話とは、つまりそういうことだったのだろう――迷いなくルカに語った出自の話も、その中で、既に。

 そして、アサヒがリクから強さを貰ったように……二人の様子を思えば、リクもアサヒから、きっと。

 家族になってくださいという、リクに対するアサヒの言葉は。そんな孤独な運命に生きた者同士に贈る、己を救ってくれた幸せを分かち合うための、互いを思いやる純粋な祝福だったのだと。今ならルカにも、理解できた。

 そんな、アサヒから伝わった優しさの欠片を、リクはきちんと受け取って、確かな自分の物にして。互いを想い合える家族として、ルカの居場所になってくれた。ヤプールに囚われたライハのことも、決して諦めずに助け出してくれた……それを先んじて理解していたから、ライハはアサヒのことを恩人と呼んだのだ。

 

 ――敵わないや。

 

 そう認識して。だけど、何故か。どこまでも晴れやかな心地で。

 清々しく気持ちを落ち着かせたルカは、アサヒに向かって深く頷いた。

 

「うん。そう思っちゃうのも仕方ないよね。だって私のお兄ちゃんは、最高のヒーローだから」

「はい! リクさんは、とっても素敵な、ルカちゃんのお兄さんです!」

 

 心から同意して笑ってくれるアサヒに、ルカもようやく、恥じることなく笑顔を返すことができていた。

 

 

 

 

 

 

 一通り、モアに連れられた挨拶回りが終わって、リクたちが休憩室に戻ると――すっかり打ち解けた様子のルカとアサヒが、仲良く談笑しているところだった。

 

「わぁ、そっちの世界にもナイチンゲールは居るんだね!」

「はい。実はあたしのお友達の、古いお友達なんだそうです」

「えっ、すっごーい! でも、白衣の天使ナイチンゲールは言ってたもんね。天使は苦悩する者のために戦う、って……アサヒのイメージぴったりだから、そのお友達も似た気配を感じて仲良くなれたのかな?」

「いやいやそんなぁ~。天使だなんて、褒めても飴ちゃん以外何も出ませんよ、ルカちゃん♪」

「……………………なんで?」

 

 そんな様子を見て。掠れた声に、何故か恐怖すら滲ませて、モアが呟いた。

 愕然と立ち尽くしていたモアは、彼女が持ち場を離れた間、一人待機させられていたゼナに引っ張られて部屋の外へ消え。リクとペガだけがたちまち、二人に合流する形となった。

 

「……良かった、二人とも仲良くなれたみたいで」

「あっ、お兄ちゃん!」

 

 リクの合流に、ルカが今更気づいた様子で反応した。それだけアサヒとの語らいに夢中になっていたのだろうと思うと、何故かリクまで嬉しくなった。

 

「ねぇねぇ、今度私も連れて行ってよ、アサヒの家! 一緒にパジャマパーティーしたい!」

「わー、それは楽しみです! リクさん、また考えておいてくださいね」

「アサヒの家……そういうのもアリかな……」

 

 トレギアを討つため、リクが不在にする間。いっそルカを別宇宙で預かって貰うというのも手だろうか――リクは真剣に考え始める。

 ギンガの秘策、それが抱える副作用への対処として。トレギアの相手は、かつてタイガたちトライスクワッドに力の一部を貸し与えたメンバーで挑むらしく。アサヒはその集合場所にして、彼女の故郷である綾香市を兄に代わって守るために残留するという。仲良くなっているルカを託すには、これ以上ない相手だとリクは思う。

 ……だが、AIBほどの社会への工作能力を持つ協力者が得られるとは考え難いし、別宇宙や次元移動者にも、ノワール星人と同様の手合が居ないとも限らない。

 それこそ、ヤプールは上位次元からあらゆる宇宙に干渉できるとも聞く以上、迂闊に湊家や他所様に迷惑をかけるべきでもない。

 そんな風にリクが思い直したその時、再び休憩室の扉が開いた。

 

「……動きがあったぞ。ノワール星人の」

 

 ライハと大地を引き連れて。部屋に立ち入って来たゼットン星人ペイシャンは、そう報告してきた。

 

 

 

 

 

 

 ノワール星人から新たに送られたメッセージとは、AIBへの脅迫だった。

 

 地球人への交渉を阻害するAIBの対応は、ノワール星の尊厳に対する不当な妨害であり――即刻取りやめ、スカルゴモラの身柄を引き渡さなければ、実力行使に打って出ると、そんなことを宣った。

 そうして、一時間以内に所定の場所まで、スカルゴモラを連れて来い、と。もしも交渉するとしても、AIBではなく、この星の主権を握るべき地球人から代表を選出し、ウルトラマンジードとともに参加させるのでなければ、その席には就かないと要求したという。

 このメッセージまで黙殺すれば。地球に及ぶ被害すら無視して、AIBも、そしてルカも。ノワール星から総攻撃されることは想像に難くなかった。

 

 ペイシャン博士は、このような事態を想定し。AIBに属さない地球人ながら全ての事情を知るライハに向けて、打ち合わせを行っていたそうだ。AIBが繋がりを持つ政府関係者等には、リクやルカの正体を隠す意味もあって、今回のメッセージは事後報告で済ませるらしい。

 

 大地がゼナとモア、そして交渉に参加するというペイシャンとともに、AIBの車で指定された地点に向かい。残るアサヒを加えた星雲荘のメンバーは、転送用のエレベーターでその後に続いていた。

 ゼナたちAIBのエージェントや、ウルトラマンという戦力の側にいる方が、却って安全であることは間違いないのだが――流石に不安から表情を重くしたルカの手を、リクは固く握り締めた。

 

「……お兄ちゃん」

「大丈夫だ、ルカ。僕が付いている。それに、皆も力を貸してくれているんだ」

「そうですよ、ルカちゃん」

 

 リクに続いて、アサヒもまた、ルカを気遣ってくれた。

 ライハも、ペガも。同じように力強く頷いてくれた。

 

「任せてよ、ルカ。いざって時には、ペガも覚悟を決めるから」

 

 珍しく。男気を見せるように胸を張ったペガが、自らの胸を拳で叩いてみせた。

 

「そういえば、アサヒ。私、あなたに言っておきたいことがあるの」

 

 相棒のそんな様子にリクが励まされる横で、ライハがアサヒに呼びかけていた。

 

「はい、何ですか? ライハさん」

「……ありがとう」

 

 そう、頭を下げるライハの様子に。アサヒだけでなく、リクも驚きに目を丸くした。

 

「ど、どうしたんですか、ライハさん? かっこいいお姉さんに御礼を言われるのは嬉しいですけど、あたしまだ、何もしてませんよ」

「そんなことないわ。あなたがリクにくれた言葉のおかげで、私は今、ここに居られるから」

 

 アサヒの戸惑いに首を振ったライハは、感慨を隠さずに続けた。

 

「私がからっぽにならずに済んだのは、皆が助けてくれたから。その、皆の助けに、あなたもなってくれていた。だから、御礼をちゃんと言いたかった。――今から、ルカのために力を貸してくれる分も、ね」

 

 それから、ライハはリクたちを振り返った。

 

「リクも、ペガも、レムも――それに、ルカも。今更でごめんだけど、改めて御礼を言うわ」

「ライハ……」

「だから……ルカ、安心して。今度は私が、あなたのことを絶対に、守ってみせる」

 

 そうライハが告げた頃に、転送が完了した。

 扉が開いた先の景色を、リクやライハは知っている――ノワール星人が呼び出した場所は、神林町の廃工場前だった。

 かつて、伏井出ケイの罠にまんまと乗せられ、二つの闇のカプセルを奪われてしまった因縁の地を、リクたちは再び踏んでいた。

 

「……遅れて来るというのは、嘘ではなかったようだな」

 

 そうして、聞こえた声の方を振り向けば。

 リクの視線が巡った先、そこに彼らは居た。

 

 ゼナを先頭にしたAIBの三名や大地たちと睨み合うようにして立つ、映像記録で見た通りの異星人――濃緑の体表を持つ、ノワール星人の集団が。

 リクたちが先遣隊と合流するのを見届けると、リーダー格と思しき先頭の一体が、一歩前に出た。

 

「お初にお目にかかる。……君が、ウルトラマンジードか」

「……そうだ」

「お会いできて光栄だ。ベリアルを倒した我らが英雄。少々野蛮な呼び出しとなってしまったことは本意ではないが、まずは謝罪させてくれ」

 

 余りにも友好的な口調と気配に、しかしリクは毒気を抜かれ、油断するようなことはなかった。

 三日前。ルカの身を案じてくれたフワワが遺した警告の中に、彼らがジードを英雄視しているという情報が、確かに含まれていたからだ。

 

「そう、警戒しないでくれ。悲願さえ叶えば、この星に不利益な干渉を行うことは決してしない。君という英雄に誓って約束する」

 

 表情の厳しさが取れないリクの様子に、やや寂しそうな反応が返って来るも。同じような様子を見せながら、結局対立することとなったフワワの記憶も新しいリクは、ルカの前から動くことはなかった。

 

「……君が連れてきてくれたのだな。ベリアルの血を引く怪獣、スカルゴモラを」

 

 リクの背後に目をやって、ノワール星人はそう宣った。

 正体を見透かした無遠慮な視線に、ルカが微かに萎縮するような気配を漏らし――庇うようにしてライハが、リクと並んで、ノワール星人と対峙した。

 その動作を見咎めて、ノワール星人の代表は、眼鏡を仕舞ったライハに向けて呼びかけた。

 

「ウルトラマンでも、AIBでもない――君が地球人の代表か。しかし……我々の不勉強なら失礼だが、指導者の類とは見受けられないが」

「――私はこの星で、最初に発生した怪獣被害の、唯一の生存者よ」

 

 ライハの回答に。胡乱な目で彼女を捉えていたノワール星人の様子が、一変した。

 

「地球で最初の怪獣事件……ベリアルの部下フクイデケイが変身した、スカルゴモラに登山客が襲われた、あの」

 

 どうやってそこまで知ったのか。ノワール星人はライハの発言が意味することを、詳らかに理解していた。

 

「そういうことなら、確かに。君ほどこの交渉の席に相応しい人物はいないのかも知れないな。……今更ではあるが、ご家族のことは残念だった。お悔やみ申し上げる」

「……一応、礼は言っておくわ」

 

 ベリアルの被害者同士、思うところがあるのか。ノワール星人は真摯な様子で、ライハにそう言った。

 

「……それでは、双方が交渉の開始に同意したものとみなしてよろしいだろうか」

 

 そこで、ライハと代わるように後衛――背後からルカを狙われた際庇えるような位置取りをしたゼナが問うと、ノワール星人は頷いた。

 

「ああ。地球には未だ統一された国家がない以上、どんな集団の指導者よりも、我々は鳥羽ライハとの交渉を望もう。それが我らとこの星の、輝かしい未来に向けた対談にも繋がることだろう――その時にこそ、諸君らの本分を全うして貰いたいものだな、AIB」

 

 皮肉を投げかけながらの賛同に対し。リクもまた、どんなに小さな可能性でも、話し合いで解決するのならそれに越したことはないと。そして、スイさんのくれた助言を思い出し、首肯する。

 名前まで把握されていたライハも、微かに眉を潜めながらもまた頷き。かくして、ノワール星と星雲荘との交渉が開始された。

 

「改めて伝えよう――ベリアルの遺産である、培養合成獣スカルゴモラを、我らの星への賠償として頂きたい」

 

 そして、絶対に認めるわけにはいかないような主張を、ノワール星人は三度口にした。

 

「我らの星は、過酷な環境を文明によって制してきた。その最たるものが怪獣であり、脅威を乗り越えた我らは、その優れた生物的資源を用いて発展してきたのだ」

 

 繰り返し聞かされたノワール星の特徴が、当人らの口から改めて告げられる。

 

「だが、ベリアルは我らの全てを奪って行った。怪獣という財産が根刮ぎ奪われ、逆らえぬようにと主要都市を焼き払われ……奴の従えた吸血怪獣ギマイラによって、下僕となる怪獣に作り替えられ、連れ去られた同胞も多く居た。……私の家族も、誰も、そのまま帰っては来なかった」

 

 ……その情報は初耳だった。

 ベリアルが行った度を越した非道を聞かされ、流石にリクたちも絶句している間に。ノワール星人は主張を続けた。

 

「君が元凶たるベリアルを討ってくれた今も。奴による蹂躙から、我が星の復興は完了していない。そんな中で見つかった希望が、培養合成獣スカルゴモラの存在だ」

 

 ノワール星人は鬼気迫る勢いで、リクたちの背後で立ち竦むルカを見据えていた。

 

「ただ、復興のために有用な資源というだけではない。ベリアルの遺伝子を組み込んで造られた怪獣を、我らの技術で従え、使い潰すこと。それを以ってベリアルという悪夢を克服した象徴とする――それが我らが真に再生するための、希望となったのだ!」

 

 ノワール星人の狂気じみた絶叫に、そこに込められた悲痛な感情に――しかしリクは首を振った。

 

「あなたたちの主張はわかりました。だけど、僕は、それには応えられません」

「……何故だ」

 

 返答したのが、彼らがベリアルを討った英雄だと崇めるリクでなければ。間違いなく暴発していただろうと思われる怒りを込めた声で、ノワール星人が問い返す。

 

「培養合成獣スカルゴモラと、あなたたちが呼ぶルカは……僕の、妹だからです」

「妹……? 何を言っている?」

「僕は……ウルトラマンジードは、ウルトラマンベリアルの、息子なんです」

 

 果たして、どんな罵詈雑言を、ありったけの暴力を見舞われるのかと覚悟したリクに対して。告白を受けたノワール星人の代表は、相変わらずきょとんとした様子だった。

 

「そんなことは、もちろん知っている。悲劇的な宿命に生まれながら、他者のために父を討った君という英雄のことは、我らの星ではどんな幼子でも常識としている」

「え……?」

「だが……遺伝子に含まれた組成に同一の素材がある、というだけのことだろう。ウルトラマンである君と、怪獣が兄妹などと、突拍子もないことを言うのだな」

 

 どこか可笑しそうな感想を漏らすノワール星人に、リクは思わず声を張り上げた。

 

「ルカは! ……僕と同じように、話だってできる。ベリアルの血を継いでいても、自分の意志で、誰かを傷つける以外の生き方を選んでくれる――大切な、僕の妹だ!」

「……例えば君の育ったこの星の人類は、飼いならされて手話を仕込まれた類人猿や、人の声を真似して囀る鳥類を、同等の権利ある知性体と見なしているかね? その類人猿と地球人の方が、君とスカルゴモラより遺伝子の一致する割合も高いはずだが……いくら尊敬する君の言葉でも、流石に同種でもない相手を肉親と呼ぶのは少々、理解に苦しむところだ」

 

 本気で戸惑った様子のノワール星人の発言に、リクは拳を握り締めた。先程、眼前の宇宙人に覚えた同情が吹き飛んでしまいそうな怒りを覚える。

 

「……これは純粋な好奇心なんだが、一つ良いか?」

 

 そこで、マイペースに口を挟んだのは、ゼットン星人ペイシャンだった。

 

「先程話題に出た、ギマイラに怪獣へ変えられたおまえらの家族とやらも、ウルトラマンジードとスカルゴモラ程度には遺伝子情報が乖離すると思うんだが……そいつらのことはどう考えているんだ?」

「最初から怪獣に過ぎない存在と、被害者である我が娘を、同列に論じるのか!? ふざけるなっ! 私が娘に抱いていた愛情が、薄れるはずがないだろう……っ!」

「そうか。じゃあま、そのまま続けてくれ」

 

 その返答で本当に興味をなくしたようにして、ペイシャンが黙った。

 だが、彼の引き出したノワール星人の回答は、リクの遠慮を消し去るのに充分だった。

 

「――家族の情といえば、鳥羽ライハ。地球人の代表である君にも、話は通さねばならないな」

 

 そんな、リクの心境に気づいているのか居ないのか。意識して感情を抑えたらしいノワール星人は、険しい表情のライハに向けて呼びかけた。

 

「ご家族の復讐を望んだことは、あるかね?」

「――当然でしょ。あの日からの私は、そのためだけに生きていたわ」

「そうか……そうだろうな」

 

 両親を喪ったライハの言葉へ、心から共感するように。娘を亡くしたというノワール星人は、深々と頷いた。

 

「ただ、君のご家族を殺めたスカルゴモラと、今回我らが求める培養合成獣は別の存在だ。前者はストルム星人が化けたものだが、後者は本物の怪獣。君にとって、直接の仇ではない」

「ええ、そうよ。その通り――よぉくわかっているわ」

「そうだ。故に、我らにこそ、雪辱を晴らす機会を譲って欲しい」

「お断りよ」

 

 ノワール星人の求めを、ライハは強い調子で拒絶した。

 その返答に心底驚いたように、仰け反ったノワール星人が叫んだ。

 

「何故だ!? 君の境遇には同情するが、我ら種族が受けた傷はそれ以上の――」

「だからって。大事な家族を狙われて、はいどうぞなんて答える馬鹿がどこにいるのよ」

 

 ライハの怒りが篭った返答に。ノワール星人は本気で理解できないと言った様子で、疑問符を浮かべた。

 

「家族……だと? 何を言っている? 君の家族は、スカルゴモラに殺されたのではないか?」

「ええ、そうよ。だけど私の家族は、お父さんとお母さんだけじゃない……!」

 

 感情を抑えられなくなったようにして、ライハが声を張り上げた。

 

「今の私の家族は……私を孤独にしないでくれた、あの子たち。あなたたちが、資源だなんて見下している、ルカのことよ!」

「――っ!」

 

 背後で、息を呑む声が聞こえた。

 振り返ると。口元を抑え、涙を浮かべる妹の姿がそこにあった。

 そんなルカの幸せを、共に喜び合うように。アサヒが優しくその肩を抱いてくれているのを見て、リクもまた、えも言えない暖かさを胸に覚えた。

 

「……そうか。地球人は、愛玩動物のことも家族と呼ぶのだったな。この星で育った英雄殿も同じこと、か」

 

 発言に、リクが向き直ったその時。ライハの主張を、ノワール星人はそのように咀嚼していた。

 眦を吊り上げるリクとライハの様子をまるで気にせず、ノワール星人は失笑する。

 

「失礼を承知で言えば、厚顔な取り繕いだ……自らに都合の良い道具として扱うという意味では、我らと同じだろうに」

「……道具、ねぇ」

 

 何か、琴線に触れたのか。リクでもライハでもなく、ペイシャンが、不機嫌な呟きを漏らしていた。

 ただの好奇心と宣った先と違い、今度は感情故に口を挟んだ様子の彼に、ノワール星人は応答する。

 

「そうだ。怪獣――それも自然の生命ですらない、造られた道具に過ぎない存在に、どんな尊厳があるというのだ。そんな無価値な代物に、我らの社会に貢献するという役割を与えてやる。それこそが慈悲だとは想わないか、ゼットン星人」

 

 ――リクは、怒りで視界が真っ赤になりそうだった。

 隣のライハも。背後で事態を見守る、モアや大地たちも。ノワール星人の言動に、憤りを燃やしている気配が、張り詰める空気を圧して伝わってきた。

 

「……その価値だの役割だのを、おまえら如きに決める権利がどこにある」

「落ち着け、ペイシャン。おまえらしくないぞ」

 

 同じく、ノワール星人の傲慢な言動への怒りからか。身を震わすペイシャンを、押し殺した声でゼナが制した。

 

「……口を出すな、ゼナ。俺は冷静だ」

「外野が口を突っ込んでいる時点で、そうは見えないがな。貴様らの文明も我々寄りだろうに、地球人に変身してメンタリティまで引きずられたのか?」

「節穴だな。俺が化けているのは地球人じゃなくて、ペダン星人だぞ?」

 

 ノワール星人の煽りに、ペイシャンはそんな小馬鹿にした返答を行った。

 

「まぁ、俺の話は良いだろう。それより、節穴ども。朝倉ルカには戸籍がある――法的には、彼女はこの星で人権を持つ上に就労までしているが、物扱いするのか? 本人の行為に由来しない理由で異星の人間を拐うのは、それこそおまえらがベリアルを責める資格もなくならないか?」

「馬鹿馬鹿しい。戸籍なぞ貴様らの偽造だろうに、何を偉そうに言う」

「証拠がない以上は言いがかりだな。だが……仮にその主張を認めて、本当に物として扱っても。それなら所有権を持つのは朝倉リクだ。本人の合意なくそれを侵害する権利は、おまえらにはない」

「だからベリアルの息子である彼に、賠償として要求しているわけだが」

「その権利もありはしない。何故ならウルトラマンジードはベリアルの死後、何の義務も権利も相続してはいない。おまえらへの賠償責任とやらもな。

 それとも、鳥羽ライハには別個体であることを理由に交渉しておいて、自分たちは全くの別人であるジードとベリアルを都合良く混同するつもりか?」

 

 様子が変わって、交渉の補助役として積極的に参加し始めたペイシャンは、ノワール星人の主張する権利を尽く否定していく。

 

「……黙れ、部外者風情が。所詮貴様らの言葉になど意味はない」

 

 そうして、ペイシャンの介入を拒否したノワール星人は、再びリクとライハを見た。

 

「結局のところ、ウルトラマンジードと地球人、両者の合意が得られればそれで済む話だ」

「……話聞いてた? 頷くわけないでしょ」

「だが、君以外の地球人はどう思うかな?」

 

 小馬鹿にするライハに対し。彼女を交渉相手と認めていたはずのノワール星人は、掌を返してその言葉を一蹴した。

 

「我々も既に怪獣を使い、調査済だ。ほとんど全ての地球人が、スカルゴモラがいない世界を望んでいることを。その怪獣を庇うから、ウルトラマンジードの支持も失われ始めているということを」

「関係ないよ――どんなに多くの地球人が、ルカのことを嫌っても」

 

 だからリクは、ノワール星人が望んだもう一人の交渉相手として。そして、狙われる妹の兄として、声を上げた。

 

「ルカの人生は、ルカのものだ。どんなに大勢が声を上げたって、ルカが自分の意志で生きることを、他の誰かが否定して良い理由にはならない」

「ウルトラマンジード……どうかこれ以上、失望させないでくれ」

 

 勝手な期待を押し付けていたノワール星人は、哀れみを誘う声で、リクに語りかけた。

 

「それでは、ベリアルと同じだ……自分の欲望を押し通すために、他者を蔑ろにし、踏み潰す。怪獣に脅かされ、眠れぬ夜を過ごす無辜の人々が居ることを、君だって知っているだろう?」

 

 ……なら、あなたたちはどうなんだ。

 そんな気持ちをグッと呑み込んで、リクは宣言した。

 

「僕も、ルカも、そんなことはしない。それでも、もし、何かの間違いでそうなってしまいそうな時だって……僕が、ルカから世界を守ってみせる! だから、僕がルカを守ることに、誰にも文句なんか言わせない――!」

「お兄ちゃん……」

 

 ずっと、見守ってくれていたルカが、思わず呼んでくれたのに。

 もう一度振り返ったリクは、妹に向けて優しく、力強く、頷いた。

 

〈――私は、本来部外者となるウルトラマンだが〉

 

 そこで、リクに代わるように交渉の席へ混じったのは、エクスデバイザーの中に潜むウルトラマンエックスだった。

 

〈同じ、ウルトラマンと呼ばれる存在として、ジードの――リクの言葉を支持しよう。各々が喜びと望みを持ち、故に衝突してしまうのが生命だ。それが度を越して他者を傷つける時、私たちも見て見ぬ振りはできないが……ここまでの様子を見せて貰った限り、牙を剥いているのはベリアルの子らではなく。かつての被害者という立場を免罪符にした君たちノワール星人の方だと、私は判断する〉

「ウルトラマン……! 君たちには、心がないのか!?」

〈おいおい。私までもっと感情的になったら、君たちはさらに後悔することになるぞ?〉

 

 ノワール星人の詰問に冗談めかして応えたエックスは、厳かな調子で続けた。

 

〈警告する。培養合成獣スカルゴモラ――朝倉ルカのことは諦めて、故郷へ帰れ、ノワール星人。復興のためには、違う道を探すんだ。その内容によっては、今度こそ協力を得られることもあるだろう〉

 

 エックスの言葉を受け、遂にノワール星人は沈黙した。

 

「残念だ……本当に!」

 

 そうして顔を手で覆い、嘆く素振りを見せた直後。

 ノワール星人の集団は額の穴から、鮮烈な光を覗かせた。

 

「――!」

 

 その孔が、一斉にリクとルカに向けられた瞬間。ライハが前に飛び出した。

 次の刹那、ノワール星人が次々と放った光弾が、ライハの走らせた剣に切り払われ、その全てがあらぬ方向に逸らされていた。

 

「何――っ!?」

「諦めろ、ノワール星人!」

 

 驚愕の声を上げた個体が、ゼナの銃に肩を撃たれて体勢を崩した。

 

「……いや、俺も驚いている。バリア発生装置を渡したのに、結局そのまま斬り捨てるとはな」

 

 呆れた調子でライハを評するペイシャンや、モアと大地――そして、レムが飛ばしていたユートムの構えた、計五つの銃口が、五体のノワール星人を照準していた。

 彼らの砲撃が防がれる限り、事実上、既に制圧された格好だ。

 その状況を作り出した立役者は、しれっと言う。

 

「別に、エネルギーを温存しただけよ」

「馬鹿な……地球人に、これほどの力が……!?」

 

 ノワール星人が呻くが、それは流石にライハぐらいだと、リクも内心で呟いた。

 それにしても。ユートムの小口径レーザーではなく、ノワール星人の粒子砲をも弾いた技の冴えは、ライハをよく知るリクをして瞠目に値した。

 ペイシャンの言うように、今まで手にしていた模造刀を、AIB製の特殊兵装に持ち替えたらしいのも大きいのだろうが――つい先日、ルカを弟子に取ると約束してから。弟子を守るべき師として、恥ずかしいところは見せられないという心構えの変化が、この短期間でさらに彼女を強くしたのだろう。

 

「おのれぇ……っ! こうなれば、実力行使だぁっ!」

 

 そんなライハの実力に、ノワール星人が握り拳を震わせた直後――それは、飛来した。

 灰皿をひっくり返したような未確認飛行物体――すなわち、UFOと俗称される、無数の機影が。

 

 ノワール星人の宇宙船であるそれらの数隻が、地上に光を照射。リクたちを狙う破壊光線に対し、ライハが剣を構えると、コーラスのような音色が流れ、ハニカム構造状の光の壁が発生。ペイシャンの言う通り、剣の形をしたバリア発生装置の展開した――かつて三大ウルトラマンを苦戦させたギャラクトロンMk-2の操るそれと酷似した防壁は、ノワール星の円盤による一斉射撃をも容易く遮断していた。

 

 ルカを守る――その宣言を、ライハは見事に果たしてくれていた。

 今度は、自分の番だと。地上に降りていたノワール星人を回収するのと引き換えに、新たに投下された巨大な影――ノワール星人が繰り出した二体の怪獣に対し、リクはジードライザーを取り出した。

 

「……リクくん、俺たちも行かせてくれ」

 

 そこで、隣に立ってくれたのは、エクスデバイザーを構えた大地だった。

 

「赤い方の怪獣……パンドンは、機械化で衰弱しているのを無理やり動かされている。早く助けないと危険だ」

〈……ネオブリタニア号で照合したところ、あのパンドンは、ベリアルの配下であった個体のようです。保護したところで、そもそもウルトラマンとは敵対しているようですが、それでもですか?〉

 

 おそらく、ペイシャンから聞かされただろう怪獣の容態を危惧する大地に対し、飛来したユートムを介してレムが問う。

 

「――ああ。彼の声が聞こえないなら、どんな風に生きるのかは、まず助けてから確かめる」

 

 大地が返した答えに。リクは彼と並び立てる誇らしさを感じながら、力強く頷き合った。

 

「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」

「行こう、エックス!」

〈ああ、大地。ユナイトだ!〉

 

 そうして、ジードライザーとエクスデバイザーを構えた二人は、円盤群に取り囲まれた中、迫る巨大怪獣に向けて駆け出した。

 

「ジィィィィィィィィィィィドッ!!」

「エックスーーーーッ!」

 

 唱和された叫びの後に。二人のウルトラマンが、命を護るために――今、戦場へと降り立った。

 

 

 




Bパートあとがき


・光る!鳴る!DXライハソード(大嘘名称)
 ゼットン星人ペイシャンお手製、ライハ用の新装備。
 見た目は従来の模造刀とほぼ同等ながら、刀身が(主にペダニウムゼットンが敗北するたびに撒き散らしていった)ペダニウム製で、柄の部分にはギャラクトロンMk-2の技術をリバースエンジニアリングしたバリア発生装置を搭載。一応、後々話に絡む隠された機能がまだあるかもしれないので、正式名称はまたの機会に。


・ベリアル怪獣軍団の吸血怪獣ギマイラについて
 元々は前回登場したガーゴルゴン・フワワの部下の怪獣軍団、生き残りはノワール星人に捕獲・改造されて今回登場しそう、と考えていました。
 培養合成獣スカルゴモラ同様、トレギアの被害者といえる怪獣の内、宇宙怪獣かつ、ジードやX、グリージョとの(拙作時間軸より未来も含めた)交戦経験がない種族という条件で探して行った結果、最終候補まで残ったものの、泣く泣く登場を見送ることになり、今回会話の中でのみ出てきて貰いました。
 怪獣化光線を操れる、能力的には初代に迫る上位個体となり、危険過ぎるのでオメガ・アーマゲドン時、上位のウルトラ戦士に軍団長のガーゴルゴンよりも優先して狙われた(のでフワワは当時の大戦を生き延びた)か、同胞を取り戻すという目的でノワール星人が資源化ではなく殺害を優先したかのどちらかの理由で既に死亡したという形を想定しております。
 このギマイラもノワール星に囚われメカレーター化される前にベリアルの軍門に下った想定ですが、ベリアルがノワール星にやらなかったらやらなかったで将来ノワール星人が他の星にギマイラ・メカレーターで攻め込んだような気はします。
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