「狂三」
「なんですの?」
狂三が学校に転勤してきてから三日が経った。狂三の美貌は学校中に知れ渡っており、彼女が鬼鉄と付き合っていることも知れ渡っていた。
「今日ご飯何にする?」
「鬼鉄の好きなものでかまいませんわ」
「ぐっ、それは効くぜ」
そして鬼鉄がいつも持ってきている小さいほうのカバンにぎっしりと輸血パックが入っていることも知れ渡っていた。
「よう、近藤夫婦」
「ふ、夫婦」
「ははは!うらやましいか殿町!でも狂三はやらねえぞ!!」
「お前らは本当にもう結婚しちまえよ」
悔しげに言葉を吐き出すのはクラスメイトの殿町だ。最近仲良くなった鬼鉄が彼女をこさえてきて、さらに士道にまで裏切られたので彼のライフはもうゼロに近かった。
「三日も休んでたのもどうせ狂三ちゃんといいことしてたんだろ?この裏切り物が!!」
ふざけてそう言った殿町だったが、すぐに様子がおかしいことに気づく。鬼鉄がすごい悪そうな顔になり、狂三は顔を真っ赤にして俯いたからだ。
「え?お前らマジで?」
「ノーコメントだ殿町。だが言っただろ?狂三は俺の物だと」
「ま、まじですか」
にやにやする鬼鉄に本気で戦慄する殿町。もはや男としてのレベルが違った。
「それにしても最近はそれが分からずに突っかかってくるバカが多いこと」
「ああ、昨日も先輩方に呼び出されてたな。大丈夫だったん?」
実は鬼鉄はもう5回もちゃらい先輩方に呼び出されているのだ。
「なぜか俺がそこに行った時には全員の右腕が、人にはできない折られ方をして倒れてるんだ。フシギダナー」
「棒読みじゃあねえか」
「ダッテボクアンナオリカタデキナイモン」
「まあ確かに警察もそれで行き詰ってるもんな。人にこんな折り方はできないって」
「バカだよねー」
「おい!?」
そんなかんじで鬼鉄が殿町と会話している横で危機に陥っている物がいた。狂三だ。
「ねえねえ!本当に近藤君とそういうことしたの!?」
「どんな感じだった!?」
「気持ちいいの!?」
「え、ええっと」
乗り上げるように迫ってくる亜衣麻衣美衣の三人。狂三は顔の火照りが全然おさまらなかった。
「その、なんというか。幸せになるといいますか」
「「「・・・」」」
「あと、頭が真っ白になる感じですわね。すごかった、ですわ」
「「「………か」」」
「か?」
「「「かわいい~!!」」」
そう言って狂三に抱きつく三人。
「ねえねえ近藤君!」
「狂三ちゃん頂戴!」
「というか譲ってくださいお願いします!」
「だめ」
即答で返す鬼鉄。
「くっ、まあいいわ!」
「それで!?気持ちよかったの!?」
「というか近藤君のどのくらいの大きさだった!?」
「え、ええ。気持ちよかったですわ。大きさはよく覚えてませんの」
顔の火照りが全然おさまらないどころかますますひどくなっていく狂三。
「「「近藤君のナニどのくらいの大きさなの!?」」」
「死ね」
すごい辛辣な言葉で返す鬼鉄。周りも「それ聞くのは無いわー」と思っていた。
「でかい時で20だ」
『(答えるんだ!?)』
「「「でかっ」」」
「そ、そろそろ授業ですわよ。席につきませんと」
「「「は~い」」」
そんな状況を遠巻きに眺めていた士道はこの状況を一言でまとめた。
「カオスだ」
『(確かに)』