鬼鉄は今人生で一番の危機にひんしていた。流れ続ける血。その量はもう人が流せる限界を超えていた。それでも彼は立ちあがる!この歴史的瞬間を未来に残すために!!
「裸エプロン……だと」
がくっ
「鬼鉄!?」
「それでも俺はシャッターを押す!!」
「それよりも今回のこの量はやばくないのですか!?」
狂三は今クラスメートに教わった裸エプロンを鬼鉄に試してるところである。それを見た鬼鉄が鼻血の力で玄関まで吹っ飛んだ。
「ふっ、この俺の左手…につけられ…たこの『簡易輸血…機』がある限…り大丈夫…だ」
「意識飛びかけですの!?というかそんな危機的状況下に冷静にシャッター切らないでくださいまし!!」
「や」
比較的いつもどおりであった。
そんな近藤家に置いてある固定電話が鳴り始めた。
「はーい。もすもす?僕弘樹」
『誰よ。それよりも精霊反応よ。もうすぐ警報もなるわ』
琴里のその声とともにサイレンが鳴る。そしてそれと時を同じくして家のチャイムもなった。
「私が出ておきますわ」
「ああ、悪い。それで?ここは俺の力で守るけど?」
『あなたが家にいるかどうかわからないから不安だったのよ。家いるならいいわ。気をつけてね」
「はいはい」
そう言って電話を切る。ちなみに鬼鉄の家は監視されていない。したら鬼鉄がラタトスク滅ぼすと明言したからである。
「鬼鉄。お客様ですわ」
「客?」
「ええ、ブリトラとか名乗ってますけど」
「おおー、ブリトラかぁ………………………え?」
完全に起動停止した鬼鉄。冷や汗をめっちゃかき始める。それを不審に思った狂三が鬼鉄に声をかける。
「どうしましたの?」
「やべえ、よりによってあいつかよ」
「あいつ?」
「識別名【ドラゴン】クソ強い精霊だよ。俺でも勝てるかは分からない」
彼の独白にさすがの狂三も驚く。
「そんな…」
「気をつけろ。あいつは悪魔だ。俺の貯金を食いちぎる化け物だ。狂三、今日は外食だ!!」
「ええ!分かりました!!って分かるわけないでしょう!!なんで外食になるんですかっ!!」
「あんなやつの胃袋は俺には満たせない!!俺はあいつの胃袋に負けたんだ……」
「くっ」と敗北感を漂わせる鬼鉄。それに対する狂三の反応は簡単だった。
「負けたってそっちですの?」
冷たい目で彼を睨むことである。
「鬼鉄久しい」
「そっちも元気そうだなブリトラ」
家に置いてあった羊羹をぱくつきながら話すブリトラと、狂三を膝の上に載せて抱きつきながらそれにこたえる鬼鉄。
「それ鬼鉄の?」
「そうだよ」
「そう」
「鬼鉄の…」
狂三が顔を赤くして俯いてしまうが二人はそんなこと関係ないとばかりに話しを続ける。
「私バトりたい」
「えー?それはめんどい。『壁』」
その時空間震が来る予兆を感じたので、文字で防ぐ鬼鉄。
「やろ」
「いいぞ」
「はい?」
たった二言。それだけで【超人】と【ドラゴン】の戦いが決まった。
「行く」
「へいへい。狂三は安全なとこに避難しててくれ。あとで電話するから」
「は、はい」
あっという間に戦う準備をして外に出る二人。狂三は唖然としてしばらく何もできなかった。
「久しい」
「確かにお前と殺り合うのは久しぶりだな。さっさと本気だせ。俺も出すから」
「ん。《反転》」
鬼鉄に言われ体を肥大化させていくブリトラ。その姿は龍そのものだった。
「《黒龍神》」
反転し黒き龍となったブリトラ。その禍々しいオーラはもちろんASTも、ラタトスクも感じていた。
「はいはい。俺もやりますよ『文』」
そう言って鬼鉄が出したのは【ピエロ】との戦いの中で使った文字をつなげる文字。『文』だった。そこに四文字を加える。
「行くぞ。『国』『士』『無』『双』」
鬼鉄からも黒く、禍々しいオーラが噴出した。
反転というのは感情が飲み込まれる代わりに、すさまじい力を精霊に与える。それを完全にコントロールしたのが鬼鉄とブリトラだ。
鬼鉄の反転には二つのメリットがある。
一、同じ文字を何度でも使える。
一、【ピエロ】戦のときに使った、『文』字を『強』化し『増』やすことができる。
「殺」
「てめえが死ね」
この状態の凶悪さと凶暴さから、彼――――鬼鉄の識別名は、
「「上等」」
【バーサーカー】
とされた。
次回またバとります。