バカな超人と悪い精霊   作:海鳴り

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今回は狂三が出て来ないよぉ!さみしいよぉ!


ふーん。精霊ねぇ

 教室が朝の喧騒で包まれている。そしてそこに入り、場を静める岡峰珠恵。このクラスの担任だ。

 

「はあいみなさん。今日はビックニュースがあるんですよ。何と転校生が来たんです!」

 

 静まった教室がまた騒がしくなる。それをぱんぱんと手を鳴らして止めると、彼女は廊下の方を向いた。

 

「入ってきていいですよ~」

 

「はい」

 

 のんきな岡峰先生の声に返事をし、入ってきたのは一人の男だった。

 

「というわけで今日から一緒に学ぶことになる近藤鬼鉄君です。皆さん仲よくしてあげてくださいね?それでは近藤君何か一言」

 

「はい。ええっと今紹介にあずかりました近藤鬼鉄です。特技は近接戦闘です。苦手なものは球技と地学です。俺は5年ほどロシアの方に住んでいました。なので英語はまあまあできます。ロシア語は完璧です。よろしくお願いします」

 

 そういって頭を下げる鬼鉄。微笑んだその姿はかなりの美形だった。

 

「は~い。じゃあ何か質問したい人はいますか~?」

 

 岡峰先生の問いかけにほとんどみんなが手を上げる。

 

「では佐藤君」

 

「特技の近接戦闘って何?」

 

「体術、ナイフ、拳銃を使った戦闘スタイルです。これでも俺ロシアの正規兵の人たちよりも強いです」

 

 おお~。とみんなが声を上げる。どれだけすごいことかはわかっていないだろうが。

 

「彼女はいますか?」

 

「あとちょっとで手に入ります。あともうひと押しです」

 

 これにはさっきよりも大きな驚きの声が上がる。みんな楽しそうだ。

 

「かわいい?」

 

「みんなさんが今までの人生で見た美女の1億倍はかわいいです。ヤヴァイです。そろそろ萌え死ぬかもしれません」

 

「何で球技苦手なの?」

 

「苦手というかできないんですよ。俺が投げたボールは絶対に人に当たるので」

 

「怖っ!」

 

「地学嫌いなの?」

 

「何で生きてもない奴のことを暗記しなければいけないのかわからないので嫌いです」

 

「お父さんやお母さんも美男美女なの?」

 

 それはクラスの女の子の質問だった。付き合ってる子について即答できる彼が少しだけつまった。

 

「親、妹、親戚のほとんどは殺されました。自分と血がつながっている親戚は多分もういません」

 

「え?あ、いやごめんね?私そんなつもりなくて」

 

「別に大丈夫ですよ。犯人たちはもういませんし」

 

 本当に気にしていないと手を振る鬼鉄。それに対して別の男子が質問する。

 

「みんな死んじゃったのか?」

 

「いえ、殺しました」

 

 教室が静かになる。さすがに親戚全滅+犯人殺害は効いたようだ。

 

「まあ証拠とか残してませんけどね。そこは完璧です。知り合いに警察のお偉いさんがいるんでそいつも利用しました」

 

 さらに空気が重くなった教室で一人の男がまっすぐ手を挙げていた。先生にあてられた殿町宏人は教室中にしっかりと響く声で質問した。

 

「彼女のスリーサイズは?」

 

「脳髄啜り出すぞ」

 

 即答で殺す発言をされる殿町。そのあほな質問にクラスの雰囲気がいつもの中に戻って行った」

 

「はいホームルーム終了。日直挨拶」

 

「きりーつ」

 

「あの、先生は私ですよ?」

 

 

 

 

 

「またかよー」

 

「え?近藤!?」

 

 色々あってラタトスクにいる鬼鉄。簡単に説明すると空間震があって避難しようとして、なぜか外に走っていく士道を追いかけて大きな剣を持つ奴に士道が吹き飛ばされて、回収された。という感じだ。

 

「ようこそラタトスクへ」

 

「な!?琴里!?」

 

 (説明中)

 

「「へえ。精霊かあ」」

 

 ここで初めて精霊について理解した鬼鉄。超遅い。

 

「で、精霊に恋させると」

 

「そうなるわね」

 

 精霊をやっとこさ理解した鬼鉄は当然というべきことに気づいてしまった。

 

「恋愛するのに横に護衛がいたら、できるものもできなくなるんじゃないか?」

 

「そうそれよ!さっき気づいてどうしようか悩んでたのよね」

 

「給料くれるなら普通に戦闘員でもいいけどな。あ、それと多分俺の彼女も精霊だと思うんだけど」

 

「は!?」

 

 どうしよっかー、と軽い感じで悩んでいた彼女もこれには絶句する。

 

「零音!」

 

「ああ、調べてみる」

 

 下にいる零音に命令を出してまた鬼鉄に向き直る。

 

「本当に精霊なの?」

 

「やばい剣持って頭のおかしい防御力持ってるドレスを着てるのが精霊ならそうだな」

 

「それは精霊ね。じゃあその子も」

 

「あ?」

 

 その子も士道に恋させる。そう言おうとした彼女は途中で言葉を止められた。殺気のせいである。それも極大の。

 

「俺の狂三に手出ししたら。・・・消す」

 

 それは今までの彼からは想像もできないほどの殺気。もはや質が違う。

 

「わ、わかったわ」

 

「てめえもだぞ士道。脳髄啜り出すからな」

 

「あ、ああ」

 

 これが人類最強のヴィザードであるエレン・メイザースを遊びながら一方的にぼこぼこにした男。だが、これは当たり前のことであった。人類の枠におさまっているエレンが、超人である鬼鉄にかなうわけがない。それほどまでにこの男の戦闘能力はふざけているのだから。

 

「それじゃあ明日から早速訓練を始めるということでいいだろうか?」

 

「は?訓練!?」

 

「へえ、精霊をおとす訓練か。がんばれよ士道。俺は家に帰るから」

 

 早く狂三と会わないと発狂する。彼の本能がそう訴えていた。

 




次回は狂三出すぞ!
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