「(あとハート13、ダイヤ2、クローバー4!)」
それは今現在戦ってる敵の残りの数だった。鬼鉄はその中でも弱いクローバーとダイヤを狙うことにした。
「『矛』」
ワードマジックで矛を作り出し、一瞬でクローバーの残りのうち、馬、虎、猿を切り刻む。そしてその柄で兎を貫いた。
「あとハート13、ダイヤ2」
向かってくるのはダイヤだけ。ハートの奴らは非常に厄介だと察し、一か所に閉じ込めてある。『集』で集め、『檻』で閉じ込めたのだ。
「らっ!」
ダイヤの犬、犬男の首を叩き落とす。そして効能が消えかかっている矛を牛男に投げつけ、絶命させる。
「よし。あとハートどもだな。あれ使うか」
ただでさえ苦労するハートの兵隊どもを蹴散らすにはこちらも本気を見せる必要があった。
「奥の手その2!行くぞ!」
彼には奥の手が三つある。奥の手その2は奥の手の中では二つ目に強いとされている。
「『字』」
彼の文字の力は一か所にとどめておくことができる。今彼は目の前に『字』を留めているのだ。
そしてそれに
「『強』『増』」
その瞬間彼の中で何かが「かちり」とはまる音がした。
「いっくぜーーーーーーーーー!!!」
そう言ってワードマジックを発動させる。
「『炎』」
そう言った瞬間。鬼鉄の周りに大量の『炎』が回り始めた。そして
「くらえや!!」
それは太陽ではなかった。大量の『炎』の文字による攻撃。これが彼の奥の手の一つ。『字』を『強』化し、『増』やした。たったそれだけでこれだけの効果を生み出したのだ。
「ん~?あとハートが10ってとこか?弱いなあ。『疾』」
今度は彼の周りに『疾』の文字が踊り始めた。文字の効力で速さを大幅に増した彼は敵までの距離を一瞬で殺していた。
「『断』」
そして敵を真っ二つに『断』つ。
「あとハート4『斬』あと2」
着実に一匹、また一匹と減らしていく。
「『剣』『射』」
しかし全ての人形を破壊した時鬼鉄の中にあったのは達成感ではなく「警戒」だった。
「お前もあるんだろ?奥の手が」
「きひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ
ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ
ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ
ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」
まるで泣いてるかのように笑いだす【ピエロ】。
「《スペード・ジョーカー。合成》」
その言葉をキーワードにして、鬼鉄の前に現れたのは。ひたすらにでかい「怪獣」だった。
「Oh,monster」
彼の日本語では表せないほどの驚きだった。というかでかい。
「何メートルあるんだよこれ」
でも彼は焦ってはいなかった。でかいということは動きが鈍くなり、的もでかくなるということだからだ。ただし一撃をもらえば粉砕するだろう。
「うーんあまりこれは使いたくないけど仕方ないか」
鬼鉄は少し悩んだ後で一つの文字を選んだ。
「『狂』」
彼の周りにまた文字が浮かび、周り始める。そして彼の口元が三日月のかたちを浮かべる。
「ギギ。ギギギギギギギギギギ!!!!ギャギャギャギャ!!」
狂ったように鳴き始める鬼鉄。そして・・・
「ギギギャギャギギギ!!!」
彼は一瞬で怪物の腹に飛び込んでいた。彼の周りに浮かんでいる文字は『狂』だけではなく『刃』と『回』も浮かんでいた。文字の効果で体中から刃物が突出し、回転しながら敵を斬りつける鬼鉄。その動きはもはや獣のそれだった。
「ギギャアアアア!!ギギギギ」
「グルルアアアアアア!!」
さすがに痛かったのか声を上げる怪物。鬼鉄は回転斬をしながら怪物の頭の上に到着していた。
「ギャギャッギャッギャギャギャギギギッギャ!!!!!」
彼はまた一つの文字を目の前にとどめていた。『文』という文字だ。そしてさらに三つの文字を浮かべ、並べた。『大』『爆』『発』の三文字を。それを怪物の頭の上にセットした。すると文字が溶け合い、一つの単語が構成される。これから起こることはもうおわかりだろう。
そう『大爆発』である。
ドオオオオオオオオオオオ――――――――――――――ン!!!!!
哀れな怪物は脳髄を撒き散らしてその活動を完全に停止した。
「終わりだな」
「ひひ、ひゃはは」
怪物を倒され、俺は戦力を失った【ピエロ】に話しかけた。ここまでやってもやっぱりこいつは戻ってこれない。
「物語みたいなハッピーエンドを少しは期待したんだけどな」
そう言うと鬼鉄は右手に一本の剣を作り出した。
「最後ぐらいはこの剣で逝かせてやるよ」
それは【ナイト】の愛用していた剣だった。鬼鉄はそれを【ピエロ】に振りおろした。
「じゃあな【ピエロ】。さよなら舞香」
【超人】の勝利という形で一人の精霊との勝負は幕を下ろした。
シリアス終了。次回あのロリっ子出ます。でも主人公は狂三一筋です。