ウマ娘 超光速の粒子   作:3148

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まぁね、育成システムがパワプロと同じって聞いた時点で、面白いだろうなぁ、って思ってたの。
実際のウマなんてハルウララとディープインパクトぐらいしか知らなかったけど、アニメもやってるし、何か評判良さそうだなぁ、くらいにしか思ってなかったわけ。
そしたらさ、ニコニコ動画でさ、一杯ランキング入りしてるじゃん?
最初は、デビルマンとかワイトがおすすめしてるのを見てゲラゲラ笑ってたの。特にキャラも知らないまま。
そんでね、ライスシャワーとかカレンチャンさんが話題になる度に、張相が湧いてくるじゃん(お兄ちゃんを遂行する)
なんで? 馬鹿なの? お兄ちゃんなの?
クッソカワイイイーとか、ココスキとか聞いてる内に、やりたいなぁ、って思ってたら史実系の動画に辿りついた訳。
実際のウマがどういう戦績を残したのか、どういう経緯で生まれて育ったのか、そう言う系のやつ。
見るじゃん、びっくりするじゃん、感動するじゃん、何これ糞胸熱になるじゃん。
まずはトウカイテイオー、言わずと知れたアニメ二期の主人公。
まず原作が卑怯だよね、糞ドラマチックだもん。
何が一年ぶりの勝負だよ、なんでビワハヤヒデを抜けるんだよ、そんなの泣くにきまってんじゃん、それはさておき原作者は糞(笑)
次にゴールドシップ、なんでボーボボの住人とか言われてるんだ、とか思ったらね。
やらかし多すぎて草通り越して芝生えるわ。
宝塚記念二連覇とかしてるくせに、舌ペロとかやべぇやつ。
ゲートにすんなり入るくせに出ないとか、ムーンウォークするとか、凱旋門に観光に行ってファンサービスするとか。
いや、話題多くね?
こいつも原作の方が面白いとか卑怯じゃん、とりあえずヤベー奴。
次にサイレンススズカ、この辺はもう駄目。
ぶっちぎりで快勝しまくってるくせに怪我で引退とかなんなの?
伝説なの?
伝説なんだよなぁ……
第四コーナーの先が見たかった、見たかったんだよぉ……
はい、めちゃくちゃ強いけど体がそれについてこない、くっそ王道だな?
好き。
他にも数え切れない程あるけど、取りあえずこの辺でウマ娘が面白かったっていうのは伝わったと思う。
君に伝われ(アンデラ感)
アプリやってない人は、やろう!
アニメ見てない人は、見よう!
尚、まだ未視聴の模様

えっ、アグネスタキオン? アグネスタキオンの感想?
拙者、アグネスタキオンスコスコ侍にて候

どけっ、俺はモルモットだぞ!


駆け抜けた先に 前編

 車いすを押して、最早懐かしいとすら思えるトレセン学園を歩く。

「あぁ、この辺りは変わらないね。URAファイナルズが開催された年と……何一つ変わらない」

車椅子に乗る女性、いや、座っていて隠れてしまっているが長い栗毛の尻尾と、常人とは異なるふさふさの耳が、一般の女性とは違う、いわゆるウマ娘だということを如実に現している。

「トレーナー君、君も感慨にふけっているのかな? 先ほどまでよりも口数が少なくなっているよ」

ウマ娘としての特徴を挙げるとするなら、前述の耳と尻尾、それと成人男性ですらとうてい及ばない身体能力、なにより目を見張るのが疾走力だ。時速70キロにも到達する言われるその膂力は、今なお、生命の神秘とされ、解明されては居ない。

「……まぁ、いいさ。当分の間、見納めになるのだからな。しっかりと脳裏に刻み込んでおくと良い―――私かい?」

君は良いのかと聞き返した。その言葉は意外だったらしい。少しの間考え込んで、三女神像を見上げて答える。

「私か……私は大丈夫だ。また必ず来る、いや、来なくてはならないからね。例えどれだけの時間が掛かっても」

もう充分だ、と彼女は告げる。その言葉に頷き、再び車椅子を押して、来た道を戻る事になる。

「リハビリは、長くなるみたいだ。次は無理しないでくれよ、アグネスタキオン」

まるで幼子をあやすかの様な物言いに、不機嫌になる彼女。

「誰に言っているんだ、良いから黙って手と足を動かし給えよ、モルモット君」

 

 夢を、見ていた。

それは過去の記憶、自分の経験だ。アグネスタキオンというウマ娘の、記憶の整理の為のプロセスに過ぎない。それを見ると言うことは、脳がそれを必要としている、かも知れない。勿論、脳が必要としている処理と自分の目的が必ずとも一致するとは限らないが、兎も角、それは結果を見てから考えれば良い。無駄に抵抗することもなく、過去の記憶を掘り起こす事にする。

 

 芝が眼前に広がり、遠くから悲鳴が聞こえる。レース中に自分が倒れたことに気付くのは、足首が酷く熱くなるのを感じた時だった。

「あっ……ぐあぁあ」

自分の状態を確認するために、足を動かそうとした時、激痛が走りただ蹲ることしか出来ない。無理に動かせば症状が悪化するかも知れない。

「……この状態を、維持しなければ」

朦朧とする意識の中で、研究のことが脳裏に過ぎる。歯を食いしばり、意識を保つことに必死だったが、担架に乗せられ足首を保護された辺りまでで途切れた。

 

 目を覚ました時は、病室にはこびこまれていた。左足には大げさに取り付けられているギプスと未だ完全には引いていない痛みに、顔を歪める。

「随分と、大袈裟だな」

手を伸ばし、軽くギプスを叩く。分厚い為、中の足に衝撃があるわけでは無かったが、姿勢を変えた時の衝撃で、再び足に痛みを感じる。

「うん、これは想定以上だ」

そう呟くと、男性が病室に入ってきた。息を切らし、病人である自分よりも顔を真っ青にしている。まぁ、鏡を見たわけでは無いが、見るまでも無く判断出来るぐらいに、血相が悪かった。

「どうした、モルモット君。まるで世界の終わりを見た様な顔をして……いや、その状態には少し興味があるな。ちょっと検査しても良いかな?」

そういうと、その必要があるのは自分の方だ、と返される。

「ふむ、確かにその通りだ。それでモルモット君、私が気を失っていた間に検査や処置が行われていたはずだが……その記録はあるかい?」

目立っているのは左足だが、それ以外にも異常がある可能性はある。転倒した際にどこか痛めた可能性もあるし、その結果次第では、データの修正を行う必要もがあるかも知れない。

「……分かった」

顔色は青ざめたままだが、一頻り私の表情や状態を確認した後、医者に確認をとると部屋を出て行った。

「やれやれ、トレーナーとして優秀というのも考えものかもしれないな」

 

 モルモット、もといアグネスタキオンのトレーナーが病室に戻ってくるまで少しは時間が経っていた。

「遅い! 遅いぞ、モルモット君!」

感情に任せた、或いは怒号にも近い言葉に彼はそれほど驚いた様子は無かった。

「全く、助手も道具もない研究が如何に非効率的なのかを、説明する必要があるみたいだね」

時間を持てあましているというよりも、この時間が勿体ない、ということだ。一秒一秒、状態が変化していくこの瞬間に貴重なタイミングを失う事が研究の進捗を著しく遅らせる可能性があるということに。

「タキオン、君は気付いていたんだな」

青ざめた表情は、少しも戻ってはいなかったが、声が震えているのは収まっている様だ。落ち着いた、というよりは覚悟を決めた、と言う方が正確な表現に近いだろう。

「ああ、私の脚は酷い状態だろう? 再び走れるかどうか、分からないぐらい」

意図的にそこまで追い込んだ。それに至るまでの過程とその後のデータ。私が求める研究にそれは必要不可欠だった。

「これが、君の脚の状態だ。骨と筋肉にも異常が出ている……説明する必要はあるか?」

その質問に、イエスと答える。彼のトレーナーがとしての見解と医者から説明を受けただろう内容は重要だ。資料をならべ、一つ一つつぶさに現状を確認していく。骨の状態だ、レントゲン写真で得られる情報、医者の処置の内容、及びその結果についても、トレーナーの意見と共に整理していった。それをする時間は、日が暮れても尚、足りることは無かった。

「面会時間は過ぎていますよ」

ノックの音に気付いてもいなかった様だ。緑色の制服を着こなしているのは、駿川たづな、と呼ばれているトレセン学園の職員だ。

「すみません、非常識だとはわかっているのですが、どうしても今必要なことなので……」

珍しく意地をはるトレーナーに、少々私も面喰らってしまった。だが、研究の重要さをモルモットが理解すると言うことは、喜ばしいことかも知れない。

「はぁ、そういうとは思っていましたが……」

そう言うとたづなは、手に幾つか食料を持っていた。

「おにぎりに携帯食料、ゼリーに飲料もしっかりとあるな。モルモット君よりもトレーナーらしいのでは?」

そういうと、たづなに睨まれる。

「ありがとうございます」

頭を下げるトレーナーに、心配そうな目を向ける彼女は、後ろ髪引かれる様な様子で病室を出て行った。

「タキオンも、食べれるか?」

「肉体的損傷に、消化器官は含まれていなかったからね。とはいえ、仮にも病人だ、少しだけ頂くとしよう」

摂取する食物は選びながら、トレーナーとの確認作業は続いた。

 

 入院して翌日、トレーナーはマスコミに囲まれていた。

「アグネスタキオンさんの容態は!?」

「無茶なトレーニングによる負傷と聞いて居ますが、トレーナーとしての意見は!?」

「かなり酷い状況とお聞きしていますが、復帰の見込みはあるのでしょうか!?」

その答えを持ち合わせては居るが、トレーナーは口を閉ざした。

「然るべき時と場所にて答えさせて頂きます。彼女にとって、大切な内容にもなりますので」

その言葉に記者は負けじと言葉をくりだすが、一言も返すこと無くトレセン学院に入っていった。

「やぁ、トレーナー君。大変だったね」

秋川理事長の言葉に、首を横に振るトレーナー。

「大変なのは、タキオンです。それに大変なのはこれからですから」

己に出来た目の隈も、見て見ぬ振りをするトレーナーに、秋川理事長は一瞬表情を暗くする。

「私の理念は、知っているな?」

 




読了ありがとうございました。

ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。

一応、この話はアプリ版ウマ娘プリティダービーのアグネスタキオン育成ストーリーのif展開というつもりで書いてあります。

前編、中編、後編でとりあえず終わりにする予定ですが、怪電波をキャッチしたら続きを書くかもしれません。

あとは、私はウマ娘から入ったので、馬に対する造形が浅く、間違いなどあると思いますが、なま暖かい目で見て頂ければ幸いです。

それでは、全世界のモルモットの後頭部と太股に、ゲーミング発光のあらんことを願って。
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