ホロ学園ライフ   作:ハモリヤ

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2期生オフコラボ、マインクラフト配信を意識してまとめています。


6-2フライングラビット

視点:兎田ぺこら

 

 

 

やってしまったぺこ。

 

テニスコートの脇にあるベンチに、ころね先輩の膝枕で寝かせてもらいながら考える。

 

 

今は、野兎ちゃん達に供給する活動エネルギー切れでダウンしていた。

物心ついたころには自然と一緒に過ごしていて危険から身を守ってくれる野兎ちゃんは、兎田家の守護精霊だ。

エネルギーさへ供給していれば、鉄壁の盾となってぺこらの事を守ってくれる。

 

 

おかゆ先輩が、興味深そうにぺこらの髪についた半分かじられたニンジンを見ていた。

 

 

「ぺこらちゃんの野兎ちゃん達は、ニンジンエネルギーで活動してるんだねー。髪に着けている以外のニンジンはどこに保管してるんだい?」

「おかゆ先輩、それは乙女の秘密ぺこ」

「おや、それはごめんよー」

「いや、家の秘密とかじゃないんかい」

 

 

スバルからツッコミが入るけど、そんな大層なものではない。

ただ単に、ニンジンだけはどこかの空間にストックできるのだ。

どうやってるも何も、野兎ちゃん達が自主的にため込んでくれている。

 

しいて言えば、兎田家の血によるものだろうか。

 

 

スバルは、家庭科教室にニンジンを探しに行ってくれた。

 

 

「申し訳ないぺこ。今日、最大数の64×27スタックのニンジンを補充してたはずなのに……1日でエネルギーが切れるとか……生まれて初めてぺこ」

「野兎ちゃん達はすごい張り切ってぺこらっちょのこと守ってたもんね。お腹もすくよね~」

 

 

膝枕してくれているころね先輩が言うが、原因はどう考えてもあんただからね?

 

 

ころね先輩は、必ずぺこらを守ってテニスボールに当たる野兎ちゃんに興味を持って、ぎゅんぎゅん回転をかけてぺこらを狙い打ちした。

まぁ、うちの野兎ちゃんはとーぜん全て見切ってガードしてくれたぺこだし何の心配もしてなかったけど、回転のかかったテニスボールに玉突き事故のように弾き飛ばされる野兎ちゃんにハマったのかキャッキャと楽しそうに繰り返し狙い撃ちにされたのだ。

 

この先輩は、一度興味を持つと止まらないらしい。

 

 

野兎ちゃんの見せ場が作れてぺこーらとしても満更じゃなかったぺこだけど、まさかエネルギー切れなんて。

そこらの男が殴りかかってもきても、ニンジン1本も消費しないぺこなのに。どんな威力を秘めてたぺこか。

 

 

『敵に回すと危険な人物リスト』に書き加えておくぺこ。

 

 

 

 

 

そう心に誓っていると、校舎にニンジンを探しに行ってくれたスバルがちょこ先生を連れて戻ってきた。

ちょっとした確執があったスバルだけど、いいやつぺこね。

テニスで戦いを経て、熱い友情が芽生えたかもしれないぺこ。

 

 

「グッドイブニーング、ちょこーん。こんばんは、私の可愛い生徒さん達」

「「「こんばんはー」」」

 

 

「ちょこセン、ほら、ぺこらを見て欲しいっす」

「焦らないでスバル様。でも、ふふっ、スバル様はやさしくていい奥さんになるわね」

「何言ってるっすか!?」

 

ちょこ先生が、ぺこーらの横にかがむ。

 

「ぺこら様、ごきげんよう」

「こんぺこ……でも、ご機嫌じゃないぺこ」

「あら、ごめんなさい、それじゃちょっと失礼しますね」

 

そう言って、ちょこ先生はぺこらの額に手を当てる。

次にお腹に手お当てると、

 

「うーん、ぺこら様、お腹がすいてしまったのね」

「そのくだりは、もうスバルがやった……ぺこ」

「あら、残念。ぺこら様の新鮮なリアクションがみたかったのだけど」

 

力が入らないのだから、ツッコミを期待しないで欲しい。

 

 

「気分はどうかしら?」

「体調が悪いわけではないぺこ……ただ、体に力が入らないだけぺこよ」

 

体に力が入らなくて、ちょっと息切れしやすいだけだ。

ただ、これじゃ帰れそうにないぺこだけど。

 

 

「これは、素直にニンジンを補充してあげるしかないわね」

 

「そうなんっすね。学校も閉まってしまったし、近くのスーパーにでも買いに行くしかないっすかね?」

 

「スーパーのニンジンじゃ、野兎ちゃん達は受け取ってくれないと思うぺこ……野兎ちゃん達はグルメぺこ」

 

「そうなんすか? ぺこらの家のニンジンは特別なんすか?」

「兎田家直営の専属農家から産地直送お取り寄せぺこ」

 

「それじゃ、家庭科教室のニンジンでも意味なかったすかね」

 

「それは……野兎ちゃん達は興味を持っていたから、大丈夫だと思うぺこ」

 

「それなら、近くですし私の家に来てもらえばいいですね」

 

「え? ちょこセンの家にニンジンがあるんすか?」

 

「もちろんよ。いつでもお客様をおもてなしできるように新鮮で美味しい食材を用意しているのよ。学校のお野菜の仕入れ先も私が紹介させて頂いた所だから野兎様にも満足していただけると思うわ」

 

「へー、ちょこセンが紹介したっすか」

 

「そうなの。だって、私の可愛い生徒さん達にはお野菜の美味しさを知っていただきたいじゃない」

「確かに、学校の野菜は美味しくて余は好きだぞ」

 

あやめ先輩も納得の品質なのか、うむうむと頷いている。

うちの野兎ちゃん達も認める品質なのだからちょこ先生の目利きは確かなのだろう。

 

 

「そうだ、私のお家は近くだし、今日は週末だからよろしければ皆さんも寄っていって下さい」

 

 

今日は金曜日。明日はお休みだ。

 

ちょこ先生の言葉に、皆少し考えていたけど家に連絡を入れて寄らせてもらう、というかお泊りさせていただく事になった。

 

「それじゃー、ボクがぺこらちゃんをおんぶしていくよー」

 

「おかゆ先輩、よろしくお願いするぺこ。あと、ころね先輩、膝枕ありがとうございましたぺこ」

 

「気にせんでええよー」

 

ころね先輩に起こしてもらい、おかゆ先輩におんぶしてもらう。

申し訳ないけど、動けないから仕方ないぺこね。

 

「みんな、時間をとらせてしまって申し訳ないぺこ」

 

「いいっすよ、今日は楽しかったし、ちょこセンの家にお泊りに行かせてもらえるようにもなったっすしね」

 

 

 

こうして、ちょこ先生の家にみんなで向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

「さあ、皆様どうぞお入りください」

 

「「「お邪魔しまーす」」」

 

「すごく、大きな家っすね」

 

「ありがとう、何時でも皆さんをお出迎えできるように広い家にしたのよ」

 

「それじゃ、皆さんは先にお風呂に入ってしまってくださいね。男湯もありますからおかゆ様もどうぞ」

 

「ありがとー、まるで旅館みたいだねー」

 

「うふふ、旅館のようなおもてなしをして、皆様を骨抜きにして差し上げたいと思っているのよ」

 

そう言って笑うちょこ先生にちょっとドキッとした。

旅館の若女将とかしていたらきっとリピーターが山のように発生するだろうと思える、不思議な色気をまとっていた。

 

 

 

 

ちょこ先生に案内されて、お風呂場の入り口に用意されていたイスに座らせてもらう。

 

「ちょっとだけお待ちくださいね」

 

そう言って、本当に直ぐに戻ってきた。

 

 

「さあ、ぺこら様。こちらがニンジンになります。野兎様、よろしければどうぞ」

 

レストランで料理を運ぶのに使いそうなカートにニンジンを積んでちょこ先生が運んできてくれた」

 

それを見た野兎ちゃん達が自然と現れる。

野兎ちゃん達は、ちょこ先生にお礼を言うように飛び跳ねると、順次ニンジンを掴むと虚空に消えていった。

 

ぺこーらの髪のニンジンも気がつくとかじられていない新品に変っていて、力が戻ってきた。

 

「ふぅ、もう大丈夫ぺこ。ありがとぺこ」

 

「どういたしまして」

 

皆にも感謝を伝える。

 

 

「今度ニンジンを必ずお返しするぺこ」

 

「いえいえ、気にしないでください。あ、でも、もしよかったらぺこら様にお願いしたいことがあるのだけどよいかしら」

 

「何ぺこか。ぺこらに出来る事なら協力するぺこよ?」

 

「大丈夫ですよ。簡単なことですから。他の皆さんへのお返しにもなると思いますし、よろしくお願いしますね」

 

何かわからないけど、今回のお礼に協力することになった。

 

 

 

 

 

「着替えは、そこの棚に用意されていますのでお好きな服を来てください」

 

そうしてちょこ先生に案内されてお風呂に入った。

 

 

 

「いやー、いいお風呂だったっす」

「まさに旅館って感じね~」

 

スバルとシオンが会話をしていた。

 

「すこがったよね~」

「ヒノキの風呂は落ち着くな」

「あたしは、スキンケアが気になったな。使ったらすごい肌がすべすべもちもちしてる」

「男湯は一人で使わせてもらっちゃって、もったいないくらいだったよー」

 

ころね先輩、あやめ先輩、あくあもお風呂を堪能したのか楽しそうにおしゃべりしている。

唯一の男性のおかゆ先輩ものんびりできたようだ。

 

 

確かに、家庭のお風呂と思えない広々としていてとってもいいお湯だった。

最後にお風呂からあがったぺこーらは、皆がいる部屋の外から中の様子をうかがいながらそう思った。

 

最後にお風呂からあがったのは、ちょこ先生にそうして欲しいと言われたからだ。

 

 

なんでそんなことを言ったのかといえば――

 

 

「皆さん、お湯を楽しんでいただけたようで良かったわ。もう一つ、サプライズがあるの」

「え、なんっすか?」

 

「ふふっ、さぁ、ぺこら様入って来てください」

 

 

ちょこ先生には部屋の外から様子を伺っていることがばれていたらしい。

声をかけられてしまったので、心を決めて、そろそろ~と部屋に入り込んだ。

 

「おお~~」

「えっ、何それかわいい」

「きゃはははっ、ぺこらっちょか~わいいねぇ」

「とっても似合うよー」

 

色々声をかけられる。

 

誉め言葉だけど正直いって、かなり恥ずかしい。

 

 

ちょこ先生にお願いされたのは、似合う服があるからぜひ来てほしいという事だった。

 

 

お風呂からあがってからのお楽しみと言われていたのだけど、脱衣所に置かれていた服は黒を基調にしたタイトな服

肩だしの服で、脚は黒のタイツスタイル。

 

 

要するに―バニーガールのコスチュームだった。

 

 

「うふふ、やっぱり、ぺこら様にはとってもお似合いね」

 

ちょこ先生が、手をパンと叩いて嬉しそうに微笑んでいた。

 

 

「あんまり見ないで欲しいぺこ」

 

 

「すっごい似合ってるっすよ。ある意味似合いすぎて違和感ないっす」

「そう言われるとそうかも。なんか、似合い過ぎて普段着みたいね。学校にその格好で通っても違和感ないかも?」

「そんなわけないぺこ!? どんな羞恥プレイぺこか?」

 

スバルとあくあの言葉に慌てて反論する。

普段からこんな格好で出歩いていたらヤバい奴ぺこよ。

 

 

「ぺこら様が皆さんにお伝えしたいことがあるそうですよ」

 

「うぅ~、きょ、今日は皆様、色々お世話になってありがとうございましたぺこ」

 

改めて感謝を伝える。

 

 

バニーガール姿は思いのほか好評で囲まれて鑑賞されてしまったぺこ。

 

シオンに写真を撮られたのが心配ぺこだけど、他の人に見せないようには念押ししたから大丈夫ぺこよね?

 

 

こうして、コスプレを皆に披露した上で今日はこのまま過ごすことになった。

 

 

 

 

ご飯を何にしようかという話になった。

夕食はワイワイ楽しみたいという話がでて、

 

「それなら、たこ焼きパーティーにしましょうか」

「材料あるっすか?」

「あるわよ。新鮮なタコがあるからきっと喜んで貰えると思うわよ。ちょっと待っててね」

 

 

なぜ、こんなに大人数で急に押しかけたのに新鮮な食材がポンポン出てくるのだろうか。

まぁ、ニンジンを大量にストックできるぺこーらがツッコムことではないぺこね。

 

ひょっとするとちょこ先生は、時間が止まる保管庫でも持っているのかもしれない。

 

 

あ、お手伝いするぺこ。

料理自体はあまり得意ではないけど、食材を運んだりとできることを手伝う。

 

そして、ちょこ先生がタコを持ってきた。

 

「はい、それじゃたこ焼きパーティーを始めましょうか」

「でか!? 何なんっすかそのタコ」

「うむ、足先だけなのにスイカのようなサイズだな」

 

タコの足1本だけが、お皿にでかでかとのせられていた。

かなりのボリュームだけど、まだ足の一部の様だ。

実際のタコのサイズはいったいどれくらいのサイズなのか。

 

「大きいでしょ。でも味が大味になったりしなくて、むしろとっても美味しいのよ」

 

そういって、ちょこ先生が、たこ焼きの生地を混ぜながら説明してくれる。

 

 

「どなたか、タコをぶつ切りにしてもらえるかしら?」

「それなら、余が手伝おう」

「えっ、あやめ先輩料理できるっすか?」

「ほ~、スバル。余は料理ができないと思っておったのか?」

 

「いやいや、そんなことないっす。よく考えたら、刃物とかお似合いっすもんね」

「よく考えたらとはなんだ、よく考えたらとは。それに、包丁で切る以外に味付けもちゃんと出来るのだぞ」

 

 

ちょっと憤慨したあやめ先輩が、手馴れた様子でタコを一口大にサクサクと切っていく。

 

「あやめ様ありがとうございます。それじゃ、焼きますね」

 

そう宣言して、ちょこ先生が生地をタコ焼き機に流し込んだ。

 

ちょこ先生が焼いてくれたたこ焼きをみんなでわけて、食べ始める。

 

「「「いただきまーす」」」

 

「はふぅ、はうぅ、おいしー、なにぺこかこれ!?」

「おいしーっす。ぷりっぷりのタコっすね」

「あたし、こんなに美味しいタコ初めて食べたかも」

「これ、お高いんじゃないですか~」

 

シオンが聞く。おかゆ先輩もうなずいていた。

 

「そういえば、ただでさえスーパーで売ってる魚介類って結構値上がりしてる印象があるよねー。これだけ美味しかった中々手が出せない値段なんじゃないかな?

?」

 

「それが、それほど高くないのよ。こんなに美味しいのに良心的な価格で販売してくれてるの。仕入れ先を探すのには苦労したわ」

 

最近、全体的に魚介類の価格が高騰しているのに質が下がっているらしい。

ちょこ先生としては到底納得できずに質のよい食材の仕入れ先を探し回っていたところ、高級料理店の店長さんに今の仕入れ先を紹介してもらえたそうだ。

 

「野兎ちゃん達が気に入る野菜の仕入れ先といい、ちょこ先生は食に対するこだわりが半端ないぺこね」

 

「おいしくて栄養価の高い料理は、美容にとっても大切ですもの」

 

 

どうやら、ちょこ先生自身と、生徒たちの美容に対する想いによるものだったらしい。

ぴちぴちのお肌も納得ぺこね。

 

 

 

この後は、代わる代わるたこ焼きをひっくり返していたけど、人によってはいびつに仕上がっていた。

けれど、それも含めてワイワイと楽しく過ごした。

 

「「「ごちそうさまでした」」」

「はい、お粗末様でした、それじゃ片づけをしましょうか」

 

みんなで片づけを始める。

ぺこーらは積極的に片づけを買って出て、使ったお皿をまとめて流しに運ぶ。

 

流しとの間を往復していると、視線を感じた。

振り向くと、あくあにじっと見つめられていた。

 

「どうしたぺこ?」

 

「あたし、バニーメイド喫茶とかあったら行きたいかも」

 

「人の恰好みて何て想像してるぺこ!?」

 

「あー、ころねはー、カジノで飲み物とか配ってくれるのがいいなぁ」

 

「そうだねー。もしくは、バニーガール姿で、ディーラーとしてカードとか配ってくれるのもいいなー。そうしたら、ボクはつい勝負に乗ってしまうかもしれないよー」

 

「いいっすねそれ、見てみたいっす。でも、ぺこらの場合絶対負けて泣かされていそうっすよね」

 

「そんなことないぺこ。これでもぺこーらは勝負事にはちょっとうるさいぺこよ」

 

 

そんな会話があって、かたずけを終えた後、ゲーム大会を開くことになった。

 

話し合いの結果、ゲームはマージャンに決定。

 

マージャンは簡単に言うと、4人に同じ点数を配り、勝った人は負けた人から点数をもらう。

一定の回数勝負をして最後に一番多くの点数を獲得していた人が勝者になる。

ゲームの途中で持ち点が無くなってしまった人の事は『飛んだ』と言われて、その時点でゲーム終了だ。

 

始めに経験者が4人が未経験者にルールを説明しながら勝負をしている。

 

 

メンバーはぺこーらと、あくあ、シオン、スバルの4人だ。

 

というか、ちょこ先生は何でも持っているペコね。

 

 

 

そしてー

 

「あ~、それロンね。ご馳走様~」

 

シオンから勝利宣言の声がかかる。

 

そして、シオンに点数を奪われる哀れな敗者は、

 

「なんでまた、ぺこーらから上がるぺこか!? ひどいぺこだよっ」

 

ぺこーらだった……

 

そして、点数棒はみるまでもなく、全て奪われて――つまり『飛んで』しまい――敗北が確定していた。

 

「ぺこら、あんた勝負事ヨワヨワね」

 

「これは何かの間違いぺこ。もう一回、次は負けないぺこ」

 

「そのセリフさっきも聞いたから」

 

 

高い点数を奪われて、あっという間に飛ばされた。

なんでこんなピンポイントで、ぺこーらばかり当てられるぺこか。

 

 

「100発100中でぺこらちゃんが他の人の欲しい物を当てていて、あるいみ幸せを運ぶ『幸運兎』だよねー」

「そんな幸運嬉しくないぺこ」

 

おかゆ先輩にあおられるけど言い返せないっ。

人に幸運を配ってばかりではなく、たまにはぺこーらの元に運んできてほしいぺこ。

どうしてこんなに当たるぺこか!?

 

「3回も連続で飛ぶとは、よく飛ぶのだな。兎だけにwww」

 

「あやめ先輩までひどいぺこ!?」

 

まさか、このバニーガールの服に呪いでもかかっているんじゃないぺこか?

 

 

「あ~、あれじゃない。ほら、今日は満月だし兎田家のぺこらには月の兎の加護でも憑いてるんじゃないの?」

 

「えっ、どういう意味ぺこか?」

 

「あんたの家の伝承でしょう。むしろ知らないの?」

 

 

兎田家の伝承。

確かに、うちは古い家柄でだからこそ野兎ちゃん達という守護精霊が存在しているわけだけど……

 

そういえば、ばーちゃんが昔、色々説明してくれてた気がするけどあんまり聞いてなかったぺこ。

 

 

シオンの言葉にあくあが疑問を挟む。

 

「なんで、あんたが人の家の伝承を知っているのよ?」

「あ~、うちも古い家柄だから、何だかんだで繋がりがあったりすんのよ」

「そうだな、『紫咲』家も『兎田』家のことも伝え聞いているぞ」

「『百鬼』はいわずもがなって感じですよね~」

 

「あやめ先輩の家の事も知ってるんだ」

「『百鬼』と『紫咲』は敵同士って感じだったけどね。まぁ、今はそんなの関係ないけど」

 

あくあの質問にシオンと、あやめ先輩が答えていた。

あれ、あたしだけ把握できてないぺこか。ちゃんとばーちゃんの話を聞いておくんだったぺこ。

 

「敵って、どんな?」

「ん~、うちは~、魔女みたいな物っていうかそんな感じなわけ」

「何その曖昧な表現。そもそも、魔女って西洋とかの文化じゃなかった?」

「まぁ、魔女っていうか~、陰陽師っていうか~、そんな感じよ」

「陰陽師なら陰陽師でいいじゃない」

「いやよ、魔女の方がかわいいもの。作法が違うだけで大体一緒だからいいでしょ。で、あやめ先輩のところは”鬼”って感じだからバチバチやり合ってたわけよ」

 

 

「歴史ある家業をかわいいからで魔女に変えていいぺこか?」

「自分の家の歴史を忘れたあんたに言われたくないんですけど~?」

「忘れたないわけじゃないぺこよっ」

 

ぴちぴちの女子高生に物忘れが激しいみたいなこと言わないで欲しい。

はじめから、真面目に聞いていいなかっただけぺこ。

 

 

あくあが話を戻す。

 

「それで、兎田家と月の兎ってどういう関係があるの?」

「ぺこらが話す~?」

「シオンが語りだしたんだから責任とるぺこよ」

「そう? それじゃあたしが話すわね。昔々、あるところに~」

 

 

こうして、シオンによる兎田家の昔話が始まった。

 




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