ホロ学園ライフ   作:ハモリヤ

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マージャン、Among Us(アマングアス)配信を意識してまとめています。


6-3精霊達の会合

視点:兎田ぺこら (昔話は、ほぼペコラさん中心の3人称視点)

 

 

ちょこ先生の家で急遽開かれることになったお泊り会。

 

そこで開かれたマージャン勝負で、あり得ないくらい運に見放されていた兎田ぺこら。

「うそぺこでしょ? こんなはずないぺこじゃん!?」と、まるでぺこらを飛ばすために仕組まれたような展開に納得がいかなずにいた。

 

 

何か原因があるはずと思い考えていたら、シオンから”満月だから兎田家のぺこらは月の兎の加護”が憑いているのではと言われた。

 

月の兎の加護とはなんなのか?

なぜ加護が憑いて? いることで負ける話になるのか?

 

話の流れで、なぜか兎田家の物語をシオンが語り始めたのだった。

 

 

「むかしむか~し、あるところに~、ペコラビットという兎の精霊がおったそうな」

 

「ちょっと、シオンっ、ペコラビットってなにぺこー、んんんー」

「はーい、ペコラビットさんはちょっと静かにしているっすよ」

 

 

スバルがぺこらの口をふさいだ。

 

 

「その隣には~精霊仲間のスバルドダックが同じテーブルを囲んで座っておりました」

「グワーッ、ちょっと待つっすよ、スバルドダックってスバルとドナルドー」

「はーい、スバル様、お口を閉じましょうね。今はシオン様がお話ちゅうですから」

 

 

今度は、スバルのお口をちょこ先生がチャックする。

 

 

 

こうして、邪魔者が入らなくなったところで、本格的に物語が始まった。

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

 

嵐が吹き荒れ、火山が噴火し、海は荒れる。

 

そんな、放っておくと天変地異に翻弄される世界を人知れず安定させている存在。

 

それが『精霊』と呼ばれる存在だった。

 

 

 

 

世界各地でおきる天変地異の被害を抑えるためには早期発見が重要だ。

精霊たちは、日夜各地の見回りをしていた。

 

見回りの結果は、定期的に開かれる会合で情報共有がなされる。

 

 

今日は、日本支部の新人精霊から、世界統括本部の所属者が報告を受けていた。

 

まぁ、新人といっても、あくまで現在の部署における配属歴が短いと言う意味で、存在してからの歴史が浅いという意味ではない。

 

 

 

 

満点の星空と満月が空にのぼる中、一軒の屋敷に5つの存在が集結していた。

 

 

 

 

「あ、それポンで」

「あんた、すぐなくぺこね。こらえ症がなさすぎじゃないぺこか?」

「あがれればいいんすよ。高得点狙って結局上がれてないペコラビットに言われたくないっす」

「どーんと高得点狙わなきゃ、精霊がすたるってもんぺこでしょ!!」

 

 

 

マージャンのハイが積まれたテーブルを囲んで座る4人のうちの2人の精霊が会話をしている。

 

 

ポンをしたのはスバルドダックで、アヒルの精霊だ。水辺の見回りを担当している。

 

その右隣に座っているのがペコラビットと呼ばれた精霊だ。

ペコラビットは、うさ耳をした精霊で自慢のジャンプ力を活かして、空からの見回りを担当している。

今は、自分の番が回ってきてどのハイを捨てれば高得点に繋がるか悩み始めていた。

 

 

「よし! 君に決めたぺこ」

 

 

選ばれたのは『いらないハイ』だ。

そんなに力いっぱい選んだと主張するのもいかがなものだろうか。

 

しかし、捨てる精霊あれば、拾う精霊ありとはよく言ったもので――

 

 

「あ、悪いねペコラビット先輩、ご馳走様~。ロンで」

 

「あぁぁああああああ、酷いぺこ。このままなら役満狙えたはずなのにぺこ」

 

「自分のハイばかり見ているからですよ。えっと、ドラが乗ってっと、倍満なんで16,000点ください」

 

「ぎゃー、そんな持ってないぺこ!?」

 

ペコラビットの右隣に座っていた、シシローンが勝利宣言をする。

ペコラビットがシシローンの欲しかったハイを渡してしまったことで、ペコラビットが点数を奪われることになった。

 

しかも、予想以上の高得点で残っていた持ち点を全て渡しても足りない――つまり『飛ばされた』状態だった。

 

 

 

シシローンは、町の様子を観察している。

能力は高いがめんどくさいと言って、最近まで見回りをサボっていた。

 

まぁ、正しくは日本支部の会長の元で、企画立案や書類仕事などの引きこもってできる作業を受け持っている。

豊富な知識をもち重宝されているからこそ見回りは免除されていた。

 

けれど、そのことは限られた者にしか知らされておらず、大半の者からはニートと認識されていた。

組織の中枢にいるのに実力は知られていない存在。

会長の懐刀と言ったところだろうか。

 

本人が引きこもってゴロゴロしているのが好きなのも大きな理由ではあるのだが……

 

 

 

 

しかし、ここのところ、元々の見回り担当精霊たちに行方不明者が発生していてるのを見て参加を名乗り出た。

 

頭数が足りないのもあるし――これ以上行方不明者がでないように監視も必要だと判断していた。

 

可能ならば引きこもっていたい。

けれど、自分の力が必要と判断すれば自主的に協力を買って出るくらいには日本と、仲間を大切にしていた。

 

 

 

 

「ふむ。ペコラビットがすぐ飛んでしまうので、どうも近況報告が進みませんね」

「ふーん、カリオ・ペデスはまじめだねぇ。もっと気楽でいいんでない?」

「交流は構いませんが、本命の会議が進まないのでは意味がないでしょう」

 

ちょっと会議の進行が遅いことに不満な様子なのは大きな鎌を背負ったカリオ・ペデスだ。

シシローンのゆるい合いの手にも真面目に返答している。

 

 

カリオ・ペデスは、視界が通らない深い森の中などの見回り担当だ。

 

 

ちなみに、見回り部署への配属順は、スバルドダック、ペコラビット、カリオ・ペデス、そしてシシローンの順番だ。

 

 

 

「まぁ、まぁカリちゃん、そんなにカリカリしないで~。連携が取れるように交流することも目的だからね? でも、区切りもいいし、先に報告をおわらせてしまいましょうか」

 

 

そう話すのは、オレンジの長い髪をしたキアラサンだ。

『太陽』を象徴するフェニックスの化身である彼女は、世界全体を管理する本部所属である。

ちなみに、本部所属になるには神格を得ている必要がある。

 

つまり、彼女は精霊の域を超えて『女神』となった存在だ。

 

 

 

今回の会議のまとめ役であるキアラサンが報告を促す。

 

 

「では、スバルドダックさん、見回りしていた様子はいかがですか」

「はい! 水辺回りの様子はとっても平穏だったっす」

「異常なしと。ありがとうございます。次は、ペコラビットさんどうですか?」

「跳ねまわってみたぺこだけど、特におかしな所はなかったぺこね。ただ――日本海の水平線の先がなんかモヤモヤしてる気がしたぺこだけど。視界が届かないからよくわからなかったぺこね」

 

 

ペコラビットはあくまで大地の上で飛び跳ねているので、水平線の先を確認に行くことは出来ない。

 

 

「海の水平線の先ですか~、直接異常を目視したわけではないんですね」

「そうぺこね、見える範囲より先がなんか曇っているようなモヤモヤした印象を受けたって感じぺこ」

「ちょっと、そんな曖昧で大丈夫なんっすかペコラビット。しっかり仕事して欲しいっすよ?」

 

スバルドダックがやれやれと肩をすくめる。

 

「だったら、あんたが泳いで見に行けばいいぺこでしょ!!」

「海水に浸かるなんてべたつくからイヤっすよ。そもそも、空はペコラビットの管轄の話っすよね」

 

「あんたが鳥のくせに空を飛べないっていうから、このペコラビットちゃんが空の見回りしてやってんのに文句言うんじゃないぺこだよ!!」

「なーに言ってるっすか!! むしろ、空は譲ってあげたっすよ。水辺の見回りこそ替えがきかないっす。ペコラビットに湖の中の見回りができるっすか?」

 

「まぁまぁまぁ、お二人とも落ち着いて。お二人とも他のメンバーでは見回りが難しい場所を担当してもらって助かっているんですよ」

 

そう言って、キアラサンが仲裁する。

 

 

「取り合えず、水回りも、上空から見た地上も基本異常は見られなかったと。ただし、海の先が少し気になったということで記録しておきますね」

 

議事録に記載していく。

海の向こうのモヤモヤは、取り合えず今後何が進展がないか注意だけはしておくことになった。

 

 

 

「さて、次はシシローンさんはいかがですか?」

「うーん、まぁ、町の様子におかしなところはなかったかな」

「そうですか、ありがとうございます。今後も引き続き見回りをお願いしますね」

 

シシローンの報告は異常なしと記録する。

 

 

「では最後に、カリオ・ペデスさんはどうですか?」

「深い森や、地下空洞などの暗がりを見回ったが、異常はなかったですよ」

「異常なしですね。ありがとうございます、難しい暗がりを見回ってもらえるのは助かりますね」

 

カリオ・ペデスの報告にも異常なしと記載する。

 

 

「本当に、深い森や地下空洞を見回っていたのかね?」

「……それはどういう意味ですか?」

 

 

ここで、シシローンが疑問の声をあげた。

何が言いたいのかと、眉をしかめてカリオ・ペデスが聞き返す。

 

「あたしは町の傍にある、比較的浅い森を移動しながら見回ってたけど、遠目にちょくちょく見かけたからさ。人目につかない場所を見回ってるはずなのにおかしいなとちょっと思ったんだよね」

「サボっていたといいたいのですか?」

「そういう訳でもないんだけどね、不思議だなって話。スバルドダックとか、他の見回り中のメンバーの近くを通りかかることもこともおおかったしね」

 

 

「……妙な視線を感じたのははあなたですか。休憩がてら水辺などを散策中にニアミスしただけでしょう」

 

 

 

「あ、カリオ・ペデスはよくわかってるっすね。川とか、湖は見てるだけでも落ち着くっすよね。何だったら、カリオ・ペデスも一緒に見回りするっすか?」

「えっ、それはーー」

「遠慮はいらないっすよ? ちょっと見回りの効率落ちるかもしれないけど残業すればいいっすしね」

 

「あっはっは。それは良いね。スバルドダックと一緒に行動して、一緒に報告会に参加すればいいんじゃない」

 

 

スバルドダックの無邪気な提案がツボだったのかシシローンが楽しそうに笑う。

シシローンは、見回り担当者の行方不明が誰かの仕業と考えていた。

そのために、疑わしい相手にはあえてプレッシャーをかけて回っている。カリオ・ペデスもその一人ということだ。

 

そんななか、『ずっと一緒に行動する』

この言葉は事前に宣言しておくと中々説得力のある証明になる。

仮に犯人だったらなら、行動が制限されるだろう。

 

 

「いえ、私は、単独行動が性にあっていますので、気にしないでくださいスバルドダック先輩」

 

「そうっすか。遠慮しなくてもいいんすけどねー。ハトサブローはよく挨拶に来てくれてたっすよ」

 

ハトサブローは、シシローンが入る前に空の見回りを担当していた者だが最近顔をみせなくなっていた。

 

「ハトサブローは挨拶したことを忘れて、何度も繰り返してただけぺこよ。まさに鳥頭だったぺこ」

「意図的に付きまとっているのかと思うほどでしたね。やりにくくて仕方ありませんでしたが、物忘れが激しすぎて、どこかに頭でも置き忘れたのではないですか」

カリオ・ペデスは頭の痛い担当者だったと嘆く。

 

ちなみに、ハトサブローが抜けたことで、ペコラビットが空の見回りを担当するようになっていた。

 

 

 

 

 

「さて、報告も終わりましたし、交流戦の続きと行きたいのですが――」

 

キアラサンがペコラビットに告げる。

 

「ペコラビットさん、先に飛ばされた分のお支払いをお願いします」

「あっ、ちょっと今余裕がないぺこよ。いつものようにツケにしてほしいぺこ」

 

永く生きる精霊にとって、精霊通貨による賭け事はちょっとした生活の刺激だった。

そして、負けが込んでいるペコラビットはツケの常習犯とかしている。

 

「そうですねぇ、かわいいペコラビットさんの頼みですから聞いてあげたいんですがー、どうしましょうかねぇ」

 

キアラサンは、チラチラとペコラビットを横目に見ながら悩むそぶりを見せる。

慣れたもので、ペコラビットは胸の前で両手を組んでおねだりする。

 

「ねぇ、だいすきなキアラサン。ペコラビットちゃんのお願い聞いて欲しいな?」

 

「だいすきー、ふぁーああああああああああ」

 

小首をかしげて、うるんだ瞳でお願いするペコラビットにめろめろのキアラサン。

 

「だいぶ薄っぺらい大好きっすよね」

「ホントにね。透かしたら、奥の景色が見えそうなくらいペラっペラだねぇ」

 

スバルドダックとシシローンが横であきれた顔で眺めていた。

 

 

「んん、では仕方ありません、ツケについては許可します。その代わり何時ものようにお願いを一つ聞いてもらいますね。今回はかわいく兎飛びで富士山の周りをまわってきてください」

「その程度ならお安い御用ぺこ。行ってくるぺこ~」

 

そう言うと、両手を振りながら星空の中へ飛び上がり富士山に向かっていった。

 

「いいんすか? さすがにツケを引き受けすぎじゃないっすか?」

「いいんですよ。どうせ女神は仕事が忙しくて使う余裕はないんですから」

 

スバルドダックがキアラサンを心配する。

あまりにもお馴染みのやり取りになっている為だが、キアラサン的には使う余裕がなく溜まる一方のため構わないようだった。

 

 

「それに、ちゃんと回収する当てがあってのツケですから。さて、ちょうどそのことで皆さんにご協力いただきたい事があるのですがよろしいでしょうか?」

 

 

ペコラビットがいない間に、キアラサンはツケの取り立て計画を3人に相談し始めるのだった。

 

 

 




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