規格外たちの間接介入『ML編』   作:獅狼

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いじめではありません、修業です。

 

 

少年…いや青年、白銀武には事情が説明された。

――ここは君の知る世界ではない。

そんなことは解っている!!

――この世界には、さまざまな種族が存在する。

ドラゴンが喋るくらいだからな。

――…この世界では、基本力こそ正義だ。

物騒なトコだな。

――……俺達は君を元の世界に戻すことが出来る。

じゃあ、さっさと返してくれ!!

――……ぷつん……さっき言っただろ?力こそ正義、そしてそんな大規模儀式魔法を只で使ってやる筈が無いだろォ?タケルクゥン?

……じゃあ、如何しろって言うんだ!!

――簡単な話だ、我々の暇つぶしに付き合ってくれれば良い。なぁに、帰ったときはここに流された時の一秒後だ。そして、どんな物語かは……(知っているけど)知らんがお前はどの道何かに巻き込まれる。その前に俺達が対応できるように鍛えてやるのさ。ギブアンドテイクどころかそっちの利の方が多いな。

わかった、それで良いから早く返してくれ。

――よし、じゃあLesson1 敬意を払え、だ。

え?

 

 

☆★※1週間お待ちください※★☆

 

 

朱麗さんの一週間で紳士コース、性欲の塊を紳士的にするほどの素晴らしいビフォーアフター。

礼儀を知らないお子さまが、最低限の礼儀を覚えました。

ついでに身体も最低限引き締めました。

 

1週間ぶりに、灰根が武を呼び出した。

「さて、本日から我々の暇つぶしで貴様を鍛える、少し其処に座れ、情報を取る」

少年、白銀武はその言葉の意味がわからなかった。しかし逆らうだけ無駄だと理解しているのか一時停止したがそのまま指された椅子へ座った。

「さて、お前の世界の物語、少し、視させて貰うぞ?」

武はその直後、起きた事に驚いた。今居る場所は部屋中央の椅子。

そして床一面には辛うじて何かが書いてある、模様が有ると分かる程度の細かく緻密な何かが書いてあり、それが光り始めたのだ。光るまではその存在に気付く事など出来なかった。

陣は20m四方に及び、それは只一つの目的のためのものだ。

対象を通してその向こう側の情報を除く。そしてある魔王から奪い取った未来視能力を用いて、対象にどのような運命が待ち受けているのか、古い映像を見たときのようにノイズが酷いが、見ることが出来るというモノだ。

一誠のことが会って早急に作ったものだが、それは確かに力を発揮した。

壁に何かが映し出される。よくある、王道的なエr……ギャルゲー主人公のような人生を送る白銀武。

しかしその映像が急に乱れ、二つに分かれた。

さっきまでの物とはかけ離れた、グロテスクなバケモノ、それに対し、ロボットに乗って戦う白銀武。

しかし、バキッといった破砕音と共にその映像はノイズに飲まれて、その直後に消えた。

 

Side HAINE

さて、自分が思うことは一つだな。

余りにも断片的過ぎて、訳がわからないよ。

と言いたくなったが……それでも欲しい欲しい情報は手に入った。

要するに、パイロットとして育てればいいのだろう?

対Gは……プロの戦闘機パイロットが正気を疑うレベルまで引き上げよう。音の三倍で飛び回れるくらい……は行き過ぎか?

まあ良い限界まで伸ばすとしよう。

「とりあえず、部屋に後で使いを出す、それまでは自室待機だ。」

さて、対G訓練か……まずは小回りの利く小型のドラゴンに乗せて高速3D戦闘を体験させるか。

並行して阿呑による肉体改造に、防人による整備知識の捻り込み、草による心理学、朱麗の射撃訓練に……その他諸々。

良し、二月で何とか……1日五十時間頑張れば(※つまりは、超密度を更に倍……数日以内に過労で天に召される程度の密度)

……まあ、冗談は置いておいて、大体一年である程度まで持っていくか。

 

 

 

 

==はつふらいと==

 

 

……ぁぁぁぁぁぁぁ……

 

 

……ぁぁぁあぁぁああぁあああ……

 

 

……ギィヤァァァアァァァアァアァアアーーーー!!!

 

「ちょ、無理だって、無理無理!!おかしいって!!何?しがみ付いてろって、無理だよ!!つかむ所なんて鱗しか無いじゃん、鱗はがして殺されるとかヤダよ!?ちょ、また急降下ぁ!?」

小柄の飛竜の首に掴まり…否、しがみ付いた武が再び5000mの急降下に入る。

その更に500mほど上、まるで平地に置かれたかのように存在する机と三つの椅子。

其処に、灰根、防人、朱麗の三人が座って見学をしている。

其処に一人の男、草がまるで空中を歩くかのように近付き配膳を行う。

「上空は少々冷えるので暖かい物を持ってきました。」

「ん」

用意された物を啜り、頷く灰根。

「草ちゃんも器用よね、料理長が用意した物を直線距離で2kmぐらい?零さないどころか適温にして持って来るんだもの」

素直な感想なのだろうが、居る位置を考えるとオカシイ……でもここでは当たり前のようだ。

「あなたも、欲しい物を書いた矢文を開いた窓から器用に送りつけてくるんですからね」

それに対して草は何を今更見たいな笑みでそう返す。

「……阿呑は?」

この場に居ない阿呑について尋ねる防人。

「阿呑でしたら……ああ、今来ましたね。ほら、あそこに見えるあの龍に乗っていますね。大規模な龍と竜を使った空中戦の訓練でも行うんじゃないですか?武君がくっ付いているあの竜は他に比べて高速軌道が得意ですから……戦場を駆け抜ける体験でもさせるつもりでは?」

草の指差す先には遠近感が狂いそうなほど大きなドラゴン二匹と小から中型の飛竜の大軍。ドラゴンの片方の背に、大きな人影が見えた。

「そうか、なら巻き込まれないように障壁(かべ)作ってあと200くらい上がるか」

灰根がそういって指を鳴らし、人差し指を上に曲げる。するとまるでエレベーターが上昇するかのように彼らが動き出す。

そして皆当たり前のように動じない。

と、其処へ下方より何かが……いや、さっき急降下して行った飛竜が追いかけるように昇ってきた。

そして四人の上昇が止まった所で追いつき……ピーピーといった感じのかわいらしい鳴き声でなにかを訴えかける。その表情は何処か困り顔に見えないことも無い。

この竜はまだ若く全長も2mと少しほどしかない。

灰根はその竜に足場を創ってやる。すると…背の方を気にしながらなにかを訴えてくる……

…白目を剥いた、漫画なら口から何かが出ていそうな状態でありながら執念のような物で首にくっ付いている武が居た。

「なるほど、ちょっと早すぎたか?」

うーむ……想像以上に常識…人間の強度を忘れているな……と更に呟く灰根。

「加速病……と、高山病だな。緊急を要する」

淡々と状況を判断する防人。生死の狭間どころか、あの世に少し踏み込んで居る気がするのは……気のせいなのだろうか?

「あら、あなたよく見たら綺麗な紅色の鱗ね。この距離で見ると光の透過が綺麗だわ」

竜をなでながら話しかけている朱麗。

「では、私はこのことを阿呑に知らせてきますね」

そう告げて人蹴りで姿を消す草。

 

……白銀武が治療されたのは十分後であった。

 

 

後に白銀少年はこう述べた。

六文銭が手の中に合って驚いた。船頭のお姉さんが寝ていなかったら帰って来れなかったかもしてない。

 

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