眠気に勝てずここまで来てしまいました。
-KOKAGENOKYUUSOKU-
沈黙が続き、明らかにクエストでも人が来ないような場所まで来た。
後はめぐみんの希望にあった対象を見つけるだけなのだが、まだ手を繋ぐに至って居ない。
めぐみんから誘われたデートだからと、浮かれてたら喧嘩しちまったあとだからだ。
いやまあ、さっきまでは割といい感じの雰囲気ではあったけども。
と言うかそれで何となく照れくさくなってお互い話さなくなったのが主要因だけども。
このままだといけないと思い声を掛けてみる。
「めぐみん」
「な、なんですか?」
やっぱり、余裕なくて、テンパってるめぐみんは可愛いな。
名前呼んだだけでこれだろ?
めぐみんが名前だけ呼んで何も無いって言う意味がよくわかる。
「そろそろ手繋いでいいか」
「ど、どうぞ」
こういう所はまだまだ俺の方がリード出来てるか。
いくらめぐみんと言えども、恋愛耐性が最初から備わってる訳じゃないってことか。
「・・・カズマ」
「なんだ?」
「また誰かに付けられてませんか?」
「そうか?感知スキルに反応無いけど?」
レックス、クリスと二人に追跡されていたのに気付かなかっためぐみんが感じてるのに俺が気付いてないのは不思議だ。
千里眼を使って周りを見てみるも、やはりと言うべきか人影所か、魔物も見当たらない。
キョロキョロとめぐみんも辺りを見回しているが、不安そうではなく、不思議そうにしている。
「さっきから何かの視線を感じるのですよ。どこからか覗かれているような感じで。それも近くから。でも不思議と嫌な心地はしないのですよね。これなんですかね?」
「覗かれてる?ちょっと待ってろよ。もうちょっと探知系のスキルを・・・あっ、分かった」
めぐみんは近くからと言っていた。
俺たち二人を俯瞰的に覗き見ている人物が確実に一人いることに今更気付いた。
尾行を気にして、確認しているやつがここに。
「分かりましたか?」
「これでどうだ?視線もう感じないだろ?」
「え?・・・あれ?本当に視線をもう感じないです」
思った通りの結果で良かった。
でも、感知スキルって気付くものなのか?
これまでにもクエストとかで、敵感知スキルは常時使ってるし、でもめぐみんはこれまで視線なんて感じてなかったよな?
まさかこっちの世界だと感知スキルの逆探知とか出来るのか?
「やっぱり犯人俺だったか」
「はい?」
「感知スキルで周囲確認し続けてたから、それを視線に感じたんだと思う」
「なるほど。つまりもう尾行はないってことですか」
キョロキョロするのを止めためぐみんはこっちを見てニコッと笑った。
可愛すぎるだろこの生物。
「まあ、そうなるな」
「なら、恋人繋ぎしましょう」
「え?」
「したくないんですか?」
「いや、したいけども、いいのか?」
「私から提案してるんですから、当然です」
あれえ?
おかしいな。
さっき普通の手繋ぎで恥ずかしがってたよなコイツ?
どう言う心境の変化だ?
極めてめぐみんらしい行動だけども、こっちでは普通じゃない。
「誰からも見られてないなら恥ずかしくないですからね。この前の添い寝に比べたらこれくらいはなんてことないです」
「そう言う問題か?」
「そう言う問題です」
やっぱりめぐみんは一度経験したら耐性出来るタイプの人間か?
それは困る。
だって、このままのスピードでいくと、そのうちめぐみんに手玉に取られる前回と同じ道が直ぐに・・・
「あの、そんなに恋人繋ぎ嫌ですか?」
「そうじゃない!そうじゃなくて、このまま照れてるめぐみん見られなくなるの悲しいなって」
「そんな私は見なくていいです。私はクールな魔法使いですから」
「・・・めぐみんがクールなら俺はもう凍結してるな」
めぐみんをクールと言ったらゆんゆんなんて、絶対零度だろうと思う。
俺は、まあ、クールとは言わないまでもそんなに怒りっぽくはない。
パーティーメンバーに怒るのは、変なことするからだしな。
「どう言う意味ですかそれは!」
「ほら、短気じゃん」
「・・・どう言う意味か聞きましょうか」
「今更言い直しても遅い。てか前にも言ったけど、そう言う所も好きなんだって」
さてとこれでめぐみんへのアピールも完璧と。
このデート始めて喧嘩してばかりな気もするけど、とりあえず喧嘩のベクトル変えとこう。
多分、こんなこと言うのやめろとかそう言う話だよな。
「もう何なんですか!ソレ!ズルいので禁止です!」
「断固拒否する」
「ムカつくニヤケ顔もやめてください!」
これも俺言ってたもんな。
ニヤニヤしてるの見てたら腹立つし、ほっぺた引っ張りたくなってたな。
「やめろと言われて止めるやつがどこにいるってんだ。めぐみんがそうやって怒ってるの見るのも楽しいし」
「・・・カズマって悪魔だったりしません?」
「失礼な。俺だってめぐみんに同じことされてんだ。今度は俺のターンだ!」
とすると、めぐみんがその内俺の頬っぺ引っ張りに来ることになったりするか?
それはそれでかわいいと思うから見てみたい。
でも、めぐみんの力強いから痛すぎてそれ所じゃない可能性もあるけど……。
「何ですかその理屈は!それ私の気持ちわかってるんですよね!だったらやめてくださいよ!」
「お前もめぐみんなら分かるはずだ。これ、抑えるとか不可能だって」
「分かりませんよそんなの。全く、クリスの、いや、悪魔のせいでこんなことになるなんて」
よし、いい感じにヘイトが俺以外に向いてくれた。
しかも、このタイミングで、めぐみんが好きそうな岩が見つかった。
無機物に感謝する日が来ようとは……
「おい、めぐみん見ろよ。いい感じの岩あるぞ」
「・・・はぁ、本当私の好みよく分かってますね。準備するので、下がって見ててください」
「任せとけ」
今日はどんな感じだろうな。
デートって事で緊張して、点数が落ちるのか、緊張がプラスに働いて出来が良くなるのか。
気になる所ではある。
「カズマ、これだけは言わせてください」
「なんだ?」
「私は私です。悪魔に見せられた私とは違うのでそこのとこ忘れないでください!」
何ともめぐみんらしい発言。
自分は自分だと。
ここが平行世界と聞いた時点で、全くの同一人物だとは思わないようにしてたから、俺としては何の問題もない。
まあ、俺が攻める事で、照れまくってるめぐみんとか向こうじゃ見られなかったし、その時点で別のめぐみんって認識は形成されつつあったけど。
「言われなくても分かってるぞ?押されて焦るめぐみんとか向こうじゃ見られなかったし、でも、まあ、どっちのめぐみんも好きだから安心して爆裂してくれ、最高のを頼むぞ」
「・・・『エクスプロージョン』ッ!」
なんだろう。
今までにないくらい出来が良くない。
音圧もいまいちだし、爆煙も不揃いだし、何より岩の破片がパラパラ落ちてるのが良くないな。
「これは四十八点かな」
言いながらめぐみんを背負う。
こっちではおんぶする時もめぐみんがちょっと照れてるの新鮮でいい。
おんぶする時絶対にそっぽ向いてるもんな。
でも、そのくせおんぶ中はほぼゼロ距離で喋ってんだよな。
距離感バグってると思う。
俺としては何の問題もないけど。
「最後の一言で安心所かドキドキでしたよ!何してくれるんですか!」
「いやあ、俺の見てきためぐみんなら気分が乗って、より良い点数稼いでくれるかなあって思ったけど、やっぱりめぐみんでも違うところはあるなって、より実感した」
俺としては多少違う所があってもめぐみんはめぐみんだからな。
流石に爆裂爆裂言ってないめぐみんだったら困るけどな。
だって、そんなことになったらめぐみんただの短気なで暴力気質があるだけのエリートだし、俺なんか目に入らない程に引く手数多だろうし……
そうだよな。
めぐみんが爆裂魔法に惹かれてなかったら、そもそも俺達と出会うよりも前にどっかのパーティー入ってるだろうな。
・・・なんか悲しくなってきた。
考えるのやめて、アワアワしてるめぐみん見て楽しもう。
「そりゃあ、一番最後のは昂るものもありましたよ?ありましたけど、どっちの私も好きだとかそんな話なくていいんですよ!アレです。爆裂散歩で次から放つ前に話すの禁止です!」
「分かった分かった。俺もめぐみんが綺麗に爆裂してる所見たいしからな。百点取れるくらいに」
まだまだ百点には遠いけど、爆裂魔法の上達を傍で、前回よりもじっくりと見届けてあげよう。
これが結婚の誘いを受けるにあたって魅力的な所とめぐみんも言ってたし、ここをより極めなければならない。
「・・・一つ聞きたいんですけどいいですか?」
「何だ?」
「魔王軍と本格的に戦うくらいの私基準だったら百点なんてまだまだ取れないと思うですが」
「そんな訳ないだろ?今のめぐみんが出せるパフォーマンスの範疇でつけてるっての。そんなこと言い出したら、今日のなんて、十未満だぞ?」
変な話だけど、めぐみんが爆裂魔法放つ時の魔力の感じで出せるはずの大きさとか威力が分かるようになった。
そのおかげか、初めてこっちで採点した時めぐみんも自分でつけるならそれくらいの感覚と言っていたし。
「そ、そうですか。精進します。しかし、十点にも満たない訳ですか……」
「そんだけめぐみんが成長したってことだ。しかもそこまで行ってもまだまだ可能性はあったぞ。俺はその先を見たい。あと、お金に余裕出てきたらマナタイト買って、偶に一緒に爆裂してお互いに採点とかしたい。何気に向こうでもやってなかったしなこれ、やりたいとはずっと思ってたけど、ゴタゴタしててそれ所じゃなかったんだよな」
「・・・」
めぐみんのやる気を上げてやろうと思って言ってみたけど、めぐみんは何も話さなくなった。
まさか寝たのかと思い振り返ると目は開いていた。
そして、涙が伝っていた。
え?
俺なんか変なこと言ったか?
まさか、めぐみん的に一緒に爆裂は、ダイナマイトもどきみたいな感覚なのだろうか?
それだったら相当な地雷踏んでる……
「えっと、どうした?俺何か」
「いえ、カズマが何かしたとかじゃなくて、その、嬉し泣きです。魔法見てくれるだけでも初めてで嬉しいのに、一緒に爆裂しようなんて言ってくれる人が現れるなんてこと考えもしてなかったので……」
俺のフォローがぶっ刺さってただけだったか。
だけとか言ったけど、こういう時なんて声掛けたらいいんだ?
泣かせてしまうとか思ってないし、その後の対応とか分かんねえよ!
このままだとどうしたらいいか分からないから一旦、めぐみんを木陰に置いて、ピクニックの準備を始める。
「カズマ、これからもよろしくお願いします」
「お、おう」
よろしくと言っためぐみんは、涙を拭い笑っていた。
と、とりあえず泣き止んでくれて良かった。
「あの、一つ忘れてたことがあります」
「何だ?」
何か申し訳なさそうにしてる。
さっきからめぐみんの情緒がおかしい。
不安定って訳じゃないけど、コロコロ変わってる。
「私もう動けないじゃないですか」
「そうだな」
故に俺が一人で、水筒とかお弁当とかその他諸々を準備してるんだけどな。
今更そんなこと気にしてるのか?
「お弁当まだ食べてないじゃないですか」
「そうだな」
これから弁当だってのに何の確認だろう?
さてと、設置も完了したし、後はおれ
「お弁当食べられないじゃないですか!」
「いや、それは違うぞ。ちゃんとめぐみんも弁当食えるからな」
「意味分からないですよ」
不思議がってるめぐみんを少し抱き起こして木から離す。
そして、めぐみんと木の間に入り込む。
「あ、あの、カズマ?何してるんですか?」
「二人とも昼食食べる為の工夫。ちゃんと食わせてやるから待ってろ」
めぐみんを両足の間に入るように座る。
これで弁当食べられるな。
「えっと、カズマ?この体勢は一体……これでどうやってお弁当を?それに近くて恥ずかしいのですが」
「まあ、待ってろ。はい、あ〜ん」
「・・・カズマ正気ですか!こんなの恥ずかし過ぎてどうにかなりそうですよ!」
正気を疑われてるけど、めぐみんが体力戻るまで待つのなしにしたら、これ以外に方法はない。
恥ずかしいとかは我慢してもらうしかない。
「じゃあ、どうやって食べんだよ」
「・・・わかりました!わかりましたよ。食べますよ」
「じゃ、改めて、あ〜ん」
「あ、あーん。美味しいです」
めぐみんは照れてこっちを向こうとしないけど、こんなに近くで照れてる所見られるとか、いかにもデートって感じでいいなこれ。
めぐみんとしては早く終わって欲しい状況だろうけど。
「めぐみんの作ってくれたサンドイッチ、ホント美味しい。やっぱりめぐみんの料理は毎日食べたいくらいに美味しい。はい、あ〜ん」
「・・・あーん。あの、これ言わないとくれないのですか?」
別にもう一つくださいでも渡してるけど、なんか勝手に勘違いしてくれてるからそれに乗っかっておこう。
めぐみんがあーんって言って欲しがってる所をもっと見たいからな。
「だってその方がデートっぽいだろ?」
「・・・そうですか。もうなんでもいいです。あーん」
「あ〜ん。なあ、照れなくなるの早過ぎないか?」
「照れてないわけないじゃないですか。一々反応してたら食べ終わるのに時間かかるからですよ」
言ってることは最もなんだけど、そんなに割り切れる物なのだろうか。
俺そんなこと出来てなかったのに……
「そうなのか?」
「脈測れば分かりますよ。カズマのせいでドキドキしっぱなしですからね!他のことも慣れたとか思ってるなら大間違いですからね!こんなこと言わせないでください恥ずかしい……」
「そうか。それなら良かった。まだ食べるか?」
「・・・あーん」
照れながら言ってるのやっぱりいいな。
これまでにされてきたあーんは、めぐみんが挑発的な笑みを浮かべながら煽ってきて、心休まることは無かった。
いや、あのめぐみんも可愛かったけども。
って俺は何自分の中で張り合ってんだ?
「あ〜ん」
「カズマ」
「なんだ?」
「今度逆させてください」
唐突な要求。
しかも俺が得しかしないような要求。
このタイミングでめぐみんがこれを切り出す理由は何だ?
「いいけど、どうしてだ?」
「同じ気持ちにさせないと気がすみません」
「俺からしたら単なるご褒美だぞそれ」
「・・・あああああ!もう!イライラしてきました!一発殴らせてください」
めぐみんの負けず嫌いが発動してるだけだったのか。
まあ、なんと言うか、ここで諦めてたのが俺なんだろうな。
そして、それを今しがた暴力で解決しようとしてるのがコイツなわけか。
「嫌だ!」
「だったらどう発散しろと言うんですか!爆裂はもうした後ですよ!」
「めぐみんもこの状況楽しんだらいい」
「・・・聞いた私が馬鹿でした」
俺は間違ったこと言ってないはずなのに呆れられた。
なんかイタズラしたくなってきたな。
「あーん」
「あ〜、あ〜、あ〜」
「早く口に入れてくださいよ!焦らさないでください、あーん!」
ツンツンしてるめぐみんも中々いいな。
ずっとゆんゆんに対してみたいにツンツンだと困るけど……
「だって恒例の行事じゃんこれ。はい、あ〜ん」
「あーん。知りませんよそんなの。もう絶対、お弁当食べる前に爆裂しません!」
「分かった。でもめぐみんがまたこれしたくなったら俺は何時でもするからな」
添い寝は何故か知らないけど、めぐみんの方から誘ってくれてるくらいだから、こうやって、あ〜んするのもハマってくれないかなと淡い期待をしてしまう。
今はまだ無理だろうけど。
「ふん!その時は逆もやってカズマの顔真っ赤にしてやりますよ」
「そりゃ楽しみだな。弁当食べ終わったし、そろそろ昼寝するか」
「まだです」
「え?」
まさか、なんだかんだでこの状況気に入ってたりするのか?
全くそんな風には見えないけど、もしそうならツンデレが過ぎる。
「疲れたので普通にベッドで寝たいです」
おっと、めぐみん怒らせただけだった。
添い寝もしたくないって感じか?
からかい過ぎたなこれは。
自重しないと……
「ベッドくっ付けたままだけどいいのか?」
「最初から添い寝すると言ってたじゃないですか。何心配してるんですか?」
「いや、なんて言うかさっき口論してたし」
添い寝が嫌になったから帰るんじゃないのか?
めぐみんの基準がいまいち掴めてない。
色々とめぐみんが慣れたら、どう攻めていいか分からなくなりそう……
「この前言い合いできる関係もいいと言ってたじゃないですか。私もそうなんですよ。今気付きましたけど、ともかくさっきので気分を害した訳じゃないです」
「分かった。じゃあそろそろ行くか」
「まだこのままでいいですよ。なんと言うか、この体勢落ち着くので、動けるようになるまで待ちましょう」
「お前がそれでいいなら」
これが落ち着く?
始めた時めちゃくちゃ抵抗してたのに?
まさか抵抗してたのあーんの方だけだとか言わないよな?
・・・ちょっと試してみるか。
「どうしました?」
「抱きしめていいか?」
「それくらないなら別に、いや、やっぱりダメです!」
一瞬させてくれそうだったのに、拒否された。
この一瞬で何があったんだ?
「どうした?」
「カズマがわざわざ確認するということは、恥ずかしい思いを私がすると学んだのですよ!」
「・・・それにしては許可しようとしてたけどな」
「油断してただけです」
「油断か。それを言うとだな。俺もちょっと油断してた」
「何をですか?」
「ほら、アレ」
「アレ?・・・あっ」
視線の先には、前にもすれ違ったことのある冒険者達。
体の汚れ具合からクエスト帰りだろう。
完全に目が合ってしまった。
ダストと。
「あっ!俺様がこんなに働いてんのに何だお前ら!昼間からイチャつきやがって!許さ、痛っ!?何すんだリーン!」
「止めなさい!二人きりの時間楽しんでるんだから邪魔するなんて無粋な真似させないわよ。ごめんね。このバカは私達が連れてくから気にしないでね」
「離せ!キース!お前もムカつくだろ!」
キースに同意を求めるも、好感触とはいかなそうだ。
俺としてもその方が助かる。
あまりめぐみんを刺激するようなことは言って欲しくないからな。
適度にめぐみんが照れるレベルで頼む。
「ムカつかねえって言ったら嘘だけど、お前は感情的になり過ぎだ!」
「さっさと行くぞ。女の子の方顔真っ赤にして、手で顔隠してるし、これ以上見てやるな。悪いな二人とも。せっかくクエストも殆どない場所でゆっくりしてたのに」
テイラーのフォローが逆にめぐみんを沈めた。
前屈姿勢になって、顔隠そうとしてるし……
俺ができるのは、早く立ち去ってもらうように話を進めることだけ。
「えっと、その、頼む。コイツもう限界だし……」
「ほんとごめんね!冒険者よね?また今度ギルドで会ったらお詫びに奢ってあげるよ」
「はあ!?こんな野郎に奢るくらいなら俺に奢れよ!」
「うっさい!あんたは黙ってて!」
キースとテイラー二人がかりで黙らせられたダストは連れていかれた。
まさかこんな所でコイツらと会うことになるとは……
めぐみんは前屈姿勢のままぷるぷる震えて動かなくなった。
見られること想定してない行動だったのな。
背中を撫でて落ち着くのを待つこと、数分、ようやく落ち着いたのかめぐみんは体を起こした。
「・・・か、かずま」
「何だ?」
「見られましたね」
「見られたな」
落ち着いた声色ではあるけど、顔は耳まで赤くなったままだし、目も十分紅い、
めぐみんをこれ以上からかうのはなしだな。
それに今は落ち着かせないと。
「ギルドで広まりますよね?」
「それはアイツら次第だな」
「・・・もうギルド行きたくないです」
「金を積む。この前あの騒いでた男が借金がどうのって揉めてる所見たし、まとまった金渡せばいいだろ」
どうせダストは万年金欠だし、金の力には逆らわねえやつだからな。
自称俺の親友なだけあって付き合いは長い。
この手の事はちゃんと守るタイプだからな。、
「・・・えっと、そんなことで」
「まあ、見てろって、『狙撃』っ!」
「ちょっ!?何やってるんですか!」
「金袋に話すなって書いた紙入れて飛ばしたし、これで大丈夫だろ」
俺の命中率を疑っているのか、お金の持ち逃げを心配しているのか分からないけど、どちらにせよ俺の事信用して欲しい。
と言っても会ってさほど経ってないこの状況じゃ、厳しいけども。
「・・・それ、大丈夫なんですか?」
「千里眼でちゃんとアイツの頭に命中して、当たったことにブチ切れて、そこから中身みて大人しくなったのもちゃんと見えてるから安心しろ」
「千里眼ですか。それなら、大丈夫ですかね」
まあ、何とか納得してもらえてよかった。
話してる内に照れも無くなったみたいだし、このままデート続けても問題ないかもな。
いや、街ついてデート本格的に始める時には照れてる時見たいけど。
次回、カズマとめぐみんが本格的にデートします。今回も十分デートしてますけど……
来週こそは週一やってやります!