ギリギリ間に合ったので、字数も中身もいつも以上に期待なさらぬようお願いします。
-QUESTSEIKOU-
人生二度目の初デートを昨日したのだが、自分でも何を言ってるのか分からないけど、これが事実なのだ。
そして、明日もまためぐみんとデート。
今日のクエストを乗り越えればまた癒しの時が・・・
「かじゅまさああああああん!!」
「食われてんじゃねえええええ!!」
いつも通り俺たちのクエストは上手くいかない。
何故だ。
一度くらい誰も補食されずに帰ることはできないのか?
「こ、こっちにも来てます!ダクネス助けてください!」
「ここは私に任せろ!さあカエルめ。私を補食・・・」
ダクネスがいつになく頼りがいがある。
しかし、やつがただ単に興奮してるだけなのも事実。
食われたアクアを助けるとまた感謝の抱擁をしようとしてきたから、即座にその場を離れて、ダクネスに加勢しようと近付くも、ジャイアントトードは一瞬ダクネスの前で止まるも、直ぐにめぐみんへと進路を変更した。
やはりダクネスのような硬いのは食べないらしい。
「カズマカズマ!ダメです!ダクネスを素通りしてこっち来てます!助けてください!」
「任せろ!めぐみんは俺が守る!」
めぐみんを追うことに夢中だったおかげで避けられずに何とか討伐出来た。
これで帰りにヌメヌメのめぐみんを背負わずに帰れる。
「助かりました。もうダメかと思ってました」
「何とか間に合って良かった」
今日の目標はジャイアントトード五匹の討伐。
あと二匹を探さなければならない。
それまでめぐみんを守り抜けるだろうか?
「おーい!ダクネス!いつまでもぼぉーっとしてないでこっち来い!」
「めぐみんと私の何が違うのだ?なあ、カズマ!」
「知るか!お前より柔らかそうなめぐみんの方が食べやすいって思ったんじゃねえのか?」
「お、おい!それでは私が硬いように聞こえるではないか!」
実際、硬いと思う。
鎧もそうだし、頭も堅いし、腹筋も割れてるし。
「カズマあんた何言ってんの?キモイんですけど」
「お前がいつも一番に狙われるし、カエル業界だと一番美味しそうに見えてるんじゃねえか?」
無言で拳をこちらに向けてくるアクアを回避スキルで難なく避ける。
アクアは攻撃対象がなくなり、そのままの勢いで後ろにあった木に激突して手を痛めている。
「何やってるんですか?揉めてないで次の獲物を探しましょう」
「だそうだぞ。自分でヒールしたら治るだろ?」
「帰ったら覚えてなさいよ」
帰る頃には酒で忘れてるだろうし、気にしない気にしない。
あと二匹は出来れば爆裂魔法でまとめて手っ取り早く終わらせたい。
「あそこに五匹もいるぞ!行って『待てって!』」
「ここはめぐみんに任せる。お前が行ったら爆裂魔法が使えないだろう」
何とかドMクルセイダーの特攻だけは止められた。
カエルと戦うよりダクネス抑える方が疲れる。
「私ごと爆裂してくれても構わないぞ!」
などと言いながら暴れるダクネスを何とか抑えつつ、めぐみんに早くしてくれと視線を送る。
「私がやりたくないですよ。『エクスプロージョン』ッ!!」
何とかダクネスの暴走と言う惨事は避けられた。
当の本人は、落ち込んでいるがこれで後は帰るだけ。
ダクネスを抑えるのをやめてめぐみんの方へて向かう。
「今日の出来も中々だな。ナイス爆裂」
「ナイス爆裂!おんぶ頼みます」
めぐみんをおぶって帰るだけ。
今日はアクア一人の被害で済んだしうちのパーティーとしては成功した方じゃないかと思う。
「お前ら、凹んでないで早く帰るぞ」
「カズマ、私もおぶって帰りなさい」
アクアがめぐみんを羨ましそうに見ながら言った。
さっき俺に対して報復するとか言ってたのは何処へ行ったのだろうか。
「ヌメヌメしてるし嫌だ。てかもうめぐみんがいるから無理だ。ダクネスに頼めよ」
「だってダクネス硬いじゃない」
それもそうか。
いや、そもそも自分で歩けよって話なんだけども。
「ちょっと待って欲しい、確かに鎧は固いと思うが私はそこまで固くないと思うのだが」
思わぬ口撃にダクネスが訂正を入れるけど、ここのメンバーは全員理解してるし、大丈夫だと思う。
「私がカズマにおんぶを頼む理由もダクネスの硬さにあります」
「めぐみんまで言うか!」
鎧が固くて痛いのはしょうがないけど、めぐみんにまで硬いと言われて相当ショックを受けている模様。
・・・ダクネスの基準がよく分からない。
「じゃあ私にはどうして頼まないの?」
「アクアはいつも補食されてぬめぬめしてるので、消去法でカズマしかいないのですよ」
俺って消去法で選ばれてたのか。
てっきりロリっ子に懐かれたのかと思ってた。
あの頃は。
「まあ、カズマが手慣れてきたから、心地よいと言うのもありますが」
「そうなのか?」
「ええ、変に力が入ってないと言いますか、リラックス出来ます」
伊達にめぐみんおぶってないってわけか。
人体工学とかそんな名前のあれに合ってるのかもしれない。
「ふーん。カズマやっぱり私をおぶりなさい」
「なんでだよ。さっき話しはついただろうが」
「だってめぐみんが心地いいとかリラックス出来るとか言ってるから気になるじゃない!」
めんどくせえ。
こうなったらやるまで言い続けるだろうなあ。
強権的に黙らせるのもありだが、ここで使ってアクアが泣きだしたら、めぐみんかダクネスにそれくらい許してやれとか何とか言われて、結局やるはめになってしまいそうだ。
「知るか!俺の背中はめぐみん専用だから、お前の席はない!」
「意味分からないこと言ってないでちょっとくらい乗せなさいよ!」
ダメか。
ここじゃめぐみんが話に合わせて助けてくれる事もなく、不発に終わった。
アクアへの対抗策にめぐみんを巻き込む作戦が通用しないとなると打つ手なしか。
ここは大人しく引き下がるか。
「はあ、風呂入ったあとならおぶってやる」
「ちょっと待ってください」
「どうしたの?」
アクアの言う通り急にどうしたのだろうか。
まさか魔物を見つけたとかじゃないよな?
「この背中は私専用なので、私が却下します!」
「だそうだ。諦めろ」
期待してなかっためぐみんからの支援だ!
親友パワーで何とかなった感じだろうか?
それとも本当に専用だから使わせないとか思ってたり?
「めぐみんさまお願いします!カズマのおんぶを確かめさせてください。何でもするから!」
「と言う事でカズマ。帰ったらアクアをおぶってください」
「おい」
めぐみんの独占欲が出たのかと思ったらこういうことかよ。
利用されただけじゃん。
「何ですか?」
「・・・いや、何でも」
何もせずに何でもさせられる権利を手に入れるってチートだろ。
めぐみんじゃなかったらキレてる所だ。
「め、めぐみん、私も何でも言うことを聞くからカズマのおんぶをそ、の」
「いいですよ。その代わり二人ともカズマの指示を明日から厳守してもらいます」
「「「・・・え?」」」
てっきり爆裂散歩についてこいとか、良い杖買ってくれとか頼むと思ってた。
俺としたことが、めぐみんを疑ってしまっていた。
「私がおんぶする訳じゃないですからね。カズマがいつもみんな話を聞かないと愚痴ってるので、カズマ的にはこれがいいですよね?」
「ちゃんと指示通りに動いてくれたら楽だな」
「で二人ともどうしますか?」
あからさまに嫌な顔をする二人。
ダクネスは魔物に突っ込めなくなるから、アクアは単純に嫌だって理由で断りそう。
「・・・私はやめておこう」
「私もやめておくわ。カズマのことだから変な指示出すかもしれないもの」
「おいこら言いたい放題だな」
これで帰って風呂入って飯食って寝るだけだな。
・・・アクアの話を聞いてダクネスがやりたそうにしてるけど、そうはさせない。
「はい。これでこの話終わりだ。次のクエストはいつにする?」
「明日で良くない?私バイトしたくないの」
「私は明日でも構わないぞ」
カエルに食われるのよりバイトの方がアクア的には嫌なことらしい。
俺なら絶対バイトをとるけどな。
って不味い。
このままだと明日のデートが・・・
でもなんて言って断ろうか。
「すみません。明日は用事があるので行けません。明後日なら大丈夫です」
めぐみんが断ってくれるとは思わなかった。
俺ならクエストに行く流れに乗って、また今度と言いつつ時間稼ぎして、状況整理に時間かけるけどな。
「ならクエストは明後日ね。それでめぐみんは何処に行くの?」
さて、めぐみんがどう逃れるのか。
最も可能性としてあるのは買い物かな。
てか俺への確認はなしかよ。
まあ、予定なんてないけども。
「露店巡りです。友達と一緒に行く約束をしてるんですよ」
「そっか。露店巡り楽しそうね。今度やってみようかしら?」
なるほど。
親友との露店巡りって面においては嘘は言ってないな。
さすがめぐみんだ。
「その前にお前は金を貯めろ」
「カズマが奢ってくれてもいいのよ?」
「寝言は寝て言え。じゃあまた後でな」
話してる間に浴場に着いていた。
ここから先はいつもダクネスと二人でギルドに帰ってたな。
俺は運、ダクネスは鎧を装着しているからって理由で粘液まみれになってないからな。
「今日は私だけなのね。ダクネスも偶には一緒に入らない?」
「うむ。私も入るとしよう」
「そうか。俺らはギルドで待ってるからな」
「ああ、また後で」
これまでになかった組み合わせで帰ることとなった。
俺としてはめぐみんと二人きりで帰れる最高のシチュエーションだけども。
「これでよかったですよね?」
「ああ、クエスト行くことになってデート中止になる所だった」
「私としても約束を破るのは嫌ですから」
約束か。
魔王討伐後の約束果たせてないな。
オリジナルの俺が約束の履行はするだろうけど。
ちゃんとプロポーズ成功したのだろうか?
はあ、プロポーズを成功させるにはめぐみん攻略をゼロからしなきゃいけないのか俺は。
「カズマの背中は私専用と言うのはどうかと思いますよ?」
「別にいいだろ?アクアの我儘から逃れるためならプロポーズする前の俺でも逃げ口上に使ってるだろうし」
「・・・言われてみればそうですね。あの、今日は守ってくれてありがとうございました」
おっ、背中越しに分かる。
照れみんいただきました。
今日のクエストがプラスに働いたみたいだ。
「惚れた女も守れなきゃ男が廃るってやつだ」
「カズマのクセに粋なこと言いますね」
「クセにってなんだよ。まあ、俺らしくないってのは分からなくもないけど」
らしくないのは分かってるけど、自分で思ってるのと言われるのはやっぱり違うな。
ちょっとショックだ。
「認めるのですね」
「らしくないのは事実だからな。でもちょっと傷ついた」
「以後気をつけます。あの、明日のことですけど、お金は全部私が出します」
「そこまで傷ついてる訳じゃないし気にしなくてもいいぞ?」
昨日のデートからめぐみんが丸くなった気がする。
いや、俺に気を使ってるって言う方が正しいかも。
「そのこともですけど、昨日はカズマの奢りだったので、次は私が払います」
「何でだ?」
「私はその、お付き合いするとしても対等な関係がいいです」
めぐみんの気にすることも分からなくはないけど、めぐみんのあの財布を見ると奢ってもらうのは忍びない。
「その気持ちは分かるけど、めぐみんの事情を考えると今はな」
「今はですか?」
「俺らがもっと報酬のいいクエストを受けられるようになって、めぐみんの財布が潤ったらな」
何も今すぐ貸し借りなしにする必要はない。
将来的にチャラにしてくれればそれでいい。
「そんなのいつのことか分からないじゃないですか。私の奢りじゃなきゃ明日のデートは行きません」
「うっ、分かった。今度からは割り勘にするか」
「それなら構いませんよ」
何とか了解を得られた。
実質的に今後のデートの約束を取り付けられた。
「あの、カズマ。今更ですけど、ドレインタッチを使えば私をおんぶする必要なくないですか?」
「よーく考えろ。ウチにはアクアが居るんだ。リッチーのスキル使ってる所なんて見せたらうるさいだろ?」
最もらしい言い訳を思いついた。
おんぶ出来ないのは嫌だからな。
「確かに。騒ぎそうですね。となると爆裂散歩の時しか使えませんね」
「待て待て、爆裂して帰ってる最中に歩いてるめぐみんを見たらバレるって」
「・・・結局カズマにおんぶしてもらう他ないと言うことですか」
と気だるそうにめぐみんは言った。
俺におんぶされるの初めの方は嫌だったのか?
クエストの時にも消去法で俺だって言ってたし。
「おんぶ嫌なのか?」
「いえ、少しでもカズマの負担を減らせればと思いまして」
「俺はめぐみんをおんぶするの好きだぞ?」
確かに初めの方は何故俺ばっかりがおんぶしなきゃいけないんだとか思ってたけども、今じゃあ数少ない楽しみだ。
今回のめぐみん攻略で重要なのは俺への要らぬ気遣いをしないようにすることからしないとだな。
初デートの高級料理がこんな形で枷になるとは・・・
「・・・カズマは本当に私のこと好きなんですね」
「一昨日からそう言ってるんだけど?」
「・・・カズマのバカ」
「バカってなんだよ。あれか?ツンデレか?」
今回はツンデレめぐみんか。
・・・ゆんゆんがいつも困ってたの思い出すとこのままだと不味い気がする。
「別に私はカズマのこと何とも思ってないので、ただのツンです」
「・・・俺泣いていい?」
「デレになるように頑張ることですね」
自分で言うか普通。
めぐみんらしいけども。
はあ、魔性のめぐみんを舐めすぎてた。
この数日で完全に慣れてるし、どうしたら振り向いて貰えるのやら。
先が思いやられる。
来週はアイリス聖誕祭の前略部分を更新します。