今日はカズマさんがめぐみんを攻略する話です。
-SEMENOKIMOCHI-
「カズマ、見てください。私達の子供ですよ」
「めぐみんに似て可愛いな」
目の前には髪が伸びて、一部以外は俺の好みどストライクなめぐみんと、めぐみんによく似た女の子がいる。
どっちも凄く可愛い。
そうか。
俺はめぐみんと結婚して、子供が……
『誰がめぐみんに似てるって言うのよ?』
「誰って・・・アクア?」
いい夢だったのに、またコイツに邪魔されるとは。
ちくしょう。めぐみんとの結婚生活が!
「あんたどんな夢見てたの?」
「えっと、昨日めぐみんが妹がいるって話してたからめぐみんを小さくした子を夢で見てさ」
実際に聞いてないけど、こめっこがいるのは事実だ。しかし、実際はこめっことはまた違うめぐみんによく似た子だった。
めぐみんと違う点をあげるとすれば俺の癖毛を一部引き継いでるような感じだ。
「なるほどね。でめぐみんの妹ってどんなの子だったの?」
「・・・夢は夢だし、説明しても意味ないと思うんだが」
「それもそうね。めぐみんと言えば最近カズマに変わったことがあればすぐに教えて欲しいって私とダクネスに聞いてたんだけど、何かあったの?」
あいつ分かりやすく動いてるな。
何かはあったけど教える訳にはいかないよな。
「いや、特には」
「そうよね。カズマが最近変わったこと言えば夜ゴソゴソしなくなったことくらいだものね。ダクネスもめぐみんが何を気にしているのか不思議がってたわ」
めぐみんを如何に攻略するかを考えている内に寝てしまう毎日だったからなあ。
ゴソゴソしてる暇はなかった。
ともかく二人が気付いてないみたいで助かった。
「・・・静かで寝やすかったろ?それは置いといて飯に行こう」
「分かったわ」
今日はめぐみんとの二度目のデート。
昨日はめぐみんから直々に惚れさせてみせろと言われたばかりだから、どうしようか悩んでいる。
「カズマは今日何する予定なの?」
「めぐみんと一緒、で商店街巡りでもしようかなって」
危うくめぐみんと一緒に商店街巡りと言うところだった。
寝起きだからと言って気が緩み過ぎてる。
気をつけないと。
「じゃあ私もついて行ってもいい?」
「却下だ」
「この麗しいアクアさまがあんたとデートしてあげるのよ?」
コイツはあれか?
俺とめぐみんの恋路邪魔しないと生きていけないのか?
「お前、俺に全部奢らせたいだけだろ」
「・・・割り勘でいいから」
「どっちにしろ俺は一人で行く」
あの時みたくピクニックになってたまるか。
今日は絶対にめぐみんとデートするんだ!
間違ってもこの駄女神ではない。
「一人より二人の方が楽しいと思うの」
「俺は一人の方が楽しめるタイプなんだよ」
「だからヒキニートだったのね」
コイツは後で絞める。
どっちかと言えば友達はいたし、引きこもってその関係が無くなったわけでもない。
学校に行かなくなったのは人間関係が原因だけど、友人関係ではない。
「ち、ちがわい!ともかく、俺は一人で行くからな」
「そこまで言われちゃしょうがないわね。ダクネス誘って行く」
「初めからそうしろよ」
俺が必死になる必要なかったじゃん。
ダクネスいたじゃん。
「だって、ダクネスにはそこまで奢らせたくないもの」
「おいこら、それはどういう意味だ?」
俺なら貢がせてOKってやっぱりコイツの認識では従者なのか。
「朝っぱらから喧嘩とは二人とも仲がいいな」
「「誰が!!」」
ダクネスの発言に猛抗議する俺らであったが逆効果だったのか、ダクネスがニヤリと笑って続けた。
「息までピッタリではないか」
「「・・・」」
ああ、この沈黙ですらダクネスから見れば息がピッタリと言うのに含まれるのだろう。
終始ニヤニヤしてやがる。
ほっぺ引っ張ってやろうか。
「何してるのですか?」
「何でもねえよ。それより飯食おうぜ」
「そうよ。早く食べて商店街巡りしましょう!」
「商店街巡りですか?」
めぐみんが俺を見る。
このタイミングでアクアがこんなこと言い出すのは宜しくない。
俺らと鉢合わせする可能性もある。
そこの所どうする気だとかそういうことを訴えてる目だ。
「商店街巡りか。楽しそうだな。めぐみんは友人との約束があると言っていたし、今日は三人で回ることになるのか」
「それがね。カズマってばめぐみんと一緒みたいよ」
「ふむ。と言うことはめぐみんの言う友人はカズマだったのか?」
ホントに余計なこと喋らないと死ぬ病気なのか?この駄女神は。
めぐみんから何バラしてんだって凄い睨まれてる。
睨んでてもめぐみんはかわいい。
「そうじゃなくて、私達とは別行動なの」
「そうか。では私とアクアの二人だな」
アクアが訂正してくれたおかげで、ダクネスから疑いをかけられずに済んだ。
そして、めぐみんからの睨みが終わって、今度は勘違いで睨んだことに罪悪感を覚えたのか気付かれないように頭を下げてからめぐみんは言った。
「・・・カズマは何処に行くのですか?」
「隣町の商店街に行こうかと思ってる」
グッジョブめぐみん!
これで俺たちがデートに行くとはこの二人は思いもしないだろう。
「そうですか。では食べ終わったら一緒に行きましょう。目的地が同じですから」
「分かった」
これで道中も堂々と一緒にいられるな。
初めは後から再集合案だったけど、その必要がなくなった。
「私たちはこの街の商店街行きましょう」
「ああ、私もまだ知らない店があるかもしれないから楽しみだ」
とまあ、こんな感じで俺たちのスケジュールが確定した。
今日は何をしようか。
「カズマ、朝はヒヤヒヤしましたよ」
「俺だって一瞬アクアにバレたのかと焦った。つかお前こそアクアとダクネスに俺の事聞いてたろ?」
「だって心配だったんですよ。何か原因が分かればと聞いてみたのですが、周りの人に聞けば聞くほどカズマはいつも通りだと言う回答が返ってきて、何が何だか分からなくなってきました」
確かにめぐみんは俺の異変に気付ける立ち位置いるけど、アクアやダクネスと話す時はいつも通りの会話だからな。
逆に俺の事聞き回ってるめぐみんの方が変に映ってるだろうな。
「スキルにしろ、めぐみんのことにせよ。俺はお前とクリス以外に話してないから、気付くわけないだろ」
「・・・そういうものでしょうか?」
「俺が仮にアクアと裏で付き合ってて宿屋ではイチャイチャしてても分からないだろ。そんなこと絶対ないけど」
二人きりの時間が目に見えて増えてる訳では無い。
まあ、このまま過ごしていたら俺がめぐみんの話ばっかりし始めてバレる恐れはあるけど、それはそれだ。
「多分気付かないと思います。確かに想像できません」
「そういうこった。俺は二人きりの時にしかめぐみんへの態度変えてないぞ?昨日のクエストはちょっと特別対応しちまったけど」
「・・・あれは嬉しかったです。えっとカズマは隣町に行くの初めてですよね?」
昨日のクエストは結構プラスに働いてるみたいだ。
めぐみんが帽子を深く被ってこっちを見ようとしない。
「ああ、そこら辺はめぐみんに任せる」
「まずは駅に向かいましょう馬車で移動です」
馬車での移動はあまりいい印象がない。
何かと問題に巻き込まれてるからな。
「テレポート屋はダメか?」
「それは高いですよ?夜行便で朝帰りの方がいいと思うのですが」
めぐみんは往復料金を想定してるだろうけど、実際は片道切符で行ける。
帰りは転移魔法で帰れるのだから、そこまでお金はかからないし、往復の馬車代と変わらないだろう。
ただ、テレポートが使えるの忘れてそうなめぐみんを驚かせるの楽しそうだ。
「実はまた賭博で儲けてな」
「・・・カズマの幸運値の高さは折り紙付きということですか。分かりました」
かくして俺達はテレポート屋へと向かい、隣町へと転移した。
「カズマカズマ!クレープ食べたいです!」
「はいはい。ってか確認しなくて今日はめぐみんの奢りだろ?好きなの食べれば良くないか?」
テレポート屋代は俺が払ったとは言え、今日はめぐみんが全てをお金を払っている。
でもこのように毎度俺に確認を求めてくる。
「そうですけど、カズマも食べたいものか確認しているのですよ」
「なんでだ?」
「何故って、カズマはこの前私が好きな物を用意してくれましたよね?」
「ああ、そうだな。それで?」
話が見えてこない。
俺がこの前のデートの用意した事となんの関係があるんだ?
「私もカズマに喜んで貰いたいのですよ。ですが、カズマと違って私はあなたの好みを知りませんからね」
「そうかそうか」
納得だ。
めぐみんなりに俺のこと考えてくてるってことか。
ちょっと鈍感過ぎたな。
でもこの気遣いは嬉しい。
「・・・何ですかその反応?」
「嬉しいんだよ」
「はあ?」
ピンと来てないみたいだ。
めぐみんとしてはこの前のお返しだから当然のことしてるだけって感覚なのかもしれない。
「分からないならそれでもいいって、それよりも早くクレープ食べないか?」
「そうですね。カズマは何味にしますか?」
「バナナチョコかな」
「私も同じのにします」
同じのか。
めぐみんが好きなのっていちごチョコだった気がするんだけどな。
・・・あっ、そうか。
めぐみんってクレープとか食べる機会なかったのか。
初めてだから俺が選んだやつをってことか。
「それなら最高の食べ方教えようか?」
「最高の食べ方ですか?」
「ああ、半分食べたらある店に寄るぞ」
「分かりました。期待してますからね?」
この食べ方で不評を貰ったことは一度たりともない。
加えてめぐみんが一時期この食べ方にハマってたのも含めると確実だろう。
「クレープ買ってきましたよ!」
「ありがとう。ってもう半分食べてるじゃねえか」
「えっと、これは、その・・・」
最高の食べ方が楽しみだったのか、初めて食べるのを待ちきれなかったのか、はたまたその両方か。
食べ歩きデートのつもりが半分なくなったな。
「それだけ楽しみってことか。じゃあアイス屋でバニラ味買ってきてくれ、カップで頼むぞ。俺はその間に食べとくから」
「バニラアイスをカップでですか?わかりました買ってきます」
アイスを買いに行くめぐみんを見ながら、クレープを食べる。
このクレープ上手いな。
出来上がる所見てたら食べたくなるのもわかる気がする。
そして、食べ出したら止まらなくなるのも。
「カズマ買ってきましたよ」
「じゃあ、このクレープの中に入れて食べるぞ」
「こうですか?」
特に指示してないのにクレープを広げて、アイスを乗せようとしていた。
流石は紅魔族随一の天才だ。
「そうそう。ちょっと開いてその中にアイスを入れて包み直す。それでパクッと食べてみて」
「こ、これは!?この組み合わせ!最高です!」
「だろ?」
予想以上の喜び方で、子供みたいにはしゃいでるのが可愛い。
この笑顔をタダで見られるとか最高だな。
クレープとアイス作った人に改めて感謝しないと。
「これを商品化すれば絶対売れますよ!天才ですね!」
「天才は言い過ぎだろ。気に入ってもらえてよかった」
「カズマを喜ばせるつもりが私が楽しんでますね」
バツが悪そうにしてる。
気にしなくていいのにな。
「お前が楽しんでたら、俺は嬉しいから大丈夫だ」
「・・・ズルいですよそれは」
「何がズルいって?」
言わんとすることはよく分かるけど、めぐみんから直接聞きたい。
多分答えてくれないだろうけど。
「そんなことより早く次のお店行きましょう!」
「へいへい。次は何処に行く?」
「カズマはどんな店に行きたいですか?」
「俺はめぐみんと一緒に居れたらそれでいいから好きに決めてくれ」
前回は俺が計画してたし、今回はめぐみんが行きたい所でいいんだよな。
この街のことは詳しくないし、俺は特に行きたい店とかないし。
「もう!そう言うの無しでちゃんと答えてください!」
「なしとか言われても聞かれた質問に答えてるだけだぞ?」
「分かってますよ!でも反応に困ると言いますかその、恥ずかしいです」
恥ずかしいか。
いつも俺がやられてたことだからなこれ。
気持ちは分かる。
そして、今はこれを狙ってやってないから止めようがないって言うあの時のめぐみんの気持ちも分かる。
「分かった。善処する」
「はぁ、でどんなお店に行きますか?」
「カフェとかどうだ?」
「それいいですね。あそこのお店入りましょう」
めぐみんが言ったカフェに入る。
そして、俺達に気付いた店員さんが声をかける。
「いらっしゃいませ」
「二人席お願いします」
「はい。こっちよ。仲のいい兄妹で羨ましいわ」
「そう見えますか?」
俺らいつも兄妹って言われてめぐみんがキレてたな。
俺はこれはこれで嬉しいんだけど。
「違うのかしら?」
「ええ、私たちはデートする仲ですから」
「あらあら、それはごめんなさいね。お詫びにデザート一つずつサービスしてあげるわ」
まさかめぐみんがデートと言い出すとは思ってなかった。
「ありがとうございます。カズマ良かったですね」
「ああ、めぐみんがデートだって言ってくれたのが嬉しい」
「そこじゃなくてですね。ああ、その顔やめてください。イライラします」
さっきから俺が経験したことをめぐみんが味わってる気がする。
そんでもって俺はめぐみんがやってたことやってるよな。
真似てる訳じゃないけど、なぜめぐみんがあんなことで来たのかよく分かった。
「やめたくてもやめられないんだよなこれ。無意識だし、慣れてくれ。で何で訂正したんだ?」
「はぁ、カズマは兄妹でもいいのですか?」
やっぱりめぐみんとしては兄妹に見られるのは嫌なのかな?
それとも単純に俺を立ててくれたのか。
「俺は兄妹と思われるくらいに親密見えたってのが嬉しい」
「そうですか?」
「そうだよ。めぐみんはどう思った?」
「私もその、ちょっと嬉しく思いましたけど」
嬉しくは思うのか、仲間と兄妹のようって言われるのはやっぱり嬉しいよな。
それだけ親しく見えるってことだし。
「カズマは良く思ってないのではないかと思って訂正したのですが必要はなかったようですね」
「いや、訂正してくれてよかった。カップルとして接客されるの心地よかったし」
「もうこの話は終わりにしましょう」
「分かった」
めぐみんとのお茶会がどうなるのか楽しみだ。
来週は恐らくカズエリになると思います。