ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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息抜きに初めての転生ものを書いてみました。
因みに主人公が転生したのはアニポケでサトシとシゲルの他に同時期マサラタウンから旅立った残る2人の子供の内の一人です。
途中で脱落してドロップアウトしたのかは知りませんが、アニメでは存在だけ語られていた子供に転生しました。


プロローグ

ポケットモンスター

転生したのは初めに旅立った子供

 

プロローグ

 

 前世の事は、正直殆ど覚えていない。精々、男だった事と、会社員として長く勤めて部下もそれなりに持つような立場になった事、それから……子供の頃から大好きだったゲーム、ポケットモンスターの事くらいだ。

 ポケットモンスター、縮めてポケモン。それは前世で言う1996年に最初のシリーズが発売されたご長寿シリーズゲーム。

 最初のシリーズが発売されてから20年以上、ずっと人気が衰える事の無かったこのゲームを、前世の自分はこよなく愛していた。

 ゲームだけでなく、漫画やアニメ、カード、様々な媒体で活躍するポケモンが大好きで、いい歳したおじさんになっても、ポケモンへの熱意は冷める事が無かった程に。

 だからだろうか、前世でいつの間にか死んでしまって、今世がアニメのポケモンの世界に転生したのだと気付いた時……前世の記憶を思い出した時は歓喜したものだ。

 

「こうして、本物のポケモンに触れる事が出来るなんて、幸せだよなぁ」

「ぶい~?」

 

 自室のベッドに腰掛けて、膝の上に座るポケモンの頭を撫でながら感慨に耽っていると、円らな瞳で見上げて来る愛らしい存在……イーブイが首を傾げた。

 何でもないよと言うように首辺りを撫で回すと、気持ちよさそうに手に頬を摺り寄せて来るのがたまらなく可愛らしい。

 このイーブイ、実は少年の母のポケモンのタマゴから孵ったポケモンで、母の手持ちであるシャワーズと父の手持ちであるブースターの間に生まれたイーブイなのだ。

 しかも、イーブイの中でも中々希少個体である♀のイーブイで、少年にとっては妹みたいな存在でもある。

 

「イーブイ、明日は俺の旅立ちの日だ」

「ぶい」

「オーキド博士から初心者用のポケモンを貰って、ポケモントレーナーとして旅に出る」

「ぶい!」

「だけど、お前を残して旅に出るなんて俺には出来ない……だから、一緒に来てくれるか?」

「いぶい!!」

 

 前々から決めていた事だった。オーキド博士から貰う初心者用ポケモン、そして妹分たるイーブイの2匹を連れて、旅に出るというのは。

 

『ソラタ~! そろそろ寝なさい! 明日遅刻するわよ~!』

「あ、は~い!」

 

 少年……ソラタは母の声に返事を返してイーブイを枕元の専用籠ベッドに置き、室内の電気を消すと自分もベッドに入って横になる。

 

「明日は一番にオーキド博士の所に行って、絶対にアイツを貰うんだ……!」

 

 脳裏に描いたのはオーキド研究所で貰える初心者用ポケモン3匹の内の1匹の姿だ。オレンジ色の身体と、尻尾の先の炎が特徴の、ずっと最初のポケモンにするならと決めていた炎タイプのポケモン。

 

「待ってろよぉ~……ヒト、カ、ゲ~……」

 

 精神年齢は30過ぎたおじさんでも、肉体はまだ10歳の子供だ。あっと言う間に睡魔に負けて、ソラタは夢の世界に旅立った。

 その枕元の籠で丸くなったイーブイも、兄貴分である主人と同様に寝息を立てている。

 息子が眠ったのか確認に来た母は、仲良く眠るソラタとイーブイの姿に微笑むと、そっと部屋の中に入って旅立ちの記念にと用意していたプレゼントを枕元に置く。

 翌朝、息子の喜ぶ姿を想像しながら部屋から去った母は、胸に疼く微かな寂しさを感じつつ、今夜は飲もうとリビングへと戻っていくのだった。

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