ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供 作:剣の舞姫
ポケットモンスター
転生したのは始めに旅立った子供
第15話
「クチバジム、シビレる熱い戦い」
夢のチャンピオンを目指して旅を続けるソラタは、現在3つ目のバッジをゲットする為、ポケモンジムのあるクチバシティに来ていた。
クチバシティで偶然の出会いがあり、リーグ参加の為の最後のメンバーのタマゴをゲットしたソラタはいよいよクチバジムにチャレンジする為、ジムの前まで来ている。
「ここがクチバジム……」
外観は前世で見ていたアニメのクチバジムそのまま。ならばジムリーダーのマチスが使うポケモンは間違いなくライチュウだろう。
だが、ソラタはもしかしたら使用ポケモンが2体になる可能性も考えて、今回のクチバジム戦のメンバーは色々と考えていた。
「よし、こいつらなら行けるよな……頼もう!!」
腰ベルトのモンスターボールを再確認して扉を開いた。
中に入ると真っ暗なジムの中央にヤンキーのような男女が座り、その奥に一際大柄な男が椅子に座っているのが見える。
「お? なんだチャレンジャーか? まだガキじゃねぇか」
「……ガキですが、これでも既にバッジ2つを持ってます」
「へぇ……リーダー、どうします?」
すると、先ほどまで座っていた男が立ち上がってこちらへ歩み寄ってきた。近づくにつれてより明確に判る長身とガタイの良さは鍛え上げられているのが一目で判るほど。
「Welcome to クチバジム、チャレンジャーはBoyか?」
「マサラタウンのソラタです」
「オレはこのクチバジムのジムリーダー、マチスだ。ジムバッジを既に2つゲットしてるって? なるほど……良い瞳をしている」
まだ10歳の子供、つまり新人トレーナーだろうというのはマチスにも直ぐに分かった。にも関わらず既にジムバッジを2個も手にしているという事は、それなりの実力があるのだろうと判断して、配下に指示を出すと、ジムに明かりを灯す。
「OK、バトルだ。オレに勝てたらこのオレンジバッジをくれてやる」
マチスは懐から取り出したオレンジバッジを見せてフィールドに向かった。ソラタもそれを追うようにフィールドに入り、マチスの反対ポジションに立つ。
「これより、ジム戦を開始します。使用ポケモンは互いに3体! どちらかのポケモンが3体戦闘不能になった時点で試合終了となります。尚、ポケモンの交代はチャレンジャーにのみ認められます」
予想通り、マチス戦は1体のみではなかった。ただ、予想より1匹多いので、直ぐにソラタは頭の中でメンバーを構築、ゲーム時代のマチスの手持ちも考慮して、1番手を決めた。
「まずオレの1番手はコイツだ! Go! レアコイル!!」
「行け! リザード!!」
やはり、ソラタが予想していたポケモンだった。最も、予想していたのはコイルではあったのだが、レアコイルでも問題は無い。
「レアコイル対リザード、バトル開始」
カーン! という甲高いゴングの音がジムに鳴り響き、バトルが始まった。
「先手必勝だ! レアコイル、“ソニックブーム”!!」
「回避!!」
レアコイルから放たれた衝撃波は真っ直ぐリザードに向かうが、ギリギリを見極めて回避、そのままリザードは走りながらレアコイルに捕捉されないようジグザグに動く。
「“かえんほうしゃ”!!」
「But! “ひかりのかべ”!!」
リザードの“かえんほうしゃ”はレアコイルの“ひかりのかべ”によって遮られ、レアコイルに届かない。
だが、“ひかりのかべ”が効果を及ぼすのは特殊技のみであって、物理技には意味が無いのは基本だ。
「接近戦だ! “メタルクロー”!!!」
「What!?」
まさかのはがねタイプの技にマチスが驚いている隙に、リザードがレアコイルに接近して“メタルクロー”を叩き付ける。
更に追い打ちの様に至近距離から口を開いたリザードは、その口内に炎を貯め込んだ。
「“かえんほうしゃ”!!」
超至近距離からの“かえんほうしゃ”、はがねタイプを持つレアコイルには効果抜群で、思った通り大ダメージを与えた。
「Goddamn!! レアコイル! “でんじは”!!」
「“りゅうのはどう”!!」
レアコイルの“でんじは”がリザードに直撃するが、同時にリザードの“りゅうのはどう”もレアコイルに直撃、マヒしてしまったリザードは痺れを我慢しながらも地面に落ちたレアコイルが目を回しているのを確認した。
「レアコイル、戦闘不能! リザードの勝ち!」
「Unbelievable!!」
レアコイルが敗れた事に驚愕しながら、モンスターボールにレアコイルを戻したマチスは、リザードを見て不敵に笑うと、次のモンスターボールを取り出す。
「イイぜ! 楽しくなってきた! 次はマヒした状態で勝てると思わない事だ! Go! マルマイン!!」
マチスの2番手はマルマイン、すばやさが電気タイプでもトップクラスのポケモンだ。マヒした状態のリザードでは分が悪いか。
「戻れリザード」
マルマインの相手は別に任せる事にしたソラタはリザードをモンスターボールに戻して腰ベルトへ収めると、別のモンスターボールを取り出した。
「素早さ勝負なら負けない! 行けピカチュウ!!」
ソラタの2番手はパーティーメンバーの中で2番目の素早さを誇るピカチュウだ。
「What!? ピカチュウ!? 何だBoy、まだ進化させてないのか?」
「生憎、かみなりのいしをゲットしてなくてね」
「なるほど、進化の石をゲット出来るかはトレーナーの運次第、OK勝負と行こうか」
「マルマイン対ピカチュウ、バトル開始!」
再び、ゴングがジムに響き渡り、バトルが始まる。
「今度はこっちから行くぞ! ピカチュウ! “でんこうせっか”!!」
「マルマイン! “ころがる”!!」
走り出したピカチュウを追うように、マルマインがフィールド上を転がり出した。素早さが高いマルマインの“ころがる”は速度が桁違いで、直ぐに追い付かれる。
「“ころがる”対策はバッチリだ、ニビジムで苦戦したからな……ピカチュウ! 打ち返せ! “アイアンテール”!!」
「Why!?」
カキーン! という音でも聞こえて来そうな程、良いタイミングでピカチュウの鋼鉄と化した尻尾が転がるマルマインを打ち付けて、マルマインは天井まで飛んで行った。
「甘いぜBoy! マルマイン! そのまま“かみなり”だ!!」
「回避しろ! “あなをほる”!!」
「ピカッ!」
間一髪、“かみなり”はピカチュウが地面に潜った事で回避された。そして、フィールド上に落ちて来たマルマインはその際に大きな音を立ててしまい、地中のピカチュウに場所を捕捉されてしまう。
「今だ!!」
「ピィカァ!!」
「マルゥゥゥゥ!?」
真下から突き上げられ、マルマインは大ダメージ。地面から飛び出したピカチュウは既にその尾を鋼鉄へと変化させている。
「“アイアンテール”!!」
「チュゥゥゥピカッ!!」
今度は真横に吹き飛ばされたマルマインはマチスの横を突き抜けてジムの壁に激突、そのまま目を回してしまった。
「マルマイン、戦闘不能! ピカチュウの勝ち!!」
「……なるほど、良いGutsだ」
マチスがマルマインをモンスターボールに戻したのを見て、ソラタもピカチュウを戻した。そして、互いに3体目のポケモンが入ったモンスターボールを取り出して構える。
「これが最後だ、Go! ライチュウ!!」
「行くぜ、イーブイ!!」
マチスの切り札、エースたるライチュウに対して、ソラタも相棒たるイーブイを出す。
威風堂々と威圧してくるライチュウに対し、イーブイも好戦的な表情で睨み返し、その首筋から微かに伸びる透明な触手のような何かがゆらゆら揺れていた。
「ライチュウ対イーブイ、バトル開始!!」
「一気に決めるぞライチュウ! “10まんボルト”だ!!」
「迎え撃つぞ! “シャドーボール”!!」
クチバジム、最後のバトル。ライチュウの“10まんボルト”とイーブイの“シャドーボール”がぶつかり、爆発する所から始まった。
多くのチャレンジャーを破ったライチュウと、ソラタの絶対の相棒たるイーブイ、勝利の女神はどちらに微笑むのか、次回に続く。
寝ます。
感想返しは明日します……。