ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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転職先決まりました! 来週から転職先で仕事開始ですので、今のうちに進めておきます。


第20話 「草ポケモン」

ポケットモンスター

転生したのは始めに旅立った子供

 

第20話

「草ポケモン」

 

 

 ポケモンリーグに出場する為、旅を続けるソラタは、遂に4つ目のジムがあるタマムシシティに到着していた。

 タマムシシティに到着して直ぐにポケモンセンターに一泊、ポケモン達とソラタ自身の疲れを癒した後、昼前にタマムシジムへと向かっている。

 

「タマムシジムは草ポケモンのジム……アニメ通りなら使用ポケモンは3体になる筈」

 

 既に3体の選出は終わっている。出す順番も決めてあるので、後はチャレンジするだけだ。

 

「着いた」

 

 着いたのはクサイハナをモチーフにした建物、中は植物園も兼ねているらしく、ジムチャレンジャーとは別に、お客さん用の入場料が書かれた看板もある。

 他にも香水の製作所としての施設でもあるらしく、案内図にはそれなりに大きな立ち入り禁止区画も存在していた。

 

「すいませーん、ジム戦に来たのですがー?」

「はーい」

 

 中に入って人を呼んだら、植物園スタッフの女性が出てきて、ジム戦という言葉を聞いてか、園の客相手ではなく、ジムチャレンジャーに対する挑戦的な表情を浮かべる。

 

「運が良いのね、エリカ様はまだ出かける前なの。今ならチャレンジを受けられるわよ」

「では、良いですか?」

「ええ、ついてきて」

 

 案内されて連れてこられたのは、植物に囲まれたバトルフィールドだった。多くの草ポケモンがのんびりとしている中、フィールドには香水店の制服であろう服を着た女性が立っている。

 

「あら、チャレンジャーですの?」

「はい、エリカ様」

「ま、マサラタウンのソラタです」

「これはご丁寧に、タマムシジムのジムリーダー、エリカと申します」

 

 タマムシジム、ジムリーダーエリカ。草タイプのエキスパートであり、華道の名門一族出身のお嬢様、更にタマムシシティでは香水店や弓道の道場を営む経営者であり、更に非常勤ではあるがタマムシ大学の講師も務める才媛と名高い。

 

「ジム戦での使用ポケモンはお互い3体ですわ。先に相手のポケモン3体全てを倒した方の勝ち。途中でポケモンの交代を認められるのはチャレンジャーのみ、この辺りは他のジムでも同じですわね」

「ええ、同じでした」

「申し訳ございませんが、私もこの後用事で出掛けなければなりませんの。直ぐに始めましょう?」

 

 忙しい中、相手をしてくれるというので、少し申し訳ないと思いつつソラタもフィールドに立つ。

 エリカも準備は既に出来ているのか、片手にはモンスターボールを持っていた。

 

「それでは、これよりジムリーダーエリカと、チャレンジャーソラタのジム戦を開始します」

「行きますわよ、モンジャラ!」

「頼むぞ、ナゾノクサ!」

 

 エリカが出してきたのは草タイプのモンジャラ、そしてソラタが出したのは同じく草タイプのナゾノクサだ。

 ナゾノクサの里でゲットして以来、公式バトルには出していないが、それなりに育てている為、今回正式に公式バトルデビューとなった。

 

「モンジャラ対ナゾノクサ、バトル……始め!!」

「先手はお譲り致しますわ」

「なら遠慮なく……ナゾノクサ、“いあいぎり”!」

「ナゾ!」

 

 ナゾノクサの頭の草が一部刃となり、走り出したナゾノクサがモンジャラへ刃を一閃しようとする。

 

「モンジャラ、“からみつく”ですわ」

「モーン」

 

 “いあいぎり”を回避したモンジャラは全身の蔦をナゾノクサへ絡みつかせて、そのまま締め上げてきた。

 

「続いて“たたきつける”!」

「モ~ン」

「ナゾッ!?」

 

 ナゾノクサが持ち上げられ、地面へと叩き付けられる。しかも、それを何度も何度も、連続で“たたきつける”によるダメージがナゾノクサに蓄積した。

 

「そうだ! ナゾノクサ、“まとわりつく”攻撃!」

「!?」

 

 虫タイプのワザ、“まとわりつく”でナゾノクサは絡みついているモンジャラへダメージを与えた。

 このまま絡みつかせていては危険だと判断したエリカはナゾノクサを開放してモンジャラに距離を取らせる。

 

「今度はこっちの番だ! “エナジーボール”!!」

「ナ~ゾッ!」

「迎撃なさい! “エナジーボール”!!」

「モ~ンッ!」

 

 2体の“エナジーボール”がぶつかり、フィールド中央で消滅。その隙にエリカとモンジャラが動いた。

 

「“パワーウィップ”ですわ」

「“いあいぎり”!!」

 

 モンジャラの蔦が大きく振り上げられ、ナゾノクサに襲い掛かるも、“いあいぎり”で蔦を迎撃したナゾノクサはモンジャラへ向かって走り出した。

 

「そのまま“いあいぎり”だ!」

「ナ~……ゾッ!!」

「モンジャラ!?」

 

 ナゾノクサの“いあいぎり”が決まった。元々“まとわりつく”で大ダメージを負っていたモンジャラは耐え切れず倒れて目を回してしまう。

 

「モンジャラ、戦闘不能。ナゾノクサの勝ち!!」

「戻りなさい、モンジャラ……ご苦労様でした」

 

 これで1勝、ナゾノクサも初の公式戦勝利で勢いに乗ったのか、その体が光に包まれた。

 

「お」

「まぁ」

 

 体が大きくなり、草ではなく花が咲いたそのポケモンは、ナゾノクサの進化系であるクサイハナだった。

 

「クッサ~」

「クサイハナ……進化したんだな!」

「ハナハナ!」

 

 クサイハナに進化した事で新しい技を覚えたようだ。図鑑で見てみれば、その技についても載っていた。

 

「見事ですわソラタさん、そして進化おめでとうございます」

「ありがとうございます」

「ですが、次も勝てるとは思わない事ですわ……行きますわよウツドン!」

「ドッドッ」

 

 エリカの2番手はウツドンだ。モンジャラの時とは違い、毒タイプも持ち合わせているので、虫タイプの技は等倍、草タイプの技は逆に“こうかはいまひとつ”となる。

 

「ウツドン対クサイハナ、バトル開始!」

「今度はこちらから行きますわ! ウツドン、“にほんばれ”ですわ!」

 

 “にほんばれ”の効果でフィールドに射す太陽光の光が一際強くなった。これで“ソーラービーム”という草タイプでも最強クラスの技がノータイムで発射出来るようになった他、炎タイプの技の威力が上がる。

 

「クサイハナ、“いあいぎり”!!」

「“まもる”ですわ」

 

 ナゾノクサの時より走りやすくなったクサイハナは手を手刀の形にして“いあいぎり”を放ったのだが、ウツドンが“まもる”を使った事でノーダメージのまま受け止められる。

 

「“ウェザーボール”!!」

「っ! しまった!!」

「ハナーーーッ!?」

 

 “にほんばれ”で日差しが強くなった状態での“ウェザーボール”は通常のノーマルタイプではなく炎タイプの技となる。

 その一撃はクサイハナを瀕死寸前まで追い込む程で、大きく吹き飛ばされたクサイハナはボロボロだ。

 

「もう一度“ウェザーボール”ですわ」

「クサイハナ! “こうごうせい”!!」

 

 間一髪、“こうごうせい”で回復したクサイハナに、“ウェザーボール”が直撃。だが耐え切れずに目を回して倒れてしまった。

 

「クサイハナ、戦闘不能! ウツドンの勝ち!」

「戻れクサイハナ……良くやった、ゆっくり休んでくれ」

 

 クサイハナのモンスターボールをベルトのホルダーに戻して、次のモンスターボールに手を伸ばす。

 ウツドンは現時点でノーダメージ、しかも“にほんばれ”があるという事は“ソーラービーム”もノータイムで撃てるという状況にあるから、出すポケモンは慎重に選ばなければならない。

 

「……よし! 行け、ギャラドス!!」

「ギャオァアアア!!!」

 

 ソラタの2番手はギャラドスだ。水タイプではあるが、飛行タイプも持っているので、草タイプの技は等倍、しかもギャラドスは飛行タイプの技を持っているので、一方的に殴れる。

 

「ウツドン対ギャラドス、バトル開始!」

「まずはこれで、“あまごい”!!」

 

 フィールドの日差しが弱くなり、逆に今度はジムの天井に雨雲が発生、大雨が振り始めた。

 

「“ぼうふう”!!」

「っ! ウツドン、“まもる”ですわ!」

 

 命中率の低い“ぼうふう”も、“あまごい”で雨を降らせている状況では必中技となる。しかもウツドンにとって弱点となる飛行タイプの技なので、エリカは慌ててウツドンに“まもる”を指示した。

 だが、“まもる”でノーダメージになったからと言って、ウツドンが宙に投げ出されるのは防ぎようが無い。

 

「ギャラドス、“こおりのキバ”!!」

「ウツドン!!」

 

 宙に投げ出されたウツドンに回避する術は無い。“まもる”の効果が切れたウツドンにギャラドスの冷気を纏った牙が突き立てられ、あまごいで濡れていたウツドンはそのまま全身を凍り付かせてしまった。

 

「トドメの“アクアテール”!!」

 

 最後に、氷に覆われたウツドンを“アクアテール”で地面へ叩き落とすと、氷が割れて中から目を回したウツドンが出てきた。

 

「ウツドン、戦闘不能! ギャラドスの勝ち!!」

 

 これで2勝、残るポケモンもギャラドスで十分勝てる相手である事は間違い無い。

 しかし、エリカもジムリーダーとして簡単に負けるつもりは無いのか、次のポケモンに自信を滲ませる目をしていた。

 

「最後ですわ……参りますわよ“リーフィア”!」

 

 そして、エリカ最後のポケモンとして出てきたのは、ソラタが予想していたクサイハナでもラフレシアでもキレイハナでもない。

 まさかのイーブイの進化系であるリーフィアの登場に、ソラタの驚きは相当なものだ。

 

「本来でしたら、クサイハナを出す所でしたが……ソラタさんの実力が予想以上だったので、少しだけレベルを上げたバトルをする為にこの子を選びましたわ」

「……上等!」

 

 そうでなくては面白くない。

 予想していたポケモンとは違うが、それでもギャラドス有利に違いは無い。ソラタはギャラドスに目を向けると、ギャラドスも振り返って力強く頷いた。

 

「それでは、リーフィア対ギャラドス……バトル開始!!」

「リーフィア、“つるぎのまい”ですわ!」

「一気に行くぞ! ギャラドス、“ぼうふう”!!」

 

 タマムシジム最後のバトル、ソラタの予想とは大きく外れたポケモンの登場に、試合は大きく動き出す。

 勝つのはソラタか、エリカか、次回に続く。




次回はエリカ戦決着です。
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