ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供 作:剣の舞姫
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ポケットモンスター
転生したのは始めに旅立った子供
第21話
「全力の炎、翼を広げて」
ポケモンリーグに出場する為、旅をしていたソラタは、4つ目のバッジをゲットする為、タマムシジムに挑戦していた。
ジムリーダーのエリカとの戦いは先鋒のナゾノクサがモンジャラを破り、クサイハナに進化して勢いに乗るものの、エリカの2番手であるウツドンに敗北。
しかし、続くソラタの2番手であるギャラドスの“あまごい”“ぼうふう”のコンボによりウツドンを翻弄、見事に撃破した。
そして、エリカの最後のポケモンはソラタの予想していたクサイハナではなく、まさかのイーブイの進化系であるリーフィアだったのだ。
「リーフィア! “つるぎのまい”ですわ!!」
「させるか! “ぼうふう”!!」
再び、ジム内をギャラドスの“ぼうふう”による強烈な風が襲う。そして暴風雨の中、リーフィアはまるで動じないかのように“つるぎのまい”を舞って攻撃力を上げていた。
「なんだと!?」
「お生憎様ですわ。私のリーフィアは、日頃から日舞に付き合って踊る程、このような暴風雨など物ともしませんわ」
「なら、“こおりのキバ”だ!」
ギャラドスの牙が冷気を纏い、その巨体に似合わぬ素早さでリーフィアに突っ込む。
「“かげぶんしん”ですわ」
「っ!?」
だが、ギャラドスの牙はリーフィアの“かげぶんしん”による分身を貫くだけに終わり、決定的な隙を生み出してしまった。
「“リーフブレード”!!」
「リー……フィア!!」
「ギュアアア!?」
「ギャラドス!!」
“つるぎのまい”で威力の上がった“リーフブレード”がまともに入ってしまった。飛行タイプを持つギャラドスに草タイプの技は等倍ダメージとは言え、これは痛い。
「続けて行きますわ! “ギガインパクト”!!」
至近距離からトドメの“ギガインパクト”がギャラドスに直撃、吹き飛ばされたギャラドスはそのまま目を回して倒れてしまった。
「ギャラドス、戦闘不能! リーフィアの勝ち!」
「……戻れ、ギャラドス。ご苦労だった、ゆっくり休んでくれ」
ギャラドスが倒れた今、ソラタの残りは1匹、タマムシジムを攻略するには、次のポケモンに全てを託すしか無い。
「最後だ……頼むぞリザード!!」
「リッザアアアア!!!」
ソラタの3番手はセオリー通りにリザードだ。ソラタにとってニンフィアに次ぐ信頼を寄せる相棒。
ソラタにとってニンフィアがパートナーなら、リザードは信頼出来る相棒と言える存在なのだ。
「リザードですか、成程……」
「では、リーフィア対リザード……試合開始!!」
「先手必勝だ! リザード、“かえんほうしゃ”!!」
リザードの“かえんほうしゃ”がリーフィアに襲い掛かった。
「“かげぶんしん”!!」
だが、リーフィアの“かげぶんしん”によって分身だけが燃やされ、回避したリーフィアは無傷だ。
「お次はこちらの番ですわ! “リーフブレード”!!」
「受け止めろ! “ドラゴンクロー”!!」
リーフィアの“リーフブレード”をリザードがドラゴンのオーラによって緑色に輝く爪で受け止める。
そして、両手でリーフィアの頭の葉を掴んだリザードは決定的なチャンスを得た。リーフィアは全く動けなくなったのだから。
「“かえんほうしゃ”!!」
「“ギガインパクト”ですわ!!」
至近距離からの“かえんほうしゃ”と“ギガインパクト”、お互いに吹き飛ばされるも、空中で態勢を整えて着地した2匹は直ぐに動いた。
「リーフィア、“つるぎのまい”ですわ!」
「させるな! “りゅうのはどう”!!」
リザードから放たれた“りゅうのはどう”は“つるぎのまい”を舞うリーフィアに襲い掛かるが、リーフィアは舞いながら華麗に回避、更には舞いながらリザードに接近してくる。
「“リーフブレード”!!」
「迎え撃て! “フレアドライブ”!!」
“つるぎのまい”で更に攻撃力を上げたリーフィアの“リーフブレード”は、しかしリザードの“フレアドライブ”に押し負け、そのままリーフィアにクリーンヒットした。
「畳み掛けろ! “かえんほうしゃ”!!」
吹き飛ぶリーフィアに追い打ちを掛けるように“かえんほうしゃ”が決まり、エリカの足元まで転がってきたリーフィアだったが、まだまだ戦えるとばかりにふらつきながらも起き上がる。
「やれますのね?」
「フィ」
「では、“かげぶんしん”からの“つるぎのまい”ですわ!」
エリカが行った指示は実に面倒なものだった。“かげぶんしん”を使用して、そのうえで“つるぎのまい”による更なる攻撃力上昇、これに加え……。
「参りますわ! “ギガインパクト”!!」
「“かえんほうしゃ”!!」
3回“つるぎのまい”を積んで放たれる“ギガインパクト”は危険だ。ソラタもリザードに“かえんほうしゃ”を指示して迎え撃つ。
しかし、“かえんほうしゃ”は多数の分身を焼き払うだけで、リーフィア本体には届かない。
「フィイア!」
「ザーーーッ!?」
強力なギガインパクトがリザードを直撃、ボロボロになりながらフィールド上を転がったリザードは何とか立ち上がったものの、ダメージは相当蓄積されている。
「リザード……」
「リザッ」
「……そうか」
行ける。リザードの目はそう言っていた。ならばリザードを信じるのがトレーナーたるソラタの役目だ。
「これが最後の攻撃だ!! リザード、全力で“フレアドライブ”!!!」
「リィ……ザァアアアアア!!!!!」
“もうか”が発動、青白い炎に包まれたリザードは、そのままリーフィアに突っ込む。
「迎え撃ちますわ!! “ギガインパクト”!!」
「フィイイイアァアアア!!!」
リザードの“フレアドライブ”とリーフィアの“ギガインパクト”がフィールド中央でぶつかる。
だが、体力が残り少ない中で反動のある“フレアドライブ”を使ったリザードは、もう体力の限界なのか足に力が入らず、そのまま押し負けそうになった
「負けるなリザード!! もう少しだ!!」
「っ!!」
諦めそうになったその時、ソラタの声に反応したリザードは足にグッと力を込めてリーフィアを睨みつけると、更に炎の勢いが増した。
「ザァアアアアアド!!!」
そして……炎の中でリザードの体が光に包まれる。
「まさか!?」
「リザード……お前」
身体が更に大きくなり、背中からも大きな翼が生え、赤かった体色はオレンジ色へと変わる。
「グルゥアアアアア!!!」
一際大きな咆哮と共に光が消え、炎に包まれながら新たな姿を見せたリザード……否、リザードンはジムの天井まで飛翔、ぶつかる相手が居なくなってバランスを崩したリーフィアの真上から“フレアドライブ”を維持したまま突っ込んだ。
「いっけえええ!!! リザードン!!!」
リーフィアの真上から“フレアドライブ”が直撃、2匹の姿は煙に包まれてしまった。
「リーフィア!!」
「リザードン!!」
やがて、煙が晴れると、フィールドには目を回して倒れるリーフィアと、翼を広げて威風堂々と立ち続けるリザードンの姿があった。
「リーフィア、戦闘不能! リザードンの勝ち! よって勝者、チャレンジャー・マサラタウンのソラタ!!」
「……よっしゃああ!!! リザードン! 勝ったぁああ!!」
「グルッ」
走り出してリザードンに抱きつくと、リザードンも嬉しそうに鳴いて笑顔を見せてくれた。
「戻りなさい、リーフィア……ありがとうございます、大変素晴らしい戦いでしたわ」
リーフィアをモンスターボールに戻したエリカは、リザードンに抱きついて喜びを見せるソラタに近づきながら懐から目的の物を取り出す。
「負けましたわソラタさん、完敗です」
「ありがとうございます!」
「あなたの戦術、ポケモンの実力、そして何よりポケモン達との絆、全て見事なものでした。ですので、これをお渡しする資格は十分ですわ」
そう言ってエリカが差し出した手に乗せられているのは、タマムシジム勝利の証、レインボーバッジだった。
「受け取ってください、レインボーバッジですわ」
「はい」
差し出されたレインボーバッジを受け取り、ポケットから出したバッジケースに納める。グレーバッジ、ブルーバッジ、オレンジバッジに続き、レインボーバッジが並ぶ光景は、実に喜ばしいものだ。
「これで4つですか……リーグ参加資格を得るまで、残り半分ですわね」
「ええ、次はヤマブキシティのヤマブキジムにチャレンジするつもりです」
「そうですの……では、次のジムも頑張ってくださいな」
「はい!」
こうして、4つ目のバッジをゲットしたソラタは、タマムシジムを後にする。次に目指すは5つ目のジムがあるヤマブキシティだ。
そして……ソラタはまだ気付いていない。リュックの中に入れられたままのタマゴが、淡い光を放っている事を。
次回はソラタの手持ちが増えるのと、進化の石を使います。
ソラタが現時点で持ってる進化の石、何かはわかりますよね?