ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供 作:剣の舞姫
最近は仕事が忙しく、帰ってきて飯食って風呂入って寝る生活が続いているから、中々執筆時間が取れませんねぇ。
ポケットモンスター
転生したのは始めに旅立った子供
第22話
「綺麗な花と小さなドラゴン」
ポケモンリーグに参加する為、旅を続けるソラタは、タマムシジムのジムリーダー・エリカに見事勝利してレインボーバッジをゲット。
次のジムがあるヤマブキシティを目指すソラタは現在、タマムシジム戦で進化したリザードンの背中に乗り空の旅をしていた。
「どうだリザードン、大分俺を乗せて飛ぶのに慣れたか?」
「グルゥ!」
「そっか、やっぱお前は凄い奴だよ」
何故、ソラタがリザードンに乗って飛んでいるのかというと、ソラタの記憶にある誰かが言った『リザードン使いならリザードンを乗りこなしてこそ』という言葉を思い出して、タマムシシティを出て直ぐに実践したのだ。
最初こそ、進化したばかりで飛行に慣れていなかったリザードンはソラタを乗せて飛ぶのに苦労していたが、暫く練習を続ける内に慣れてきたのか、速度こそまだまだ遅いものの、何とかソラタを乗せて飛べるようになった。
「リザードン、今日は昼まで飛んで、それからクサイハナを進化させるぞ」
「グル?」
「クサイハナだよ、“たいようのいし”もあるから進化させられるんだ」
リザードンに恋するクサイハナが、もう一段階進化する。きっとリザードンも気に入ってくれる気がするので、クサイハナの進化にはリザードンも立ち会わせたいのだ。
クサイハナもリザードンも、きっと進化した姿を気に入ってくれる筈だと確信している。
「クサイハナは進化したら凄いぞ? リーフのいしを使うとラフレシアに進化するんだけど、たいようのいしを使った進化はまた別のポケモンでな」
「グルゥ」
「ん? ああ、楽しみにしておくって? なら昼までは頼むぞ」
「グルッ!」
昼になったら自身を慕ってくれているクサイハナの進化が見られると楽しみにしているのか、この後の飛行は随分ハイテンションのリザードンであった。
昼になり、リザードンに乗っての移動も一休みとなった。早速だがソラタは手持ちのポケモン全員を出してバッグからニビシティで購入した“たいようのいし”を取り出す。
「クサイハナ、今日はお前を更に進化させる」
「ハナ?」
「この“たいようのいし”を使えば、お前は更に進化出来るんだ」
「ハナハナ! クッサー!!」
自分が更に強くなれるのだと理解したのか、クサイハナはソラタの手にある“たいようのいし”を見つめてテンションを上げる。
その様子を、周りで見ているリザードン、ギャラドス、ピカチュウ、ニンフィアが微笑ましそうに見つめていた。
「じゃあ、早速行くぞ?」
「ハナ!」
心の準備は出来ていると、クサイハナが起立をしたので、苦笑しながらソラタは手に持つ“たいようのいし”をクサイハナの額に当てた。
すると、クサイハナの身体が光りだして“たいようのいし”が吸い込まれるように消えると、クサイハナは少し小さくなり、そのフォルムを大きく変える。
そして光が消えると、そこには……。
「ハナ!!」
クサイハナの進化系、フラワーポケモンのキレイハナが可愛らしい笑顔で立っていた。
「よし! キレイハナに進化した!!」
キレイハナもピカチュウがソラタのバッグから取り出した鏡で自身の姿を見て、気に入ったのか踊りだした。
キレイハナと言えば踊り、見事な踊りだ。ただ、その踊りが技として発動しているのだから、驚きだろう。
「え、まさか……“ちょうのまい”か!?」
“はなびらのまい”なら花びらが舞うはず。それが無いという事は、キレイハナが自然に覚える舞いは“ちょうのまい”だけだ。
「凄いじゃないかキレイハナ! “ちょうのまい”を覚えたんだな!」
「ハナハナ!」
更には進化した事で自然に“はなふぶき”も覚えたはず。これは即戦力級の進化と言って良いだろう。
「ピカ? ピッ!?」
キレイハナが新しい技を覚えた事に喜んでいると、何やらピカチュウの驚きの声が聞こえてきた。
何事かとピカチュウの方を振り向くと、ピカチュウが先ほど出した鏡をバッグに仕舞おうとしてバッグの中が光っている事に驚いている姿が。
「どうした?」
「ピ、ピカ……」
ピカチュウが光っているバッグの中を指さすので、中を覗いてみれば……プラターヌ博士に貰ったタマゴが光っているではないか。
「嘘だろ!?」
慌ててタマゴをバッグから取り出すと、タマゴは更に光が強くなり、続いて頂点に罅が入る。
「生まれる……!」
遂にタマゴが割れて光となって消えると、そこには生まれたばかりの小さなドラゴンの姿があった。
以前戦ったシロナの切り札、ガブリアスへといずれ進化する事になるポケモン、フカマルだ。
「フカマル……!」
「カフ!」
とうとう、フカマルが手に入った。これで、ソラタが想定していたベストパーティが完成したのだ。
「フカマル!」
「カフカフ!」
プラターヌ博士のガブリアスとシロナのガブリアスの子供となるソラタのフカマルは、きっと将来強いガブリアスになるだろう。
フカマルの誕生を、ソラタは勿論だが、リザードン、ギャラドス、ピカチュウ、ニンフィア、キレイハナも喜んでくれて、フカマルも自分が生まれた事をこれほど喜んでくれる仲間に気を良くしたのか笑顔を見せてくれた。
「みんな」
フカマルを地面に置いたソラタは、改めて自身のポケモン達を見渡す。
翼を広げて威風堂々と立つリザードン、ソラタを絶対の信頼で見つめ返すニンフィア、いつの間にソラタのバッグから取り出したのかポケモンフーズをカリカリしていたピカチュウ、そんなピカチュウに呆れつつ分け前を貰っていたギャラドス、自身の進化とフカマルの誕生に喜びの舞いを踊るキレイハナ、最後に鼻提灯を作って寝そうになっていたフカマル。
これが、この個性豊かなメンバーが、ソラタのベストパーティだ。
「これで俺がリーグ参加に想定していたベストパーティが完成した。残すはフカマルの進化とジムバッジ4つ、必ず達成してリーグに出場するんだ」
「グル!」
「フィア!」
「ピカ!」
「ギャオ!」
「ハナ!」
「カフ!」
「そして目指すはポケモンリーグ優勝と、その先のチャンピオンリーグ優勝、四天王攻略とチャンピオンに勝利して、チャンピオンになる事だ」
母から受け継いだ夢、チャンピオンの椅子に座るまでの道のりはまだまだ長く険しい。だが間違いなく一歩ずつ近づいている手応えは感じている。
「リザードン、お前はウチのエースだ。パーティのリーダー、絶対の切り札となるんだから、頼むな」
「グルッ!」
オーキド研究所で貰ったヒトカゲも、随分と逞しく、頼もしくなった。今やリザードンへと進化を果たし、立派にパーティのエースへと成長した。
「ニンフィア、お前は相棒だから実力は絶対の信頼がある。これからもリザードンと一緒にパーティを引っ張ってくれ」
「フィア!」
兄妹のように育ったニンフィアはソラタが絶対の信頼を寄せる相棒、リザードンと並ぶパーティの二大柱の一角だ。
「ピカチュウ、今はお前を進化させてやれなくてすまない……だけど、お前の小回りの良さと素早さ、器用さは必ずバトルに役立つ。進化するまで大変だとは思うけど、頑張ってくれ」
「ピ~カ!」
ソラタの予定では、ピカチュウをライチュウに進化させるのはアローラに行った時だ。それまでは進化させる予定は無いので、ピカチュウのままリーグに挑戦する事になるだろうが、野生の頃から既に“アイアンテール”と“あなをほる”を覚えていたほど、バトルセンスと才能がある彼女は、そのままでも十分通用すると見ている。
「ギャラドス、お前はウチのアタッカーだ。切り込み隊長は任せたぞ」
「ギャオ!!」
コイキングの時から“ハイドロポンプ”を覚えていたガラル産のギャラドスは、火力は申し分無く、パーティの切り込み隊長に相応しい実力がある。
「キレイハナ、もうお前は弱いポケモンなんかじゃない。お前を捨てた前のトレーナーがお前を捨てた事を後悔するくらいの活躍を期待してるぞ」
「ハナ!」
ナゾノクサの頃に弱いからという理由で捨てられたキレイハナも、今では一線級の実力に育ったと言えるだろう。
もう、あの頃のナゾノクサは居ない。今ここに居るのはリーグ参加の為に着実に実力を伸ばし続けるキレイハナなのだ。
「フカマル、まだ生まれたばかりだけど、お前は俺が絶対にパーティに入れると決めていたポケモンだ。ガブリアスに進化するまで、先は長いけど頑張ろうな」
「カフ? カフカフ!」
生まれたばかりのフカマルは、現状でパーティ最弱だろう。だけど、将来は必ずパーティを支える事が出来る存在になる筈だ。
「よし、それじゃあ次のジム目指して先ずは……飯にするか」
ピカチュウが先ほどから空腹を訴えかけてくるので、苦笑しつつソラタが昼食の準備に入ると、ポケモン達も手伝ってくれた。
とりあえず、ポケモンフーズを盗み食いしてくれたピカチュウとギャラドスの食事は、減らすのは決定だった。
次回はヤマブキシティ前に一波乱、Rのマークにご注意を。