ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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第25話 「ヤマブキジム、エスパータイプの脅威」

ポケットモンスター

転生したのは始めに旅立った子供

 

第25話

「ヤマブキジム、エスパータイプの脅威」

 

 

 ポケモンリーグ出場の為に、旅を続けるソラタは遂に5つ目のジムがあるヤマブキシティに到着した。

 到着したのが夜だった為、ポケモンセンターで一泊した後、ポケモン達をジョーイさんから受け取り、早速ヤマブキジムへと向かっていた。

 

「たのもー」

 

 ジムに到着して早々、自動ドアを開いて中に入り声を掛ける。すると、奥から緑色のジャージとジーンズ姿の男性が現れ、ソラタの方へ向かってきた。

 

「いらっしゃい、ジム戦の挑戦者かな?」

「はい、マサラタウンのソラタと申します」

「マサラタウン……そうか。私はヤマブキジムの先代ジムリーダーで、今は娘のナツメがジムリーダーを継いでいる。娘とのバトルに勝利出来れば、ゴールドバッジは君の物だ」

「はい」

「着いて来なさい」

 

 ナツメの父に案内され、ジム戦が行われるバトルフィールドがある部屋へ連れて来られた。

 フィールドの奥にある椅子には赤いワンピース姿の少女が座っており、彼女がジムリーダーのナツメなのだろう。

 

「ナツメ、挑戦者を案内して来たぞ」

「ありがとう、お父さん……あなたが来る事は、知ってたわ。マサラタウンのソラタ君」

「えっと……?」

「私は、超能力を使える。未来予知で前から君が来る事は予知していた……ジム戦がしたいのよね? いいわ」

 

 静かに立ち上がったナツメはフィールドのトレーナーゾーンに立つと、ナツメの父も審判なのか審判エリアへ移動した。

 ソラタも挑戦者用のトレーナーゾーンに立ち、改めてナツメと相対する。

 

「改めて、ヤマブキジムのジムリーダー、ナツメよ。私が使用するのはエスパータイプ、数あるポケモンのタイプの中でも、最強のタイプだと思ってる」

「そっすね」

 

 確かに、エスパータイプは強い。悪タイプには一方的にボコられるものの、ゲームの初代ポケモンでは最強格のタイプだった。

 

「それではこれより、ジム戦を行う! 使用ポケモンは互いに3体! どちらかのポケモンが3体戦闘不能となった時点で試合終了とする。尚、ポケモンの交代はチャレンジャーのみ、認められる」

「まずは私から、いでよバリヤード」

「こっちも行け、ギャラドス!」

 

 ナツメの一番手は予想通りバリヤード、対するソラタはギャラドスを繰り出した。

 

「バリヤード対ギャラドス、試合開始!」

「まずはこっちの先手だ! ギャラドス、“りゅうのまい”!!」

「ギュオアアアア!!」

「バリヤード、“サイケこうせん”」

 

 開幕から“りゅうのまい”で舞うギャラドスにバリヤードが放った“サイケこうせん”が襲い掛かる。

 だが、ギャラドスは長い身体を華麗にくねらせながら舞いつつ、“サイケこうせん”を回避した。

 

「“ねんりき”」

「バリッ!」

「振り切って“ハイドロポンプ”!!」

「“ひかりのかべ”」

 

 バリヤードの“ねんりき”によって身動きを封じられたギャラドスだったのだが、力技で振り切って口から“ハイドロポンプ”を発射、しかしバリヤードが張った“ひかりのかべ”によって完全に防がれてしまった。

 

「読めていた! “かみくだく”だ!!」

「ギュオアアア!!!」

「っ! “かみなりパンチ”」

 

 ギャラドスが“ひかりのかべ”の脇からバリヤードへ迫り、鋭い牙を立てるのと同時に、バリヤードの握りこぶしが雷を纏った。

 そして、ギャラドスがバリヤードに噛み付くのと同時にバリヤードの拳がギャラドスの顔面に叩きこまれ、互いにダメージを受ける。

 

「ギャラドス!」

「ギュ」

「大丈夫だな?」

「ギャオ」

 

 バリヤードとの距離を取ったギャラドスがソラタの問いかけに頷いて返したので、取り合えずまだ戦えると判断する。

 だが、状況は良くない。バリヤードの“ひかりのかべ”の効果がある限り、特殊技の効果は大幅に低下する上、物理技の“かみくだく”を使おうものなら容赦なく“かみなりパンチ”が飛んでくるのだ。

 

「……よし、戻れギャラドス」

 

 ここはギャラドスを温存するべきだと判断したソラタはギャラドスを戻してボールを腰ベルトのホルダーへ納めると、別のボールを取り出した。

 

「次はお前だ、行け! フカマル!!」

 

 ソラタの2番手はフカマルだった。

 既にナツメのバリヤードは“サイケこうせん”“ねんりき”“ひかりのかべ”“かみなりパンチ”と、4つを使い切っている。地面タイプを持つフカマルなら、その内の“かみなりパンチ”を死に技に出来るので、バリヤードの手札を減らす事が出来ると判断したのだ。

 

「フカマル……カントーでは見ないポケモンね。確かシンオウ地方のポケモン」

「正解です。コイツは訳あってタマゴを貰って、それでゲット出来たポケモンなんです」

「そう……楽しみ」

 

 ナツメもシンオウ地方のポケモンと戦うのは初めてだったらしく、表情が少し変わった。

 

「バリヤード、“サイケこうせん”」

「バリバリバ~!」

「“りゅうのいぶき”だ!!」

「カフカフカ~!」

 

 “サイケこうせん”と“りゅうのいぶき”がぶつかり、中央で爆発する。すぐさまバリヤードが“ねんりき”で煙を晴らすと、既にフカマルはバリヤードの直ぐ傍まで接近していた。

 

「バリッ!?」

「“シャドークロー”!!」

「フーカッ!」

 

 黒いエネルギーを纏った爪でバリヤードに斬り掛かるフカマル、これは決まると思ったのだが、ジムリーダーのポケモンも、ジムリーダー自身も、そう甘くはない。

 

「“サイケこうせん”」

「バリバリバー!!」

 

 フカマルの“シャドークロー”が直撃したのと同時にバリヤードの“サイケこうせん”が0距離から放たれ、回避も出来ずフカマルにクリーンヒット、バリヤードを巻き込む形で爆発した。

 

「フカマル!」

 

 確実に大ダメージを受けたと、フカマルを心配ていると、煙が晴れて中から目を回して倒れるバリヤードとフカマルの姿が。

 

「バリヤード、フカマル、共に戦闘不能!」

 

 まさかのダブルノックダウン。ナツメもソラタもそれぞれバリヤードとフカマルをボールに戻して次のポケモンが入ったモンスターボールを取り出した。

 

「相打ちに持ち込まれるとは思わなかった」

「こっちとしては、“シャドークロー”が決まったと思ったんですがね」

「ジムリーダーは甘くない」

「みたいっすね」

 

 これでソラタはバリヤード戦のダメージが残るギャラドスと、残り1体の計2体。ナツメはノーダメージのポケモンが2体、状況だけを見ればソラタが不利だ。

 

「次、行く……出でよヤドラン」

「もう一度頼むぞ、ギャラドス!」

 

 ナツメの2番手はヤドンの進化系、ヤドラン。ソラタはバリヤード戦のダメージが残るギャラドスだ。

 

「ヤドラン対ギャラドス、バトル開始!」

「ギャラドス、また“りゅうのまい”だ!」

「迂闊」

「っ! しまった!」

 

 開幕早々にソラタはギャラドスに“りゅうのまい”を指示したのだが、ナツメの迂闊という言葉を聞いて、自身のミスを悟った。

 

「“じこあんじ”」

 

 “りゅうのまい”で上がったギャラドスの攻撃と素早さは、ヤドランにコピーされてしまった。

 更に、ナツメは畳みかけるようにヤドランに次の指示を出す。

 

「“ドわすれ”」

 

 これでヤドランの特防も上がった。こうなってしまってはソラタも挽回するには攻め続ける以外に道は無い。

 

「ギャラドス! “かみなり”だ!」

 

 ヤドランは水とエスパーの複合タイプ、当然電気タイプの技は効果抜群だ。攻撃が上がっているヤドランに迂闊に近づくのは危険だと判断しての指示だったのだが、問題は“かみなり”は命中率が低い技であるという事と、ヤドランが“じこあんじ”によって“りゅうのまい”の効果をコピーしたという点だろう。

 

「回避して“サイコフィールド”からの“しねんのずつき”」

 

 フィールドに紫色のオーラらしき物が展開され、強化された“しねんのずつき”が“かみなり”を撃っていて無防備なギャラドスの下顎に直撃した。

 

「ギャラドス!!」

 

 明確な急所への一撃に、ギャラドスは力無くその場に倒れ、目を回してしまった。

 

「ギャラドス、戦闘不能! ヤドランの勝ち!!」

 

 絶対絶命、ソラタの残りは1体。対するナツメはノーダメージのままの上、素早さ、攻撃、特防が上昇している上にサイコフィールドによる強化まで受けているヤドランと、まだ見ぬ1体が残っている。

 旅を始めて、5つ目のジムでついにソラタは、初めての危機を迎えるのだった。




ピンチを迎えたソラタですが、次回は3番手の彼女が何とかしてくれると信じて。
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