ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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お久しぶりです。
長い長いスランプと仕事の忙しさに感けて全然執筆してませんでしたが、ようやく28話完成しました。


第28話 「セキチクシティを前に」

ポケットモンスター

転生したのは始めに旅立った子供

 

第28話

「セキチクシティを前に」

 

 ポケモンリーグに出場する為、旅を続けるソラタはヤマブキジムを制覇して5つ目のバッジであるゴールドバッジをゲット、今は6つ目のジムがあるセキチクシティを目指していた。

 セキチクジムのジムリーダーはジョウト地方の四天王も兼任する毒タイプのスペシャリスト、忍者マスターのキョウという男。

 毒タイプのジムを相手にどう戦うかを考えながら、ソラタは昨晩の野宿で立てていたテントの横で朝食の用意をしている。

 更に、テントやソラタの周りではモンスターボールから出したポケモン達が思い思いの時間を過ごしていた。

 リザードンは器用にソラタの手伝いを、ニンフィアはテントの中でソラタが使っていた毛布に包まり、ギャラドスとピカチュウは近くの川で水遊び、フカマルとキレイハナは一緒に踊っている。

 

「リザードン、こっちの鍋に切った野菜入れて」

「グル」

「後は煮込むだけだし、俺はポケモンフーズの用意するから」

 

 鍋の方はリザードンが見ててくれるとの事なので、ソラタはポケモンフーズの用意を始める。すると、匂いに釣られたのか食いしん坊筆頭のピカチュウとギャラドスが水遊びをやめて近寄って来た。

 

「ピカ!」

「ギャオ!」

「ん? 早いっての、てか身体拭きなさい」

 

 濡れたままの2匹にタオルを投げて渡すと、ピカチュウは自分の身体を拭きながらギャラドスの身体も拭いてあげる。

 何気にこの2匹は仲が良い。いつも一緒に居るというか、よくつまみ食いをするコンビなのだ。

 

「キレイハナ、フカマル、そろそろ出来上がるからニンフィア起こしてあげて」

「ハナッ!」

「カフッ!」

 

 テントの中でいつの間にかソラタの毛布に包まりながら寝息を立てていたニンフィアの下へキレイハナとフカマルが向かったのを確認したソラタは、時々鍋の蓋を開けてお玉でかき混ぜているリザードンの背中を労うように軽く叩いてから器に入れたポケモンフーズを並べ始める。

 器を並べ終えたら直ぐにポケモン達は自分の器の前に並んで食べ始めたので、ソラタはリザードンからお玉を受け取って自分の食事の用意を始めた。

 

「うん、上手く出来たな」

 

 因みに今日のソラタの昼食は野菜スープと玉子サンドだ。

 リザードンに手伝って貰いながら作った野菜スープは自分だけでなくポケモン達にも分けており、ポケモン達はそれぞれ野菜スープの味に満足している様子。

 

「そうだ、今日の午後はフカマルの特訓な」

「カフ?」

「次のセキチクジムは毒タイプのジムだから、地面タイプのフカマルは主力になる。セキチクジムではフカマルとリザードン、ピカチュウで行くつもりだからな」

 

 毒単体ならフカマルで良いのだが、モルフォンやゴルバットなどの毒と虫や飛行タイプを持つポケモンには、ピカチュウやリザードンが有効だ。

 特にピカチュウは地面タイプの“あなをほる”を覚えているので、十分セキチクジムで戦えるポケモンだ。

 ポケモンの選定は既に終えているので、セキチクシティに到着するまではフカマルの育成がメインになる。

 相手はジムリーダーであり、同時にジョウト四天王でもある実力者、生半可な実力では勝てないとソラタは予想していた。

 それに、タマムシジムでは本来使用しない筈のリーフィアが、ヤマブキジムではメガ進化可能なメガストーンを持つフーディンが出てきた事を考えれば、キョウも本来使用するポケモン以外を使用する可能性がある。

 四天王としての手持ちであるクロバットやアリアドス、もしかすると他の地方の毒タイプポケモンか、もしくはリージョンフォームか。

 

「リージョンフォームを使うとしたらベトベトンのアローラの姿か、マタドガスのガラルの姿か……ベトベトンなら悪タイプ、マタドガスだったらフェアリータイプもあるからなぁ」

 

 まぁ、マタドガスの場合はピカチュウの“アイアンテール”かリザードンやフカマルの“メタルクロー”で対応可能だろう。

 ベトベトンでも対応は難しくないので、特に心配はいらないか。

 

「出来ればセキチクシティに到着するまでにフカマルをガバイトに進化させたい所だな」

 

 そうでなければポケモンリーグまでにガブリアスへ進化させるのも難しくなる。セキチクジムでもフカマルが進化しているのとしていないのとでは、大分変ってくるだろう。

 

「いや、でも現時点でフカマルだとなぁ……ギリギリか?」

 

 もしかしたら、ポケモンリーグまでにガブリアスへ進化出来ない可能性も見えて来た。残るジムバッジは3つ、次のセキチクジムとその次のグレンジムではフカマルの出番もあるが、最後のトキワジムではフカマルの出番は無いと考えているので、割とギリギリだった。

 とりあえず、考えていても仕方がないので、残りの食事を食べ終えてポケモン達の皿を回収、皿洗いをしてから特訓開始だと午後の予定を組み立て始めるのだった。

 

 

 午後は早速フカマルの特訓の時間だ。ソラタは今後の事を見据えてフカマルに二つの技を覚えさせようとしている。

 現時点でフカマルが使える地面タイプの技は“じならし”と“あなをほる”のみ、だがこれは主力技とするには弱すぎるので、今後ガブリアスへ進化した時の事やリーグ出場を考えて別の技を覚えておきたい所だった。

 

「という訳でフカマルには“じしん”と“ストーンエッジ”の二つの技を覚えて貰う」

「カフ?」

「ゆくゆくは“ドラゴンダイブ”とか“りゅうせいぐん”とかも覚えて貰うけど、今はこの二つが重要だと思ってな」

 

 因みに既に“ほのおのキバ”と“かみなりのキバ”“ドラゴンクロー”は覚えさせた。なので、今優先すべきは地面タイプの技の強化と色々と応用が効く技として割と有効な“ストーンエッジ”の二つだ。

 

「“じしん”はリザードンも覚えているから、リザードンが教えてやれるが……問題は“ストーンエッジ”だな」

 

 ソラタの手持ちで“ストーンエッジ”を覚えているポケモンはいない。一応、リザードンには“いわなだれ”を覚えさせているので、岩タイプの技の見本は見せる事が出来るが、やはり“ストーンエッジ”を覚えているポケモンが見本に欲しい所。

 

「オーキド博士の所に送った岩タイプはイシツブテとサイホーン、イワークだけど“ストーンエッジ”を覚えてるのは居ないしなぁ」

 

 そもそもポケモンセンターに行かないと手持ちを入れ替えられない。近くにポケモンセンターが無いのでそれは断念して一先ずリザードンを呼び、フカマルの講師役をやらせる事にした。

 

「まずはリザードン! “じしん”!!」

「グルッ!! リザァアアア!!!」

 

 リザードンが目の前の岩に向かって“じしん”を放つ。大きく振り上げた足を地面に叩き付けた事で発生した揺れと衝撃波が岩に直撃し、大きくひび割れたかと思った瞬間、激しい音と共に粉砕された。

 

「これが“じしん”だ。フカマル、“じならし”の要領でやってみろ」

「カフ! カァアフゥウウ!!!」

 

 意気揚々とフカマルが足を振り上げて地面に叩き付けたのだが、放たれたのは“じしん”には程遠い、“じならし”レベルの威力しか無い揺れだった。

 

「まだまだ威力が足りない。もう一度」

「カフカフ!」

 

 もう一度フカマルが足を振り上げて、先ほどよりも思いっきり地面へ叩き付けると、今度は“じならし”よりも大きな揺れになったが、まだ“じしん”と呼ぶには威力が足りていない。

 

「衝撃波も出ていないな……リザードン、もう一度見せてやってくれ」

「グル」

 

 今度はもっと大きな岩に向かってリザードンが“じしん”を放つと、その岩も先ほどと同様に大きな揺れの後に衝撃波によって粉砕される。

 フカマルはリザードンの放つ“じしん”を挙動から全て良く観察し、足を振り上げ、そして振り下ろす動作を確認していた。

 

「どうだ?」

「カフ……」

「リザッ」

「カフ?」

 

 よく分からないという表情を見せるフカマルに、リザードンが指先でちょいちょいと自分の足を指さした。

 そして、ゆっくり足を振り上げて振り下ろす際に一瞬だけ盛り上がった筋肉に注目させる。

 

「リザ、リザリザ」

「カフ!」

 

 リザードンが何かを言うと、理解したとばかりにフカマルが頷いてもう一度足を振り上げると、勢い良く地面へと叩き付ける。

 すると、先ほど以上の揺れが起こり、小さいながらも衝撃波が大きな岩にぶつかって少量の罅を作った。

 

「お?」

「カフ!」

 

 今のは“じしん”とまでは言えないにしても、中々に良い威力が出ている。リザードンのアドバイスのお陰でフカマルもコツを掴んだのか、揺れと衝撃波を一緒に出せるようになったらしい。

 

「良いアドバイスが出来たみたいだな、リザードン」

「グルゥ」

「そのままフカマルのアドバイス、任せて良いか?」

「グルッ!」

 

 頼れるパーティーリーダーのリザードンは面倒見が良い。フカマルの特訓でもリザードンはアドバイザーとして十分な仕事を見せてくれて、この日はフカマルの“じしん”が未完成ながらも一定の成果を叩きだす事に成功したのだった。

 

「明日は“ストーンエッジ”の練習な」

「カフ!」

「岩タイプの技のアドバイス、頼むなリザードン」

「リザ!」

 

 フカマルはこれで良い。後はリーグまでにフカマルをガバイトへ進化させられるかどうか、そしてもう一つ……リザードンの切り札となる技を覚えさせる事、考えるべき事はそれだけだ。




次回はセキチクシティ到着前に一つ、新キャラを出します。
ヒトカゲのソラタ、ピカチュウのサトシ、ゼニガメのシゲル、オーキド博士からポケモンを貰ってマサラタウンを旅立った子供は、もう一人いますよね。
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