ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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連投です。


第33話 「イーブイの進化」

ポケットモンスター

転生したのは始めに旅立った子供

 

第33話

「イーブイの進化」

 

 ポケモンリーグに出場する為、旅を続けるソラタは7つ目のジムがあるグレン島を目指していた。

 旅の途中、ソラタは近くにあるストンタウンという街で進化の石を使って進化するポケモンとトレーナー達の集まりがあるという話を聞いて、もしかしたら“かみなりのいし”を買えるかもしれないと思い、立ち寄る事にしたのだ。

 

「この森を抜ければストンタウンだったよな」

 

 道中、森の中を歩いていたソラタはマップを頼りにストンタウンへの道を進んでいるのだが、ふと近くの木の影に人が立っているのに気が付いた。

 

「ん?」

 

 しかも、その人影は見覚えがあるではないか。艶やかな黒髪をロングストレートにした少女は、以前出会ったソラタにとってのライバルとなる少女。

 

「シズホ?」

「……あら? ソラタさん」

 

 どうやら木の実を採っていたらしいシズホはソラタに気付いてこちらへ歩み寄って来た。

 彼女の足元にはエーフィも居り、エーフィもまた、ソラタの姿を見て軽く頭を下げて来た。

 

「久しぶりだな」

「はい、ソラタさんも」

 

 折角シズホのエーフィがいるので、ソラタもニンフィアをボールから出してやれば、2匹は互いに頭をこすり合わせて挨拶をしている。

 

「ソラタさんはどちらへ?」

「この先にストンタウンって街があるんだけど、進化の石で進化出来るポケモンとトレーナーの集まりがあるんだって、そこに行こうと思ってるんだ」

「進化の石で進化するポケモンとトレーナーの集まり……噂で聞いた事があります」

 

 ストンタウンは進化山と呼ばれる進化の石が沢山採掘される山の麓にある街で、進化の石で進化するポケモンのトレーナーは旅の途中で必ずと言って良いほど多く訪れる街なのだ。

 事実、ソラタもピカチュウを持っているので、“かみなりのいし”を欲している。今すぐ進化させるつもりは無いが、いずれアローラ地方に行った時に進化させようと考えているから、今の内に一つだけ石を所持しておきたかったのだ。

 

「シズホは? 石で進化するポケモンは持ってないの?」

「一応、持ってますけど……メインの子じゃないんですよねぇ。でも、“やみのいし”は欲しいです」

 

 “やみのいし”で進化するポケモンとは、また珍しい。少なくともカントーやジョウトのポケモンではなさそうだが、メインの子ではないという事は、サブパーティーには入れているという事か。

 

「サブのポケモンにって事なら俺も“ほのおのいし”と“みずのいし”が欲しいかな、おつきみやまで“つきのいし”は手に入れてるし」

「ストンタウンで購入出来るんですかね?」

「大丈夫だと思う」

 

 そんな話をしていると、二人の目の前に開けた道が見えて来て、その向こうに街と、進化山と呼ばれる山が見えて来た。

 

「確か、今日が集まりの日って話だな、ガーデンパーティーをしてるらしい」

「行ってみましょうか」

 

 ニンフィアとエーフィをボールに戻して歩き出したソラタとシズホはストンタウンに入る。

 然程大きい街という訳ではないが、小さな町という程ではない街の通りを歩いていると、賑やかな場所が見えて来た。

 

「あれじゃないか?」

 

 通りの突き当りにある大きな屋敷、その庭でガーデンパーティーが開かれている。間違いない、あの庭で行われているのが進化の石で進化するポケモンとトレーナーの集まりだ。

 

「行ってみよう」

「はい」

 

 屋敷の庭に入ってみると、広い庭にテーブルを並べ、その上に料理や進化の石が置かれており、その周囲には多くのトレーナーとポケモンの姿があった。

 ポケモン達も皆、進化の石で進化する、あるいはしたポケモンばかりで、間違いなくこの場所が集まりのパーティーらしい。

 

「って、あれ? サトシ」

「え……ソラタ?」

 

 何と、パーティー会場にサトシと、それから旅の仲間であるタケシ、カスミの姿もあるではないか。

 

「何だ、サトシもこのパーティーに参加してたのか」

「あ、ああ、ちょっと訳ありでな」

 

 何でも、サトシ達は旅の途中で木に繋がれたイーブイを発見し、その首輪に付いているプレートに書かれた住所を見て来たとの事だ。

 

「そのイーブイは?」

「あそこ、トレーナーのタイチと一緒だ」

 

 タイチと呼ばれた少年とイーブイは庭の一角にあるベンチでパーティーの料理を食べているようだ。

 話を聞いて、イーブイは捨てられたのかと思ったがそうではないらしい。何でもタイチの3人の兄がイーブイをどのポケモンに進化させるのかと迫って来ていて、それで困っているのだとか。

 

「へぇ……イーブイの進化ね」

「そうなんだよ、ブースター、シャワーズ、サンダース、どれに進化させるのかってさ」

 

 別にその三匹に限定する必要は無いのではないだろうか。そう思ってしまった。

 

「イーブイの進化先は別に他にもあるんだから、その三匹に限定する必要無いんじゃないか?」

「え? イーブイってブースターやシャワーズ、サンダース以外にも進化するのか?」

「ああ」

 

 すると、サトシとソラタの話を聞いてタケシやカスミだけでなくタイチ、それにタイチの兄であるライゾウ、アツシ、ミズキも集まって来た。

 

「おいおい君、イーブイの進化先が他にあるだなんて出鱈目はよしてくれ、タイチが変に期待してしまうじゃないか」

「出鱈目って……お兄さん方はカントーしか旅した事が無いんですか?」

「む? まぁそうだが……」

「彼の仰っている事は本当ですよ」

 

 すると、庭の入口から声が聞こえて来た。そこには、綺麗な和服を纏った一人の女性が、クサイハナを連れて立っている。

 

「あれは、エリカさん!?」

「お久しぶりですわね、ソラタさん、シズホさん、サトシさん」

 

 そう、そこに居たのはタマムシジムのジムリーダー、エリカだった。

 

「エリカさん、今日はお越しになられたんですね」

「ええ、リーフのいしを購入しに」

 

 ライゾウに話しかけられ、エリカが答えると、エリカはタイチが抱っこしているイーブイに目を向けて優しく微笑む。

 

「イーブイの進化系は確かにカントーではブースター、シャワーズ、サンダースの3体が一般的ですわ。当然、カントーのトレーナーなら、イーブイをゲットして進化させるのはその何れか……ですが、私と、ソラタさん、それにシズホさんは嘗てはイーブイのトレーナーで、今はそれぞれ別々の進化先に進化させております」

 

 そこでエリカとソラタ、それにシズホはそれぞれモンスターボールを取り出して、そこに入ったポケモンを出すことになった。

 

「出てらっしゃい、リーフィア」

「出てこい、ニンフィア」

「出てきて、エーフィ」

 

 エリカが出したのは草タイプのリーフィア、ソラタはフェアリータイプのニンフィア、シズホはエスパータイプのエーフィ、ライゾウ、ミズキ、アツシのサンダース、シャワーズ、ブースターに並び、イーブイの進化系が更に並んだ。

 

「草タイプのリーフィア、エスパータイプのエーフィ、フェアリータイプのニンフィア、この場には居ませんが他にも悪タイプのブラッキーに氷タイプのグレイシアがおりますわ」

「グレイシアだったらシンオウ地方のチャンピオンのシロナさんの手持ちに居るな」

「ブラッキーはジョウト地方の四天王カリンさんの手持ちに居ますよ」

 

 カントーでは中々知られていないイーブイの進化系、炎、水、電気以外にも居た事が驚きなのか、ライゾウ達も、サトシ達も随分と驚いているようだ。

 

「そ、ソラタのイーブイだよな? 昔からソラタの家に居たあの……」

「ああ、今は進化してニンフィアだけどな」

「フィア!」

 

 ニンフィアもサトシを覚えているのか、頭を撫でる手に頬を摺り寄せて元気な返事を返している。

 

「このニンフィアは、あの時のイーブイなのか」

「ええ、タケシさんのイワークと戦ったあのイーブイです」

 

 そう言えばニビジムでイワーク相手にイーブイを使った事を思い出した。

 

「そうかニンフィアはイーブイの進化系だったのか」

「ええ、最初からニンフィアに進化させるつもりで育成してましたので」

 

 ポケモンブリーダーを目指すタケシはニンフィアを見て、よく育てられていると褒めてくれた。

 ブリーダー目線から褒められるのは、中々嬉しいものだ。

 

「な、なぁ、あんた達のイーブイは何の石を使って進化させたんだ?」

 

 すると、ミズキがソラタ達にイーブイを進化させるのに使った石を聞いてきた。とは言え、エリカのリーフィアはともかく、ソラタとシズホは石を使った進化ではない。

 

「私のリーフィアは“リーフのいし”ですわ」

「私のエーフィは石を使ってませんよ」

「俺のニンフィアもな」

 

 エーフィとニンフィアは特定の条件下での進化なのであって、進化の石を使っての進化ではない。

 

「タイチ君、君のイーブイはまだまだ可能性がある。ブースター、サンダース、シャワーズに限らず、他のポケモンへの進化の可能性も十分ある。まだまだこれから先は長いんだ、どんなポケモンに進化させるのかは、ゆっくり決めると良いんじゃないかな」

 

 勿論、イーブイから進化させないという選択肢もある。イーブイのトレーナーは将来、イーブイをどうするのか、それは自由な意思の下に悩み抜いた末に決めるべきなのだ。




次回は、ソラタは初遭遇の三人組が登場
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