ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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コロナ陽性になって寝込んでました


第35話 「ライバルとの再戦!」

ポケットモンスター

転生したのは始めに旅立った子供

 

第35話

「ライバルとの再戦!」

 

 ポケモンリーグに出場する為、旅を続けるソラタは、7つ目のジムがあるグレンタウンを目指して旅をしていたのだが、その途中で立ち寄った街、ストンタウンでのパーティーと騒動が終わった後、幼馴染のサトシ一行やタマムシジムのジムリーダーエリカと別れ、ストンタウンのポケモンセンターに一泊していた。

 ソラタだけでなく、ソラタのライバルであるシズホも同じく一泊しており、その日の夕食の席で、二人はパーティーで購入した石について話し合いをしている所だ。

 

「シズホは“やみのいし”を使うポケモンはサブの子って言ってたよな?」

「ええ、なので必要に迫られている訳ではないのですが、あって良かったです」

 

 パーティーでソラタとシズホはライゾウからそれぞれソラタが“ほのおのいし”と“みずのいし”を、シズホが“やみのいし”を購入していた。

 その中でもシズホが購入した“やみのいし”は在庫があるか疑問だったものの、どのポケモンに使うのか判らないとの事で、採掘されても持て余していたらしく、在庫が沢山あって購入する事が出来たのだ。

 

「“やみのいし”で進化出来るポケモンって言ったらヤミカラスにムウマ、ニダンギル、ランプラーか……」

「やはり、使うポケモンの種類が少ないから判りますよね」

「まぁ、当然だわな」

 

 “やみのいし”自体がマイナーな石であるというのもあり、使用して進化するポケモンも現在確認されている数が少ない。

 その中でもヤミカラスの進化系、ドンカラスはソラタの母であるアオノの手持ちのポケモンだったので、よく知っている。

 幼い頃は両親のポケモン達が遊び相手になってくれたので、ドンカラスは実はソラタにとって身近なポケモンだったのだ。

 

「私も父の手持ちにムウマージが居ましたね」

「へぇ、中々良いポケモンを手持ちに入れてたんだな」

 

 話をしながら夕食を食べ終えた二人はロビーの椅子に座り、モンスターボールから出したニンフィアとエーフィをブラッシングを始めた。

 しかも今回は気分を変える為という事でソラタがエーフィの、シズホがニンフィアのブラッシングを担当する事になった。

 

「毛並みが良いなエーフィ、大事に手入れしてるのがよく判るぞ」

「フィ~♪」

 

 ソラタのブラッシングがお気に召したのか、膝の上で伸びをしながら心地良さそうにエーフィが頬を摺り寄せて来た。

 隣ではニンフィアも同じ様にシズホの膝の上に座り、笑みを浮かべながらブラッシングされている。

 

「ニンフィアも良い毛並みです。それに、微かにポケコロンですかね? の香りもします」

「フィア♪」

「ああ、それはニンフィアがお気に入りの香りでな、前にタマムシシティでニンフィアにおねだりされて買ったコロンなんだよ」

 

 ポケコロンとはポケモン用のコロンで、ポケモンに無害な香水という事でタマムシシティのタマムシジムが全国販売している商品だ。

 そんな話をしていると、エーフィも気になったのかニンフィアに鼻を寄せて香りを嗅いでいるではないか。

 

「エーフィ」

「フィア?」

「フィフィ!」

「フィア~♪」

 

 互いの膝の上でエーフィもニンフィアも仲良さそうだ。聞いた所によるとエーフィは♂らしく、♀のニンフィアと仲が良いというのも成程と思ってしまったが、兄貴分のソラタとしては可愛い妹に彼氏が!? という気分にもなってしまう。

 

「そうだ、ソラタさん……いつぞやの再戦、しませんか?」

「……ああ、あの時の」

 

 再戦と言われて思い出すのは、シズホと初めて出会った時に行ったバトル、ソラタが初めて同年代と引き分けたあのバトル事だ。

 あの日から、あの引き分けた時からソラタとシズホは互いをライバルだと認定し、いつか再びバトルをしたいと考えていた。

 

「良いな、やろうか」

「折角ですし、これから」

 

 ポケモンセンターのバトルフィールドはナイトバトルにも対応する為にライトアップもされているから夜でも使用可能だ。

 早速ソラタとシズホはバトルフィールドの使用許可をジョーイさんに貰ってからフィールドに出て、観戦するつもりのニンフィアとエーフィを観客席に置いてバトルフィールドに立つ。

 

「使用ポケモンは2体で良いですね?」

「ああ」

「では……」

 

 互いにモンスターボールを構える。前回はリザードとマグマラシのバトルだったが、今回はどうなるのか……。

 

「行くぞ、キレイハナ!!」

「行きますよ、ストライク!!」

 

 ソラタはキレイハナを、シズホはストライクを出して対峙する。相性で言えばソラタのキレイハナが不利だが、ポケモンバトルは相性の差だけで決まるものではない。

 

「先手必勝です! ストライク、“つばめがえし”!!」

「受け止めろキレイハナ! “いあいぎり”だ!!」

 

 ストライクの鎌による一撃を避けたキレイハナは返す刀で振り上げられたソレに対して白いエネルギーの刃と化した手刀で受け止める。

 体格差があり、受け止めたキレイハナが若干押されるが、それでも確かに“つばめがえし”を受け止めたキレイハナは既に次の動作へと繋げる準備は整っていた。

 

「“リーフストーム”!!」

「っ! ハナァアア!!」

 

 効果今一つとは言え、至近距離から“リーフストーム”を受けたストライクは踏ん張りきれず吹き飛ばされてしまった。

 ストライクとの距離が取れたキレイハナは今がチャンスとソラタの方を振り返る。ソラタもキレイハナに頷き返して次の指示を出した。

 

「“ちょうのまい”だ!」

「っ!? ストライク! “つるぎのまい”です!」

 

 シズホも同じ様にストライクのステータスアップを狙ってきた。ならば取れる手段は一つだ。

 

「行くぞキレイハナ!! 先ずは“グラスフィールド”!」

「ハナッ!」

「続いて“いあいぎり”!!」

 

 飛行タイプを持つストライクは“グラスフィールド”による回復の恩恵を受けられない。キレイハナだけがダメージを受けても回復しつつ殴れる状況を作り、再度“いあいぎり”で斬り掛かった。

 

「“かげぶんしん”です」

 

 だが、シズホとストライクも負けていない。斬り掛かって来たキレイハナに対して“かげぶんしん”で回避、分身でキレイハナを囲って逃げ場を塞ぐ。

 

「“シザークロス”!」

「ストライッ!!」

「後ろだ!! “いあいぎり”で受け止めろ!」

 

 背後から振り下ろしてきたストライクの鎌を、キレイハナは振り向きざまに“いあいぎり”で受け止めたが、残念ながらストライクの鎌はもう一つある。

 横から振り抜かれた鎌がキレイハナに直撃して、今度はキレイハナが吹き飛ばされてしまった。

 

「今です! “つばめがえし”!!」

「キレイハナ!」

 

 吹き飛んだキレイハナを追うようにストライクが鎌を構えてキレイハナに迫る。

 対して“グラスフィールド”の効果で少しずつ回復しながらキレイハナは冷静にストライクを見つめ、頭の花を向けた。

 

「っ! 中止です! “かげぶんしん”!!」

「“リーフストーム”!!」

 

 “リーフストーム”が放たれるのとストライクが分身するのは同時だった。同時だったからこそ、分身は全て“リーフストーム”に飲み込まれ、間一髪逃れたストライクが鎌を構えてキレイハナに突っ込む。

 

「“つばめがえし”!」

「“いあいぎり”!」

 

 それは、一瞬の交差だった。ストライクの“つばめがえし”とキレイハナの“いあいぎり”が交差して、互いの立ち位置が入れ替わり互いに背を向け合う。

 そして、ストライクがバランスを崩して倒れそうになるも、何とか地面に鎌を刺して耐えたのに対し、キレイハナもその場でバランスを崩して倒れてしまった。

 

「キレイハナ……戻れ」

 

 戦闘不能になったキレイハナをボールに戻すソラタは、同じく限界のストライクをボールに戻したシズホと視線を合わせた。

 これで1敗、次のポケモンとのバトルで勝てば引き分けという所か。

 

「次はお前だ! 行けギャラドス!」

「行きますよ、キングドラ!」

 

 シズホの2番手はシードラの進化系、ドラゴンポケモンのキングドラだった。相性で言えば五分五分だが、キングドラは普通のドラゴンタイプのポケモンのような氷タイプの技が弱点という事が無い分、攻めるのが難しいポケモンだろう。

 

「「“ハイドロポンプ”!!」」

 

 二つの“ハイドロポンプ”がぶつかり合って中央で弾けた。技の威力は互角、ならば後はトレーナーの腕次第だ。

 

「キングドラ! “れいとうビーム”!」

「回避して“りゅうのはどう”!!」

 

 キングドラが放った“れいとうビーム”を回避したギャラドスが“りゅうのはどう”を放ったが、元々素早さの高いキングドラは余裕で回避する。

 その隙に反撃しようとしていたがソラタの目から見てキングドラの動きがいまいち悪い。なのでそこを突かせて貰う事にした。

 

「“ぼうふう”」

 

 キングドラが再び“れいとうビーム”を撃ってきたので、今度は回避ではなく“ぼうふう”による竜巻を起こしてビームを掻き消した。

 それどころか竜巻に巻き込まれたキングドラが天高く上空まで巻き上げられてシズホも絶句する。

 

「登れギャラドス!」

 

 ソラタはギャラドスに“ぼうふう”による竜巻を登るよう指示を出し、一気にキングドラへと接近させた。

 

「キングドラ! “ラスターカノン”!」

「止まるなギャラドス! “げきりん”!!」

 

 登りながら、ギャラドスの瞳から理性の色が消えた。“げきりん”により大暴れしながら竜巻を登ったギャラドスはキングドラに追い付くと我武者羅に攻撃を開始した。

 ドラゴンタイプの技の中でも最強クラスの威力を持つ“げきりん”はキングドラに効果抜群の大ダメージを与えて、地面に叩き落とした時点で戦闘不能にした。

 

「キングドラ……」

「シズホのキングドラ、進化したばかりか?」

「ええ……最近進化したばかりで、まだ調整中だったのですが、甘かったですね」

 

 これで引き分けとなった。ライバル対決は、今回も引き分けで終わりを迎えた。

 ソラタとシズホ、互角の実力を持つ二人の対決は、またしても引き分けによって決着とはならない。

 

「次は、ポケモンリーグで、だな」

「はい、私たちの決着はポケモンリーグの舞台で」

 

 きっと、それが相応しいのだろう。同じ実力を持つライバルの対決はポケモンリーグの大きな舞台こそが相応しい。

 ニンフィアとエーフィが見守る中、ソラタとシズホは握手をしながら、リーグでの対決を誓い合いながら、その日に向けて闘志を漲らせるのだった。




次回はシズホと別れて再びグレンタウン向けて旅です。
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