ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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第3話 「ニビジム目指して、トキワの森で修行!」

ポケットモンスター

転生したのは始めに旅立った子供

 

第3話

「ニビジム目指して、トキワの森で修行!」

 

 トキワシティのポケモンセンターでヒトカゲとイーブイを回復し、ゲットしたコラッタ、オニスズメをオーキド研究所へ転送したソラタは、野宿をしながらトキワの森を歩いていた。

 トキワの森に来るまでにニドラン♂とニドラン♀、マンキーをゲットして順調に捕獲数を増やしながら先へ進んでいたのだが、トキワの森で少しの間ソラタの進みは遅くなる。

 キャタピーにビードルをゲットした後、ソラタが行っているのはヒトカゲとイーブイの修行とピカチュウの捜索だった。

 将来的に目指すパーティーにピカチュウは必須だと考えており、トキワの森に生息しているのは知っていたから、この森に居る間にゲットしておきたかったのだ。

 それから、平行して行っているイーブイとヒトカゲの修行、特にヒトカゲは次のニビジムでは不利なのは明白で、対抗策として“メタルクロー”を習得させる為の修行をしている。

 

「よし! イーブイ、“つぶらなひとみ”! ヒトカゲ、“メタルクロー”!」

 

 現在、イーブイに“つぶらなひとみ”、ヒトカゲに“メタルクロー”を覚えさせる修行中のソラタ、イーブイはゲットしたばかりのキャタピーを相手に“つぶらなひとみ”を使用、今のところ成功率は4割といった所だ。

 ヒトカゲは近場の岩に向かって“ひっかく”の要領で“メタルクロー”の練習中だ。“ひっかく”を“メタルクロー”に昇華させようとしてるのだろう。

 

「ピジョー!」

「お」

 

 暫く2匹の練習に付き合っていると、ピカチュウの捜索をさせていたポケモン、トキワの森に入って直ぐにポッポから進化したピジョンが戻ってきた。

 ソラタ達の上を旋回しているのは見つけたという合図だ。

 

「案内してくれ」

「ピジョ!」

 

 ヒトカゲ達をモンスターボールに戻してピジョンを追うと、暫く走った所に野生のピカチュウがきのみを食べているのを見つけた。

 尻尾の先端がハートマークの様に二股になっているのは雌のピカチュウであるという証。別に性別に拘ってはいないので、早速ゲットする為にヒトカゲが入ったモンスターボールを投げる。

 

「行けヒトカゲ! “ひのこ”!!」

 

 モンスターボールから出て直ぐに、ヒトカゲの尻尾から“ひのこ”が飛んでピカチュウに直撃する。きのみを食べていたピカチュウは驚き、そして直ぐに威嚇の為に頬に電気を走らせた。

 

「来るぞ! “りゅうのいぶき”!!」

 

 修行中に新しく覚えた“りゅうのいぶき”を口から放ったヒトカゲ、それに対してピカチュウも“でんきショック”で対抗してきた。

 “りゅうのいぶき”と“でんきショック”がぶつかり、2匹の間で爆発を起こして煙が充満する。視界を奪われてピカチュウが困惑する中、ヒトカゲが冷静にソラタの指示を待っている。

 

「真っ直ぐ走れ! その先で“メタルクロー”!」

 

 煙の中をヒトカゲが走り、漸く成功率8割を超えたばかりの“メタルクロー”を発動、鋼鉄と化した爪を構えて煙を抜けるとピカチュウ目掛けて鋼鉄の爪を振り下ろす。

 

「ピカ!」

 

 だが、そこで予想外の事が起きた。野生のピカチュウは己の尻尾を金属のように硬化させて、ヒトカゲの“メタルクロー”を受け止めたのだ。

 

「“アイアンテール”だと!? 野生のピカチュウがまさか!?」

 

 それだけではない。今度はピカチュウがジャンプして尻尾を下に向けると、回転しながら地面に突っ込み、穴を開けて潜ってしまった。

 

「不味い! “あなをほる”か!?」

 

 地面タイプの技は炎タイプのヒトカゲに効果抜群、どこから来るのか判らないピカチュウにヒトカゲがキョロキョロしていると、その隙に地面から飛び出したピカチュウの当て身が直撃した。

 

「カゲェ!?」

 

 不味い、“あなをほる”が直撃した事でヒトカゲの体力が大きく削られてしまった。まだ戦える事は間違い無いが、長期戦になると負ける。

 

「一気に決めるしか無い……ヒトカゲ! “えんまく”!」

「カァゲェ!!」

 

 ヒトカゲが口から“えんまく”を吐き出し、黒い煙に辺りが包まれた。再び視界を閉ざされたピカチュウは出鱈目に“でんきショック”を放つも、ヒトカゲには当たらない。

 

「走り回れ! 走りながら“りゅうのいぶき”!!」

 

 幸いにも“でんきショック”のお陰でピカチュウの位置は割れている。ヒトカゲは煙幕の中を走り、ピカチュウが完全にヒトカゲの気配を見失った所で“りゅうのいぶき”を放った。

 

「ピカァアア!?」

 

 直撃した。今がチャンスだと思い、ソラタは腰から取り出した空のモンスターボールをピカチュウが居るであろう場所目掛けて投げつけた。

 

「行け! モンスターボール!!」

 

 モンスターボールを投げた先で、ボールが開く音と、ポケモンがボールに収まる音が聞こえた。

 そして、次第に煙幕が消えると、ピカチュウが居た場所にはモンスターボールが地面に転がっており、ピカチュウの姿は無くなっている。

 

「……出てこい」

 

 モンスターボールを拾って、中からポケモンを出してみれば、先ほど戦ったピカチュウが出てきて、クシクシと顔を両手で洗っている愛らしい姿が。

 

「ピカ?」

「……っし!!!」

 

 リーグ挑戦の為のベストメンバーとして想定していた一匹をゲット出来た事に喜び、渾身のガッツポーズ。

 これで、ベストメンバーとして想定しているポケモンは残り3匹、このまま順調にゲットしていきたいものだ。

 

「しかし、野生の時点でアイアンテールを覚えているってのは運が良いな」

 

 普通はあり得ない。だが、今こうして頭を撫でてみても嫌がる素振りを見せないという事は人間を嫌っている様子は無さそうだ。それはつまり、人間にゲットされ、捨てられたポケモンではないという事。

 このピカチュウは野生でありながら、アイアンテールを自力で覚えたという証拠であり、即ち潜在能力が高いという事だ。

 

「とりあえずピカチュウをゲットした事だし、キャタピーとビードルを進化させながら進むか」

 

 ヒトカゲの“メタルクロー”は間もなく完成する。イーブイの“つぶらなひとみ”も、もう少し練習すれば確実に覚えられるだろう。

 

「いっそ、ピジョンに“はがねのつばさ”でも……あ~でもなぁ」

 

 ピジョンは、その進化先であるピジョットは現時点でサブメンバー候補だ。今覚えさせている技は“つばさでうつ”、“でんこうせっか”、“かぜおこし”、“はねやすめ”の4つ、“つばさでうつ”を“はがねのつばさ”に昇華させる事も考えたが、どうしたものかと悩む。

 ヒトカゲの“メタルクロー”はニビジム対策に覚えさせているだけなので、いずれ別の技を仕込む予定だから、将来的に鋼タイプの技を覚えているのはピカチュウとピジョットだけになってしまう。

 しかし、あくまでピジョットはサブメンバー候補なので、メインメンバーではピカチュウだけだ。

 

「いや、あいつをゲット出来れば“メタルクロー”を仕込むか? いやでも“かわらわり”も……“ドラゴンクロー”の方が良いか? だけど、氷タイプやフェアリータイプ対策なら“メタルクロー”だよなぁ」

 

 先の事を考えながら野生のポケモンと出会ってはヒトカゲの“メタルクロー”とイーブイの“つぶらなひとみ”を完成させ、他のポケモン達も育てつつ歩いていると、キャタピーがバタフリーに、ビードルがスピアーに進化する頃にはトキワの森も終わりに近づいていた。

 道中、甲冑を着た虫取り少年がバトルを挑んできて、クワガタポケモンのカイロスを出して来たが、ヒトカゲで返り討ち、次に出て来たトランセルもイーブイで蹴散らした。

 

「ラッキー、ヒトカゲの“ひのこ”が“かえんほうしゃ”に昇華したわ」

 

 先ほどの虫取り少年のカイロスとのバトルでヒトカゲは“かえんほうしゃ”を取得した。代わりに“ひのこ”の使用頻度が激減してしまったが、問題無い。寧ろ“かえんほうしゃ”を覚えたのなら“ひのこ”は最早不要の技だ。

 

「さて、あれがトキワの森の出口か」

 

 森の出口の向こうには街が見える。あれが、ニビシティ……カントーリーグ最初のジム、ニビジムが存在する、マサラタウン出身トレーナーにとって最初の関門。

 

「突破して見せるさ……母さんに誓ったチャンピオンになる夢、叶える為にも最初から躓く訳にはいかないからな」

 

 対策はバッチリ行って来た。だが先ずはトキワの森での修行で疲れているだろうポケモン達を休ませるのが先だ。

 トキワの森を出て、ニビシティを視界に入れたソラタは、ニビシティのポケモンセンターに向かって歩き出した。




次回はムノーさんに少し用事、そのあと直ぐにニビジムでタケシ戦です。
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