ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

45 / 101
オーキド研究所での一幕


第44話 「幼馴染達」

ポケットモンスター

転生したのは始めに旅立った子供

 

第44話

「幼馴染達」

 

 ポケモンリーグに出場する為、旅を続けるソラタは遂にジムバッジを8個ゲットし、ポケモンリーグ出場資格を得る。

 2か月後に開催されるポケモンリーグに備えて一度、故郷であるマサラタウンに帰ってきたソラタは母との再会後、オーキド博士に呼ばれて研究所へ向かっていた。

 

「こんにちはー」

 

 オーキド研究所の玄関前でインターフォンを鳴らして声を掛けたソラタは、暫く待っていると中から足音が聞こえて来る。

 そして、ドアが開かれて中から懐かしのオーキド博士が出て来た。

 

「おお! ソラタ! 久しぶりじゃのぅ」

「はい! オーキド博士、お久しぶりです。クチバシティでお会いして以来ですね」

 

 電話では何度か話をしていたが、直接会うのはクチバシティ以来だ。

 

「実はサトシとシゲルも来ておる。会って行くと良い」

「そうですか、なら是非」

 

 オーキド博士に案内されて研究所の応接室に入ると、そこにはシゲル、サトシ、タケシ、カスミの姿があった。

 道中、博士からサトシとシゲルもジムバッジを8個以上ゲットしてソラタと同様にポケモンリーグ出場資格を得ているという話も聞いているので、これで同じ日にマサラタウンを旅立った幼馴染はトワコ以外全員がポケモンリーグ出場資格を持って集まった事になる。

 

「ソラタ! 久しぶり!」

「ああ、サトシも元気そうだな。シゲルも、久しぶり」

「ああ久しぶりだねソラタ、僕より早く出発してた君が一番最後だなんて、随分とのんびりしていたんだね」

「まぁ、ジム戦前は納得行くまでポケモンを育ててから挑戦してたから、その分やっぱり遅くなるよなぁ」

 

 特にフカマル、フカマルの育成に時間が掛かったのは否めない。結局、ガブリアスに進化は出来なかったが、ガバイトには進化出来たので、後は2ヶ月後のリーグ開催までにガブリアスに進化出来るかどうかだ。

 それから、タケシやカスミにも挨拶をして、オーキド博士の隣に腰かけると、さわがにポケモンのクラブが人数分のお茶を乗せたトレーを持って来る。

 

「ほい、ご苦労さん」

「クラブ久しぶりー、元気してたか?」

「キコキコ」

 

 どうやらサトシのクラブだったらしく、久しぶりに会うのかサトシもクラブも嬉しそうだ。

 

「ここから旅立った4人の内、バッジを8個以上集めて戻って来たのはシゲルとサトシとソラタの3人だけじゃな」

「え? って事はトワコは……」

「トワコは残念ながら途中でマサラタウンに帰って来た。今は自宅で引き籠っておるようじゃな」

 

 サトシがこの場に居ないもう一人の幼馴染の事を聞けば、オーキド博士はあまり話題にしようとせず、今は引き籠っていると言葉を濁して別の話題に切り替えた。

 

「シゲルのバッジは10個、サトシとソラタのバッジは8個、みんなよく頑張ったな」

「ありがとう博士」

「ありがとうございます」

 

 これで3人ともリーグに出場が叶ったと、その3人の内の1人が自身の孫であるという事もあって、オーキド博士も嬉しそうだ。

 

「ところで、ポケモンリーグってどこでやるんだ?」

「サトシ……お前なぁ」

「はぁ、流石はサ~トシ君、呆れるよ」

 

 ポケモンリーグ出場資格を得たのに、肝心の会場の場所を知らないとは、何とも言えない。

 ソラタから教えても良いのだが、そこは説明したそうにしているオーキド博士に譲る事にした。

 

「場所はセキエイ高原、日時は今から2か月後、参加選手は200人を超える筈じゃ」

「サトシ達の他にもニビジムを攻略していったトレーナーは数多く居た。それだけじゃない、バッジを集めるのに時間が掛かって漸く集め終わったトレーナーも居る」

「他にもポケモンゼミナールの上級クラス卒業者やポケモントレーナー認定試験合格者などの出場枠もあるのよ」

 

 オーキド博士の説明に、タケシとカスミも補足してくれた。

 

「3人とも、2か月後に備えてしっかりトレーニングに励むんじゃぞ」

「そうだね、特にサ~トシ君には今までの倍の倍の倍以上に頑張って貰わないと」

「何ぃ!?」

「同じ幼馴染として、出場するからには僕やソラタと同じレベルになって貰わないとね」

 

 シゲル曰く、サトシはジムバッジ8個ゲットしたものの、まだまだシゲルやソラタには実力で及ばないとの事。

 

「サトシ、君はさっきクラブに久しぶりって言ったよね?」

「それがどうした?」

「こういう事さ」

 

 すると、シゲルは腰からモンスターボールを取り出して自分のクラブを出した。しかもサトシのクラブの横に並ぶ形で、すると明らかにシゲルのクラブの方が大きく、育てられているのが一目瞭然の見た目だった。

 

「で、でかぁい……」

「全然違うな……」

 

 カスミとタケシもサトシのクラブと比べてシゲルのクラブが明らかに格上なのが見て判ったのか、感心している様子。

 二人ともジムリーダー資格を保有しているトレーナーだけあって、サトシよりもポケモンを見る目は確実に上、その二人から見ても明らかだった。

 

「僕は定期的に手持ちのポケモンを入れ替えてバトルをしているのさ。全てのポケモンを強く育てるのが、真のトレーナーだと思うからね」

「うっ……」

「ある意味正論だな」

 

 サトシが何も言えなくなり、タケシがシゲルの持論に同意してしまう。ソラタもシゲルの持論は間違ってはいないとある程度の理解を示して頷いている。

 

「ところが君はクラブを育ててない事がさっきの一言でモロバレ、いつも使っているポケモンでしかバトルして来なかったんだろう?」

「ピンポーン! 大正解!」

 

 いつも通り、シゲルはサトシを挑発している。これでシゲルがサトシをライバル視していると知っている者以外誰が信じるだろうか。

 

「因みにシゲル、俺も他のポケモンは育成してはいるけど、ジム戦は基本的にいつものメンバーだぞ?」

「でも育ててない訳ではないんだろう? ならサトシとは違うさ」

「まぁ、確かに」

「今ソラタが言ったジム戦、これを例に挙げようか。ジムリーダーによって得意とするポケモンのタイプは異なるけど、僕は事前にチェックして有利なポケモンに交換しておくのさ」

 

 成程、シゲルのやり方はセオリー通り、実に堅実なやり方でジム戦を攻略していたらしい。

 そこで、元ジムリーダーのタケシがシゲルとソラタに質問をする。

 

「じゃあ、岩系ポケモンが相手の時、今ならどんなポケモンで挑戦する?」

「基本的には水タイプだね。でも通なら草タイプも用意しておきたいね」

「同じだな、水タイプに草タイプ、後は鋼タイプや格闘タイプを用意するか、もしくは鋼タイプの技か格闘タイプの技を覚えさせて挑む」

 

 事実、ソラタもニビジムでは鋼タイプの技と格闘タイプの技を覚えさせて挑んでいる。タケシもそれを知っているから納得だと頷いた。

 

「それでサトシ君は?」

「ピカチュウを使った」

 

 何故かカスミが答えたが、それを聞いてシゲルは更にサトシを煽るような表情を浮かべる。

 

「ほら、岩系を相手に電気系なんて素人以下だ」

「う~ん……そこはシゲルに同意出来ないかな」

「え?」

 

 シゲルの言葉にソラタが同意しなかった事で、シゲルが何故? とばかりにこちらを振り向く。

 

「さっきも言ったけど、俺は水タイプや草タイプを用意する以外に鋼タイプや格闘タイプの技を覚えさせるって言っただろう? ピカチュウは俺も持ってるけど、もしピカチュウでニビジムに挑むならピカチュウには“アイアンテール”をメインで使わせる。電気タイプだからって、素直に電気技しか覚えさせてない方が問題だからな」

「成程、そういう考え方もあるのか」

「うっ」

「で、サトシ……前にピカチュウに“アイアンテール”を覚えさせておくと良いって言った覚えがあるんだけど、覚えさせたのか?」

「……」

 

 沈黙が答えだった。

 

「あのなぁサトシ、せめて人の忠告というか、助言くらいはちゃんと受け入れような? 折角良いピカチュウを持ってるんだから、そのピカチュウを最大限活かせる育て方をしよう? 確かに電気タイプだから電気技をって思うかもしれないけど、苦手なタイプが相手でも戦えるように育てるのは基本、ではないけど、サトシくらいのレベルになればやって当然だ。ジムリーダーだって苦手なタイプに対する対策くらいはしているぞ」

「だな、俺もイシツブテには“ほのおのパンチ”や“かみなりパンチ”を覚えさせている」

「アタシもスターミーに“れいとうビーム”とか覚えさせてるわね」

 

 実際のジムリーダー資格保有者にまで言われてはサトシもぐうの音も出ないようだ。

 

「で、でも実際にジムバッジはゲット出来たんだし、それで良いだろ?」

「今はな、結果的にジムバッジをゲット出来たとしても、これからポケモンリーグを控えている以上、今までと同じでは勝ち抜く事なんて出来ないぞ? 相手は殆どが同じジムバッジを8個以上ゲットして参加する凄腕達ばかりなんだから」

 

 そう、ポケモンリーグは今までとは違う。ジムリーダーみたいに決まったタイプで来るわけではないし、そもそも殆どの選手がサトシ達と同じでジムバッジを集めて参加する猛者ばかりなのだ。

 漠然と、ポケモンリーグも今までと同じ勢いで何とかなると思っていたサトシは、ここに来て現実を叩き付けられたのか、途端に勢いを失い始めた。

 

「2か月だ。サトシ」

「え?」

「2か月あればお前の事だ、何もしないで遊んでいるなんて事は無いだろう? なら2か月、ポケモン達を更に育成して、リーグに備えるんだ」

「ソラタ……」

「自信を持てサトシ、少なくともお前はジムバッジ8個をゲットしたトレーナーなんだ。トレーナーとしてのポテンシャルは十分ある」

「……ああ! ありがとうソラタ! 俺、頑張るよ!」

 

 何とかサトシのメンタルが回復した所で、サトシとシゲル、それからソラタの図鑑をパソコンに繋げて何かを調べていたオーキド博士が調べ終えたのか3人の図鑑を持って来た。

 

「そうだおじい様、みんなに僕のゲットしたポケモン達を見せてあげてよ」

「おお! そうじゃな、ならば案内しよう」

 

 何でもオーキド博士が調べていたのは3人のポケモンと出会った数やゲットした数らしく、出会ったポケモンの数はサトシがダントツ、ゲットした数ではシゲルがダントツなのだとか。

 そこで、シゲルは皆にゲットしたポケモンを見せたいという事で、研究所の案内がてら全員で移動する事となった。




次回はソラタ再びムコニャと出会う。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。