ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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第49話 「3回戦」

ポケットモンスター

転生したのは始めに旅立った子供

 

第49話

「3回戦」

 

 ついに始まったポケモンリーグ・セキエイ大会、その第一回戦に臨んだソラタはニドクイン一体で見事勝利を納めて2回戦進出を果たした。

 そしてその2回戦、草のフィールドで行われているソラタの試合はソラタがピジョット一体で相手のポケモンを2体まで倒して、残り一体との戦いも大詰め。

 相手の最後のポケモンは同じ飛行タイプのオニドリル、奇しくも草のフィールドでありながら空中バトルでの決着となる。

 

「オニドリル! “ドリルくちばし”だ!」

「オーニィイ!!」

「“でんこうせっか”でかわせ!!」

 

 対戦相手である青年が“ドリルくちばし”を指示すると、オニドリルが回転しながら長い嘴で突っ込んで来る。それに対し、ピジョットは“でんこうせっか”による素早い飛行で回避、オニドリルの頭上を取った。

 

「今だ、ピジョット! “ブレイブバード”!!」

「ピィジョットォオオ!!!」

 

 オニドリルの頭上から青いオーラを纏った“ブレイブバード”で突っ込んだピジョットは、そのままオニドリルの背中へ“ブレイブバード”を直撃させて地面へ叩き落とす。

 地面に落ちて土煙に消えたオニドリル、その土煙が晴れると小さなクレーターの中で目を回して倒れていた。

 

「オニドリル、戦闘不能! よってこの試合、ソラタ選手の勝ち!!」

『試合終了! ソラタ選手、1回戦に続き使用ポケモン一体のみで2回戦も見事勝利! 3回戦への進出を決めました!!』

 

 2回戦に勝利したソラタはピジョットをモンスターボールに戻してフィールドを後にしようしたが、ふと観客席にシズホの姿を発見した。

 先に水のフィールドで2回戦に勝利し、3回戦へ進出を決めていたシズホはソラタの試合を観に来ていたらしい。

 シズホが小さく手を振っていたので、ソラタもVサインを返すと、彼女は少し照れたのか頬を少しだけ染めて苦笑する。

 

「あはは……」

 

 流石に彼氏彼女みたいなやり取りは不味かったかなと、ソラタも照れながら今度こそフィールドを去ると、直ぐに3回戦の試合会場を決めるための抽選会場へ向かう。

 抽選会場にて、3回戦のフィールドは水のフィールド第2試合、時間は午前10時からと説明を受け、対戦相手はセキチクシティ出身のツキミという女性トレーナーだと教えて貰った。

 

「水のフィールドか……」

 

 水フィールドならスターミーとギャラドス、そしてピカチュウが妥当だろうと思い、手持ちに居るピジョットとウインディを、オーキド研究所に預けたギャラドスとスターミーに交換してから選手村へと戻る。

 

「サトシとシゲルも順調に3回戦に進んだみたいだし、今のところ知り合いで脱落者は居ないらしいな」

 

 仕入れておいた他の選手の情報をチェックしながら歩いていたソラタは、現在残っている選手の中にサトシ、シゲル、シズホの名前を確認し、知り合いが順調に勝ち進んでいる事に安堵した。

 だが、ソラタの覚えている限りだとこの後、シゲルは4回戦で、サトシは5回戦で敗北するのがアニメでの内容だが、ソラタというイレギュラーの存在でどこまで未来が変わるのかは不明、なのであまりその辺の知識は当てにしない方が良い。

 

「後は、シズホといつ当たるかだな……出来れば6回戦以降のフルバトルで戦いたい」

 

 欲を言うなら決勝戦で、というのは贅沢か。どこかできっとぶつかるだろう。その時が来るのを楽しみにしつつ、一つ一つの試合で油断しないようにしっかり勝ち進めば良いのだ。

 

 

 翌日、宿泊しているコテージで目を覚ましたソラタは試合時間の30分前には朝食を終えて水のフィールドスタジアムに来ていた。

 試合時間が来るまで、対戦相手のツキミという女性の情報を控室の端末で調べていて、そこで得たのはツキミがジムバッジ8個を集めての参加トレーナーである事、1回戦と2回戦で使用されたポケモンについての情報だ。

 特にソラタが欲しかったのはツキミが戦った1回戦の氷のフィールドでの試合の情報だったので、この情報は非常に助かる。

 

「1回戦で使用したポケモンはジュゴンとサンダースか……試合自体は2体目のサンダースで勝利、って事は今回もジュゴンとサンダースが出て来る可能性が高いな」

 

 これはギャラドスかスターミー辺りをニドクインに予定変更するべきかもしれない。幸いにもセキエイ大会は試合前に使用ポケモンを登録するシステムにはなっていないので、手持ちから3体まで好きに選べるようになっているから、今手持ちにいるニドクインを選択肢に入れるべきだと判断した。

 

「まぁ、サンダースが出て来たらの話だが……出て来るだろうな、絶対」

 

 試合の映像も見たが、ジュゴンはそこそこの強さでサンダースは十分な強さを持っているように見える。

 特に今回の水のフィールドは水ポケモンが水の中に入っているだけでサンダースの電気攻撃が回避不能になるから、本当に考えなければならないだろう。

 

「ギャラドスは止めておくか」

 

 3回戦で出すポケモンをある程度決めた所で、係員に呼ばれた。時計を見れば、試合開始時刻まで残り5分を切っているではないか。

 

「ソラタ選手、試合時刻になります。準備はよろしいですか?」

「ええ、今行きます」

 

 テーブルに置いていたモンスターボールをベルトのホルダーに戻して控室を出ると、係員に案内されフィールド入口前に来た。

 既にスタジアムからは歓声が聞こえており、今日も朝から観客席は満員御礼状態なのだろう。

 

『さあ! ポケモンリーグ・セキエイ大会も3日目に入り、試合は3回戦へと進んだ!! この水のフィールドでも既に第1試合が終了し、これより第2試合が行われようとしている!! そして、第2試合を戦うのは……緑サイド、マサラタウンのソラタ選手! 赤サイド、セキチクシティのツキミ選手! 両者入場です!!』

 

 実況の言葉と共にスタジアムに出ると、トレーナー台に立ったソラタとツキミ、二人の間には丸い足場がいくつか浮いたプールがあり、そこがバトルフィールドとなる。

 

『ルールはこれまでと同じ! 使用ポケモンは各々3体! 水のフィールド第2試合開始!!』

「行きなさい、ジュゴン!」

「行け、スターミー!」

 

 予想通り、ツキミが出してきたポケモンはパウワウの進化系、あしかポケモンのジュゴンだった。

 ソラタも予定通りスターミーを出して両者共に水の中へと潜る。

 

「ジュゴン! “アクアジェット”!!」

「スターミー! “こうそくスピン”だ!」

 

 水中でジュゴンが自身の周囲に激流を作って突撃してきたのに対し、スターミーは回転しながら手裏剣の様に動いて“アクアジェット”を回避、逆にジュゴンの横っ腹に“こうそくスピン”を直撃させた。

 

「ジュゴン! 水から出てフィールド全体に“れいとうビーム”!!」

「ジュゴッ!」

 

 指示を受けたジュゴンが急いで水から上がると、足場に乗って水面に“れいとうビーム”を発射、プール全体が氷に覆われてスターミーが水中に閉じ込められてしまった。

 

『な、なんとぉ! ジュゴンの“れいとうビーム”によりプールが氷に覆われてしいまい、水のフィールドが氷のフィールドになってしまったぁ!!』

「甘い! スターミー! “パワージェム”!!」

 

 すると、スターミーはずっと回転しながら水中を移動していたのを止め、ジュゴンの乗っている足場板の真下から宝石のような岩を作って発射、足場を破壊しながらジュゴンに直撃する。

 

「脱出だ!」

「まだよ! 出て来た所を“アイアンテール”!!」

 

 ジュゴンが乗っていた足場を破壊した事で、その部分だけ氷に覆われていない状態になった。

 そこを出口として水中から飛び出したスターミーに、待ち構えていたジュゴンの“アイアンテール”がクリーンヒット、大きく吹き飛ばされてしまう。

 

『おおっと、これは痛い! スターミーに“アイアンテール”が直撃! このままホームランか!?』

「構うな! そのまま“10まんボルト”!!」

「っ! 不味いわ!! 避けてジュゴン!!」

「逃げ場は無い!!」

 

 スターミーが放った“10まんボルト”をジュゴンは回避したのだが、水も氷も電気をよく通す。

 ジュゴンが回避した事で電撃はプールを覆う氷に当たり、そのままフィールド全体に電気が流れた……当然、氷の上に乗っていたジュゴンにも。

 

「ジュゴゴゴ!?」

「ジュゴン!!」

「トドメの“パワージェム”!!」

 

 再度放たれた宝石のような岩がジュゴンに直撃、そのままジュゴンは目を回して倒れてしまった。

 

「ジュゴン、戦闘不能! スターミーの勝ち!!」

『ジュゴン、スターミーの“10まんボルト”と“パワージェム”による効果抜群の連続攻撃に耐えられずダウン! これでツキミ選手、残るポケモンは2体!!』

 

 ツキミはジュゴンをモンスターボールに戻して次のボールを取り出すと、何を思ったのか投げる前に口を開く。

 

「ソラタ君、なぜ私が水のフィールドを氷のフィールドに変えたのか、判るかしら?」

「?」

「答えは簡単! 行きなさいサンダース!!」

 

 ツキミの2番手はサンダース、思った通り氷のフィールドでツキミが試合をしていた時と同じ構成だった。

 そして、ツキミの問いの答えもサンダースの姿を見て理解する。何故ならサンダースは足場板ではなく氷の上に立っていたのだから。

 

「そういう事か……水のフィールドのままだと足場が限定されて素早さがウリのサンダースが最高のポテンシャルを発揮出来ないけど」

「そうよ、氷のフィールドにしてしまえば足場を気にする事無く戦える。サンダース、“こうそくいどう”よ!」

 

 氷の上を、サンダースが高速で走り始めた。流石は素早さがウリのポケモンというだけあって中々の速度、だがスターミーとて素早さには自信がある。

 

『これは速い! サンダース、目にも止まらぬ速度で走り回っている!!』

「スターミー! “パワージェム”!」

 

 “パワージェム”を発射したスターミーだったが、宝石の如き岩は全て回避されサンダースには当たらない。

 勿論、1発だけでなく何発か発射して数個は命中させたものの、大半は回避されてしまって、逆にサンダースはスターミーの背後を取り、その牙に電気を流した。

 

「後ろだ!」

「遅い! “かみなりのキバ”!!」

 

 電気を纏った牙に噛み付かれたスターミーが苦しそうな鳴き声を響かせた。直ぐにソラタはスターミーに噛み付いているサンダースを引きはがす為に“こうそくスピン”を指示、回転して何とかサンダースを引きはがして距離を取る。

 

「“10まんボルト”だ!」

「フゥッ!」

『ソラタ選手、電気タイプのサンダースに対して電気技を指示! これは指示ミスか!?』

 

 実況の言う通り、ソラタが指示した“10まんボルト”では電気タイプのサンダースに対し大きなダメージは見込めない。

 いや、それどころかサンダースは回避する様子を見せず“10まんボルト”の直撃を受けても全くダメージを受けた様子が無かった。

 

『何とサンダース無傷! 効果はいまひとつとはいえ、ダメージがある筈なのに全くのノーダメージです!!』

「やっぱり特性は“ちくでん”か」

「正解よ、わたしのサンダースは“ちくでん”の特性を持っているから、電気技は一切ノーダメージどころか回復してしまうわ」

「でしょうね」

『何と言う事! サンダース、その特性により電気技がノーダメージどころか“パワージェム”のダメージを回復! やはり“10まんボルト”を指示したのはミスだったぁ!』

 

 いや、ミスではない。ソラタはわざと“10まんボルト”を指示したのだ。サンダースの特性を調べる為に。

 

「サンダース! お返しに“かみなり”!!」

「サンッダァアア!!」

『これは強烈な“かみなり”!! スターミー、逃げ切れるか!!?』

「“こうそくスピン”で回避!」

 

 サンダースの“かみなり”を“こうそくスピン”で回避したのを見たツキミは、元々の命中率が低い“かみなり”をスターミーに当てるのは困難だと判断した。

 

「ならこれでどうかしらね? サンダース、“あまごい”!」

『これは不味い! “あまごい”によってフィールドに雨が降り始めた!! スターミー、これで“かみなり”を避けられなくなったぞ!!』

 

 予想通り、“あまごい”で“かみなり”を必中技にしてきた。これで強力な“かみなり”は100%スターミーに直撃して、勝負を決められてしまう。

 

「これで終わりね、サンダース! トドメの“かみなり”!!」

「今だ!」

 

 サンダースが放った“かみなり”がスターミーに迫る。そんな中だった、スターミーとサンダースの身体が一瞬光ったのは。

 2体の光が交差するように入れ替わった直後、“かみなり”が直撃して氷を破りながらスターミーの姿は水中に消える。

 

『決まったぁああ!! スターミーに“かみなり”が命中!! 効果は抜群だぁああ!!』

「今の光は……」

 

 誰もが戦闘不能となったスターミーが氷が割れて露わになった水面に浮いてくるものだと思っていたが、そんな観客や審判、実況の予想を裏切るようにソラタが新たな指示を出す。

 

「……スターミー! “パワージェム”!!」

 

 サンダースの足元の氷が下から突き破られ宝石状の岩が飛び出した。サンダースは回避する事も出来ず腹に直撃を受けて空へと吹き飛んだ。

 更に、岩が飛び出した穴からスターミーが勢い良く飛び出してきて先ほどより元気な姿を見せる。

 

『な、何とスターミー! 無事です! “かみなり”の直撃を受けた筈なのに、そのダメージを感じさせない動き! いや、それどころか先ほどよりも元気になっている!?』

「まさか……!?」

「そう、“かみなり”が直撃する寸前、スターミーとサンダースが一瞬光ったのには気付いていたでしょう? あれは“スキルスワップ”を使ったからです」

 

 “スキルスワップ”、それは自分と相手の特性を入れ替える技だ。つまり、“かみなり”が直撃する寸前にスターミーは“スキルスワップ”の効果でサンダースの特性である“ちくでん”を自分のものにし、逆に自分の特性をサンダースに押し付けたのだ。

 

「因みに、俺のスターミーの特性は“はっこう”です」

 

 そこまで説明して、やっとサンダースが落ちてきて穴から水中に沈み、目を回した状態で浮かんできた。

 

「サンダース、戦闘不能! スターミーの勝ち!」

『これは見事! ソラタ選手、相手の特性を利用した戦術で見事相性の悪いサンダースを下した!! さあ、ツキミ選手は残るポケモン1体! ソラタ選手、このまま1回戦と2回戦同様、使用ポケモン1体のみで3回戦も勝ち進むのか!?』

「悪いけど、そうはさせないわ! 最後のポケモンは私のエースよ、行きなさいニョロボン!!」

 

 ツキミの最後のポケモンはニョロモの最終進化系、おたまポケモンのニョロボンだ。

 水と格闘の複合タイプで、スターミーとの相性は良くないが、既に技を4つ使い切ったスターミーはエスパータイプの攻撃技が使えない事もあり、効果抜群の技に心配する必要は無い。

 

「ニョロボン! 一気に決めるわ! “ばくれつパンチ”!」

「ニョロ!」

「“こうそくスピン”で回避だ!」

 

 ニョロボンの“ばくれつパンチ”を回避すると、スターミーは距離を取って遠距離技を使おうとした。

 だが、ニョロボンは既にスターミーを追いかけており、その速度は想定以上だ。

 

「“すいすい”か!」

「正解よ! “じごくづき”!!」

 

 ニョロボンの特性は“すいすい”だった。サンダースの“あまごい”で未だ雨が降り続ける現状、ニョロボンは通常より速く動ける。

 そんなニョロボンが放った悪タイプの技、“じごくづき”がスターミーの中央の赤い宝石状の急所へ直撃、吹き飛ばされたスターミーは宝石部分を点滅させると、そのまま力を失ったように倒れてしまった。

 

「スターミー、戦闘不能! ニョロボンの勝ち!」

『なんと! ソラタ選手、今大会初の1体目戦闘不能! 2体目はどのようなポケモンでニョロボンに挑むのか!』

 

 スターミーをモンスターボールに戻したソラタは、ニョロボンを見て、次いで雨を降らしている上空の雨雲に目を向け、最後にもう一度ニョロボンに目を向けると、次のボールをホルダーから取り出して構えた。

 

「次はお前だ! 行け、ピカチュウ!!」

 

 ソラタが2番手に選んだのはセオリー通りに電気タイプのピカチュウだ。ニョロボンも地面タイプの技が使えるポケモンではあるが、氷に覆われているとはいえ元々水のフィールドであるこのフィールドでは地面タイプの技が使えない。

 ならばピカチュウでも十分通用すると考えて選択した。

 

『ソラタ選手、2番手はピカチュウだ! ツキミ選手のニョロボン、相性では不利ですが、どう戦うのか!!』

「ニョロボン! “ドわすれ”!」

 

 ピカチュウの電気技対策だろう。“ドわすれ”で特防を上げて来た。

 

「ピカチュウ! “でんこうせっか”!!」

「ピッカ!」

「ニョロボン! “しんくうは”!」

 

 ツキミはピカチュウの特性を“せいでんき”だろうと警戒しているらしい。

 正解だ。ソラタのピカチュウの特性は“せいでんき”、下手に物理攻撃をしようものなら麻痺状態になる危険がある。

 

「“アイアンテール”で迎撃しろ!」

「チュアアア! ピカッ!」

 

 ニョロボンが放った“しんくうは”を飛び上がったピカチュウが“アイアンテール”で叩き落とすと、そのまま落下しながら回転して鋼鉄の尾をニョロボンに叩き付けようとする。

 

「迎え撃って! “ばくれつパンチ”!!」

 

 ニョロボンが“ばくれつパンチ”で迎撃すると、両者の尾と拳がぶつかって拮抗した。

 

「そのまま“エレキボール”!」

「ピカピカピカ! チュッピッ!」

『ピカチュウの“エレキボール”炸裂! ニョロボン、これには大ダメージ!!』

 

 至近距離から“エレキボール”がニョロボンに直撃、爆発によってピカチュウはニョロボンと距離を取って再び“でんこうせっか”で走り回る。

 

「ニョロボン! 連続で“しんくうは”!!」

 

 先ほどと同じ単発の“しんくうは”では“アイアンテール”で迎撃されると判断したツキミは今度は連続での“しんくうは”を指示、ニョロボンが放った無数の“しんくうは”が走り回るピカチュウに襲い掛かった。

 

「ピカッ!?」

「ピカチュウ!」

『ああっと! 流石に避け切れなかったのか、“しんくうは”がピカチュウに直撃したぁ!』

「畳み掛けて! もう一度連続の“しんくうは”!!」

 

 吹き飛んだピカチュウ目掛けて、再び無数の“しんくうは”が襲ってきた。これの直撃は不味い。

 

「“アイアンテール”で氷を叩き割れ!!」

「ピカ! チュアア! ピッカ!!」

 

 “しんくうは”が直撃する前に、ピカチュウは“アイアンテール”で足元の氷を叩き割ると、水中に逃げて“しんくうは”を回避して、直ぐに氷上に戻る。

 

「“でんこうせっか”!!」

「ピッカ!!」

「もう一度同じ事を繰り返す気? ニョロボン! 連続で“しんくうは”!!」

 

 再びピカチュウが“でんこうせっか”で走り出すと、ニョロボンが先ほど同様に連続で“しんくうは”を放つ。

 だが、先ほどとは違い、ピカチュウはニョロボンの周りを走るのではなく、一直線にニョロボンへ向かって来ていた。

 

「何をっ!」

「そのまま突っ走れ! “ボルテッカー”だ!!」

「ピカピカピカピカ!! ピカピッカ!!」

 

 “しんくうは”が当たるのを気にする事無く走るピカチュウの身体が電気に包まれ、そのままニョロボンに突撃。

 電気タイプ最強の大技“ボルテッカー”の直撃を受けたニョロボンはトレーナー台まで吹き飛ばされ、激突すると氷上に倒れて目を回すのだった。

 

「ニョロボン、戦闘不能! よってこの試合、ソラタ選手の勝ち!!」

『試合終了!! ソラタ選手、2体残し見事に勝利!!』

 

 スターミーが戦闘不能になるという予想外の事態にはなったが、無事に3回戦も勝利したソラタは4回戦に進出した。

 予選リーグ最後の舞台は氷のフィールド、これに勝利すれば5回戦からは決勝リーグ、セキエイスタジアムでの試合だ。

 他にもこの日、サトシとシゲルも無事に3回戦に勝利、明日の4回戦はサトシが草のフィールド、シゲルとシズホは岩のフィールドでの試合を予定している。

 4回戦、4人とも無事に勝利して5回戦へと進めるのか、それは次回に続く。




次回、4回戦。予選リーグ最後の試合です。

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