ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供 作:剣の舞姫
第60話 「カロス地方へ」
ポケットモンスター
転生したのは始めに旅立った子供
第60話
「カロス地方へ」
ポケモンリーグ・セキエイ大会が終わり、マサラタウンに帰って来たソラタは次の目標であるジョウトリーグへ出場する為、ジョウトへ旅立つ前に修行期間を設けていた。
セキエイ大会ではメインパーティーが完璧な状態で挑めなかった事、サブメンバーの育成が不十分だった事、以上の反省を踏まえジョウトへ旅立つ前にある程度の調整を済ませておきたいという思いからマサラタウンに帰って来てから色々と試している。
「え、サトシの奴、オレンジ諸島へお使いに?」
ある日、ソラタは修行の片手間でオーキド研究所を訪れたのだが、そこでオーキド博士からサトシが博士のお使いでオレンジ諸島へ旅立ったという話を聞かされた。
「うむ、オレンジ諸島のウチキド博士から珍しいモンスターボールを入手したという話を聞いてな、ワシに解析して欲しいから取りに来てくれないかと打診されたのじゃ」
なんでも、そのボールは転送装置で転送出来ないという特殊性があり、オレンジ諸島を離れられないウチキド博士がマサラタウンまで来るのは不可能という事で、急遽サトシにお使いを依頼したのだとか。
「オレンジ諸島と言えばオレンジリーグというマイナーリーグがありましたね」
「うむ、興味があるのかの?」
「いえ、特には……ジョウトリーグに向けて調整中ですし、余計な事に感けてる暇はありません」
それよりもと、ソラタはオーキド研究所に来た目的を果たす為に本題を切り出した。
「カロス地方のプラターヌ博士に連絡取れますか?」
「プラターヌ博士かの? ああ、そういえばガブリアスに進化させたのじゃったな」
納得した博士は早速電話でプラターヌ博士に通信を繋いだ。モニターの向こうには以前にクチバシティで出会ったプラターヌ博士が何故かラーメンを啜りながら笑顔で手を振っている。
『やあソラタ君、久しぶり。ポケモンリーグベスト4おめでとう』
「お久しぶりです。プラターヌ博士、それと……ありがとうございます」
どうやらプラターヌ博士もソラタのポケモンリーグの成績を知っているらしく。最初にベスト4入りを祝福してくれた。
『準決勝の試合映像見たよ、君も対戦相手のシズホ選手も、新米トレーナーとは思えない高レベルなバトルで、見ていて手に汗握る展開ばかりだった』
「そんな……」
『それに……ついにあの時のタマゴから孵ったフカマルが、ガブリアスに進化したんだね』
「あ、はい……実はそれでプラターヌ博士に報告しようと思って今回」
『なるほどね……うん、良ければ実際にガブリアスを見たいから、僕の研究所に来てくれないか?』
それはつまり、カロス地方に来てくれという事だ。確かに元々、この調整期間中の何処かでカロスとアローラには行こうと考えていたので、今回の提案は渡りに船か。
『それに言っただろう? ガブリアスに進化させたら、ご褒美をあげようって』
「褒美……そう言えば仰ってましたね」
その褒美が何なのかは、実際に来てからのお楽しみという事なので、これはもう行くしか無いではないか。
「わかりました、明日にでも出発します」
『うん、来るのを楽しみにしているよ』
通信が切れてモニターが真っ暗になると、ソラタは後ろに居たオーキド博士と向き合った。
「そういう訳ですので、俺は明日にでもカロス地方のミアレシティに向かいます」
「そうか、なら飛行機の手配はワシの方でしておこう。明日、旅立つ前に研究所に寄りなさい、チケットを渡すからの」
「ありがとうございます」
早速ソラタはカロスへ行く準備を整える為にオーキド研究所を後にして自宅へと戻った。
自宅では夕食の用意をしていたアオノが出迎えてくれたので、早速明日の朝一にマサラタウンを発って飛行機でカロス地方へ向かう事を伝える。
「カロス地方のプラターヌ博士……メガ進化をメインとした進化の研究をしているポケモン博士ね」
「そう、旅の途中で縁あって、俺のガブリアスもプラターヌ博士のガブリアスの息子なんだ」
「そうなの……何日くらい滞在する予定?」
「うぅん……最長でも2週間かなぁ。でもカロスから真っ直ぐアローラにも行きたいから多分1ヶ月は帰らないかも」
「そう、なら夕飯までに準備を終わらせなさい」
こうしてカロスへ旅立つ準備を終えたソラタは翌日、母に見送られてマサラタウンを旅立つのだった。
カントー地方から遥か遠く離れた地、カロス地方の中央都市ミアレシティのミアレステーションに降り立ったソラタは街の中央に見えるミアレタワーを眺めつつカントーとはまた違った街並みに圧倒されていた。
「これが、カロス地方か……」
カントーのタマムシシティやヤマブキシティのような都会を知っているソラタですら圧巻の街並み、ソラタ自身はカロスに来るのは初めてなので何もかもが珍しく映る。
「おっと、お上りさんになってる暇は無いか……プラターヌ研究所はっと」
ミアレステーションで購入したマップを開くと、現在地からプラターヌ研究所への道程を確認、歩いて行ける距離だと判断して歩き出した。
暫く歩いていると門にモンスターボールの石造が飾られた屋敷が見えてきた。間違いない、あれがプラターヌ研究所だ。
「ごめんくださーい!」
呼び鈴を鳴らして暫くすると、扉が開いて中から以前クチバシティで出会ったプラターヌ博士が出て来る。
「いらっしゃいソラタ君! ようこそカロス地方へ!」
歓迎してくれたプラターヌ博士に案内され、研究所の中に入ると中庭へ連れて来られた。
中にはにはコダックやルリリ、ジグザグマやミツハニー、キャタピー、ビードル、エリキテルなど様々なポケモンが生活しており、みんな自然に近い環境になっている中庭でリラックスしていた。
「さて、早速で悪いんだけどガブリアスを出して貰えるかな?」
「わかりました、出てこいガブリアス」
プラターヌ博士の言う通りにしてモンスターボールを取り出すと、ガブリアスを出した。
「ガブ?」
「おお、あの時のタマゴが……うん、良いガブリアスだ」
ついでにあの日、シロナとバトルしたリザード、今はリザードンに進化しているが、を見たいと言われたのでリザードンも出す。
「成程……よく育てられている。それに、ポテンシャルも十分か……」
何に納得したのかは不明だが、プラターヌ博士は何度か頷くとソラタの方を振り返り白衣のポケットから何かを取り出した。
「約束していたガブリアスまで育てたご褒美だ。受け取ってくれるかい?」
そう言ってプラターヌ博士が差し出したのは腕輪だった。シンプルなデザインの黒い腕輪には虹色の丸い石が取り付けられている。
「これって……キーストーン!?」
「そう、メガシンカに必要なアイテムの一つ、キーストーンだ」
プラターヌ博士の研究の一つ、メガシンカはバトル中にポケモンに更なる力を授けるトレーナーとポケモンの絆の証だ。
キーストーンを持つトレーナーと、メガストーンを持つポケモンが共鳴する事で新たな扉を開く事が出来る。
「流石にメガストーンは無いから、それについては自分で探して貰うしか無いんだけどね」
「いえ、キーストーンだけでも十分です」
メガストーンくらいは自分で探そう。ソラタの持っているポケモンでメガシンカが可能なポケモンはリザードン、ガブリアス、ギャラドス、ゲンガー、ピジョットがいる。
ソラタとしてはリザードナイトかガブリアスナイト、ギャラドスナイトのどれかが欲しい所だ。
「2週間くらいはカロスにいるつもりなので、時間があればメガストーンも探してみます」
「そうだね、もしかしたら対応するメガストーンにポケモンの方が引き寄せられるかもしれない、少しの間だけでもカロスを旅してみると良いよ。もしかしたら、新しいポケモンとも出会えるかもしれないしね」
それもアリかもしれない。ジョウトに向けて新しいポケモンの育成をするのもアリだろう。
そうなると、カロス地方で出会えるポケモンで何か良いポケモンが居れば良いのだが……。
「リオルとか、ヤヤコマ、アマルスは“ヒレのかせき”が手に入ればかな……」
何にしても、まずは2週間という限られた時間でどこまで旅出来るかだ。ソラタは改めてプラターヌ博士にキーストーンの礼を言うと研究所を後にして、ポケモンセンターで一泊する事にした。
翌朝、ポケモンセンターのジョーイさんに部屋の鍵を返した後、回復したポケモンが入ったモンスターボールを受け取りセンターを後に。
ミアレタウンを出発したソラタはカロス地方の街の一つ、シャラシティへ向けて旅立った。目指すは新しいポケモンのゲットと修行、そしてメガストーンの入手だ。
「2週間か……長いようで短い、なるべく寄り道しないで進まないとな」
実は既にミアレシティを出て直ぐヤヤコマだけゲット出来たが、新しいポケモンのゲットは運次第になりそうだ。
手あたり次第にゲットしていたら直ぐに滞在時間が無くなるだろうから、出会ったポケモンでも欲しいと思った時にしかゲットしないという形を取らなければ時間が足りなくなる。
「まぁ、なんにしても先ずはシャラシティに向かうか」
こうして、ジョウトリーグ前のソラタの修行の旅が始まった。新たな出会いへの期待を胸に、新しい地方の地面をしっかり踏み締めて歩き出したソラタの新たな挑戦は、まだ先の事。
次回は早速カロスを旅するソラタに新しい出会いが。