ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供 作:剣の舞姫
ポケットモンスター
転生したのは始めに旅立った子供
第64話
「化石」
ジョウトリーグに出場する為、カロス地方へ修行の旅に出ていたソラタはシャラジムのジムリーダー・コンコンブルとのバトルでリザードナイトXをゲットした。
今はカロス地方へ来た最大の目的であったメガシンカの手段を得て、目的だったポケモンの内ヤヤコマとリオルをゲット、更に予定外ではあったがラルトスまでゲット出来た事もあっていよいよカロス地方を後にしようとシャラシティからミアレシティへと戻る帰路へと就いている最中だ。
「そういえば、空港に行く前にプラターヌ博士の所へ行って挨拶しておかなきゃな」
プラターヌ博士がキーストーンをプレゼントしてくれたおかげでリザードンはメガシンカを会得出来たのだ。
せめてカロスを去る前に一度挨拶をしておくべきだろうと、この後の予定を組み立てなおす。
「プラターヌ博士に挨拶をして、それからミアレ名物の何かお土産でも買って家に郵送する……一泊する必要があるな」
順調に行けば2日後にはミアレシティに到着する。予定では夕方頃になると目算しているので、ミアレシティには二泊してからアローラへ旅立つ事になりそうだ。
「うぅん、ちょっとカロスでの予定が長引いてしまったな……アローラ滞在は1週間くらいにしないと日程的にキツイか?」
カロスを満喫したいからとミアレシティからシャラシティまで大半を徒歩で歩いたのは失敗だった。
とはいえ、それのお陰でラルトスに出会えたのだから完全に失敗だとも言い切れないのだが。
「さて、明後日の夕方にミアレに着く為にもそろそろリザードンに乗って空の旅だな」
因みに言うまでも無いが、ずっとリザードンに乗って移動しなかった理由はリザードンの体力の問題だ。
ゲームとは違い一つの生命として生きているリザードンにも当然だが体力の限界というものがある。トレーナーを背中に乗せてずっと飛び続けるなど不可能なのだ。
「よし、頼むぞリザードン!」
「リザァ!」
モンスターボールから出したリザードンの背中に飛び乗り、ソラタとリザードンは空を舞った。
もう残り僅かとなったカロス地方の滞在時間を最後まで満喫するように、カロスの空気をしっかりと感じながら。
2日後、ミアレシティに到着したソラタはポケモンセンターで一泊して翌朝にはプラターヌ研究所へ向かった。
研究所の場所は覚えているので、道に迷う事なく研究所に辿り着くと、呼び鈴を鳴らして反応を待つ。
「やあソラタ君、2週間ちょっとぶりかな?」
「ええ、プラターヌ博士」
中からプラターヌ博士が出てきて中へ招き入れてくれた。素直に研究所の中に入って応接室に案内されると、ソファーに座って助手が出した紅茶に口を付けて一息。
「カロスの旅はどうだった?」
「良い旅でしたよ、ポケモンも3匹ゲットしましたし、リザードナイトXをゲット出来ました」
「ほう? そっか、リザードナイトを……」
まさかもうメガストーンをゲットしたとは思わなかったのだろう。プラターヌ博士も少し驚きの表情を浮かべた。
「今日はカロス土産を買って実家に送って、明日にはアローラへ発つ予定です」
「そっか、ならまた暫くは会えなくなるね」
するとプラターヌ博士は少し待っててくれと言って研究室に戻る。暫く待っていると戻ってきて、その時にはその手に何か石のような物を持っていた。
「プラターヌ博士?」
「前回のキーストーンはポケモン研究者の僕として渡したけど、今回は君のファンの一人として、これを譲りたいんだ」
ファンとは、そう尋ねるとプラターヌ博士、ソラタのポケモンリーグ・セキエイ大会の試合映像を見て以来、すっかりソラタのファンになってしまったのだとか。
「君のバトルはどれも面白かった。だけど一番僕の心を射止めたのはシズホ選手との準決勝だったよ……あのバトルは本当に良かった、見ていてあそこまで手に汗握って、熱を上げたのは久しぶりだった。あの試合を見てからずっと、僕は君のバトルに魅了されてしまったんだ」
だから、プラターヌ博士はソラタのファンなのだと。そのファンの一人として、ソラタに是非とも受け取って欲しいと手に持っていた石を差し出した。
それは、ただの石ではない。石の中にポケモンのヒレのような形の石が埋まっているそれは、化石と呼ばれる物。
「え、これって……ヒレの化石!?」
「ああ、実は友人が化石の発掘をしていてね。研究用にと多少余分に分けて貰った化石の一つなんだ」
アマルス、欲しがっていただろう? と問われて確かにと肯定する。
実は、アマルスはカロスに居る間に手に入れる方法は考えていたが、流石にコウジンタウンの化石研究所でゲットするのは無理だろうと諦めていたところだったのだ。
「あ、でも化石から復元するには専用設備が必要だったような……」
「それならアローラのアーカラ島にあるドリーム牧場へ行くと良いよ、あそこには化石の復元所があるからね」
そういえばそうだった。それにしてもアローラ地方についてプラターヌ博士は随分と詳しいような気がしなくもないのだが、それは……。
「ん? 僕がアローラに詳しい理由かい? 行った事があるからね」
「……ああ、そういえばアローラって観光地でもありましたね」
「そういう事さ」
観光旅行に行った事もあるし、そもそもアローラにはリージョンフォームのポケモンも確認されているので、その研究調査目的で訪れた事もあるらしい。
「一先ずヒレの化石は君にあげるよ、アローラで復元して是非ともアマルスを育ててあげてくれ」
「ありがとうございます」
ガブリアスのタマゴから始まり、先日はキーストーンを貰って、それに加えてヒレの化石まで、本当にプラターヌ博士には世話になりっぱなしだ。
「このお礼は、必ず……チャンピオンになることで返させて頂きます」
「ああ、君がチャンピオンになってくれたら、ファンとしてこれ以上ない喜びだ」
プラターヌ博士程の人に、物でお返しするには余りに不足している。ならばソラタに出来るお返しは唯一つ、自分のファンだと言ってくれた博士にチャンピオンになった自分を見せるというファンサービスこそが最大級のお返しになるだろうと判断した。
「よし、今日はこの後ご家族へお土産を買いに行くんだろう? 良ければ夜はウチに泊まると良い、是非とも夕食を御馳走させてくれ」
「……では、ご厚意に甘えさせて頂きます」
こうして、ソラタは一度プラターヌ研究所を後にしてミアレシティで買い物をすると、夜には研究所へ戻ってプラターヌ博士と共に夕食を食べ、研究所にて一泊する事となった。
翌朝、ソラタは空港に向かう為にプラターヌ研究所の玄関に立ち、見送りをしてくれているプラターヌ博士に頭を下げた。
「それでは、お世話になりました」
「気を付けて、ジョウトリーグ頑張るんだよ」
「はい!」
笑顔で手を振ってプラターヌ博士と別れると、ソラタは歩き出した。次なる目的地はアローラ地方のアーカラ島、新たな地方、新たなポケモンとの出会いを楽しみにしながら、ソラタの修行の旅はまだまだ続く。
次回からアローラ修行編ですが、正直カロスに時間を掛け過ぎたので短いです。化石復元、ピカチュウの進化と新しいポケモンのゲット、することはそれくらいしか無いかな。