ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供 作:剣の舞姫
ポケットモンスター
転生したのは初めに旅立った子供
第66話
「化石から蘇った太古のポケモン」
ジョウトリーグ出場に向け、修行の旅を続けるソラタはアローラ地方へと来ていた。アローラ地方滞在1日目はメレメレ島で観光と予てより計画していたピカチュウの進化を実行して無事にピカチュウはリージョンフォームのライチュウへと進化、更に新しくポケモンもゲット出来た事で順調そのもの。
2日目は朝早くからアーカラ島へと移動してドリーム牧場を目指すソラタ、因みにその服装はアローラの暑い気候に合わせてアロハシャツに短パン、そしてサングラスを頭に掛けるという軽装へと変化していた。
「ここがアーカラ島か」
船を降りてアーカラ島へと降り立ったソラタはヴェラ火山が望める船着き場から島を見渡すと、早速カンタイシティに向かってポケモンセンターで宿泊手続きを終えた。
「さて、じゃあドリーム牧場へ行くか」
ポケモンセンターで貰った島全体の地図を広げて歩き出した。アーカラ島は牧場の多い島であるため、間違えて別の牧場へ行ってしまう可能性もあるから地図の存在は助かる。
それに見たところドリーム牧場の近くにはシェードジャングルもあるらしいので、帰りに寄ってポケモンをゲットするのもアリだと予定を組み立てながら歩く。
「うん、美味い」
道中、適当な牧場に寄ってモーモーミルクのソフトクリームを購入、ソフトクリームを食べながら歩くというのもアローラの醍醐味だと船の中で教えて貰ったので、早速試してみれば暑い気候に冷たいソフトクリームは絶品だった。
「ジョウトにもモーモーミルクを売ってる牧場があるみたいだけど、やっぱり気候の問題かな、アローラで食べるソフトクリームは最高だ」
こうして所々でアーカラ島を楽しみながら歩いていると、あっという間にドリーム牧場が見えてきた。
確か、牧場内のトレーラーハウスが化石の復元施設になっているのだったと思い出しながら牧場へ入ると、確かにトレーラーハウスがあるのを確認する。
「すいませーん」
トレーラーハウスの扉の前に立って中に向けて声を掛けると、麦わら帽子を被ったオーバーオールの男性が出て来た。
「おや、お客さんかな?」
「はい、ここで化石ポケモンの復元をやっていると聞いたもので」
「如何にも! ここはドリーーーム!! 牧場! 化石の研究をやっとるぞ」
早速トレーラーの中に案内されると、中ではよくわからない機械が並べられており、カプセルらしき物は化石を入れる所なのだろうか、ポケモン1体くらいなら入りそうな大きさだ。
「それで、化石の復元をしたいのだったかな?」
「ええ、これです」
尋ねられたので、早速リュックからヒレの化石を取り出して差し出すと男性は虫メガネを取り出して化石を観察し始めた。
「ふむふむ、これはヒレの化石か……うむ、状態も悪くない。これなら間違いなくアマルスを復活させられるぞ」
良かった。これでアマルスをゲット出来ると安心した所で、男性に化石を預ければやはりカプセルの中にヒレの化石を入れて中を培養液で満たし始める。
「復元には少し時間が掛かる。1日掛かるだろうから明日、また来てくれ」
「わかりました」
ならば後はシェードジャングルでポケモンのゲットでもしようかとドリーム牧場を出たソラタは近くにあるジャングルの入口へと向かった。
ジャングルに入ってすぐ、ソラタは手持ちのポケモンの中から3体を選びモンスターボールから出す。メンバーはラルトスとゾロア、リオル、最近ゲットしたポケモンの中でも特に育てておきたいメンバーだ。
「ゾロア、“バークアウト”!」
「ウワゥ!!」
ゾロアの一撃が相手であるアマカジに直撃、アマカジが目を回して倒れた所をすかさずモンスターボールを投げてゲットする。
「よし、アマカジゲット! 次はあそこのメラルバだ! リオル、“しんくうは”!!」
リオルの“しんくうは”がメラルバに直撃、逃げようとしていた所への一撃は思いの外大きいものだったらしくバランスを崩した。
「チャンス! “はっけい”だ!」
トドメの一撃とばかりにリオルが接近して張り手を叩き込むとメラルバも目を回して倒れたので、そこをモンスターボールを投げる事で見事にゲットした。
「よし、メラルバもゲット! 調子が良いな」
メラルバの入ったボールを回収したソラタは足元で抱っこを訴えるラルトスを抱き上げて満足そうに笑う彼女の頭を撫でてやった。
「ラルゥ♪」
「まったく、お前は甘えん坊だなぁ」
すると、ラルトスが羨ましくなったのかリオルとゾロアもソラタの身体を駆け上って両肩に座ったではないか。
流石に重いのだが、楽しそうにしている2匹を下すのも可哀そうかと、そのまま歩き出した。
「お、あれはヌメラか……よし、ラルトス行け!」
「ラル!」
「まずは“ねんりき”だ」
偶然見つけたヌメラにラルトスが“ねんりき”を発動、動きを止めて見せたので、その隙を突いて更なる指示を出す。
「“チャームボイス”!」
ドラゴンタイプのヌメラには効果抜群のフェアリー技、“チャームボイス”が直撃した。これにはヌメラもたまらず倒れたのでモンスターボールでゲット。
こうしてシェードジャングルでポケモンの育成とゲットをしていると時間が直ぐに過ぎ去ってしまうようで、時計を見れば良い時間になっているではないか。
「そろそろカンタイシティに戻るか」
今から戻ればカンタイシティに夜には到着するだろう。ラルトスを抱き上げて歩き出したソラタは道中でアローラのダグトリオやピンプクなどをゲットしつつカンタイシティへと帰還するのだった。
翌朝、アローラ滞在3日目となるこの日も朝早くから再びドリーム牧場へ向かった。ポケモンセンターの電話でドリーム牧場へ連絡すると既にアマルスの復元が完了しているとの事だったので直ぐに向かった形だ。
ドリーム牧場に到着してトレーラーハウスに入れば研究員の男性の横にはソラタの望んでいたポケモン、アマルスが立っている。
「アマ?」
「おお!」
アマルスは人懐っこいポケモンだ。ソラタが近づいても警戒する様子を見せず、頭を撫でてやれば嬉しそうに手に頭を擦りつけて来る。
「ありがとうございます」
「いやいや、私もカロスの化石ポケモンを見る事が出来て満足だった」
早速、ソラタは空のモンスターボールでアマルスをゲットすると、再び出して氷タイプ特有のひんやりした身体を撫でて楽しむ。
「ああ、アローラの暑さにアマルスの冷たさが気持ち良い……」
「気を付けたまえよ、アマルスは暑い所で長く生きる事の出来ないポケモンだ。アローラではあまり外に出しておくべきではない」
「心得てます」
アマルスもゲット出来た事で、ようやくソラタの修行の旅の目的が達成された。欲しいポケモンのゲット、メガシンカの会得、ピカチュウの進化、全て達成だ。
本当なら時間があれば島めぐりをしてZワザを会得するまで行きたかったが、流石に時間が無い。
「おや、島めぐりはしないのか」
「ええ、そろそろカントーに帰ってジョウトへ旅立つ準備をしないと」
「そうか……古い物で良ければこれ、持って行くかい?」
「?」
そう言って研究員の男性はオーバーオールのポケットから古いZリングを取り出して差し出して来た。
古いとは言っても手入れはされているらしく、青いZリングはまだまだ使えそうな状態で、ついでに赤いZクリスタルが付いているではないか。
「これ、ホノオZですか?」
「ああ、これとフェアリーZだけしか持ってないんだが、良ければ持って行くと良い。ワシはもうトレーナーを引退した身だから持っていても仕方ない」
ならば有難く受け取る事にした。ZリングとホノオZ、フェアリーZ、まさかの物をゲット出来て本当に満足だ。
「他のZクリスタルは、また今度アローラに来る事があったら自分でゲットしてみると良い」
「ええ、そうします」
ドリーム牧場を後にしたソラタはこの後、アーカラ島を観光して夕方にはメレメレ島へと戻った。
3日目の夜はメレメレ島のポケモンセンターで一泊して、4日目は完全休養日という事でメレメレ島のビーチでライドポケモンに乗って遊んだり観光したりと存分にアローラを楽しみ、5日目の朝の便でアローラを発った。
クチバシティの空港へ向けて飛ぶ飛行機の中、ソラタはいよいよ間近に迫ったジョウトへの旅立ちに思いを馳せる。
ポケモンリーグ・セキエイ大会では惜しくもシズホに敗れてベスト4で終わったが、今度のジョウトリーグでは絶対にシズホに勝って優勝する。そしてその先のチャンピオンリーグと、四天王とのバトルを制してチャンピオンのワタルへの挑戦権を手に入れるのだ。
「待ってろよシズホ……俺は前よりも強くなったぞ」
ジョウトで待ち受けているであろう己が最強のライバル、シズホへのリベンジに静かに闘志を燃やしながら、ソラタを乗せた飛行機は一路カントーへと飛ぶ。
ソラタの新たな挑戦の旅は、もう間も無く始まろうとしていた。
次回から新章、ジョウト編の始まりです。