ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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第69話 「指導」

ポケットモンスター

転生したのは初めに旅立った子供

 

第69話

「指導」

 

 ジョウトリーグに出場する為、旅を続けるソラタはジョウト地方始まりの町であるワカバタウンでリーグ出場の手続きを終え、ウツギ博士の研究所で出会った少女、ククリと共にワカバタウンを発った。

 目指すはジョウト地方最初のジムがあるキキョウシティ、キキョウジムへの挑戦の為にポケモンセンターでポケモンを入れ替えて育成をしながらの旅をする事となったのだが、ソラタの役目はそれだけではない。

 ソラタに正式に弟子入りしたククリも同じくキキョウジムに挑戦するので新米トレーナーであり完全な初心者である彼女の指導も行わなければならないのだ。

 

「という事で、ククリにはまずトレーナーの第一歩として野生のポケモンをゲットする事から始めてもらう」

「はい!」

「ジュニアスクールでも習ったと思うが、野生のポケモンをゲットするにはバトルをして弱らせてからモンスターボールを投げるというのがセオリー、自然とバトルをする事にも慣れるからポケモンを増やしつつ修行出来る一石二鳥の手段だ」

 

 この辺に生息しているポケモンはカントーでも見かけるポッポやコラッタ、それからジョウトで発見されたホーホーにイトマル、オタチ、レディバ、クヌギダマなど、初心者には丁度良いラインナップだろう。

 

「リーグに出場するには手持ちポケモンが6匹必要だ。それだけでなく、交代要員となるポケモンも必要となってくるから、ポケモンを多くゲットしておくのは重要な事だし、ゲットしたポケモンを満遍なく育てるのか、ある程度厳選して育てるのかは、トレーナーの自由だな」

「質問です!」

「なんだ?」

「セキエイ大会での師匠の手持ちはタイプがばらけたバランスの良い手持ちだとテレビの解説で言ってましたが、やっぱり手持ちのポケモンのタイプはある程度ばらばらが良いんですか?」

 

 なるほど、良い質問だ。これについては所説あるというか、そのトレーナー毎に異なるので一概にはコレという回答が無いのだが、ここはソラタの意見を述べる事に。

 

「トレーナーの得意とするものによって変わるな。例えばジムリーダーを例にあげようか。例えばこれから挑むキキョウシティのジムリーダーは飛行タイプのトレーナーだ」

 

 キキョウジムのジムリーダー・ハヤトは飛行タイプの使い手。勿論、だからといって他のタイプを使えないという事は無いのだろうけど、それでも一番得意なのは飛行タイプのポケモン、当然だが手持ちは飛行タイプのポケモンオンリーとなっている。

 

「このように自分が得意なタイプのポケモンで手持ちを構成するタイプのトレーナーもいる。他にもタイプではなく戦闘スタイルで構成するトレーナーもいるな」

 

 例えばスピード重視のバトルを得意とするトレーナーや重量級ポケモンでの耐久とパワーを重視したバトルを得意とするトレーナー、補助技を駆使して堅実なバトルを重視するトレーナーやトリッキーなバトルを得意とするトレーナーなど、様々だ。

 

「どちらかと言えば俺はスピード重視だな、手持ちは大体が高速戦闘が出来るように育てている。勿論、重量級ポケモンが苦手という訳ではないけど、好みなのが速度重視のバトルなんだ。それとトリッキーなバトルとかは苦手で、あまり使わない」

「そういえば、ナエトルは進化したら耐久とパワーに優れたポケモンになるって言ってましたよね?」

「ああ、ドダイトスは重量級ポケモンだな。物理耐性が高くてパワーに優れた全距離対応可能なポケモンだ……シンオウの初心者ポケモンだったらヒコザルの最終進化であるゴウカザルは速度重視の中近距離タイプ、ポッチャマの最終進化であるエンペルトは速度こそ無いが特殊耐性に優れた中遠距離からの特殊攻撃型だ」

 

 とはいえ、だ。これはあくまで一般的な認識であり、実際はポケモンの個体ごとに個性があるから全部が全部そうとは言い切れない。

 例えば個体によって同じゴウカザルでも中近距離より遠距離から戦う方が得意な個体だっている。

 

「だからトレーナーの役目は自分のポケモンがどんな戦い方が得意なのかを正確に把握して最適な育成をする事にある。覚えさせる技や、覚えた技の中からどれを重点的に鍛えるのか、技と技の組み合わせ、考えなければならない事は沢山あるぞ」

「うへぇ~……」

 

 それだけじゃない。時にはポケモンが得意としている距離で戦えない場合もあるから、それの対策だってしなければならないし、苦手なタイプの相手とバトルする場合の対策だって考えなければならないので、やる事は本当に多い。

 

「因みに、ナエトルに覚えさせておくべき技ってありますか?」

「……今の時点で覚えるべき技なら3つかな」

「3つ……」

「ああ、“やどりぎのタネ”と“タネばくだん”、それから“のろい”だ」

 

 ハヤシガメに進化したら地面タイプの技も教え始めてドダイトスに進化したら主力の“じしん”に繋げるというのが当面のナエトルの予定となるだろう。

 ナエトルの内にある程度の草タイプの技を覚えさせてハヤシガメから地面タイプを覚えさせ、ドダイトスに進化したら戦闘スタイルを完成させる方法が一番の筈だ。

 

「あの、“のろい”ってどういう技なんですか?」

「“のろい”は素早さが下がる代わりに物理攻撃力と物理防御力を上げる技だ」

「えっと、素早さが下がるんですか?」

「そうだ。だが問題無い、素早さが下がっても防御力があがって耐久力が上がる。それにナエトルの内から“のろい”を覚えさせておけば進化した時に困らない」

 

 ナエトルのトレーナーがよく陥りがちなのがハヤシガメに進化した時の重量と素早さの違いに対する混乱だ。

 ナエトルも特別素早いポケモンという訳ではないが、それでもある程度は身軽に動く事が出来る。しかし、ハヤシガメに進化すると一気に体重が増えて軽快な動きが出来なくなってしまうのだ。

 

「だから、今のうちから“のろい”を覚えさせて耐久力のある戦闘スタイルを覚えさせるのは重要な事なんだ」

「なるほどです」

「因みに、“のろい”で耐久力を上げて“やどりぎのタネ”で相手の体力を奪いつつ自分の体力を回復して、威力の上がった“タネばくだん”をメインに戦うっていうのが、今後まず最初に覚えて欲しい戦闘方法だ。しっかりと覚えるように」

 

 後は出来れば“まもる”か“どくどく”を覚えて欲しい所だが、これはまず先の3つを覚えてからで問題無いだろう。

 

「さて、話をしていたら早速野生のポケモンのお出ましだな」

「あれは……ホーホーですね」

「そうだな、ナエトルには厳しい相手だが、やれるか?」

「やってみます」

 

 ソラタが視線を向けた先、そこにはふくろうポケモンのホーホーが地面に降りて小さな虫でも食べているのか地面を突いている姿が見えた。

 早速ククリはナエトルを出してホーホーの前に立つと、ホーホーもそれに気付いて威嚇を始める。

 

「良いか、ホーホーは飛行タイプだがエスパータイプの技も使う。“さいみんじゅつ”で眠らされないように気を付けろ」

「はい! ナエトル、まずは遠距離から“はっぱカッター”!!」

「ナァエトゥ!」

 

 ナエトルの放った“はっぱカッター”がホーホーに迫る中、ホーホーは小さな翼を羽ばたかせて飛び上がって回避、そのままナエトルの頭上を旋回すると嘴を光らせて急降下してきた。

 

「“つつく”だ、効果抜群の技が来るぞ!」

「ナエトル! “からにこもる”!」

 

 ナエトルがその場で身体を丸めると背中の殻の上にシールドが展開されてホーホーの嘴を受け止めた。

 

「今! “たいあたり”!」

「ナトゥ!」

「ホーッ!?」

 

 至近距離、真下からの“たいあたり”炸裂、ホーホーは直撃を受けて吹き飛ばされてしまった。

 

「畳み掛けるよ! “はっぱカッター”!」

 

 吹き飛ばされたホーホーに追撃の“はっぱカッター”が襲い掛かり、これには流石にホーホーも耐え切れず目を回して地面に倒れてしまう。

 

「今! 行って、モンスターボール!!」

 

 ククリがホーホーにモンスターボールを投げると、目を回したホーホーがモンスターボールの中に入り暫く開閉スイッチが赤く光ったまま揺れて、後に軽快な音と共に揺れが収まって赤い光も消えた。

 

「おめでとう、人生初ゲットだな」

「~~~~~っ! やったぁ!!」

 

 モンスターボールを拾って感動に振るえるククリに声を掛ければ彼女も飛び上がって喜んだ。

 早速モンスターボールからゲットしたばかりのホーホーを出して“きずぐすり”を使い、体力を回復させてあげる。

 

「ああ、そうだホーホー。お前食事中だったよな、これ食うか?」

 

 ククリに抱っこされているホーホーにソラタがリュックから取り出したポケモンフーズを差し出すと、ホーホーは少しだけ匂いを嗅いだ後に咥えて飲み込んだ。

 

「ホーッ!」

 

 気に入ったのか期待の眼差しでソラタを見上げるので苦笑しつつ更に差し出してやれば夢中でポケモンフーズを食べる姿が可愛らしい。

 

「ナエトルとホーホーか……キキョウジムに挑むにはまだ不安が残るメンバーだな……電気タイプ、氷タイプ、岩タイプ、いずれかをゲットしたい所だが……」

 

 居ただろうか、と考えていたら近くに川が見えた。そしてジョウトに生息している水ポケモンに電気タイプを持っているポケモンが居た事を思い出す。

 

「ククリ、トレーナーとして必要な知識その1、水ポケモンは釣りでもゲット出来る、だ」

「?」

「あそこの川で釣りをするぞ。狙うはチョンチーだ」

 

 幸いにも釣り竿はソラタが持っているので貸す事は出来る。チョンチーをゲット出来ればキキョウジムにおいてククリの切り札になる筈なのだ。

 

「チョンチー?」

「水タイプのポケモンだが、複合タイプでな、電気タイプも持っているんだ」

「電気!?」

「そう、キキョウジムは飛行タイプのジム、なら対策として必要なタイプは……」

「電気タイプです!」

「正解」

 

 こうしてソラタから釣り竿を借りたククリは早速川で釣りを開始、コイキングやメノクラゲばかり釣れる中でようやく釣り上げたチョンチーをナエトルが倒して無事にゲットする事が出来たのだった。




現在のソラタとククリの手持ち

ソラタ
・リザードン
・ニンフィア
・アマルス
・ライチュウ
・イワンコ
・ヒノヤコマ

ククリ
・ナエトル
・ホーホー
・チョンチー

因みにソラタの手持ちは基本的にジム戦が終われば入れ替わりますが、リザードンとニンフィアのみ固定です。
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