ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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よし、寝ます


第71話 「キキョウジム」

ポケットモンスター

転生したのは初めに旅立った子供

 

第71話

「キキョウジム」

 

 ジョウトリーグに出場する為、旅を続けるソラタは弟子のククリと共に遂に最初のジムがあるキキョウシティへとやってきた。

 最初にジム戦をするのは話し合いの結果、初心者であるククリにジム戦の雰囲気を感じて貰う為、まずはソラタからという事になり、キキョウシティ名物のマダツボミの塔は無視して早速キキョウジムのあるタワーへとやって来たのだった。

 

「この最上階がキキョウジムらしい」

「楽しみですね! 確か、飛行タイプのジムでしたっけ」

「そうだ、対策も十分してきたし育成も十分、早速俺のジム戦を見て学んで貰うからよく見ておけよ」

「はい!」

 

 タワーに入り受付にジム戦をしにきた事を伝えると、早速内線電話でどこかに連絡を入れるとエレベーター前に案内された。

 

「こちらから最上階にあるバトルフィールドへ向かってください。ジムリーダーがお待ちです」

 

 受付嬢に礼を言ってソラタとククリはエレベーターに乗り込むと最上階のボタンを押して『閉』を押す。

 エレベーターの個室が上昇する感覚が暫く続き、やがて止まって音と共に扉が開かれると、そこは屋根の無いバトルフィールドで、中央には胴着を着た男性数名と真ん中に立つ青年が待ち受けていた。

 

「ようこそキキョウジムへ、俺はジムリーダーのハヤトだ」

「チャレンジャー、マサラタウンのソラタです」

「お、同じくチャレンジャー、マサゴタウンの……あ、今は違った、ワカバタウンのククリです」

「ああ、今日はソラタ君が、明日はククリさんがチャレンジすると聞いているが、間違い無いかな?」

 

 それで間違いない。頷いて返すと早速だがハヤトがトレーナーゾーンに向かったのでソラタも反対側のトレーナーゾーンへ向かうと、ククリは胴着姿の男性達と共に観客側に中央には審判役の男性が立った。

 

「ソラタ君、君はポケモンリーグ・セキエイ大会ベスト4の実力者だと聞いている。なので普段相手している初心者トレーナーよりも上のレベルで相手をするが構わないな?」

「ええ、構いません」

 

 むしろ、ここでゲーム通りにポッポやピジョンを出されても困る。

 

「これよりキキョウジム、ジム戦を行います! 使用ポケモンは互いに3体! どちらかのポケモンが全て戦闘不能になった時点で試合終了となります! 尚、ポケモンの交代はチャレンジャーにのみ認められます」

 

 久しぶりのジム戦、お馴染みのルール説明を懐かしく思いながらソラタは腰ベルトのホルダーからモンスターボールを取り出して構える。

 対するハヤトも既にモンスターボールを構えて不敵な笑みを浮かべているので、両者準備は整った。

 

「行け、ホーホー!」

「頼むぞイワンコ!」

「ホー!」

「アン!」

 

 ハヤトの一番手はククリも持っているホーホー、ソラタはアローラ地方でゲットしたイワンコだ。

 

「ほう? アローラ地方のポケモンか」

「ええ、修行でアローラに行ってたもので」

「成程、セオリー通りで来たという事か」

 

 流石はジムリーダー、イワンコの事を知っていたらしい。

 

「それでは、ホーホーVSイワンコ……バトル開始!!」

「先手必勝だ! イワンコ、“ストーンエッジ”!」

「飛んでかわせ!」

 

 イワンコの“ストーンエッジ”による岩の刃が地面から突き出してホーホーに迫るが、すかさずハヤトの指示でホーホーが飛び上がると刃を回避、そのまま上空を旋回しながらイワンコを睨みつけた。

 

「“エアスラッシュ”!!」

「イワンコ、“かげぶんしん”だ!」

 

 ホーホーが放った空気の刃、それをイワンコが“かげぶんしん”で回避しようとしたものの、流石はジムリーダーのポケモンというだけあって本体に見事直撃した。

 

「やはり特性は“するどいめ”か」

「その通り、“かげぶんしん”を使おうとも、ホーホーが本体を見抜けないなどという事は無い! ホーホー、“とっしん”攻撃!!」

「引き付けろ!」

 

 ソラタの指示でイワンコは突進してくるホーホーを見つめ次の技のタイミングを図る。既にイワンコは次のソラタの指示を予想しており、そしてそれは当たっていた。

 

「今だ! “かみなりのキバ”!」

「しまった!?」

 

 突進してきたホーホーの攻撃を回避しつつ、イワンコは牙に雷を纏って噛み付いた。効果抜群の攻撃を受けたホーホーは大ダメージを負ってフィールドに倒れてしまい、そのまま目を回してしまう。

 

「ホ~……」

「ホーホー、戦闘不能! イワンコの勝ち!!」

「やった! 師匠の一勝だ!」

 

 ハヤトがホーホーをボールに戻して、まだ元気なイワンコを見つめると静かに次のボールを取り出して構える。

 その表情に焦りの色は無く、むしろ冷静に、そしてどこか楽しそうな色を見せていた。

 

「次はコイツだ! 行け、ドードリオ!!」

「「「ドー!」」」

 

 ハヤトの二番手、みつごどりポケモンのドードーリオを見てソラタは表情を歪めた。アレはマズイ、相性の上では相変わらずイワンコの方が上だが、地上でのドードリオの速度はイワンコの上を行き、更にイワンコにとっては厄介な技を覚えるのだ。

 

「ドードリオVSイワンコ、バトル開始!!」

「次はお前からだドードリオ! “こうそくいどう”!!」

「絶対にアレを受ける訳にいかない! イワンコ、“かげぶんしん”だ!」

 

 ドードリオがフィールド内をイワンコの分身ごと囲うように超高速で走り出した。これにはイワンコも困惑して、しかも動きが速すぎて自分の技を当てるタイミングが図れない。

 

「“ストーンエッジ”!!」

「アンアン!」

 

 試しに“ストーンエッジ”を使ってみたが、ドードリオは器用に走りながら岩の刃に飛び乗って足場にしながら走り続けた。

 ならばと“こうそくいどう”の邪魔になる技を選択すれば良いだけだとソラタはイワンコに視線を投げかけると、イワンコも頷いて返す。

 

「よし、“がんせきふうじ”!!」

 

 分身を含むイワンコの周りに岩が出現して浮かび上がると、走り回るドードリオの上から降り注いだ。

 下から突き上げる“ストーンエッジ”が駄目でも上から岩が降り注ぐ“がんせきふうじ”なら飛び乗って回避など不可能、直撃しないように回避しながら走れば必然的に速度が落ちる。

 

「良い戦法だ……だが遅い! ドードリオ、“アクロバット”で回避しながらイワンコに近づけ!!」

 

 なんと、ドードリオは“アクロバット”を用いる事で見事な動きで岩を回避してしまい、その動きのままイワンコへ接近して来た。

 

「本体を見破っているのか!?」

「先ほどの“ストーンエッジ”がミスだったな、アレのおかげで分身とは挙動の違う本体を見つけられた! “ドリルライナー”!!」

 

 確かに、“ストーンエッジ”を使った時のイワンコ本体は分身とは違う挙動をした。だが、それは本当にごく僅かな違いでしかなかったのに、それを見破ったというのだ。

 結果、“ドリルライナー”の一撃を受けたイワンコはソラタの前まで吹き飛ばされ目を回して倒れてしまった。

 

「イワンコ、戦闘不能! ドードリオの勝ち!!」

「……戻れ、イワンコ」

 

 イワンコをボールに戻したソラタはドードリオを見つめ、次のポケモンの入ったボールを取り出しながら脳裏で戦術を構築していく。

 実はイワンコが戦っている間にドードリオに対する対策は形になっていたので、残りはポケモンを信じて実行に移すだけだ。

 

「次はお前だ! 行け、アマルス!」

 

 ソラタの二番手はプラターヌ博士から貰ったヒレの化石から復元した古代のポケモン、アマルスだ。

 しかも、このアマルスは普通のアマルスではない。何故ならフィールドに出た瞬間、先ほどまで晴れていた天候が変化して曇り空となって雪が降り始めたのだから。

 

「また珍しいポケモンを……それも、特性“ゆきふらし”持ちか」

「化石から復元したら、偶然にも“ゆきふらし”特性持ちだったもので」

 

 本来のアマルスの特性は“フリーズスキン”だが、稀に“ゆきふらし”の特性を持つ個体が居る。

 ソラタのアマルスもその稀にいる個体で、これを知った時は思わずガッツポーズをしたものだ。

 

「ドードリオVSアマルス、バトル開始!」

「これはマズイ相手に当たったものだ……ドードリオ、“こうそくいどう”!!」

「「「ドー! ドー!」」」

 

 ドードリオが超高速で走り回るが、天候“雪”の影響で本来命中率が低い氷タイプの大技“ふぶき”が必中技になってしまった。長期戦は不利になると判断したハヤトは一気に勝負に出ようとしたのだが、ソラタは更にその上を行く。

 

「アマルス、“オーロラベール”だ!」

 

 特性が“ゆきふらし”だと知ってから直ぐにアマルスに特訓で覚えさせた“オーロラベール”によってアマルスの身体がオーロラのような輝きを放つ光に包まれた。

 

「厄介な! ドードリオ! “けたぐり”だ!!」

「迎え撃て、“ふぶき”!!」

 

 接近してきたドードリオの“けたぐり”がアマルスに直撃するも、効果抜群の筈なのに“オーロラベール”の効果で然程大きなダメージは見受けられなかった。

 逆に接近して目の前にいるドードリオに“ふぶき”が炸裂、至近距離から“ふぶき”を受けたドードリオは全身が凍り付いて地面を転がると、氷が割れて出て来た時には目を回してしまっていた。

 

「ドードリオ、戦闘不能! アマルスの勝ち!!」

「戻れ、ドードリオ」

 

 ハヤトがドードリオを戻して三体目のボールを取り出す。残り一体を倒せばキキョウジム突破、当然だがソラタの緊張感は更に高まった。

 

「見事だソラタ君、“ゆきふらし”の特性に加えて“オーロラベール”で耐久力を上げての必中になった“ふぶき”のコンボ、このコンボを突破するのは容易ではないだろう……だが、ジムリーダーを甘く見て貰っては困る! 行け、ピジョット!!」

 

 ハヤトの三体目は予想通り、ピジョットで来た。素早さが高くないアマルスではピジョットの相手をするのは中々骨が折れるが、果たしてどこまで戦えるか……。

 

「ピジョットVSアマルス、バトル開始!!」

「飛べ、ピジョット!! “こうそくいどう”だ!!」

「アマルス、開幕から攻めるぞ!! “でんじは”!!」

 

 ピジョットが速度重視のポケモンなら、その速度を奪ってしまえば良い。キキョウジム最後のバトルは開幕から互いの戦略のぶつかり合いとなるのだった。




次回はソラタとハヤトの試合決着とククリの初のジム戦となります。
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