ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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ヒワダタウン到着です


第80話 「モンスターボール」

ポケットモンスター

転生したのは初めに旅立った子供

 

第80話

「モンスターボール」

 

 ジョウトリーグに出場する為、旅を続けるソラタとククリは遂に二つ目のジムがあるヒワダタウンに辿り着いた。

 到着したのは夜だったのでポケモンセンターに宿泊して一晩を明かした二人は早速ジムに行くのかと思われたのだが、ソラタがククリを連れて行った先はヒワダジムではなく一件の屋敷だった。

 

「あの師匠……ジム戦じゃないんですか?」

「ジムには明日行く。今日の予定はこっちだ……ヒワダタウンに入る前に寄った場所で拾ったぼんぐりは持って来たか?」

「はい、一応リュックに入ってますが」

「ならよし」

 

 実は、二人は本来であれば昨日の昼頃にはヒワダタウンに到着している筈だった。だが、それが夜にずれ込んだのはソラタが寄り道をすると言ったからなのだ。

 その寄り道をした場所は“ぼんぐり”と呼ばれる木の実が沢山採れる場所で、流石に熟れた状態の見分けが付かない二人は地面に落ちているぼんぐりを探して拾うのに時間が掛かったのである。

 

「俺達二人分で見つかったのは“あおぼんぐり”二つだけだったけど、これで特別なボールを作れる」

「特別なボール、ですか?」

「ああ、ここに住むガンテツという人はモンスターボール職人として有名でな。ぼんぐりから特殊なモンスターボールを作る事が出来る凄腕の職人なんだ」

「この実からモンスターボールを作るんですか!?」

 

 驚きの話を聞いたとククリはリュックから出した“あおぼんぐり”を見つめた。食べられもしない木の実をどうして求めていたのかと不思議に思っていたが、まさかの理由にぼんぐりを改めて観察してみたのだが……やはりただの木の実にしか見えない。

 

「まぁ、取り合えず入ろう……ごめんくださーい!」

 

 引き戸を開いて中へ声を掛けると奥からトトトトッという小さな足音が聞こえて、姿を現したのは小さな女の子だった。

 

「お客さん?」

「そうだよ、ガンテツさんはいるかな? ボール製作の依頼をしたいんだけど」

「お爺ちゃんに依頼やったんやな! ほな中入って~」

 

 どうやらガンテツの孫らしい女の子に案内されて応接間に通された。出された座布団にソラタとククリが座って少し待っていると先ほどの女の子と共に作務衣を着た老人が一人入ってくる。

 

「よう来たな、ワシがガンテツや」

「マサラタウンのソラタです」

「ワカバタウンのククリです」

「ほんで、モンスターボール製作依頼やったか?」

 

 早速話が始まったのでソラタとククリは持っていた“あおぼんぐり”を取り出してテーブルに置くと、ガンテツもそれを受け取って状態を確かめ始める。

 しばらくぼんぐりを観察して問題が無かったのだろう、頷いて目の前に置いた。

 

「“あおぼんぐり”やな、状態もええ、熟れ具合も十分、これなら立派な“ルアーボール”が作れるわ」

「お願いしても?」

「構へん、ただ作るんに時間が掛かるさかい、明後日以降になるんやけどええか?」

「はい、俺とククリも明日と明後日でジム戦に挑むので問題ありません」

「ほな、それで予定組み立てとくわ」

 

 依頼を終えて“あおぼんぐり”を預けた二人はガンテツの家を後にしてポケモンセンターに戻る事に。

 ジム戦前に最終調整もしなければならないので、色々とやることが立て込んでいるのだ。

 

「そういえば師匠、ルアーボールって普通のモンスターボールとどう違うんですか?」

「釣り上げたポケモンなどの水タイプのポケモンをゲットし易くなるボールって話だな」

「ゲットしやすくなる……普通のモンスターボールよりも?」

「そうだ……そうだな、モンスターボールについても種類があるのを教えておくべきか」

 

 丁度、目の前にフレンドリィショップがあったのでククリを待たせて中に入ると適当に在庫があったボールを1個ずつ買って出て来る。

 そのままポケモンセンターに移動してロビーの椅子に座ると、目の前のテーブルにモンスターボールを含めたいくつかのボールを並べた。

 

「まず、これが御存知、一般的に使われているモンスターボール」

 

 まず最初にソラタが指さしたのは普通のモンスターボールだ。これは今更説明するまでも無くククリも知っているので、詳しい説明は無し。

 

「それから隣にあるこの青いボール、これがスーパーボールって言ってモンスターボールよりポケモンを捕獲しやすくなるボールだな」

「スーパーボール……でもこれ、使ってる人あまり見かけませんよね?」

「まぁ……正直、モンスターボールの方が安いし、性能が上のを求めるならスーパーボールより隣のこれ、ハイパーボールを購入する方が良いからな」

 

 そう言って指さしたのがスーパーボールの横にあったハイパーボールだ。因みにハイパーボールはソラタが元々持っていた物で、こちらは時々だが使う人を見かける。

 

「それと、モンスターボールを10個まとめ買いしたら貰えるプレミアボール、これはモンスターボールと性能は変わらない」

「真っ白……師匠のギャラドスが入ってるボールがこれですよね!」

「そうだ」

 

 因みにこれを見せるために先ほどのショップでモンスターボールを10個購入したので半分ククリに分けた。

 

「それからこれがネットボール、水タイプと虫タイプのポケモンが捕まえやすくなるボールだ」

「水と、虫ですか」

 

 ネットボールを指さし、そして更にいくつかソラタが自前で持っていたボールも紹介していく。

 弱いポケモンの捕獲が容易いネストボール、捕まえたポケモンを癒すヒールボール、眠ったポケモンを捕まえやすいドリームボールなど。

 

「モンスターボールの歴史は知っているか?」

「聞いた事あります。確かタマムシ大学の教授が基礎理論を築いたとか」

「ニシノモリ教授だな。実はモンスターボールの歴史は地方によって異なるんだが、今の全国的に広まっているモンスターボールはニシノモリ教授が開発して現在はシルフカンパニーやデボンコーポレーションで製造されている物だ」

 

 地方の歴史だと、シンオウ地方ではヒスイ時代のモンスターボールがあるが、“ぼんぐり”と“たまいし”を使って作るという製造方法は長い歴史の中で失われてしまい、今のモンスターボールを使うようになったらしい。勿論、今は嘗てのボールの製造方法が復活しているが、今更主流になる事は無いだろう。

 ジョウトでは昔“ぼんぐり”に“たまいし”ではなく、特殊な装置を埋め込んでモンスターボールの代わりとしていたと聞く。

 

「ぼんぐりに特殊な装置……ガンテツさんはその技術を使う職人さんって事ですか?」

「いや、ガンテツさんはその装置を使った技術を更に発展させて、今のモンスターボールの技術も取り入れたボール作りの職人なんだ」

 

 しかし、ガンテツの技術は今のところガンテツだけが扱える技術、弟子も居ないようなので、今後もしガンテツが亡くなったら失われてしまうだろう。

 

「あの、師匠……このネットボールとかヒールボール、ドリームボールって貰っても?」

「ん? ああ、良いよ」

「ありがとうございます!」

 

 どうせソラタはそこまで使う予定は無い。水タイプのポケモンをゲットしたいと考えているが、それはルアーボールで十分事足りるのだ。

 

「さて、座学の時間は終わりだ。そろそろフィールドに行くぞ、ククリの試合は明後日だけど、今のうちに最後の調整をしておこう」

「了解です!」

 

 ヒワダジムは虫タイプのジム、ククリの手持ちだと主力はヨルノズクとデルビルになるだろう。

 ソラタとククリのデルビル兄妹は心の傷こそあるものの、バトル自体は問題なく行えるのは既に確認済み、ジム戦でも十分な活躍を期待出来る戦力だ。

 

「デルビルが“かえんほうしゃ”をあっさり覚えてくれたのは助かったな」

「でも、師匠のリザードンが指導してくれたお陰ですよ」

「まぁ、同じ炎タイプ同士で教えるのに向いているから」

 

 実は既にソラタのリザードン指導の下、デルビル兄妹は“かえんほうしゃ”という主力攻撃技を会得していた。

 他にも悪タイプの技もいくつか仕込んで、補助技も必要なものを覚えた。ゲットしたばかりだというのに、既に戦力として十分なほど育っていて、実に優秀な兄妹だと感心したものだ。

 

「ジムリーダーのツクシは虫タイプのエキスパート、初心者・熟練者問わず相手にするときは必ず切り札にストライクを持って来るらしい」

「ストライク……」

「虫・飛行の複合タイプで素早さは相当高いポケモンだ。虫タイプの中でも上位の実力を持つポケモンだと言える」

 

 ストライクさえ何とかなれば残りのポケモンは然程脅威ではない。特に初心者であるククリにとっては。

 だが、考えるべきはソラタがチャレンジする場合だろう。間違いなくストライクは出て来る。だが、ストライク以上に厄介な奴が出て来る可能性があるのだ。

 

「さて、俺は俺でビークイン対策をしておくか……」

 

 高い確率でツクシが出してくるであろうポケモンにビークインがいる。あれは守りが固いのだが、一番厄介なパターンとしてヌケニンを出してくる場合も考慮するべきだろうか。

 万が一にもヌケニンが出て来た場合は、デルビルかリザードンしか手持ちで対応できるポケモンが居ない。

 

「ヘラクロス、カイロス、メガヤンマは……まぁ特別気にする程ではないから、今考えるべきはこれくらいか」

 

 ソラタの方も問題無さそうなので、今はククリのストライク対策に集中するべきだろう。ストライクの速度に対応するにはとにかく高速戦闘をする相手とのバトルを経験する事だ。

 なのでソラタは手持ちの高速戦闘が得意なポケモン、手加減が得意なニンフィアと一応育てておきたいゾロアでククリとバトルを行い、高速戦闘の相手とのバトルを経験させる。

 結果として、その日は夕方までバトル漬けの一日となり、ソラタのゾロアがゾロアークに進化、ククリのチョンチーがランターンに進化するという結果を出す事が出来たのだった。




次回はヒワダジム、ソラタから開始です

手持ち

ソラタ
・リザードン
・ニンフィア
・ゾロア→ゾロアーク
・ラルトス
・デルビル
・イワンコ

ククリ
・ナエトル
・ヨルノズク
・チョンチー→ランターン
・デルビル
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