ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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致命的なミスがあったので一度取り下げて再投稿しました


第81話 「ヒワダジム、歩く虫ポケ大百科」

ポケットモンスター

転生したのは初めに旅立った子供

 

第81話

「ヒワダジム、歩く虫ポケ大百科」

 

 ジョウトリーグに出場する為、旅を続けるソラタとククリは二つ目のジムがあるヒワダタウンに来ていた。

 ジム戦の前日はモンスターボール職人ガンテツの所へ特殊ボールの製作依頼をして、その後はポケモンセンターで最終調整を行い、一晩明けて早速ヒワダジムへ挑戦するところだ。

 ヒワダジムは植物園を兼ねており、その中にバトルフィールドがある。早速植物園に到着した二人は中に入って人を探していると、植物園の職員らしき男性にジム戦に来た旨を伝える。

 

「ではジムリーダーを呼んでまいりますので、こちらでお待ちください」

 

 職員に案内されて連れて来られたフィールドで待つよう指示され、大人しく待っていると職員に呼ばれたジムリーダーが姿を現した。

 ボーイスカウトの様な服を着た紫色のボブカットヘアーの少年、彼こそがヒワダジムのジムリーダー、ツクシだ。

 

「よく来たね。僕がヒワダジムのジムリーダー、ツクシだよ。職員に聞いたけど、今日と明日とで分けてジム戦をしたいんだって?」

「ああ、今日は俺、マサラタウンのソラタが。明日はこの子、ワカバタウンのククリが」

「オーケー、じゃあさっそくやろうか!」

 

 先ほどの職員が審判をする事になり、フィールド脇中央に立ったのでソラタとツクシもトレーナーゾーンに立った。

 互いにモンスターボールを構えていつでも試合が開始出来る状態になったので、ククリも審判の横に立って勝負の行方を見守る。

 

「それでは、これよりヒワダジム、ジム戦を行います! 使用ポケモンは3体! 先にどちらかのポケモンを3体倒した方の勝ちとなります。尚、ポケモンの交代はチャレンジャーにのみ認められます」

「まず僕の先手はこいつだ! 行け、アリアドス!」

「行け、デルビル!」

 

 ツクシの先行はアリアドス、ソラタはデルビルだ。タイプ相性ではデルビルが有利、だがアリアドスはイトマルから進化した進化系のポケモン、未進化ポケモンのデルビルとは体力が違う。

 

「アリアドスVSデルビル、バトル開始!」

「まずはセオリー通りに来たね! アリアドス、“いとをはく”!!」

「デルビル、“おにび”だ!」

 

 アリアドスが吐いた糸をデルビルの“おにび”による青白い炎が燃やして、そのままアリアドスに直撃、アリアドスを“やけど”状態にする事に成功する。

 これでアリアドスは常にダメージを受けながら物理攻撃力が低下した状態になったので、ツクシとアリアドスは厳しい戦いを強いられる事になるだろう。

 

「そのまま“わるだくみ”だ!」

「ワウン!」

「っ! まずいね……アリアドス! “こわいかお”!!」

 

 なるほど、と思った。アリアドスとデルビルではデルビルの方が若干素早いポケモンだが、“こわいかお”で一気に素早さを奪う事で攻撃力低下状況でも確実に攻撃を当てて、数で勝負しようという魂胆か。

 だが、タイプ相性ではこちらの方が上、一気に勝負を決めに行けば素早さの低下など苦にもならない。

 

「“かえんほうしゃ”!!」

「“どくのいと”だ!」

 

 デルビルの“わるだくみ”によって火力が上昇した“かえんほうしゃ”がアリアドスを襲う。これには流石のアリアドスも耐え切れず倒れてしまうが、倒れる直前にアリアドスが放った糸がデルビルに絡まると、デルビルの様子が変化した。

 

「アリアドス、戦闘不能! デルビルの勝ち!!」

「わ、う……」

「やってくれる……!」

 

 デルビルが“どく”状態になってしまった。アリアドスはこれで戦闘不能には出来たが、デルビルは戻さなければならなくなったと判断、ツクシがアリアドスをボールに戻すのを見ながらソラタもデルビルをボールに戻す。

 

「次はこいつだよ、行け! ビークイン!!」

「頼むぞイワンコ!!」

 

 予想通り、ツクシの二番手はビークインだった。ヌケニンではなくて良かったと思うが、ビークインはビークインで面倒なポケモンだ。

 

「ビークインVSイワンコ、バトル開始!」

「ビークイン! “ぼうぎょしれい”!!」

「やっぱりな!! イワンコ、“ちょうはつ”だ!」

 

 ビークイン対策は出来ている。ビークインが“ぼうぎょしれい”で防御と特防を上げようとしてきたので、“ちょうはつ”を使う事で不発にする。

 これでビークインは攻撃技しか使えないので、守りの固さについては気にする必要が無くなった。

 

「よし、一気に攻めるぞイワンコ! “ストーンエッジ”!!」

「ワン!」

 

 ビークインの守りが手薄の今の内に一気に攻めに転じるべきだとイワンコの“ストーンエッジ”の刃が地面から突き出してビークインに迫る。

 

「“こうげきしれい”!」

 

 だが、攻撃技しか使えないから守りが疎かになるようではジムリーダーは務まらない。ツクシはビークインに“こうげきしれい”を指示、小さな蜂型のエネルギーが無数に放出され壁のように迫り来る岩の刃に襲い掛かって受け止めて見せた。

 

「攻撃は最大の防御ってね! “ベノムショック”!!」

「回避!」

 

 今度はビークインが攻める番、毒のエネルギーによる衝撃が襲い掛かったが、イワンコもギリギリで回避、しかし回避した先を読まれていたらしい。

 

「そこだ! “こうげきしれい”!!」

 

 回避した先に無数の蜂型エネルギーが襲い掛かり、イワンコに逃げ場は無い。

 

「“みがわり”だ!!」

 

 虫型エネルギーに襲われたイワンコだったが、一瞬にして身代わり人形と置き換わり本体は素早くビークインの背後に移動、残された人形がハチの巣のように穴だらけになって消えてしまった。

 イワンコの姿が身代わり人形に入れ替わった事に驚いて致命的な隙を作ったビークインに最大のチャンスが巡って来たとソラタは再び“ストーンエッジ”を指示、岩の刃が今度こそビークインに直撃する。

 

「ビークイン! “きしかいせい”!!」

「っ!」

 

 大ダメージを受けたビークインにトドメをと思ったが、ツクシが指示した技名を聞いてマズイと思った時には既に遅く、ボロボロのビークインがイワンコに突撃して吹き飛ばしてしまった。

 

「わぅ~」

「イワンコ、戦闘不能! ビークインの勝ち!」

「いや、ビークインも戦闘不能だ」

「え?」

 

 目を回して倒れてしまったイワンコを見て審判がビークインの勝ちを宣言したが、ツクシがそれに待ったを掛けてビークインも戦闘不能だと言う。

 見ればビークインの背後から2発目(・・・)の“ストーンエッジ”の刃が背中を直撃しており、堪えていたビークインもツクシの言葉と共に地面に落下して目を回してしまった。

 

「だ、ダブルノックダウン! ビークイン、イワンコ、共に戦闘不能!」

 

 イワンコの最後の意地、見せて貰った。後は最後のポケモンを倒すだけ、既にソラタの中では誰を出すのかは決まっている。

 

「最後は君だよ、ストライク!!」

「頼むぞ!」

 

 ツクシの最後のポケモンは予想通り、切り札にしてエースのストライク。対するソラタが出したボールから出たのはリザードンだった。

 

「ストライクVSリザードン、バトル開始!」

「ストライク! 君の素早さを見せてやろう! “こうそくいどう”だ!」

「全方位に“しっとのほのお”!!」

 

 ストライクが高速で動く中、リザードンが放った黒い炎は確実にストライクを捉えて“やけど”状態にしてみせた。

 それにしてもリザードンが“しっとのほのお”を覚えただろうかと疑問が浮かんだツクシに更に疑問となる出来事が起きる。

 

「“わるだくみ”!」

 

 “わるだくみ”で特殊攻撃力を上昇させてきたのだが、おかしい。先ほどからリザードンらしくないのだ。

 

「……ストライク! “れんぞくぎり”!!」

 

 まさかと思い、ストライクに指示すると、超速で動くストライクの鎌がリザードンの背中にヒット、たたらを踏むリザードンの姿がブレたのを確認した。

 

「やっぱりね」

「まぁ、バレるよな」

 

 姿がブレたリザードン、そのままブレが大きくなり、最終的にその姿はリザードンから別のポケモンに変わってしまった。

 

「珍しいポケモンだね、ゾロアークだなんて」

「昨日進化したばかりだけど、実力は十分さ」

 

 そう、ソラタが出したポケモンはリザードンではなくゾロアークだったのだ。特性“イリュージョン”で姿をリザードンに変えていたものの、覚えている技は流石にゾロアークのまま。

 一応、“しっとのほのお”という炎タイプの技を使ってみたが、リザードンが“しっとのほのお”を使う事にツクシが疑問を持てたのは流石、ジムリーダーと言ったところだ。

 

「それにしても、素直にリザードンを出していれば良かったのに、虫タイプのストライクに悪タイプのゾロアークなんて……僕を舐めてるのかな?」

「まさか、ただ俺はタイプ相性を覆すバトルっていうのを弟子に見せてあげたくてね」

「なるほどね……ストライク! “こうそくいどう”と“つるぎのまい”!!」

「走れ! “じこあんじ”!!」

 

 ストライクが高速で飛行しながら“つるぎのまい”で攻撃力を上げて来たのを見て、ソラタもゾロアークに走らせながら“じこあんじ”を指示、するとその走る速度が急速に上昇してストライクに追い付いた。

 

「“シザークロス”!」

「“シャドークロー”!」

 

 ストライクの両鎌がクロスするように降り下ろされ、それに対してゾロアークの両手の爪が黒いエネルギーに覆われて振り上げられる。

 ぶつかった爪と鎌、衝撃が植物園全体に広がる中、両者は一度距離を取って再び中央でぶつかった。

 

「ストライク! “れんぞくぎり”!」

「迎え撃て! “シャドークロー”!!」

 

 ヒットアンドアウェイの状況が続く。しかし、この状況は本来はゾロアークにとって望ましい状況ではない。

 だが、それでもあえてソラタがこの状況まで持ち込んだのは最初の技の印象を薄くする為であり、事実ツクシの頭には今のヒットアンドアウェイに勝利する事で一杯になっていた。

 

「チャンスを伺えゾロアーク」

「ゾロ!」

 

 ストライクの動きを正確に捉え、今度は渾身の“れんぞくぎり”で来たのだろう。大きく鎌を振り被って超高速で迫ってきた。

 

「今だ! “しっとのほのお”!!」

「っ!? ストライク、回避!!!」

 

 遅い。超高速で真っ直ぐゾロアークに突っ込んで来たストライクは急には止まれないし、急旋回や急上昇をする前には既に目の前に黒い炎が迫っていて、そのままストライクは炎に飲み込まれてしまった。

 

「スト~」

 

 炎が止むと、ストライクはフィールド中央で倒れており、目を回して戦闘不能状態になっていた。

 それを確認した審判は右手を上げて試合終了の合図を出す。

 

「ストライク、戦闘不能! ゾロアークの勝ち!! よって勝者、マサラタウンのソラタ!!」

 

 最初はデルビルを毒状態にされてどうなるかと思ったが、何とか勝利を納める事が出来た。

 ゾロアークをボールに戻していると、ストライクを戻したツクシが歩み寄ってきて掌に乗せたインセクトバッジを差し出してくる。

 

「おめでとう、君の勝ちだ。弟子にタイプ相性を覆す方法を提示出来たかな?」

「なんとか、ヒントは見せられたかなと」

「そうだね、ゾロアークが“しっとのほのお”を使って見せたのは良いヒントになったと思うよ」

 

 インセクトバッジを受け取りながら話をしている二人はこちらを真剣な目で見ているククリに視線を向けた。

 どうやらソラタの試合は彼女にとって良い勉強になったらしく、何やら考え込んでいるのは明白だ。

 

「明日、彼女との試合が楽しみだよ」

「ああ、楽しみにしていてくれ。俺の弟子の実力、確りと見極めて欲しい」

 

 こうして、ヒワダジム戦1日目は終了した。

 翌日のククリの試合はソラタの試合を見て真剣に考えていたククリが自分で戦術を考えるとの事で、どのような試合になるのか……次回に続く。




次回はククリのジム戦です

※手持ち一覧少し変えました

手持ち

ソラタ
・リザードン
・ニンフィア
・ニドクイン
・デルビル
・ラルトス
・リオル

ククリ
・ナエトル
・ヨルノズク
・ランターン
・デルビル

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