ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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今回はソラタの将来に関わる話です


第85話 「ウツギ博士の研究と歴史学」

ポケットモンスター

転生したのは初めに旅立った子供

 

第85話

「ウツギ博士の研究と歴史学」

 

 ジョウトリーグに出場する為、旅を続けるソラタとククリは三つ目のジムがあるコガネシティを目指していた。

 今はウバメの森を出てコガネシティ手前の町で一泊する為にポケモンセンターで宿泊手続きを終えて修行の為にフィールドに行こうという話になったのだが。

 

「おや、ククリちゃんにソラタ君」

「「ウツギ博士!?」」

 

 なんと、同じくポケモンセンターに宿泊していたらしいウツギ博士と再会したのだった。

 

「久しぶりだねぇ、元気にしてたかい?」

「ええ、博士もお変わりなく」

「元気でしたよ!」

「うんうん、何よりだ」

 

 何故ウツギ博士がこの町にいるのかと聞いてみると、何とこの町の育て屋はウツギ博士が専属契約をしてヒノアラシ、ワニノコ、チコリータのタマゴを定期的にウツギ研究所へ卸して貰っているらしく、今日はそのタマゴを受け取りに来たのだとか。

 

「ああ、新人トレーナー用ですか?」

「そうそう、ただそれだけじゃなくて僕の研究用にもいくつかね」

 

 ウツギ博士の研究テーマはタマゴを始めとしたポケモンの進化について、なのでタマゴの研究もまたウツギ博士にとって大事なものなのだ。

 

「でも今回は少し受け取りすぎたよ……それに何のタマゴか不明の物もあってね」

「不明、ですか?」

「ああうん、時々トレーナーが受け取り拒否したり、いらないからと育て屋の前にタマゴを捨てて行くトレーナーも居てね」

 

 胸糞悪い話だ。それで余計に受け取ったタマゴというのが受け取り拒否をしたタマゴと捨てられていたタマゴらしい。

 ウツギ博士の部屋で受け取り拒否をされた黄色と白の模様のタマゴと、捨てられていたという緑と黄色の模様のタマゴが入ったカプセルを見せて貰った。

 

「これがポケモンのタマゴ……」

「おや、ククリちゃんはポケモンのタマゴは初めて見るのかい?」

「はい! 話には聞いてましたけど、結構大きいんですね」

 

 ククリが受け取り拒否をされたタマゴを物珍し気に見つめている。確かにククリは今までポケモンのタマゴを見る機会が無かったので、珍しいのも無理は無い。

 ソラタはガブリアスがそもそもタマゴから育てたポケモンなので珍しいとは思わないが、逆にそれが懐かしさを感じさせる要因になっていた。

 

「因みにククリちゃんが見ているタマゴは何のポケモンかは判っているんだ。ソラタ君の見ているタマゴは何のポケモンなのか不明だけどね」

 

 ククリが見ている黄色と白の模様のタマゴは電気タイプのメリープのタマゴらしい。預かっていたデンリュウがいつの間にか持っていた物で、デンリュウのトレーナーが不要だと受け取り拒否をしたから育て屋が預かっていた。

 

「そうだ、良ければこの二つのタマゴ、二人とも育ててみないかい?」

「良いんですか!?」

「うん、ククリちゃんにとっても良い経験になると思うからね」

「やった!」

 

 なんと、ウツギ博士からの厚意でタマゴを貰える事になった。メリープのタマゴを受け取ったククリはランターンをウツギ博士に預ける事にして手持ちを一つ空けて、いつ孵っても問題ないようにした。

 

「俺も良いんですか?」

「勿論だ。特にソラタ君は一度はタマゴを孵した経験があるから、一緒に育ててククリちゃんにアドバイスをお願いしたい」

「なるほど、そういう事でしたら喜んで」

 

 ならソラタも手持ちを空けなければならないなと自身の手持ちから最近やっと落ち着いてくれたデルビルをオーキド研究所へ預ける事にした。

 オーキド研究所にはソラタの持つ炎タイプのウインディと悪タイプのゾロアークもいる。ウインディとゾロアークから色々と教わって貰えればデルビルの為にもなるだろうという判断だ。

 

「師匠、ウツギ博士、ポケモンのタマゴって今もどうやって出来るのかって判明してないんですよね?」

「ん? そうだな、ウツギ博士もその辺の研究はしてるらしいけど、今はまだ?」

「そうだねぇ……もう何年も研究して実際にポケモンのタマゴが誕生する瞬間を観察しようとしているんだけど」

 

 カメラなんかも駆使して観察してみたが、観察している間は絶対にタマゴは誕生しなかったらしい。しかも、カメラを止めたらいつの間にかタマゴを♀が抱えていたので今もタマゴ誕生の瞬間を観察出来ていないのだ。

 

「ポケモンの歴史の観点からも実はタマゴに関する記録は詳細まで載っていないんだ。俺も少しだけ調べた事があるけど、今と変わらずいつの間にかポケモンの♀がタマゴを抱えていたという記述がある」

「ソラタ君、詳しいね」

「ポケモンの歴史学が好きなので」

「なるほど、ポケモンの歴史学は色々な教授がテーマを提唱しているけど、専門研究をしている有名な博士はいない、将来はポケモンの歴史学博士なんて良いんじゃないかい?」

 

 ポケモン歴史学の博士、確かに面白そうだ。地方の伝承などを調べる考古学とは違うポケモンの歴史そのものを調べる歴史学、考古学にも興味があるが、歴史学はそれ以上にソラタの興味を惹く内容だった。

 

「そうですね、チャンピオンになったら副業で歴史学を研究するのもアリかもです……俺の知ってるチャンピオン、一人を除いて全員副業持ちですし」

「そういえばそうだね、ジョウトチャンピオンのワタル君もポケモンGメンだし、シンオウチャンピオンのシロナさんも考古学者をしている」

 

 そういう意味でもソラタの副業として歴史学研究者というのはアリだった。元々、転生前も歴史は好きだったが、今世では歴史を専門に扱う仕事をするもの面白そうだと思う。

 

「そうだ、折角だし今の時点でソラタ君の持つポケモンの歴史学に関する何か良い話を聞かせて貰えるかい?」

「今の時点で、ですか……そうですね、例えば」

 

 即座に頭に浮かんだのはプリンというポケモンについてだ。

 

「プリン、いますよね?」

「うん、いるね」

「プリンは大昔と今で姿が違う可能性があると言われているのは?」

「……どっかで聞いたような?」

「師匠、どういう事なんですか?」

 

 これは実際にこの世界でもつい最近になってパルデア地方で発見された内容なのだ。なので他地方の人間が知らないのも無理は無い。

 

「パルデア地方で見つかった資料によると大昔、プリンは姿が少し違っていて、今のプリンよりも獰猛で攻撃的な性格のポケモンだったらしいです」

「獰猛……ああ! 確かパルデアで見つかった絵と資料がプリンに似たポケモンだって話で、その絵のポケモンにサケブシッポって名付けられたんだ!」

 

 やはりウツギ博士は知っていた。この辺りは流石ポケモン博士といった所か。

 

「おそらくそのサケブシッポが現代までの進化の過程で今のプリンになったと思われますが、どんな過程を経たのか……これは俺の推測ですがポケモンのタマゴが出来る組み合わせに秘密があると思っているんです」

「……それは私の研究テーマの一つ、タマゴグループだね?」

「そうです。サケブシッポはまだ絵と僅かな資料が発見されただけなので研究はこれからでしょうけど、タマゴグループによるポケモンの組み合わせが太古から現代までの間に今のプリンへと変化させたのではないかというのが俺の考察です」

「なるほど……いや、面白い考察だ」

 

 ソラタの考察を聞いていたウツギ博士が何やら思案顔、そしてガシッとソラタの肩を掴むと何やら興奮した御様子。

 

「ソラタ君! 是非、その考察をレポートに纏めて学会に提出してみないかい!? 君の考察は一考の価値がある! もしかしたら学会でも認められるかもしれないよ!」

「レポート、ですか」

「ああ! オーキド博士には私の方からも話しておく、私とオーキド博士、ああそれとプラターヌ博士も話せば協力してくれるかもしれない、とにかく3人のポケモン博士推薦のレポートとして学会に提出したら必ず著名な学者達も目にしてくれる筈だ!!」

「学会に……」

 

 もし、学会で認められれば、将来ポケモンの歴史研究者になるのに十分な実績となる。しかもウツギ博士、オーキド博士、プラターヌ博士の三人の博士が推薦してくれるなら、間違いなく。

 

「勿論、レポートは僕とオーキド博士、プラターヌ博士も目を通してから提出って形になるけど、君なら良いレポートを書いてくれると思うんだ」

「えっと、流石に期待が大きすぎて重いんですが……」

「才能ある若者の芽を伸ばすのは我々の仕事、期待するのも無理は無いと思ってくれ」

 

 更にウツギ博士はソラタのレポートの為の資料としてパルデアから入手出来るだけの資料を取り寄せてくれるという。

 旅をしながらで構わないので是非ともレポートを作成して欲しいと言われ、ソラタもそこまで言われたなら試しにと頷いた。

 

「いやぁ楽しみだ! 君がどんなレポートを書いてくれるのか、研究所に帰ったら早速オーキド博士とプラターヌ博士にも話を通しておくよ」

「え~……その、あまり期待し過ぎないで下さいね? 俺はまだ素人ですし」

「勿論、過度な期待はしないとも。でも十分な期待は寄せているよ」

 

 何とも妙な話になってしまったが、ソラタにとってもチャンスであり良い機会を貰えたと思うべきだろう。

 将来、チャンピオンになれるかなれないか、それはソラタの実力次第だが将来の選択肢の幅を今から広げるのもアリなのは確かなのだから。

 

「師匠! 頑張って下さいね!」

「まぁ、うん。頑張るよ」

 

 幸い、レポートの書き方などは昔から色々な研究レポートを目にしていたので書式などは熟知している。

 ジョウトリーグまでには資料を完成させてみようとウツギ博士にはパルデア地方に資料など入手可能なものを出来る限り取り寄せてもらう事にするのだった。




次回は早々にタマゴを孵す事になるかもですね


現在の手持ち

ソラタ
・リザードン
・ニンフィア
・ルカリオ
・ラルトス
・ワニノコ
・タマゴ(不明)

ククリ
・ナエトル
・ヨルノズク
・デルビル
・ヘラクロス
・マリル
・タマゴ(メリープ)
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