ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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シズホとのバトル、何回目でしたっけね?


第91話 「見本となるバトル」

ポケットモンスター

転生したのは初めに旅立った子供

 

第91話

「見本となるバトル」

 

 ジョウトリーグに出場する為、旅を続けるソラタとククリは次のジムがあるエンジュシティを目指している真っ只中だった。

 道中、自然公園で休息中にソラタの永遠のライバル、シズホと再会。同じくジョウトリーグを目指して旅をしていた彼女とソラタの再会時恒例のバトルが行われる事となり、ククリの目の前で今、セキエイ大会にて最も熱いバトルを繰り広げた二人の再戦が行われようとしている。

 

「ラルトス! “シャドーボール”!!」

「ニダンギル! “つじぎり”!!」

 

 開幕早々、ラルトスの“シャドーボール”が放たれ、ニダンギルが“つじぎり”で切り落とすと、そのまま一気にラルトスに突っ込んで来た。

 

「もう一度“つじぎり”です!」

「“テレポート”!」

 

 悪タイプの技である“つじぎり”は通常ならエスパータイプに効果抜群だが、フェアリータイプも持つラルトスには等倍ダメージだ。

 だが、だからとて当たる必要のない場面、ソラタは“テレポート”を指示すると、ラルトスがその場から消えてニダンギルの後ろに現れた。

 

「“おにび”だ!」

 

 背後を取ったラルトスの“おにび”が命中、ニダンギルは火傷を負って更に物理攻撃力が低下してしまう。

 しかし、その程度はシズホも承知の上、それに対する対策など十分出来ていた。

 

「“パワートリック”!!」

 

 ニダンギルは物理攻撃力の高いポケモンではあるが、それ以上に物理防御力の高いポケモン、そんなニダンギルが攻撃力と防御力を入れ替える“パワートリック”を使えば低下した物理攻撃力を補って余りある力へと変換できる。

 

「“アイアンヘッド”です!」

 

 とはいえ、“やけど”状態では常にダメージを受け続けるので長時間の戦闘は不可能、ならばとタイプ一致技でありラルトスの弱点である鋼タイプの物理攻撃技で攻めて来た。

 流石に至近距離に居たラルトスは回避も“テレポート”も間に合わず“アイアンヘッド”の一撃を受けてしまう。

 

「そのまま追い打ちしますよ! “つばめがえし”!!」

「迎え撃て! “マジカルフレイム”!!」

 

 追い打ちしようとしてきたニダンギルに、今度はラルトスの“マジカルフレイム”が至近距離から直撃して炎に飲み込まれた。

 ゴーストタイプの他に鋼タイプを持つニダンギルに炎タイプの技である“マジカルフレイム”は効果抜群、タイプ不一致とはいえ特殊攻撃力の高いラルトスの放つ“マジカルフレイム”は大きなダメージを与える。

 

「畳み掛けろ! “シャドーボール”!!」

 

 炎が無くなり、所々焦げたニダンギルがフラフラしている所にラルトスの“シャドーボール”が放たれた。

 だが、流石はシズホに鍛えられたポケモンというだけあり、直ぐに態勢を立て直して“シャドーボール”を切断、そのまま突っ込んできて“つばめがえし”がラルトスに直撃する。

 

「やるなぁ……“テレポート”!」

 

 ラルトスの体力が少なくなってきたのは察している。もうここは一気に勝負に出るべきだと判断して“テレポート”を指示、追撃の“つばめがえし”を回避してニダンギルの真後ろに現れたラルトスは既に次の技の準備を整えていた。

 

「“シャドーボール”!!」

 

 真後ろから至近距離の効果抜群技を受けたニダンギルが地面に叩き付けられた。これには流石のニダンギルも大ダメージは免れなかったようで、互いにボロボロの状態だ。

 そして、トドメだとまだ空中に浮いていたラルトスが構えた手の前に炎が現れニダンギルをロックオン、“マジカルフレイム”が放たれる。

 

「ニダンギル、“アイアンヘッド”で突っ込んで!」

 

 回避は間に合わない。ならば死中に活を見出すべく“アイアンヘッド”を指示したシズホ、ニダンギルは柄部分を鋼のエネルギーで覆いながら迫り来る炎の中に突っ込み、炎の中からラルトスに“アイアンヘッド”を直撃させるのだった。

 

「ラ、ル~」

「ギル~」

「えっと、ラルトス、ニダンギル共に戦闘不能!」

 

 互いに効果抜群の技を受けて目を回しながら倒れたラルトスとニダンギル、勝負ありだ。ククリがそう宣言すると一瞬だけソラタとククリが鋭い目線で互いを見つめると、すぐに緊張感が解かれて普段通りの雰囲気に戻った。

 

「やっぱり、俺とシズホのバトルはこうなるよな」

「ですね」

 

 公式試合以外でバトルすると、ソラタとシズホは必ず引き分けに終わってしまう。それは今回も同じ。

 ソラタとシズホはそれぞれラルトスとニダンギルの下に歩み寄ると抱き起こして“いいキズぐすり”で回復させる。

 

「凄かったです! 師匠もシズホ選手も!」

「サンキュー、勉強になったか?」

「勿論です! こんなハイレベルのバトル、師匠のジム戦以外で見られるなんて思わなかったですよ!」

 

 そういえば、確かにそうだ。ソラタの本気バトルはジム戦以外で見せた事が無かった。

 これまでトレーナーとの野良バトルをソラタも何度かククリに見せた事はあるが、どれもソラタは本気で戦ったとは言えない。ここまで本気のバトルはジム戦以外でした事が無かったのだ。

 

「流石にシズホ相手ならな、本気にもなる」

「光栄です」

 

 ジムリーダーやリーグ戦、そして幼馴染以外で唯一本気でバトル出来る相手、それがシズホだ。だからこそ、シズホはソラタにとって永遠のライバルと言える。

 

「ラル!?」

 

 回復を終えたラルトスが相変わらずソラタの頭に抱き着いていたのだが、突然大声を挙げたかと思うとすぐさまソラタの頭から飛び降りて地面に立つと、ソラタとククリ、シズホが突然どうしたのかと見つめる中、その身体が光り輝いた。

 

「これは……」

「進化の光ですね!」

「あら、まぁ」

 

 先ほどのバトルで進化に必要な経験値を得られたのか、ラルトスが進化を始めた。光が止み、ラルトスが立っていた場所にはもうラルトスの姿は無く、代わりに新たな姿となったポケモンが。

 

「キル!」

「キルリア……!」

 

 ラルトスの進化系、キルリア。弱いからという理由で瀕死の危険な状態で捨てられていたラルトスが、ソラタに拾われ様々な経験を積み重ねた結果、ついに進化を果たしたのだ。

 

「よかった……よかったなぁキルリア!」

「キル! キルア!」

 

 感極まったとばかりにキルリアの頭を撫でると、キルリアはラルトスの頃と同じようにソラタの頭に抱き着いた。

 流石にラルトスの頃より大きくなったキルリアが抱き着いてはソラタでも支えきれず尻もちをついてしまったが、キルリアが嬉しそうなので良しとする。

 

「ふぅ、そうだシズホ……もう少し休憩するんだけど、お前もどうだ?」

「ええ、勿論です」

 

 頬擦りするキルリアをそのままにシズホに提案すると、彼女もそのつもりだったのか素直に頷いてニダンギル以外のポケモン達を出す。

 セキエイ大会でも見た顔であるバンギラスとハッサム、そして今バトルをしたニダンギル以外のシズホのパーティーは皆、新顔なのは現在育成中なのだろう。

 

「へぇ、アブソルにモクロー、ミジュマルか」

「実はセキエイ大会が終わった後、別地方に修行に出てまして、ニダンギル以外はそこでゲットした子達なんです」

 

 何でもシズホはセキエイ大会が終わった後、修行として最初にアローラへ行き、その後はイッシュへ行って、所要でホウエンに寄ってからジョウトに帰って来たのだとか。

 その際、アローラでモクローを、イッシュでミジュマルを、ホウエンでアブソルをゲットしたらしい。

 因みにニダンギルについては実はカントー時代から持っていて、クチバシティでカロスから来たトレーナーと交換してゲットしたヒトツキが最近進化したポケモンとの事だ。

 

「アローラにシズホも行ってたのか」

「ソラタさんも行ってたんですか?」

「ああ、カロスに行ってからアローラにな」

「カロスに……なるほど」

 

 カロス地方に行っていたと聞いたシズホが何やら思案して、直ぐに何か納得した様子を見せる。

 その視線は明らかにソラタの右手首の腕輪、そこに付いているキーストーンに向けられており、ソラタがメガシンカを会得したのだと気付いたようだ。

 

「メガシンカ、カロスで会得したんですね」

「やっぱ、気付くよな」

「勿論です。私も持ってるアイテムですから」

 

 そう言ってシズホは服の内側に入れていたネックレスを取り出して掲げた。ペンダントになっており、ペンダントトップにはソラタの腕輪に付いている物と同じ石……キーストーンが取り付けられている。

 

「そうか、シズホもか」

「ええ、これはジョウトリーグが楽しみになりました」

 

 ソラタもシズホも互いのベストメンバーを知っている。その中でメガシンカ可能なポケモンを知っているからこそ、どの子がメガシンカするのかと予想すると楽しみになってきた。

 

「良いなー師匠もシズホ選手も」

 

 そんな二人を見ていたククリがメガシンカを羨ましがった。流石にまだまだトレーナーとしての実力もレベルもメガシンカを扱うまでに達していないとはいえ、憧れはある。

 

「そうだな、お前もいつか一端のトレーナーになったらキーストーンやメガストーンを探してみるといい。お前の手持ちにもメガシンカ可能なポケモンがいるからな」

「本当ですか!?」

 

 バッとククリが休憩している自分のポケモン達の方を振り返った。ハヤシガメ、ヨルノズク、デルビル、マリル、ヘラクロス、メリープと、どのポケモンがメガシンカ出来るのか、ククリは知らないので二人に尋ねてみた。

 

「ククリさんの手持ちの子でしたらデルビルとヘラクロス、メリープですね」

「だな、進化したヘルガー、デンリュウ、それからヘラクロスは進化しないから今の状態で、それぞれメガシンカがある」

「わぁ……いつか、メガシンカが使えるようになるためにも頑張ります」

「そうだな、頑張れ」

 

 それがやる気に繋がるのなら、師匠としては歓迎すべきだ。

 こうして、自然公園で久しぶりの再会を果たしたシズホを交えて休息を取ったソラタと、シズホとの交流の中で最終的に「シズホさん」「ククリちゃん」と呼び合うまでに仲良くなったククリは、エンジュシティまでという条件付きで一時的にシズホと共に旅立つのだった。




旅の仲間にシズホが加わりました。とは言ってもエンジュシティまでですが。
次回はまたオリジナル回、簡単に言うとソラタとククリのデルビル兄妹が関係するお話です。

手持ち
ソラタ
・ギャラドス
・キレイハナ
・ラルトス→キルリア
・デルビル
・ワニノコ
・ツタージャ

ククリ
・ハヤシガメ
・ヨルノズク
・デルビル
・ヘラクロス
・マリル
・メリープ

シズホ
・バンギラス
・ハッサム
・ニダンギル
・アブソル
・モクロー
・ミジュマル


因みにシズホのモクロー、ミジュマルは将来サトシがゲットするモクロー、ミジュマルとは別個体です。
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