ポケットモンスター 転生したのは初めに旅立った子供   作:剣の舞姫

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お待たせしました。割と早めに完成したので投稿です


第94話 「No1ポケモンハンター」

ポケットモンスター

転生したのは初めに旅立った子供

 

第94話

「No1ポケモンハンター」

 

 ジョウトリーグに出場する為、旅を続けるソラタとククリ、シズホは次のジムがあるエンジュシティを目指している途中だった。

 道中立ち寄った街で行われている違法オークションの話を聞き、かつてデルビル兄妹の母であるヘルガーを殺害したポケモンハンター・グスタフも街に潜伏している可能性もあるという事で捜査協力を依頼された為、現在は国際警察のハンサム捜査官指揮の下、ソラタ達はオークション会場がある街の地下へ潜入した。

 今はハンサム率いる捕らわれたポケモンの救出部隊と別れたソラタとシズホ率いる逮捕部隊は早速現れた警備担当らしき男数人と相対している。

 

「その恰好、ロケット団だな」

「あんあだぁ? もうサツ共が嗅ぎ付けたのかよ……つか、何でガキまで」

「悪いが相手してる暇は無い! ニンフィア、“ムーンフォース”! デルビル、“かえんほうしゃ”!」

「エーフィ、“サイコキネシス”!」

 

 警備員の服装は明らかにロケット団の制服だった。こちらに気付いてズバットやラッタを出して来たものの、ソラタのニンフィアとデルビル、シズホのエーフィの一撃で呆気なく撃沈、そのまま警察隊に逮捕されていった。

 

「良いわソラタ君、シズホさん、このままオークション会場へ突入するわよ!」

「了解」

「はい」

 

 ロケット団が警備していたという事は、その後ろにある扉の向こうがオークション会場で間違い無いだろう。

 シズホのクロバットの“ちょうおんぱ”による調査で作成した見取り図でも、その扉の向こうはオークション会場に相応しい広さの部屋になっていたのだから。

 ソラタのニンフィアとデルビル、シズホのエーフィ、ジュンサーさんのガーディ、警察隊のオオタチやレディアン、ゴルバットなどのポケモン達も気合十分、ジュンサーさんの合図と共に全員一気に扉を開いて中へ雪崩れ込んだ。

 

「警察よ! 全員、その場で手を上げて動かないで!!」

 

 オークション会場に入ると、案の定オークションの真っ只中だった様子。参加者の所謂金持ち達は突然乱入してきた警察隊に驚きつつ、逃げようにも逃げられない状況を悟ったのか次々と手を挙げて無抵抗となった。

 だが、その中でも抵抗の意思を示したのは案の定というべきかオークションの主催側や会場内警備をしていたロケット団員で、直ぐにポケモンを出してきたので警察隊が相手をする事に。

 

「おいおい……せっかく俺様が用意した商品を売っていた最中だってのに、邪魔してくれやがって」

 

 すると、主催者達のいる部隊の端、舞台袖から一人の男が出て来た。短めの銀髪を逆立てた30代ほどの男、強面の面構えに不敵な笑みを浮かべるその男は手配書に載っていた顔そのままだ。

 

「ポケモンハンター・グスタフだな」

「あん? なんで警察隊にガキがいるんだ? しかも二人も……まぁいい、その通りだぜガキ共、俺様が世界を股に掛けるナンバーワンポケモンハンター・グスタフ様だ!」

 

 やはり、この男がグスタフだった。

 ソラタとククリのデルビル兄妹の母であるヘルガーを殺した犯人、世界中に国際指名手配をされている凶悪犯罪者、デルビルもグスタフの顔を見て母が殺された時の事を思い出したのか憎悪の表情を浮かべて威嚇している。

 

「俺様はな、俺様の仕事の邪魔をされるのが大っ嫌いでね……このオークションも俺様の仕事の一環なんだよ、それをこんな形で邪魔してぶっ壊してくれやがって、覚悟は出来てるんだろうなぁ?」

「貴方こそ、お覚悟を……ポケモンを害する犯罪、許される事ではありません」

「ハッ! ポケモンを害するだぁ? ポケモンなんざ所詮は畜生じゃねぇか! 畜生如きが人間様の金儲けの役に立てるんだから感謝して欲しいね!!」

「……もう黙れ」

 

 グスタフの言い分など聞いていても胸糞悪くなるだけだ。ならば問答など無用、この場で捕らえて警察に引き渡すだけだ。

 

「チッ、ノリの悪いガキだな……まぁ良い、大人の仕事を邪魔しやがったガキにゃお仕置きが必要だ、遊んでやれ! サザンドラ! セグレイブ!」

 

 グスタフがモンスターボール二つを投げて出したポケモンは、なるほど自称ナンバーワンポケモンハンターと言うだけある。

 サザンドラとセグレイブ、所謂600族と呼ばれるカテゴリーのポケモンで、伝説や準伝説のポケモンを除けば破格の種族値を持つ強力なポケモンだ。

 

「頼むぞガブリアス!」

「行きますよ、バンギラス!」

 

 向こうが600族ならこちらも600族だとばかりにソラタはガブリアスを、シズホはバンギラスを出した。

 

「ハッ! ガキが生意気なポケモン連れてやがるぜ! ちっと撫でてやれサザンドラ! “りゅうのはどう”!! セグレイブ! “ワイドブレイカー”!!」

「ガブリアス! “ストーンエッジ”で“りゅうのはどう”を受け止めろ!!」

「バンギラス! “ほのおのパンチ”で迎え撃って!!」

 

 ガブリアスの“ストーンエッジ”がサザンドラの“りゅうのはどう”を受け止めている横でバンギラスの“ほのおのパンチ”とセグレイブの“ワイドブレイカー”が激突した。

 600族という高い種族値同士の強力な技の激突は、それだけで激しい衝撃波を発生させて、一瞬にしてオークション会場がボロボロになる。

 勿論、警察隊が既に客も主催側も拘束して連行しており、戦闘に巻き込まれる心配は無いのだが、遠巻きに見ていた警察隊数名があまりの衝撃に尻もち着いてしまったのは御愛嬌。

 

「バンギラスでセグレイブに近接戦は悪手だぜ嬢ちゃん! そのまま噛み付いてやれ! “こおりのキバ”!!」

「それはこちらのセリフですよ! “アイアンヘッド”!!」

 

 “ワイドブレイカー”とぶつかっていた“ほのおのパンチ”を繰り出しているバンギラスの右手にセグレイブの“こおりのキバ”が突き立てられ、そのまま噛み付いたのだが、それを待っていたとばかりにバンギラスは右腕を振り上げてセグレイブを持ち上げると、鋼のエネルギーを纏った頭突きを叩き込む。

 

「セグレイブ!?」

「よそ見してて良いのか?」

「っ!?」

「ガブリアス! “かわらわり”!!」

 

 “アイアンヘッド”が叩き込まれたセグレイブに意識が持って行かれたグスタフの隙を見て、“ストーンエッジ”に隠れていたガブリアスが動き出した。

 突き出した“ストーンエッジ”を足場に飛び出すと、その右手を光らせてサザンドラに叩き込み、更にサザンドラを足場にして真上へジャンプする。

 

「“ドラゴンダイブ”!!」

「チィッ!! サザンドラ! “はかいこうせん”だ!!」

 

 グスタフは選択を間違えた。タイプ一致の“ドラゴンダイブ”で突撃するガブリアスに、タイプ不一致の“はかいこうせん”で迎え撃った所で、掻き消されながらガブリアスの一撃が直撃するだけだ。

 

「んだよ、ガキが何でこんなに強ぇんだよ!」

 

 自分の所まで吹き飛ばされたサザンドラとセグレイブ、そしてピンピンしているガブリアスとバンギラスの差に、グスタフは子供にトレーナーとしての実力が劣っている事実を認識して愕然としていた。

 

「ガブリアス、これを使ってください」

 

 このまま追い込むかという所で、シズホが突然ガブリアスに何かを投げる。それを受け取ったガブリアスが何なのかと見て見れば、それは紛れも無くメガストーンだった。

 

「ガブリアスナイト!? シズホ……」

「アローラで偶然見つけて、余っていたものですから」

 

 キーストーンの付いたペンダントを取り出しながら事も無げに言うシズホに、ソラタは苦笑しつつ自身も腕輪に付いたキーストーンを露出させて構える。

 

「行くぜガブリアス! 俺達の絆、その果ての力を今ここに!!」

「行きますよバンギラス! 絆よ、高まれ! 最果ての力を此処に!!」

「「メガシンカ!!!」」

 

 メガストーンとキーストーンが共鳴し合い、ガブリアスとバンギラスはその姿が光に包まれて姿を変えた。

 メガガブリアス、メガバンギラス、ただでさえ強力な600族のポケモンがメガシンカによって更に強力になった二体にグスタフは驚愕の中に若干の怯えの表情を見せる。

 

「メガ、シンカかよ……クソったれめ!! サザンドラ! “りゅうせいぐん”!! セグレイブ! “きょけんとつげき”!!」

 

 メガシンカした相手に分が悪いと判断したグスタフはそれぞれの大技を指示、降り注ぐドラゴンのエネルギーの雨と背中の刃を向けて突撃するセグレイブの巨体に、ソラタもシズホも冷静だった。

 

「連続で“スケイルショット”!!」

「“ストーンエッジ”です!!」

 

 降り注ぐ“りゅうせいぐん”が全て“スケイルショット”に撃ち落とされ、セグレイブの巨体は背中の刃が“ストーンエッジ”に突き刺さって止められてしまう。

 完全に隙が出来た二体に対し、メガガブリアスが跳び上がり、メガバンギラスが地面に向けて再び拳を振り上げた。

 

「サザンドラに“ドラゴンダイブ”!!!」

「セグレイブに“ストーンエッジ”!!!」

 

 二体の必殺級の一撃が決まった。サザンドラとセグレイブは再度グスタフの足元まで吹き飛ばされて目を回してしまう。

 

「ク、クソ! 戻れ役立たず共!!」

 

 サザンドラとセグレイブをモンスターボールに戻したグスタフは威嚇しながらこちらを睨むメガガブリアスとメガバンギラス、更にその向こうにいるニンフィアとエーフィ、デルビルを見て圧倒的不利を悟り、仕方がないとばかりに懐から煙玉を取り出して床に叩き付けた。

 

「トロピウス! 天井に向けて“はかいこうせん”だ!!」

 

 煙に紛れてトロピウスを出したグスタフは天井を破壊して地上まで“はかいこうせん”を貫通させると、そのまま逃げようとしたのだが、無駄な足掻きだ。

 

「リザードン、デルビル!! “かえんほうしゃ”!!」

「バクフーン!! “かえんほうしゃ”です!!」

 

 冷静に煙の中でリザードンとバクフーンを出していたソラタとシズホの指示でその場の三体の“かえんほうしゃ”がグスタフの乗るトロピウスに直撃、見事脱出前に撃ち落とすのだ。

 

「う、嘘だろ……俺様が、こんなガキ共に……?」

 

 目を回して倒れたトロピウスの横でグスタフがリザードン、デルビル、ニンフィア、メガガブリアス、バクフーン、エーフィ、メガバンギラスに囲まれる。もう、この男に逃げ場は無い。

 こうして、世界中に国際指名手配されていた最悪のポケモンハンター・グスタフは逮捕、違法オークションの主催者やロケット団の構成員多数と参加していた客、多くの逮捕者も護送され、ククリとハンサム達が向かっていたポケモン救出部隊も捕らわれていたポケモン達を見事救出する事に成功するのだった。




次回で違法オークションの話はおしまいです。
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