トレセン学園に通っているというと、それを聞いた奴らの反応というものが大半“うらやましい”の一言に集約されるのは恐らくどころか、大概にして俺が異性というものとほとんど──そのウマ娘とやらとも──ほとんどかかわりをもっていないからであるからに違いないと思われる。
そうでなかったならば、誰か一人は必ず俺に対して「大変だね」だの、「大丈夫?」といった気遣いの言葉をかけてくれるに違いないからである。同性のことをよく知るゆえに
だが思い返してみても俺自身にはなにか特別な出自があるわけでも、辺鄙な育ち方をしたわけでもなければ、必然ながら
俺は単なる一般人、あるいは凡庸なる一介の男子として生を受け、自分なりにすくすくと成長してきたわけであるし、これからもそれは変わらないはずだったのだ。
その点でいうのなら、
俺がトレセン学園──日本ウマ娘トレーニングセンター学園というウマ娘たちが国民的スポーツたるトゥインクル・シリーズでの栄光を勝ち取らんとするために日々を切磋琢磨する舞台にして、舞台回しでもある──そんなエリートたちの集う場所にいるのは、
どこをどうみても、どうとってみても平凡でしかなく、それ故に凡庸であるはずの一介の男子。
それが
そのはずだった。
そうであったのならば、無知ゆえのあの安寧たる日々が続いていたのならば、どんなによかったことだろう?
とっとと逃げ出せばよかったのだ。
あの日、トレセン学園においてやらかした自分を呪いたい。悪目立ちこそ俺の本懐とのたもうて、自分では大立ち回りをしてみせたつもりの俺を。自分よりも上位の存在たるウマ娘を救い、あるいは下すことができたと喜んでいた自分を。
そうして俺は見事目をつけられた。
あの面妖な理事長や、底知れないその秘書に。
トレーナーという人間の皮を被った悪魔の手先に!!!
生きるということが半ば義務とされているこの世の中の