「努力は必ず報われるという事を貴方が証明してみせなさい」 作:音﨑カラス
今朝、学校の教室に入ってすぐにクラスメイトがワラワラと俺の下へと駆け寄ってくる。
「おい蒼! お前昨日のニュースに出た!?」
いち早く駆け寄ってきた仲の良い友達が朝から元気な声でそう言い放った。
あー朝からうるさいなぁなんて見当違いなことを考えながら、友達の言葉の理解を試みる。
俺が、昨日、ニュースに、出た。
ホワイ? 聞いてないよ俺! え? いつ?って昨日か。昨日のいつ? 何時頃? おぉい俺見てないよ! てか何で知らないの? 母さん? 絶対母さん伝え忘れてね? こんなことってある? 俺初TVデビューじゃん。頼むから録画はしといてほしい。
と、俺の思考は冷静に状況整理をした。この間0.5秒程である。
不自然に思われないように平静を保ちつつ受け答えをする。
「そうなの?」
「俺偶々ばあちゃんが観てたの観ててさ! 蒼が出てきてびっくりした!!」
「何時頃のニュース?」
「えっと、確か夕方だった気がする」
そう言った後、友人は「隣のクラスにも言ってくる!」と言って教室を飛び出していった。
どうやら彼がニュースのことを言いふらしているらしい。
それにしてもそうか……夕方頃なら確か母さんに言われてお勉強をしていたかな。あれ? これ母さんニュースのこと忘れてない? それとも意図的に……ってそれは無いな。
そうこう考えていると、どうやら俺の友人から話を聞いた隣のクラスの人達がやってきた。
「すげぇ!」だとか「有名人じゃん!」だとか「バレーやってたの?」と囃し立てる。
それに曖昧に笑って誤魔化していると騒ぎを聞きつけた先生が場を収めてくれた。
録画、してるよね?
授業を終えて家に帰ってきてまず最初に母さんを問いただした。
母さんは案の定伝えるのを忘れていたみたいで、ニュースは見たけど録画はしていないときた。
なんでなん? ニュース見てて何で気付かないんだ!! まぁいいよ、母さんだもんね、仕方ないね。
そう落ち込みつつも、一縷の望みにかけて録画欄を見る。
はっ!!!
なんということでしょう、録画していないと言いつつもしっかり録画がされてあるではありませんか。
ツンデレか? 母親にツンデレされても反応に困るんですけど、いや母さんがそんなことする訳ないか。
そんなことを考えていたら丁度父さんが帰って来た。
「お? なんだ蒼、ニュース観んのか? ちょっと待て、俺も観るから」
そう言って手洗いうがい等をした後、俺の隣に座りニュースを見始めた。
俺の出ているところまでスキップボタンを押している父さんに、疑問を呈する。
「父さんが録画しといてくれたの?」
「ん? そうだけど、なんだ? お前見逃したのか?」
俺が答える前に「おっ、ここら辺だな」と言って父さんはテレビの方へ視線を戻す。
と、父さーーーーーーーん!! 信じてた、信じてたよ!!
俺の中で父さんの好感度が急上昇しつつ、俺もテレビへと視線を向ける。
たった数分程度だが、俺への賛辞を溢れんばかりに述べてくれていた。
そして丁度見終わった頃、脳内にピコンと電子音が鳴った。
俺はステータス画面を確認する。
◆雨夜 蒼
-基礎能力-
パワー:F
バネ:F
スタミナ:D
頭脳:F
テクニック:E
スピード:E
-特殊技能-
『秀才』
『勘lv2』
『終盤lv1』
『威圧lv1』
『空間認識lv1』
『レシーブlv3』
『スパイクlv2』
『トスlv2』
『ブロックlv2』-『ゲスブロックlv2』
『サーブlv2』-『ジャンプフローターサーブlv2』
-『ジャンプサーブlv1』
-称号-
『天才』
『麒麟児』NEW
『革命家』NEW
おお!! 久しぶりに見たけど、ちゃんと成長してる!
どうやら基礎能力の方も練度で多少は上がってくれるらしい。
まぁそれでもランクが上がる度に必要となる経験値と練度も上がっていくんだけどね。
でもこうやってちゃんと目で分かるのはモチベーションにも繋がるし、普通に便利だなぁ。
うんうん、と頷きながら自分の成長を噛み締める。
あ、なんか分かりやすくNEWって表記されてくれてる称号があるんだが、謎の通知オンはこれのため? えっ優しい。
優しさも噛み締めながら二つの称号の詳細を確認する。
称号『麒麟児』
・大成すると期待のもてる優れた若人が取得できる。
・特殊技能のlvが上がりやすくなる。
称号『革命家』
・不利な状況、又は一度負けたことがある相手に勝利すると取得できる。
・一度負けたことがある相手に勝利すると膨大な経験値を取得する。
おぉ! なんかカッコいい称号を頂きましたね。ありがたやーありがたやー。
麒麟児のlvが上がりやすくなるって、つまりこれは練度でってこと? そういうことだよね。
革命家の方は……これはまた使い所が難しい称号ですね。公式戦何回しかないと思ってるんだ。
あっ、練習試合でもカウントされるようです。やったね!
称号はなんか特殊技能に比べて後方支援って感じがするよね。いや特殊技能にもそういうのあるけど。
「二人ともご飯出来たわよー」
おっどうやらそろそろ夕飯の時間のようだ。
俺は立ち上がり台所に行き、母さんの作った料理を食卓に並べた。
練度は練習量みたいな、使えば使うほど〜みたいな、そんな感じです。ふわっとね!