「努力は必ず報われるという事を貴方が証明してみせなさい」   作:音﨑カラス

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もう2022年かぁ……前の投稿日おっと、誰か来たみたいだ

誤字報告あざます!! 業界用語疎いので助かります


15話

あの夏の公式戦、台北ジュニアが優勝常連クラブの天城クラブを討ち破り見事優勝を果たした。

 

それから雨夜率いる台北ジュニアが小学生バレー界の天下を取っている。

 

練習試合であっても負け無しであり、一年後の公式戦でまたもや優勝を果たし無敗を記録していた。

 

この無敗記録には雨夜の功績が大きいだろう。もちろん雨夜以外の台北ジュニアのメンバーも中々に強いと言える。バレーは一人では勝てないのだ。

 

そして二年後、雨夜は六年生になりクラブのキャプテンを任された。

 

優等生の印象が強い雨夜だが、意外にもキャプテンという肩書きをめんどくさそうにしていた。彼曰く、「キャプテンってなんか忙しそうだし……」とのこと。

 

彼が思っているほど別に何かするわけでは無いし、お前はそのままでもキャプテンとしての役割は果たしていると伝えたところ、「あっそうなの? 良かった〜」と落ちた気分が戻ってくれた。

 

キャプテンの役割といえばチーム全体をまとめることが主な仕事である。雨夜は別にそういうつもりで行動しているわけではないと思うが、雨夜がバレーで輝けば輝くほどチームの士気も上がり結果的にはチーム全体がまとまっているので、キャプテンの役割は既に果たしているといってもいいだろう。

 

そして今年も夏がやってきた。

 

予選を難なく潜り抜け、全国の舞台へと足を踏み入れる。

 

一回戦、二回戦と順調に駒を進めていき、遂には準々決勝、準決勝、そして決勝の場へ辿り着く。

 

今年の決勝の対戦相手は昨年も一昨年も当たらなかったチームであり、未知の強敵だ。

 

だがそれでも雨夜率いる台北ジュニアは止まらない。一進一退の攻防戦の末、雨夜の強烈なスパイクで第3セットを制し台北ジュニアが勝利を掴んだ。

 

敗者は悔しげに顔を歪め、勝者は満開の笑顔で勝利を分かち合っている。

 

台北ジュニアに入って四年間、雨夜は公式戦三連覇を達成しその間なんと脅威の無敗記録をもこの世に刻んだ。

 

数多くのバレーファンがその偉業を成し遂げた少年の今後に注目している。一体これからまたどんな偉業を成し遂げるのか、多くの者が期待を寄せる。

 

遂に雨夜は小学校を卒業し、中学校の舞台へと上がろうとしていた。

 

雨夜はどの学校に入学するのか、はたまた何処かのクラブに入るのか、誰もが関心の目を向けていた。

 

 

 

 

 

だがその期待を裏切るかのように雨夜はバレー界から姿を消したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

影山飛雄の小学生最後の公式戦、影山が所属するリトルファルコンズは着実に勝利を重ねていき遂には決勝戦へと到達した。

 

次の対戦相手を確認し、病院の日で準決勝戦に来れなかった自分の祖父である一与さんに決勝進出の報告をしようと、影山は早足にその場を後にし自分の家へと向かった。

 

「それで飛雄、決勝戦の相手はどのチームなんだい?」

「だい……きた? ジュニア」

「だいきた?……あぁ、台北ジュニアね、やっぱりか」

「?」

 

決勝戦の相手を報告したが、やはりかという一与さんの反応に影山は頭に?を浮かべる。

その影山の反応に一与は口元をニヤつかせながら次の対戦相手である台北ジュニアについて教える。

 

「去年と一昨年の優勝チームであり、今大会の優勝候補だよ」

「優勝候補……」

「噂で聞いたんだけど、確か『雨夜』って子かな? その子がとても強いらしいよ」

「強い……!」

 

強いと聞いて途端に目を輝かせる影山。一与さんが前に言っていた『強くなれば絶対に目の前にはもっと強い誰かが現れる』という言葉が頭の中に浮かび上がる。影山は強い相手と戦えることに喜びからか打ち震えた。

 

その様子を見た一与は影山の頭を一撫でし、今晩の夕食である準決勝祝いと決勝戦の応援を込めた影山の好物である『ポークカレーの温卵のせ』の準備に取り掛かる。

 

「決勝戦は観に来れる?」

 

そう調理中の一与の後ろから影山は声を掛けた。一与はにっこり微笑み、サムズアップをしながら決勝戦は観に行ける旨を伝える。

その返事に満足した影山は、試合後にも拘らずバレーの自主練を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

決勝戦当日、試合開始のブザーと共に台北ジュニアのサーブから始まった。

 

第1セットの序盤からこれまでの試合よりも激戦が繰り広げられていた。

 

先にセットポイントを掴んだのは挑戦者であるリトルファルコンズ。鋭いセットアップで点を制し序盤から台北ジュニアを圧倒していくが、残り一点というところで台北ジュニアが怒涛の追い上げを見せてきた。

 

二点というところまで追い上げられたが、なんとか一点をもぎ取りリトルファルコンズが第1セットを獲得した。

 

そして迎える第2セット。今度は台北ジュニアがリトルファルコンズを圧倒していく。先程の勢いはまだ衰えておらず、セットポイントとなる強烈なスパイクが叩き込まれる。

 

そのまま一点は取り返すものの、第2セットは台北ジュニアの手に渡った。

 

影山はおそらくだが先程の強烈なスパイクを打った選手が、一与さんの言っていた『強い』奴だと今更ながら理解した。

 

改めてその『強い』奴の方へと目を向けると、一瞬、青みがかった黒い瞳と目が合う。ほんの一瞬だったが、その目から形容し難い異質な威圧感を感じ取る。

 

影山はその威圧感からか、『勝ちたい』と闘争心が刺激された。

 

第3セットは、先制点は台北ジュニアに渡ったもののそこから一点差の接戦が続いていく。

 

カウント26-27

 

そこで相手チームの選手が渾身のスパイクを打ち込まれ、第3セットも台北ジュニアが制し、今大会の優勝チームが決まった。

 

台北ジュニアはこれで三連勝となり、チームも観客も一気に湧き上がる。

 

勝者は喜び合い、敗者は悔しさに顔を歪め涙を流す者もいる。影山も悔しさを潰すように手を力一杯握りしめる。

 

 

 

 

 

そんな大会の帰り道、俯きながら歩く影山に一与は優しく声を掛けた。

 

「強くなればまた会える。次会ったときはリベンジだね」

 

その言葉に影山もやっと顔を上げ、コクと頷くことで返事を返した。

 

影山は一与さんの言葉を受け止め、今一度『強くなる』と心の中で誓った。




これで小学生編も終わりです。完全なる空想ですが、なにか間違った点があれば教えてくれると多分恐らくきっと直します。ふわっと読んでくれよぉ!!
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