「努力は必ず報われるという事を貴方が証明してみせなさい」 作:音﨑カラス
女神さんから背中から蹴り落とされてからすぐに俺は目を覚ました。
案の定というか転生していた。
だがしかし、だがしかしだ。俺は今、転生あるあるの中でもかなり厄介なものを引き当ててしまったらしい。
「オギャー」
俺は赤子にしては可愛らしくない産声をあげた。
そう、俺が産声をあげた。
どうしてこうなった。
まさかの赤ちゃんプレイである。
やはり未だにあの女神さんは俺の生前の行い(何も行っていない)に怒っているのだろう。
くそっ! あの時誠心誠意土下座を決め込んでおくべきだったか……。
「オギャー……」
俺はまたもや可愛げのない声をあげた。
あれから数年の月日が経った。
え? 赤ちゃん時代のことはどうしたって?
おまっ、マジ? 俺がオギャーオギャー鳴いてた時代見たい? 見るに耐えられないと思うよ?
まっ、そのことはご想像におまかせしときますね。
話を戻してどのくらいの年が経ったのかというと、俺が小学生になった頃と言っておこう。
俺が小学生になってようやく例の転生特典が使えるようになった。
実際にご覧に入れよう。
◆
-基礎能力-
パワー:G
バネ:G
スタミナ:G
頭脳:F
テクニック:G
スピード:G
とまあこんな感じのステータス画面だ。
説明書の通りだと、G、F、E、D、C、B、A、S、SSの9段階評価らしい。
頭脳以外最低評価だがまぁ小学生なんてこんなもんだろ。
あっ、ちなみに頭脳のステータスは学力は関係がないらしい。ここテストに出るぞ。
「まぁ蒼ちゃん、また満点とったの」
母さんがそう言いながら俺の頭をよしよしと撫でた。
前世の記憶のある俺からにしてみれば、小学生の問題に躓くことはない。
そして今世は特典のおかげか物覚えがものすごく良い。瞬間記憶能力持ってんじゃないかってくらいには。
そんな俺は勉強が面白いと思える様になった。びっくりだって? 俺が一番びっくりしてるよ。
勉強が面白くて毎日趣味の様に励んでいたらいつに間にか高校の問題集をやっていた。
しかも高三、そろそろ大学生である。摩訶不思議アドベンチャーですね。
ピコン♪
うん? 何やらステータスから通知が来てるな。
※一定の基準をクリアしました。
※特殊技能『秀才』を取得しました。
「はい?」
つい驚いて俺は疑問を口に出してしまった。
「どうしたの?」
目の前にいる母さんが心配そうな顔をして聞いてきた。
「あいや、なんでもないよ」
俺は咄嗟に誤魔化した。
危ない危ない……流石に母さんから奇異の目で見られるのはいただけないからな。
俺は一旦落ち着いてまたステータス画面を開いた。
◆雨夜 蒼
-特殊技能-
『秀才』
ステータス画面に新たな欄が出来ていた。
特殊技能……そういえば女神さんがそんなことを言っていたような気がしないでもない。
俺は『秀才』の詳細を調べた。
特殊技能『秀才』
・経験値の取得量が倍になる特殊技能である。
・能力上げの際には通常よりも経験値を使わなくて済む。
なるほどんぐり、かなり良い特殊技能だということは分かった。
俺は心の中で歓喜した。
特殊技能とかいう奴は何か一定の基準をクリアすると自動で手に入るらしい。
ふっふっふ、そうと分かったら色んな事に挑戦してみようではないか。
何してみようかな? 勉強の次と言ったらやっぱ運動かな? ちょっと後で両親に相談してみよう。
あの後すぐに両親に相談したところ、父さんからバレーを教えてもらう事になった。
どうやら父さんは小学中学高校大学とバレーをやっていたらしい。
俺が運動がしたいことを告げると父さんはめっちゃ喜んでくれた。
どうやら勉強ばかりしていたから運動には興味がないのかと思われていたらしい。
安心してくれ父さんよ。息子は文武両道を歩むからよ。
今思えば俺がバレーをやるのは必然の様に思える。確かバレー漫画の世界だし、ステータス画面の基礎能力を見れば明らか。逆にどうして今まで気づかなかったんだとさえ思ったよ。秀才とは如何に……
「ほら蒼! 全体を使え!」
今は父さんとレシーブ練習。
父さんが言うにはバレーはレシーブがかなり重要とのこと。まぁ全部重要ですけどね。
父さんの教え方は的確で分かりやすい。良い父を持ったものだ。
あれから一ヶ月はずーっとレシーブの練習。俺も特典のおかげかかなり上手になっている。
「よしよし、レシーブはかなり上手くなったな。異常な程にな! はっはっは!」
父さんは息子の異常な程の成長スピードに声を大にして笑った。
……確かに小学生が一ヶ月で出来るものじゃないだろう。まぁあれだよね、ご愛嬌だよね。
「もしかしたらうちの子は天才かもしれんな! いやー嬉しいもんだなぁ」
父さんは腰に両手を当てまた声を張り上げながら笑う。
ピコン♪
何やらステータスから通知が来たようだ。
俺はステータス画面を開く。
※一定の基準をクリアしました。
※称号『天才』を取得しました。
どうやら称号というものを取得したようだ。
称号……うん、女神さんがなんか言っていたような気がするな。
俺は『天才』の詳細を調べた。
称号『天才』
・幼い頃から才覚を表すと取得できる。
・特殊技能が取得しやすくなる。
なるほドードリオ、またまたかなり良さげなのをゲット出来たようだ。
「おーい蒼? どうしたんだボーッとして」
「あ、いやなんでもないよ。うん」
突然ボーッとし出した俺に父さんが心配をする。
この前気をつけると言ったばっかりなのに……どうにかなんないかな。
「そうか、それじゃ次はトスの練習だな!」
その後も俺は父さんにバレーの基礎を教えてもらうのだった。
主人公の性格が定まりません。彼は今成長期です。