転生したら兎だった上に竜と家族になっちゃった件 作:謎の人でなしZ
「機嫌直してくださいよー。こうやって助けてあげたじゃないですかー」
「………」
上の方からそんな声が聞こえてくるが無視する。現在俺は非常に不機嫌なのだ
その原因は俺を抱いている少女――ヴェルセリアことリアが原因である
「いやーそれにしても面白かったですねー。『リア様』、でしたか?……フフッ」
「……………」
クスクスと笑い声を漏らすリア。そんなリアに抱かれながら俺は決意する
――必ず、必ずこの借りは倍にして返してやる!!!!
ああやってやるとも!なんたって俺には最高の相棒である『
《告。不可能と判断します。諦めてください》
「なんでだよ~~!!!??」
「いきなり叫ばないでくださいよ。落ちたらどうするんですか」
『次元之神』のまさかの裏切りに俺が絶叫を上げリアに注意されてしまった
「さて、そういうわけで無事二人とも地上に戻ってきたわけですが」
「俺は死にそうだったけどな」
「結果良ければなんとやらです。それよりもどこに降りますか?」
「そうだな~……」
俺たちは現在広大な森の上を飛んでいる。見渡す限り森の端は見えないのでかなり広範囲なのだろう
出来れば街や村などで食料や情報、そして宿などを見つけたいところだけど……
(『次元之神』、この近くに街か村ってある?)
《告。周囲の捜索を開始します………発見しました。南西に3キロの位置にゴブリンの集落が存在しています。そこが現在地から最も近いです》
(ゴブリン?)
《ゴブリンとは肌が薄緑色で、魔物の中でも下位の存在です。更にゴブリンは仲間と共に集落を結成しています。情報は望めないかもしれませんが、上手くいけば一晩は雨風を凌げるかと》
(成程……ゴブリン達がどういう性格かは分からないけど、同じ魔物だし助けてくれるかも)
それに今の俺は人畜無害、ただの可愛い兎だからな!!
《解。今のマスターを人畜無害というには無理があると考えます》
『次元之神』がなにか言っているが気にしない。誰がなんと言おうと俺はごく普通の兎なのだ!!
「よし……リア、ここから南西の方向にゴブリンの集落があるらしい。今日はそこに泊まらせてもらおう」
「ゴブリンですか……いいですよ。でも、もしも私たちに危害を加えようとするのなら……ウフフフフ」
「物騒なのはやめてな?」
俺たちお願いする立場だからね?分かってる?
今もなお笑っているリアに少しの不安を抱きながらも、俺たちは南西のゴブリンの集落に向かった
~~~
―ゴブリン村
「リムル様……この気配は……」
「ああ、ベニマルも気づいたか。何かは分からないが、ヤバい奴がここに近づいてきている……いや、ここが目的地っぽいな」
大きなテントの中で真紅の髪と瞳をした、漆黒の2本角を持つ身長180センチ程の美男子――ベニマルと呼ばれた青年は、目の前の薄青色の長髪をたなびかせる少女とも少年ともとれる顔つきをした人物――リムルに額に汗を滲ませながら現状を報告している
リムルもベニマル同様に少し焦った顔で頭を抱えている
「……不味いな。まだ
「……失礼を承知で申し上げますが……今回の相手はいくらリムル様といえども………」
「勝ち目はない、か」
ベニマルはうつむく。『大賢者』によるとここに向かっている奴には俺やベニマル達が本気で戦ったとしても万に一つも勝つ可能性はないらしい
そんな存在がなぜこんな村に向かっているのかは正直分からないが、このまま黙って怯えているわけにもいかない
「ベニマル、他の皆は?」
「ハッ!シオン、シュナは女子供の避難の誘導、ソウエイは敵の動向を探っており、ハクロウはクロベエ、リグル、ランガ、カイジンと共に戦闘準備をしております」
ベニマルの報告に俺は頷く
「よし。シオン達にはそのまま誘導を継続させろ。皆の避難が最優先だ。ソウエイにはあまり無茶をするなと伝えてくれ。ベニマル、お前はこの後ハクロウ達と合流して戦闘準備を整えろ。配置はお前に任せる」
「承りました」
「頼んだぞ。俺も準備が出来次第、直ぐに向かう」
「ハッ!!」
ベニマルはそういうと俺に一礼をしてテントを出て行った。俺はもう一度大きなため息をつき、天井を見上げる
「死んでスライムに転生したと思ったら、竜と友達になってゴブリンと牙狼族を和解させて、ドワーフの国に行ったら裁判にかけられて、シズさんの思いを受け継いで、ベニマル達
けど、まあ……
「せっかく作った俺たちの居場所を、そう簡単に壊されてたまるか」
俺はカイジンとクロベエに特注で作ってもらった刀を持ち、テントを出た
――刹那リムルの目の前に何かがものすごいスピードで地面に激突した
「うわっ!?な、なんだ!?」
瞬時に後方に下がり、刀に手をかけて困惑の声を上げる
辺りに立ち込めていた土煙もやがて晴れていき、やがて飛来した何かの全貌が明らかになる
果たしてそこにいたのは………
「……う、兎?」
地面に作られた大きなクレータの中心で、頭部を前脚で抑えながら悶絶している一匹の白い兎だった
~~~
「うぐぉぉぉぉぉぉぉッ……あがががががが………ふー……ふぉぉぁぁぁぁぁぁぁ……!?」
痛い!あ、頭われてないよね?大丈夫だよね?
《告。本体へのダメージはゼロです。そもそも今のマスターの身体ではこの程度の攻撃ではかすり傷一つ負いません。つまりマスターの気のせいです。いつまでやってるんですか》
な、何を……現に今も頭が割れそうなくらい………割れ…そう……アレ?
「全然痛くない?」
《ですからマスターの気のせいです》
「……『次元之神』も気楽に俺に話しかけてくれるようになって嬉しいよ」
《………マスターの気のせいです》
お、これは照れてるのか?なんとなくだけど『次元之神』から羞恥の感情を感じる!
《……それよりも、リアがもうすぐ到着します。先に交渉を行った方がよろしいかと》
「あっ!そういやリアの奴、いきなり『交渉は任せました。ではいってらっしゃい♪』とか言ってぶん投げやがって!!」
《中々画期的な移動方法でした。これから緊急時や時間がない時などはこの手段を推奨します》
「いや無理だからね?身体にダメージはなくても精神がゴリゴリ削られるからね?」
俺気絶するかと思ったよ?というか『次元之神』ってリアに甘くない?
《そんなことはありません。私はマスターだけに従います。私はマスターだけのものです》
「お、おう……ありがとう?」
《いえ、私はマスターの『相棒』ですから》
な、なんだろうか?『次元之神』がグイグイくるぞ……なんか恥ずかしい……
《マスター》
「おう!?ど、どうした?」
《周囲に生命反応あり。数は複数。警戒してください》
「はい?」
『次元之神』の言葉に俺は首を傾げ、とりあえず首を巡らせる
すると俺を中心に周りは棍棒を持ったゴブリンや角が生えた狼に囲まれていた。そして俺の正面には額から角が生えている青年、美女、老人がいて、その中心に薄青色の長髪の子供が俺を見つめていた
その全員に共通していることは、各々が棍棒や刀、大剣を構え、俺を威嚇したり、警戒したりしている。中でも角が生えている人たちがヤバい。なんかすっごく俺を睨んでいる
静寂が支配する中、現状を理解した俺は、深い息を吐きながら正面を向き片方の前脚を上げる
「……は、はうあーゆ?な、ないすとみーとぅー??」
「何を言ってんですか、あなたは」
《………ハァァァァァ》
そんな俺の言葉に対し、翼を羽ばたかせながら隣に降り立った
いや、俺悪くなくね!?
サブタイトルは気にしないでください……
誤字・脱字・評価お願いします
アレンとリアを今後どうするか
-
リムルと共に原作を突っ走る!!
-
自由に放浪し、二人で気ままな旅を……